やりたくもない課題に追われる日々。あーさっさと大学行きてえ。
グタグタ不可避。いやもう、プロットなんてあってないようなものだネ!←文才なさ過ぎて現実逃避
夏休み間近となった町の商店街は、夏の熱気に負けないくらいの活気に溢れていた。あらゆる店のシャッターは上がっていて、いつもよりも更に賑わっていた。
「さてさてさーて、あの居酒屋は…と。──あったあった」
商店街のアーケード内に堂々と存在する居酒屋。時間は正午に近くなりつつあるが、それでも酒を飲むにはまだ早い。にも関わらず、その入り口にはすでに暖簾が掲げられていた。『豚の帽子亭』も基本的にこの時間から普通に営業しているので、それと同じ感覚で来たわけだが、どうやら間違ってはいなかったらしい。
堅苦しくも、汚くもない、大衆的な酒場である居酒屋としてはごくごく普通の入り口。だが、老舗のような、昔からここに居座る伝統を持つ店も同時に醸し出す入り口でもあった。
ガラララ、といういかにもな音を出してドアを開く。時間が時間なので当然ながら人はいない。閑古鳥が鳴いているその店内は、これからのピークに向けての準備中とも言える雰囲気が出ていた。
「おーい、おっちゃーん。いねえのかー?」
メリオダスの声が伽藍とした店内に響く。やまびこのような響きを残して声が消えた後、店の奥から、がっちりした体格に日焼けした肌、無造作に放置された口髭を持つ老人が出てきた。
「聞こえとるわ。なんじゃ、クレームか?」
重みを感じさせる声で男が返した。彼は、この店の店主だ。少しの不機嫌さを滲ませたその声は、だがしかし聞く者を不快にはさせなかった。
「いーや。この前ここで飲んだんだけど、忘れものしちまったみたいでよ。なんか置いていってなかったか?」
「お前さん…思い出した、ガキのくせにバカみたいに酒飲む小僧か。なんか妙にでかい紙袋があった気が…」
「お、それそれ。どこにあんだ?」
「少し待っとれ」
そう言って店の奥に消える店主。少しして、ビニール袋を持って現れた。
「これかの?」
「お、それそれ。悪ぃなおっちゃん。助かったぜ」
店主はそれに片手で答えて厨房へ戻った。あまり口数の多くないその性格もまた、この居酒屋の人気の一因なのかもしれないとメリオダスは思った。その事は思っただけで口には出さず、メリオダスもまた片手を振ってその場を後にした。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
その後、時間もあるので暇つぶしがてら街をぶらついていると、アザゼルから連絡があった。その中身は、
『リアス達が夏休みに冥界の実家に帰るらしいんだが、お前も来るか?ちなみに返事は3日は待ってやる。拒否権をやるだけありがたく思ってくれ。こっちも暇じゃなくてな』
とのこと。メリオダスにとってはぶっちゃけどうでもよかったのだが、せっかくなので次の移動先はその実家とやらの近くにしようと決めた。無駄に広い冥界ではあるが、よっぽどのものでない限り辺鄙な所で暮らしてはいないだろう。そう思ったのだが、それが間違いだと気付かされるのは、それから数日後のことだった。
その後も街を散策し続け、それにも飽きてきた頃には、陽が傾き始めていた。冥界と人間界で時間の進みに違いがあるのかどうかは知らないが、まあ多分同じくらいの時間だろうと思い、そろそろ帰る準備をする。そもそも忘れ物を取りに来ただけなのに、気づけばなかなか時間が経っていた。取ってきた荷物があるのを確認して、言霊を唱える。
「『
来た時と同様に、目も眩むほどの眩しい光に飲み込まれた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「──っ。ふう、戻って来たみたいだな、っと」
そばにあった『豚の帽子亭』を見て、帰ってきたことを確信する。結局一日中時間を潰した感じになってしまったが、気分転換ということで納得する事にした。
『豚の帽子亭』に戻ったメリオダス。『Close』の看板は出ており、既に店は閉めてあった。部屋に戻り、少し疲れた顔で横になるエリザベスを見て、今日の店番全てをエリザベスに押し付ける形になってしまっていることを思い出し、少々申し訳なく思っていた。
「気にしないで下さい。私だって、やるときはやるんですから」
「──!起きてたのかエリザベス」
「はい、起きたのはついさっきですけど」
「そうか…。ま、でも悪かったな。ほれ、お土産だ」
「きゃっ。…これは……?」
メリオダスから投げ渡された紙袋(○オンと書いてあった)を開けて中身を見る。
「メリオダス様、これは……?」
「にしししっ。さて、なーんでしょ?」
エリザベスが紙袋に手を突っ込んで、中の物を取り出す。その手には、黒い布が握られていた。
「エリザベスにも少ーし大人っぽさが必要かなーと」
「もう、メリオダス様ったら!」
言わずもがな、それはレースがふんだんに施された黒い下着。純真無垢なエリザベスの白い肌を覆う黒い下着。
「やべ、鼻血が」
メリオダスがそばにあったティッシュを何枚もとって鼻に詰める。最近多くないか?こんな光景。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
それから数日。相も変わらず『豚の帽子亭』は賑わっている。少し変わった事と言えば、店の奥の棚に並んだ酒の種類に、日本酒系が追加された事だろうか。
「黒歌、白音。お前ら学校って行きたいか?」
「学校…ねぇ?」
「行きたいかと言えば……、行けるのなら行きたいと思うくらいですかね…」
「そう、か…」
人の出入りが途絶える午前中。唐突にメリオダスが2人にした質問は、悪魔の中では「はぐれ」であるはずの2人に、人並みの日常を与えるかのようなものだった。当のメリオダスには、これといった教養はない。エリザベスは王国の第三王女として育てられた為、この世界の、と言うわけではないが、教養はある。学校に行ったことがあるかと言われればないが、エリザベス曰く、
『行った方が良いかどうかと言われましても……、行かせて良いと思いますよ。友達というのはかけがいのないものだと思いますし』
という至極真っ当な意見を頂戴したので、メリオダス的にも至極真っ当に黒歌たちの意見を聞いたまでである。
「じゃ、行きたいってことで良いか?」
「まあ」
「そうなりますかね」
「よし決定。ま、あまり期待せずに待っとけ」
メリオダスは黒歌達の方を見ることなく、二階への階段を上がっていった。一階に残されたのは、黒歌と白音、そして残飯処理中のホークだけ。高い天井に3つほど回るシーリングファンが、風を切る音だけが響いていた。
七つの大罪たちがウォームアップを始めました。