ありふれた狩人《チート》と世界最強の友達《魔王》   作:Y.U.K

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ステータス

「おお……見事なほどの異世界感」

足元には俺たちを呼んだであろう魔法陣らしきもの。目の前にはこの世界が信仰する神だろうか。さっきの女神とは違うが正統派な女神ように美しい女性の壁画が。そして極め付けはこの建物であろう。真っ白な大理石に近い鉱石で出来たドーム状の広間。これを異世界感と呼ばずしてなんと呼べるであろうか。明らかに日本にはない光景である。

 

そして転生のために用意されたであろう魔導士であろうか。白い装束に金の刺繍をされたローブを着た30人程度の人が周りを囲っていた。

するとその中のトップであろう50代ほどの男性が一歩前に出てきた。その男は三蔵法師が持つような杖を振りながら嬉しそうに俺たちに声をかけた。

「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ。」

そう言うとイシュタルと名乗る男は微笑を浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わって大広間。10m以上はあるであろうテーブルに案内された俺たちは未だ大きな騒ぎになってはいないものの、落ち着かないのかソワソワとしているのが分かる。

召喚されたから少ししか経っていないがこのクラスのパワーバランスがわかってきた。

 

恐らくだがこのクラスのリーダーはあの人だろう。今もテーブルの中心に座っているサラサラの茶髪と優しげな瞳、おそらく百八十センチメートルはあるであろう高身長に細身ながら引き締まった身体を持つまさにテンプレ王子様のような男だ。俺とは対極の人間だろう。リア充死すべし。

召喚され、騒がしくなっていた時にこの男が声をかけると、騒ぎが収まったところを見ると普段からみんなに頼られる存在のようだ。

 

そして、本来クラスをまとめる役である教師らしき女性もいた。百五十センチ程の低身長に童顔、ボブカットの髪をした可愛らしい女性だ。生徒たちを落ち着かせようとして自分が一番あたふたしていた如何にも生徒たちに好かれるタイプの教師だろう。因みに、クラスを落ち着かせる役目をさっきのイケメン野郎に取られてて涙目になっていた。可愛い。

 

全員が席に着くと、絶妙なタイミングでカートを押す音がした。

「ん?」

飲み物でもくれるのだろうか。そう思い、音の発生源の方を向くと……

「男の夢だ……。幻想郷はここにあった……。」

リアルメイドがカートを押していた。お手伝いさんのようなおばさんではない。そしてアキバにいる「萌え萌えキュン♡」のようなあざとさもない。正真正銘、正統派なロングスカートを履いたTHE メイドがいたのだ。しかも美女や美少女ばっかり。ここの国の王はどうやら素晴らしいセンスをしているようだ。

 

他の男子もこんな状況でもリアルメイドには勝てないのだろう。メイドたちに釘付けになっていた。女子たちの絶対零度な視線を貰うというおまけ付きで。

 

男子たちがメイドに釘付けになったり、女子たちが魔法も真っ青な絶対零度の冷気を生み出したりしたが、なんとか全員に飲み物が行き渡るのを確認するとイシュタルが話し始めた。

「さて、あなた方においてはさぞ混乱していることでしょう。一から説明させて頂きますのでな、まずは私の話を最後までお聞き下され。」

 

まあ要約するとこれもテンプレだった。

まず、この世界はトータスと呼ばれている。そして、トータスには大きく分けて三つの種族がある。人間族、魔人族、亜人族である。人間族は北一帯、魔人族は南一帯を支配しており、亜人族は東の巨大な樹海の中でひっそりと生きているらしい。

 

この内、人間族と魔人族が何百年も戦争を続けている。魔人族は、数は人間に及ばないものの個人の持つ力が大きいらしく、その力の差を人間族は数で対抗していたそうだ。戦力は拮抗し大規模な戦争はここ数十年起きていないらしいが、最近、異常事態が多発しているという。それが、魔人族による魔物の使役だ。

 

魔物とは、通常の野生動物が魔力を取り入れ変質した異形のことだ、と言われている。この世界の人々も正確な魔物の生体は分かっていないらしい。それぞれ強力な種族固有の魔法が使えるらしく強力で凶悪な害獣とのことだ。

 

今まで本能のまま活動する彼等を使役できる者はほとんど居なかった。使役できても、せいぜい一、二匹程度だという。その常識が覆されたのである。これの意味するところは、人間族側の“数”というアドバンテージが崩れたということ。つまり、人間族は滅びの危機を迎えているのだ。

そしてお前らはうちの世界より強い力を持ってるから助けてくださいな。

 

これが俺たちが聞いた話の内容だ。因みにこの国の神様はエヒトというらしい。そのエヒトさんが俺たちを呼んだんだとさ。

 

転生として来てる俺からしてみればここまでテンプレだともう少し捻ろうよとか思うが、突然巻き込まれた他の奴らは堪ったもんじゃないだろうな。現に、可愛い系教師の人が今まさに怒っていた。プンスカって効果音がつきそうな感じで。可愛い。

そしてそのプンスカに対する返答は

「あなた方の帰還は現状では不可能です」

だった。ここもテンプレ。どうやら転移させたのがエヒトさんの御意志だから戻すのもエヒトさん次第だとか。身勝手な都合で帰れない状況。ここまでテンプレを攻められるとは、逆に感心する。

 

そして案の定、転移組は大騒ぎになった。騒がなかったのはさっきのリーダー格のイケメン野郎と………

「あそこにも落ち着いてる奴がいるな……。俺と同類か?」

俺と同類。つまりはラノベに精通しているオタクサイドの人間だ。

といっても陰気臭いとかデュフデュフ言ってるような汚ったないタイプではなく、むしろ好青年と言えるような見た目だった。

 

そろそろ、誰かに声をかけるのもいいかと思いその男子に近づいてみた。

「あの〜、ちょっといいか?」

「ん?……君は同じクラスの子じゃない…?どういうことだろう?巻き込まれたとか?」

「あー、いや、そーいうわけじゃないんだが……」

取り敢えず、俺がここにいる簡単な経緯を説明した。

 

「なるほどね…。パラレルワールドの地球からの転生だなんて普段は信じないだろうけど現に僕たちも転移されてるしありえなくはないか。」

「そそ。で、そろそろ声をかけようと思って取り敢えず他の人たちみたいに慌ててない君に今のうちに声をかけとこうかなって。多分、ある程度状況がわかってるでしょ?俺と同類、オタクサイドの人間と読んだ。」

「はは……。まさにその通りだよ。僕は南雲(なくも) ハジメ。」

「俺は狩野 雷牙。気軽にらいがって呼んでくれると嬉しい。」

「じゃあ、僕もハジメって呼んで。」

そう言うとハジメはニコッと笑った。ハジメに声をかけたのは正解だったかもしれない。こんな得体の知れない俺にも優しくしてくれる。思わず俺もつられて笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハジメと話し込んでいるといつのまにか移動するようで、みんなが動き出していた。おそらく向かう方向から外にでも向かうのだろう。

 

「おお……これは……すごいな……」

「ほんとにすごいね……」

外に出ると太陽の光を反射してキラキラと煌めく雲海と透き通るような青空という雄大な景色に迎えられた。恐らく、この場所は高い山の上にでもあったのだろう。

景色に見惚れながら歩いているとこれまた大きな白い台座に乗せられた。

「彼の者へと至る道、信仰と共に開かれん、“天道”」

イシュタルがそう言うと足元にある魔法陣が輝き出し、台座がロープウェイの如く地上に向かって下り出した。

周りの生徒たちはキャッキャと喜び、俺もその光景に心を躍らせていた。しかし、ハジメだけはなにか皮肉げにその光景を素晴らしいと笑ったのだ。

 

「着いたぞ。」

魔法のロープウェイも終わり、王宮に着くと真っ直ぐに玉座の間に案内された。ハジメはどこか申し訳なさそうにコソコソとしていたが俺のことを気にかけてくれてるのだろうか。

 

玉座に着くとそこにはいかにも王様という人が玉座の前に立っていた。座っていたのではない立っていたのだ。

イシュタルが王様に近づくと恭しく手を取り、軽く触れない程度のキスをした。王様が。

「いやおかしいだろ」

その異様な光景に思わず突っ込んでしまった。明らかに逆である。しかしハジメは溜息をついただけで違和感は感じてないようだ。

「…ハジメは変だと感じないのか?」

「いや、どっちかっていうと嫌な予感が的中したって感じだよ。国王よりも教皇の方が力が強いってことはそれだけ宗教の力が強いってこと。国より強い力を持つ宗教なんて碌なことがない………テンプレでしょ?」

「なるほどねぇ……。頭いいな。」

確かに、ラノベでも現実でも宗教が強いところはロクな終わりを迎えてないからな。それに狂信的な考えは時に人をも殺す。それにハジメは気づいていたってことか。

 

因みにそのあとは自己紹介が始まり、国王の名をエリヒド・S・B・ハイリヒといい、王妃をルルアリアというらしい。金髪美少年はランデル王子、王女はリリアーナという。後は、騎士団長や宰相等、高い地位にある者の紹介もなされた。

 

その後、晩餐会が開かれ異世界料理を堪能した。意外にも見た目は地球の洋食とほとんど変わらなかった。たまにピンク色のソースや虹色に輝く飲み物が出てきたりしたがそれらも予想に反し、非常に美味だった。流石は王宮と言ったところか。

そんな晩餐に舌鼓を打ちながら楽しんでいた。そして晩餐も終わり解散になると、各自に一室ずつ与えられた部屋に案内された。

入ると天蓋付きベッドに驚かされたが、自分の予想以上に疲れていたのかベッドに入るとすぐに眠ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、全員に配り終わったな? このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」

翌日、早速だが訓練が始まった。

彼はメルド団長といい、俺たちの教育係をしてくれるらしい。

そして、訓練に入る前に自分の能力を理解するため、いわゆるステータスプレートが分けられた。

「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう。そこに、一緒に渡した針で指に傷を作って魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所持者が登録される。 “ステータスオープン”と言えば表に自分のステータスが表示されるはずだ。ああ、原理とか聞くなよ? そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」

アーティファクトとは、そんな貴重なもんなのか。

指示に従い、血を一滴垂らすと文字が浮かび始めた。

 

狩野 雷牙 17歳 男 レベル:1

天職:調教師

筋力:30

体力:30

耐性:50

敏捷:60

魔力:70

魔耐:90

技能:調教・言語理解・???

 

「ん……?」

俺は自分のステータスプレートの異常に気づいた。

まずステータス。まあこれは妥当だろう。魔力関係が多少高いがメルド団長によると一般で10らしいから転生で強い力を持っているというのならこの値は妥当だ。あと17歳なのは周りに合わせてだろうか。因みにイケメン野郎はオール100で勇者というチートの権化だった。氏ね。

 

そして技能。調教はまだ分かる。転職が調教師だからその影響だろう。言語理解はまあそのまんまだ。

問題は「???」だ。技能にはあるのに名前がない。どういうことだろうか。ウィクロスのレア度だろうか。絶対違う。

 

???について頭をひねっていると、不意に頭の中に声が響いた。

『あ、あー。聞こえてるか?』

この声は女神様だろうか。

(女神様?)

『おっ、聞こえてるようだな。本来はある程度落ち着いたら説明しようと思ったんだがステータスプレートに映った以上説明しとかないとと思ってな。急遽連絡を取った。ああ、心配しなくてもこれは困った時に連絡を取るってやつには入らないからな。ノーカンだ。』

(それはご親切にどうも。それで?この???はもしかしてチートってやつ?)

『その通りだ。どうやら、神からの干渉で与えられたスキルだからうまく反応しなかったようだな。もうステータスに映るようにしたから。詳細はお前にだけ分かるように設定しておいた。ステータスプレートをタップしてくれ。じゃあな。困った時には連絡くれよ。』

それだけ伝えるともう声は聞こえなくなった。アフターサービスまでしてくれるとは優しい女神様だ。信仰されるべきは彼女じゃないだろうか。

 

女神様の説明の通りにステータスを見直すと???がなくなって、代わりに新たなスキルが書かれていた。

 

狩野 雷牙 17歳 男 レベル:1

天職:調教師

筋力:30

体力:30

耐性:50

敏捷:60

魔力:70

魔耐:90

技能:調教・言語理解・モンスターハンター

MP:50

 

「モンスターハンター?MP?」

調教師なのにモンスターをハンターしちゃうの?調教じゃなくてハントなの?仲間をハントしちゃうの?それにMPってなにさ?

もしかして天職とは真逆のチートスキルを貰ってしまったのか……なんて思いながら詳細を見るためタップをしてみた。

 

《モンスターハンター》

CAPCOMプレゼンツモンスターハンターの世界からモンスターを召喚できるスキル。召喚したモンスターは一度召喚すれば消えることはなく自分の仲間となる。また、モンスターや使用者のレベルなどによった制限時間があるが自分に装備として憑依させることも可能。憑依させた状態ならばそのモンスターの力を十全に使うことができる。なお、召喚方法は"モンスター召喚"と詠唱すれば良い。召喚されるモンスターはその時のMP《モンスターポイント》によって強さが選ばれ、一度使うと0にリセットされる。MPは日数が経つか、魔物を狩ると貯まる。因みに基準としては10で下位のジャギィ一体を召喚できる。なお、召喚されたモンスターも戦うことでレベルが上がったり、下位から上位、上位からG級になったりする。また、稀に亜種や希少種になることもある。

 

「あっ、そっちすか」

まさかのゲームの方のモンスターハンターだった。しかもモンスターをハントじゃなくてモンスターを召喚だった。

確かにこれなら真逆って訳じゃない……むしろ相性ピッタリって訳か。

にしてもモンハンかぁ……あんまり詳しくないんだけどなぁ……。真面目にやったの4くらいだし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぶっはははっ~、何だこれ! 完全に一般人じゃねぇか!」

「んっ?」

俺がチートスキルについて色々考えていると、不意にそんな声が聞こえた。

声の方を見てみるといつのまにかステータスプレートのチェックがされていてどうやらハジメの番だった。どうやらハジメのステータスが異常に弱かったらしい。

「災難だったな、ハジメ。」

「ハハ……労ってくれるのは雷牙だけだよ…。」

「そんなにエグかったのか……?」

そう聞くと無言でハジメはステータスプレートを差し出してきた。そこに書いてあったのは………

 

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1

天職:錬成師

筋力:10

体力:10

耐性:10

敏捷:10

魔力:10

魔耐:10

技能:錬成・言語理解

 

「ああ……うん……なんだ……。」

弱かった。ひたすらに弱かった。まさかの平均だった。

「まあ、そんなこともあるさっ!」

そう言いながらサムズアップをしてみたがハジメにはジト目で見られるだけに終わった。どうやら気に食わなかったようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あと1人なんだが……。まだ見せてない奴はいるか?」

どうやらハジメがラスト2人目だったようで残りは俺だけとなっていたようだ。

「あれ?おかしいですよ?うちのクラスは全員見せたはずですが……。」

「そうなのか?しかし分けた数から考えると1人足りないんだが……どういうことだ?」

まあそりゃそうだ。だって俺は同じクラスじゃなくてそれに便乗させてもらっただけだからなぁ。

…ん?てかおれ誰にも気づかれてなかったの?誰にも声かけられてないけど怪しいから声をかけないじゃなくてまずそもそも気づいてなかったの?いやいやそんな訳ないか。だって俺だけ服装違うし?私服だし?気づかれないわけがないし。うん、そうだよ。きっとあの先生だけが気づいてなかったんだよ。

「多分それ、俺なんだけど……。」

そんな心配をしながら声をかけてみるとみんな一斉にこっちを向いた。そして次に発した言葉は………

「「「「「「誰だ?」」」」」」

うん。やっぱり気づかれてなかったようだ。

そんなに存在感薄いか俺?1日経ってるんだけど?

 

「君は……誰だい?みたことない顔だけど……。」

自分の存在感の薄さに絶望しているとイケメン野郎が声をかけてきた。

「俺は狩野 雷牙。まあ、どこにでもいるような高校生だね。なんで俺がここにいるかっていうと………。自分でもわからない。バイトしてたら突然意識が遠のいて気がついたらここにいたんだ。多分、唯一君たちとは違うルートで来たんじゃないかな。」

うん。嘘はついてない。"君たちとは違う地球で"バイトしてたら"リヴァイアサンに食べられて女神に会い、チートスキルをもらって転生の詠唱を聞いたら"突然意識が遠のいて気がついたらここにいたんだ。うん。なに1つ嘘はついてないな。俺は正直者だ。えらいえらい。

 

その後、なんとか理解してもらいメルド団長に断りを入れて、まずは自己紹介をしてもらった。しかし、まあ一回でひとクラス分を覚えられるわけがなく、インパクトのあるやつしか覚えられなかった。

 

まずさっきからリーダー気取りなイケメン野郎。奴は天之河(あまのがわ) 光輝(こうき)というらしい。まあなんともキッラキラした名前だ。お前は物語の主人公か。実際勇者だし。

 

次に短く刈り上げた髪に鋭さと陽気さを合わせたような瞳、百九十センチメートルの身長に熊の如き大柄な体格のいかにも豪快な男は坂上(さかがみ) 龍太郎(りゅうたろう)というらしい。初対面なのに豪快に笑いながら「よろしくな!」と言ってくれたことからいい奴なんだろう。一緒にバシバシ叩かれた背中がめっちゃ痛いけど。

 

次にポニーテールにした黒い長髪に切れ目の瞳ながら優しさを感じさせるクールビューティな女子……というより女性に近いな。とにかくその人は八重樫(やえがし) (しずく)というらしい。纏う雰囲気はかっこいいに近く頼れるお姉さんタイプだろう。すごく頼りになりそうだ。

 

そして腰まで届く黒髪に優しそうなタレ目の大きな瞳。小ぶりな鼻に薄い桜色の唇。まさに正統派美少女と呼べるであろう彼女は白崎(しらさき) 香織(かおり)というらしい。可愛い。ただひたすらに可愛かった。

 

どうやらこの4人で幼馴染らしい。人間なら一度は憧れる絵に描いたような幼馴染だな。実際、天之河と話してる時は女子からの、八重樫と白崎と話している時は男子からの視線がすごかった。特に男子の時は「俺らのアイドルに手ぇだすんじゃねえぞゴラァア!?」みたいなのがビンビンに飛んで来た。怖すぎ。

 

あとは先生は畑山(はたけやま) 愛子(あいこ)先生というらしい。「たいへんでしたねぇ……グスン」と涙ながらに声をかけてくれた。どうやらひとりぼっちの俺を可哀想と思ったのだろう。可愛い。

一応、流れ的にハジメにも自己紹介されたが小声で「知ってる」って相槌を打ちながら聞いてたらお互いに吹き出してしまった。やっぱりこいつとはいい関係が築けそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし!じゃあ雷牙!お前のステータスプレートも見せてくれ!」

メルド団長が頃合いを見て俺に声をかけた。自己紹介タイムは終わりだそうだ。

「はいはい。これが俺のステータスプレートね。」

そう言って素直に渡した。本来は隠すべきなんだろうがモンスターハンターって見ても「なんだこれ?」で終わると思い放置した。

 

「うんうん。雷牙もちゃんとぶっ壊れだなぁ。天職の調教師は人間ながらに魔物を操れる能力だな。操るためには条件があると思うが上手くやれば1人で軍隊が作れる力だ。重宝するぞ。ステータスも特に魔力関係は光輝には及ばないものの充分すぎる強さだ。技能は少ないがまあ調教もあるし………ん?モンスターハンター?なんだそれ?聞いたこともない技能だな」

「あー、俺もよくわかんないんですよね。魔物キラーみたいな魔物特化の技能か魔物を従える条件が緩くなるみたいな感じかなーって読んでるんですけど」

「んー、まあ調教だけでも十分すぎるし、いずれにしろ雷牙にとってプラスにはなるだろう。これについては戦っていく中で調べていけばいいさ。よし!オッケーだ!色々大変かもしれないがよろしくな雷牙!」

「よろしくお願いします」

 

こうして、挨拶も済まし、予想通り何事もなくこの日は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうして転生のこと言わなかったの?」

「そりゃお前、こーいうのはお前とか大切な奴にしか言わないだろ。基本的に秘匿情報だ。」

「ハハッ。嬉しいことを言ってくれるな。」

ハジメとの絆はまた深まった。




今回は少し長くなりましたね……。
またぼちぼち頑張ろうと思います。
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