『豚の帽子亭』in 冥界   作:けし

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あまり間を空けずに投稿→続かないというジンクス。
別に、打ち破ってしまっても構わんのだろう?(大嘘)

キャラの喋り方が不定。コレでいいのか。(コレでいいのだ)



2,紅髪 in 『豚の帽子亭』

その後「豚の帽子亭」に帰ってきたメリオダスは、とりあえず黒歌たちをその辺りの椅子に座らせて、買ってきた薬をエリザベスに与えた後、その薬を黒歌たちへ与えた。

 

「ほれ、これ塗っとけ。気休めにしかなんねーだろうけどな」

「あ…ありがとにゃ」

 

他人に優しくされるのに慣れていないのか、少しあたふたして受け取る。その薬を白音と自分に塗ってから、メリオダスは問いかけた。

 

「んで、お前ら何やってたんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………という訳にゃ」

「なるほど……」

 

黒歌たちの身の上を聞いたメリオダスは考え込む。

 

「で、お前らはこれからどうするんだ?」

「傷が治り次第ここを出て旅をするにゃ。はぐれになってしまったからには私たちはお尋ね者。一つどころには留まれない」

「まあ、そうなるわな」

 

神妙な雰囲気が流れる。しばらく沈黙が続いて、双方何を言おうか考えていた時、奥の扉から我等が残飯処理騎士団長ことホークが現れた。

 

「ぶ…豚?」

「ん?見ねぇ顔だな。まあいいや、なんの話してんだメリオダス?」

「しゃ、喋ったぁ!!?」

 

そりゃ驚くだろう。人語を話す豚なんて生きててお目にかかることはまずないだろう。

 

「一々驚くんじゃねえ豚野郎ども!」

「…喋る豚なんていたんだ……」

 

あまりの動揺に語尾が普通になっていることに気づかない黒歌。そんな反応にメリオダスは思わず笑ってしまった。

 

「にししし。俺の店の看板豚だ、美味そうだろ?」

「おうとも!看板豚のホーク様だぜ!って俺を食う気か!?」

「ん?お前は俺の非常食兼看板豚だからな」

 

「んだとぉ!!」というホークの反論とともにヒートアップするメリオダス達。気づけば黒歌は白音の横でぐっすり横になっていた。

 

「ありゃりゃ。寝ちまったか」

「メリオダスどーすんだよコイツら。追い出しちまうのか?」

「傷が治るまでは放置だな。エリザベスが治ったら決める」

「そういやエリザベスちゃんの具合はどーなのよ?」

「大分落ち着いたぞ?人の傷はバリバリ治すのに、自分のは治さねーんだからな」

 

そう言って笑うメリオダス。買ってきた資材を物置にドガっと突っ込んで、店内の明かりを消す。

 

「じゃあホーク、俺は寝るぞー」

「ああ寝やがれこの変態店主」

「おやすみー」

「え?スルーしちゃう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

朝、という概念はこの場所には薄い。一般に冥界と呼ばれることをメリオダスが知ったのは少し前の話だ。悪魔やその他の種族のことを知ったのも同じ頃だった。聞くところによると、悪魔という種族は吸血鬼ほどではないにしろ日の光に弱いらしく、その為冥界は太陽がない世界であるらしい。よって、朝昼夜を判断するには(体内)時計しかないのが現実だった。

 

「う……んっ。ふう、じゃあいきますか」

 

こうして、豚の帽子亭の1日は始まる。

 

 

 

 

「あ、おはようございます、メリオダス様!」

「ん?おはようエリザベス。体調はもういいのか?」

「はい!一晩休んだら治りました!」

「ほう?どれどれ、俺がチェックしてやろうじゃないか」

「ひゃんっ!メ、メリオダス…様っ!?」

「やめれーっ!?このど変態の豚野郎っ!」

「ほ、ホークちゃん!」

 

メリオダスの執拗なボディタッチ(本人曰く「ただのスキンシップだって」)を制裁し、ホークは器用にメリオダスを縄で縛り上げる。

 

「エリザベスちゃん、何かあったらコイツ殴っていいからな」

「わ、私は…別に」

 

そう言って顔を赤らめるエリザベス。2人が互いをどう思っているかはこの行動だけを見ても明らかではある。と言うよりもこの2人の場合、そう運命づけられていると言った方が正しいのかもしれないが。

 

「ホークー、エリザベスー、ここルシフォードの近くみたいだし、とりあえず店の準備だ」

「は、はいっ」

「おうよ!」

 

豚の帽子亭、営業開始である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから夜まで、休憩を入れながら働き続け、ようやく閉店を迎えようとした時のことだった。

 

「エリザベス、お疲れさん」

「はい、そちらこそお疲れ様でした。ホークちゃんもね」

「うおりゃああぁぁ!よし、舐め残しなーし!オレサイコー!」

 

完全にオフモードに入っていた時に、店のドアが開く。

 

「まだやってるかい?」

「ああ。ま、閉店間際だから酒しか出せねーぜ?」

「構わないさ。しかし、いつここに酒場なんてできたのかな?」

「ん?知らねーのか?ここは移動酒場『豚の帽子亭』だぜ?」

「ほう、移動酒場かい。それは面白い。それにこの酒美味いな!」

 

その艶のある髪は紅く、ガタイのいいその青年は、渋い声でそう言う。まるでどこかの王のようなカリスマを感じさせる雰囲気ではあるが……、その顔はとても疲れ切っているように見えるのが印象的だ。

 

「その酒は『バーニャエール』つって、コクの強さが売りの一押しエールだ!」

 

自慢気にメリオダスはそう言った。ここにある酒は全てメリオダスの好みで選んでいるものだが、どの酒を出しても受けが良く、酒のセンスだけは超一流のようだ。料理は残念だが。

 

「ふう、いや美味しかったよマスター。また来るよ」

「おう」

 

紅髪の青年はそう言って店を離れた。飲んだ酒はバーニャエール一本。時間にして40分ほどだっただろうか。メリオダスは紅髪の青年を思い出しながらこう言った。

 

「なあホーク、あいつどっかで見覚えねーか?」

「どうしたよ藪から棒に?……オレは知らねーぞ」

「……気のせい、か」

 

ジョッキを全て閉まって、近くのイスにどかっと座り込む。

 

「メリオダス、お前あの2人は?」

「……いけね、忘れてたわ。エリザベス、ちょっといいか?」

「はい?」

「実はな、かくかくしかじかでな…」

「エリザベスちゃん分かったのか?」

「分かりました!任せてください!」

「え!?分かっちゃったのエリザベスちゃん!?」

「にしししっ。当然だぜホーク?なんつったって俺たちは」

「もうええわ!!」

 

漫才師並のツッコミでその場を切り抜けたホークはとんとこと部屋を戻っていく。

 

それを見届けたメリオダスはエリザベスと共に二階へ登り、黒歌たちが寝ている部屋に入る。

 

「よ!お前ら起きてたのかよ。言ってくれりゃ飯くらい持ってったのによ」

「あ、あなたが助けてくれたんですか…?」

「そうです俺が助けました」

「ありがとうございました…」

「礼なんていらねーよ。それより傷の具合はどうだ?痛むか?」

「はい…まだ少し痛みますが、もう大丈夫です」

 

既に白音が目を覚ましており、後遺症の類もないことを確認する。軽い怪我はある程度治っているようだが、まだ身体は自由に動かせないようだった。

 

(ただの傷薬だったよなアレ?効きすぎじゃねーか?)

 

冥界の傷薬はどうやら"kizugusuri"だったらしい。

 

「まだ痛むか、じゃあエリザベス、頼む」

「はい」

 

そう言って、エリザベスは白音に手をかざす。その瞬間、白音が白い光に包まれ、光が収まった時には傷一つない白音がいた。

 

「今のは……一体?」

「今のはエリザベスの魔力だ。高位の治癒魔力で、瀕死の重傷でも綺麗さっぱり元どおりになるんだぜ?」

「す、すごい!」

 

この少年もだが、隣の少女にも驚かされっぱなしだ。黒歌は素直にそう思った。

 

「ほれ黒歌。お前も怪我してんだろ?魔力までは元どおりにはできねーが、まあ勘弁してくれ」

 

他人の魔力が流れてきていると言うのに自身の気が一切乱れない事に驚きながらも、その治癒を受ける。自身で受けてみてさらにびっくりしていた。

そんな時、メリオダスが話の口火を切った。

 

「さて、これからお前らどーする?この前言った通り旅をするのか、それともここで働くか。どっち選ぶ?」

 




紅髮とは一体誰なんだー(棒)

基本はこんな感じだけど、たまーにシリアスになるかも知れないという圧倒的な不安定さ。

………大丈夫だよね?
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