『豚の帽子亭』in 冥界   作:けし

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最近急に暖かくなりましたね。季節の変わり目は風邪を引きやすいので、皆さんお気をつけください( ̄▽ ̄)



4,無限 in 『豚の帽子亭』

『豚の帽子亭』。ここ最近冥界の一部で知名度を上げつつある移動酒場だ。悪魔にとって物珍しい酒やおつまみがあり、下級悪魔にとっての憩いの場になっているという。

 

 ただ、いつどこに現れるかは決まっておらず、近くに現れるかどうかは運次第という酒場でもある。もちろん、ある程度力を持った悪魔ならば魔力を辿れるのだが、メリオダス達の魔力はこの世界の理からは外れているために感知できない。

 

 しかし先日、『豚の帽子亭』は黒歌と白音という新たなウェイトレスを迎え入れた。彼女らは悪魔であり、なおかつその中でも特殊な猫魈という種族なので、その変わった魔力を感知するのはそう難しくない。

 

 という訳で、移動先でその存在を察知した多くの悪魔が訪れるようになった。コレに関しては、以前のようにビラ配りをしなくても済むので、メリオダス達的にはいい事だった。

 

 そんなこんなで、今日も『豚の帽子亭』は開店する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 からんころんとこの前エリザベスが街の雑貨屋で買ってきたという可愛らしいドアベルの音が響いた。昼時ではあるが、悪魔的には一番身体がダルい時間帯にわざわざ酒を飲もうとする者がいるらしい。悪魔でもなんでもない(むしろ悪魔の上位互換)メリオダスは、ドアの方を見て、「いらっしゃい」と言おうとした。

 

「ん。ここ、いい匂い」

「…………」

 

 そこに居たのは、ゴスロリの服を着た幼女だった。明らかに酒を飲む年齢で無いのは一目でわかる。だがメリオダスの興味を引いたのはそこではなく。

 

「…なるほど、そんな衣装もアリだな」

 

 その幼女が着ている服。ある意味幼女だからこそ許される露出は、メリオダスのインスピレーション()を刺激した。このゴスロリ服をエリザベスに着せたら…。

 

『メ…メリオダス様……、どうでしょうか……?』

 

 アリだな。鼻から垂れて来る鼻血を闇の力で止め(無駄遣い)、さらに妄想を膨らませる。この服は今のエリザベスだからこそ映える。頬がリンゴのように真っ赤に染まり、恥ずかしそうにこちらを見てる姿を幻視して、メリオダスは自分にゴーサインを出した。

 

 それはさて置き、ここは酒場であるから、間違っても子供が来るようなところでは無い。容姿的にはメリオダスはブーメランだが、年齢的には関係ない。目の前の子供は明らかに普通ではないが、とりあえずメリオダスは、その年齢に対するやり方で対応することにした。

 

「どうした?もしかして迷子か?」

「違う。我、迷子じゃない」

「じゃあ何なんだ?」

「お前強い。我に力、貸して欲しい」

 

 どうやらこの幼女、見た目で年齢を判断してはいけない類の存在らしい。メリオダスが言えたことではないが、この幼女、只者ではない。

 

「つーかお前なんだよ?名前は?」

「我、オーフィス」

「オーフィス?知らねーな……」

 

 当然ではある。なにせメリオダス達はこの世界に来て日が浅い。と言うよりもこの世界のことを知ろうとはしないのだ。「酒場をやるのに変な先入観は無用だ」とは彼の弁。もしオーフィスの事を知っていたら大層驚いただろう。オーフィスとはすなわち「無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)」だ。ヒエラルキーの頂点、最強の存在だ。メリオダスの世界でいうところの魔神王や最高神の様なものだ。

 

 当然、その無限の力のことをメリオダスは直感で察した。コイツはヤバい、と。

 

「…………」

「…飯食うか?」

「ん」

 

 とりあえず敵意はない様なのでご飯を与えてみる。幼女相手に効く、いわゆる餌付けだ。オーフィスは永い時を生きるドラゴンではあるが、あまりに強すぎるが故に純粋無垢だ。その点では幼女と変わらない。ちなみに与えたのはホークに与えたのと同じ残飯。メリオダスは鬼か(いや魔神です)。

 

「(バクバクムシャムシャ……)………、うまい」

「(!!?)お、そいつは良かった…(汗)」

 

 久しぶりに冷や汗をかいたメリオダスだった。一方でホークはというと。

 

 

「!!?…新たなライバル(仲間)出現の予感……!」

 

 人知れず戦慄していたとかなんとか。

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 その後何故かオーフィスは『豚の帽子亭』に居座る様になった。メリオダスとエリザベスは兎も角、ホークからしてみれば残飯を喰らう新たなライバル兼残飯処理騎士団の新団員(ニューカマー)な訳で、先輩風を吹かせていた。生きた年数で言えば如何足掻いても勝てないのに。

 

 そんなオーフィスの正体はここ最近ちょくちょく顔を見せる様になった堕天使総督アザゼルからメリオダスは聞いた。無限の龍神とはまた大層な名前だなと思っただけで、その力は恐らく魔神王と同格と結論づけた。

 

 それはそうと、そのアザゼルが最近寄越したアイテムの中にメリオダスの興味を引いたものがある。どこで○ドアの形をしたアイテムで、扉を開けると別の場所に繋がるというものだ。人間界の存在を知ったメリオダスは、かつてのブリタニアを実質的に支配し、しかし他の種族より脆弱だったにも関わらずここまで繁栄した人間の観察と、それに資材調達も兼ねて人間界に赴く事にした。今回はメリオダス一人。危険を考えてのことだ。

 

「そんじゃ、行って来るぜ」

「はい、行ってらっしゃい!」

 

 ホークは残飯消化の為に昼寝をしていて、黒歌と白音は疲れ果てて休憩。オーフィスは一番上で本を読んでいたので、見送りはエリザベスのみ。だが、メリオダスにはそれで十分だ。

 

 色まで揃えられたそのど○でもドアのドアノブを回して、扉を開く。その先がどこに繋がっているかは、誰にもわからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 ガチャ。

 

「さてさてさーて、ここはどこだ?」

 

 そう言って周りを見渡すと、どうやら建物の中だ。ただ、明らかにおかしいのは。

 

「「君(おまえ)は……!!」」

「お、アザゼルと……なんつったっけ?」

 

 今や常連となったアザゼルと、疲れた顔が印象的だったあの紅髪の好青年がいて、その隣に天使のような白い羽根を持つ男性がいた。

 

 






無限さんは初めからゴスロリ着てる設定です。
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