気づいたらUAが6000近くに…!お気に入り件数も増え、嬉しい限りです。
酒場オンリーの日常系で行こうと思ったのですが、それではどう頑張っても立ち行かなくなるのでこうなりました。
これからも、『豚の帽子亭』 in 冥界をよろしくお願いします。
駒王学園と呼ばれるその学校は、つい最近男女共学になった元女子校の私立学園で、その名残からか、生徒内の女子率が高いことで知られる。比較的偏差値も高めで、その辺りでは中堅の進学校だ。
と言うのは表の顔で、実際は悪魔が運営する学園だ。駒王町という地域を含めて支配する悪魔の一族であるグレモリー家により運営される。その為か、生徒の一部に悪魔が混ざっていて、その辺りの事情に通じてる者もいるという。
霊脈が通っているのか、他の三大勢力も潜んでいるらしく、小競り合いが絶えないというが、それは別の話だ。
さて今回は、そんな三大勢力御用達の土地、駒王町の駒王学園で、当の三大勢力が会談をしているのだった。
「では、会談を始めましょうか」
慈愛を感じさせる温和な声でそう言ったのは、ミカエル。
三大勢力の一つ、天界を率いるリーダーで、その背には幾重もの羽根がある。そのオーラには神々しさが見られるほどだ。
「ああ、そうだね」
そう低い声で言い放ったのは、サーゼクス・ルシファー。
三大勢力が一つ、冥界を率いるリーダーで、深みがある真紅の長髪が特徴的だ。また、あらゆるものを消し去る『滅びの魔力』をその身に宿し、それ故の圧倒的な力から、『
「さっさと終わらせちまおうぜ」
如何にもめんどくさそうにそう言うのは、アザゼル。
三大勢力の一つ、堕天使勢力『
堕天使とは、文字通りに天使が堕ちた存在だ。かつては彼も天使だったのだが………、とてもじゃないがそんな風には見えないのだから不思議である。まだ彼の側近である副総督シェムハザの方が、元天使と言われて納得できるだろう。
そんな彼らの話し合いの口火を切ったのは、ミカエルだった。
「さて、まずは確認ですが───、ここにいる者たちは全員、『神の不在』を認知している、という事でいいですね?」
その言葉に全員が頷く。この神とは、いわゆる『唯一神』のこと。キリスト教やイスラム教圏内で信仰の対象となっている創造主のことだ。この神は『聖書の神』と呼ばれ、三大勢力の中心的存在で、現在の『
「では、それを踏まえて会談を進めさせてもらおう───────」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
それから2時間ほど経っただろうか。サーゼクスを議長役に置いて進められ、挙げられていたいくつかの議題が消化され、会談にもひと段落がついた。残る議題はただ一つ。そのことは各々理解していた。だが、誰も言い出す事はしなかった。
三大勢力間に降りていた沈黙。それを破ったのは、突然現れたピンク色のドア。つまり、どこで○ドアである。
突然のことに呆気にとられるが、そこは流石リーダー。直ぐに戦闘態勢に入り、何が起こってもいいように警戒する。ガチャリ、とドアノブが回り、その扉が開く。
「さてさてさーて、ここはどこだ?」
中から出てきたのは、アザゼルの顔馴染みで、金髪碧眼の少年。最近冥界でちょっとした話題となっている酒場『豚の帽子亭』の小さな店主、メリオダスだった。
彼のことを知っているのは、この場にいる者の中でもわずかに2人。アザゼルとサーゼクスのみ。特にアザゼルは常連だ。しかもあのピンクのドア、よくよく見れば当のアザゼル本人がどこで○ドアをモデルに作り上げた、『
しかし、今はそんなことを気にしている場合ではない。三大勢力の会談に乱入してきた以上、テロリストとして扱われかねない。もちろんメリオダスにそんなつもりはないが、彼を知らない多くの面々にとっては、彼はまだ、敵だ。
「よ!アザゼル、ここがどこか教えてくんねーか?」
「あ、ああ、ここは駒王学園ってとこだが…、何しに来たんだよ」
「いやー、買い出しも兼ねて、ちょっとばかし人間界を冒険しようとな」
「はあ……。ハハ、ンだよそんなことかよ、ったく」
アザゼルの問いかけに対し、メリオダスが軽く返す。このやり取りは暗に、彼がテロリストでないと皆に知ってもらう意図があった。それを察したサーゼクスたちは、苦笑しながらも一先ず警戒を解くことにした。
「お、お兄様、この人は…?」
「ん?ああ、……そういえば僕も彼のことはあまり知らないな…。アザゼル、君は知っているようだったけど」
「おお、あいつはとある酒場の店主、メリオダスだ」
不思議なものを見る目を向けられたメリオダスは、それらの視線を敢えて無視した。そのままとりあえず自己紹介をする。
「メリオダスだ。ま、よろしく頼む」
片手を軽く振り、気さくな印象の挨拶をする。その挨拶をきっかけに、その場に降りていた重い沈黙は霧散した。後ろに控えていたリーダー以外の面々は、胸をなでおろして息を吐く。
別に油断していたわけではない。この場にいたのは各勢力の中心人物。三大勢力のトップだけでなく、存在そのものが注目される『二天龍』もいた。そんな会談が、狙われないはずもない。故に、それに対する警戒は、決して解いてはいなかった。
「え…………」
この空間全ての、時間が止まった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「これは……」
「全員の動きが……停まっていますね……」
「こいつは…、間違いない」
「おいおいおいおい、これって…」
各勢力のリーダーとメリオダスがそう口にする。
「てかメリオダス、なんでお前動けてんだよ」
「まあまあ、気にすんなよ。それよりもこれは…、時間停止か…?」
「分かんのか?」
「似たような事をやられた事がある」
メリオダスの脳内には、ブリタニア最強の魔術師が口元を歪めて笑っている光景が流れていたが、すぐに現実に復帰した。
「ふむ…リアスと赤龍帝、聖剣使いとリアスの『騎士』は動けているようだね」
「咄嗟に『
「ん?…なんかスゲーもんつけてんなアイツ」
たしかに、赤龍帝───兵藤一誠ことイッセーの左手に突如現れた真っ赤な籠手を見れば、そう言う反応はするだろう。
それに対する周りの反応は、突然の轟音によってかき消された。
ドドドドという絶え間ない砲撃は、人間世界の兵器の威力を軽く凌駕している。そんな攻撃に、建物が耐えられるはずもない。取り返しがつかなくなる前に、建物を覆うように結界が張られた。その瞬間にあらゆる攻撃から遮断され、揺れもなにも全く届かなくなった。
「ほほう、頑丈だなコレ」
「当然さ。仮にも三大勢力のトップが共同で張ってる結界だ。そう易々と突破されはしないさ」
三大勢力のトップが張った結界と、一魔術師が張った結界を比べられる辺り、その魔術師の力がどれほど化け物染みているかがわかる。
さらに、攻撃が途切れないのもそうだが時間停止の深度が深まっているのも問題だ。このままではこの場の全員が停止してしまうだろう。
「ふむ、これは多分、リアスの『僧侶』の神器の力か」
「多分な。強制的に
「……リアス。何か案はあるかい?」
「私の根城、旧校舎の部室に未使用の『戦車』の駒があります」
「…なるほど、『キャスリング』か…。それなら、奴らに一歩先んじる事ができる。グレイフィア、術式の準備を」
「かしこまりました。しかし、ここでは簡易的な物しか用意できません。そうなると、転移できるのは2人が限界になりますが」
「では…、リアスとイッセー君に任せようか」
「分かりました。私の愛する下僕を、取り返してみせます」
「は、はい!部長は必ず守ってみせます!」
イッセーとリアスはそう言って、用意された魔法陣の上に立つ。次の瞬間、溢れ出た光に呑まれて転移した。
駒王会談の中身が色々と崩壊しています。まあ、作者は原作あまり知らないわけだし、なるべく辻褄があうように作ったつもりですが……。
ご指摘あれば是非。