前編 part1
此処は、コクーン。遥か昔、神と呼ばれた者達が人間とファルシを造りだし、世界を創造した世界の出来事。
この物語はとあるルシ達の物語。そして、その物語には本来現れる事が無かった人物の物語。此度はその人物について話すとしよう。
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ある日。ノーチラスで下界《パルス》のファルシが発見され、住民だけでなく、旅行に来ていた人全てを巻き込み、パージを行う為に兵士達が列車で住民達を搬送している時だった。
「本気か?」
「黙ってろ。」
「あんた、その覚悟があったんじゃないのか?」
「お前もだ。」
三人の男女が小声で何かを話している。因みに列車に乗せられた人達全員が白いローブのようなものを着せられているため、一見すると男か女かは分からない。
暫くして、一人の兵士が乗客を確認しにやって来る。
「....頼るからな。」
そして、下界のゲートを潜った瞬間。列車が大きく揺れ、兵士がよろけてしまう。それと同時に一人の女性がその隙を付き、兵士の首に手錠で縛られた両腕を持っていき、そのまま兵士を倒す。倒した兵士の懐からリモコンの様なものが転げ落ち、女性はそれを踏みつけて壊す。すると、乗客全員に掛けられていた手錠が外れる。どうやら彼女が壊したのは手錠の装置らしい。
「お見事」
黒人の男性が彼女を称賛し、もう一人の男性が彼女に近づいた瞬間、兵士が二人程別の車両から移ってきた。
「不味い!」
青年は彼女を守る様に立ち塞がり、兵士達をサマーソルトで倒す。
「大丈夫か?」
「問題ない。」
青年と女性はローブを脱ぎ捨て、倒した兵士から銃を奪い、別の車両へ乗り込む。
そこでも兵士達が立ち塞がり、二人の行く手を阻む。
「行かせんぞ!」
「「邪魔だ!」」
二人は兵士達をまるでボーリングのピンを倒す様に兵士達を次々と倒して道を切り開く。
女性は左手で指を鳴らすと、宙に浮き、兵士を壁に叩きつける。青年も負けじと右手で指を鳴らして兵士達を倒していく。そして二人が兵士全員を倒したと同時に後ろの扉が開き、先程の黒人の男性が銃を持ち、集団の先陣を切っていた。
「どうにかなるもんだ。」
黒人の男性。サッズが女性に近づいた。
「皆戦うとよ。」
女性は兵士から奪った銃でなく自らが所持していた銃に持ち替える。
「足手まといだ。」
女性は先に行ってしまう。
残った青年は、
「戦う、か。じゃあ全員に言っておく。......死ぬな。」
そう言って青年は、女性の後を追った。
女性が窓から外を見ると、列車の周りには既に軍のヘリ等が集まってきていた。
「貸せ!」
女性がサッズからロケットランチャーを強引に奪い取り、軍用機に向かって撃つ。撃たれた軍用機は塵と化した。
それでもまだ数は減らない。なかには下界の魔物まで出現し始めた。
「来るぞ!」
青年が叫んだと同時に魔物が雷を線路に落とし、連結していた車両の何台かは下に落ちていった。
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列車の周りでは、既に別の列車に乗っていたであろう民間人達が兵士達を相手に闘っている。
そして、青年達が乗った列車が止まることなく線路を進んでいると突如、上から何かが降ってきて、列車を倒した。
「逃げろ!」
サッズは全員に逃げる様に指示するが、女性と青年は逃げるべきではないと判断し、闘うために逃げる乗客達とは逆方向に走って行く。
「そっちかよ!?」
サッズは二人を追いかけ、倒れた列車に登る。
「ほら。」
「ああ。ありがとうよ。」
青年がサッズに手を貸して、登らせる。
「さて、と。」
青年は向き直り、既に列車を倒した敵に対して、武器を構えている女性の横に立ち、自分の武器を構える。
「奴さん、やる気だな。」
「軽口はそこまでにしておけ、来るぞ!」
敵は機械で出来たマシンだった。マシンは飛び上がり、二人、いや三人に向かって攻撃を開始する。
マシンが女性と青年に向かって打撃を加えようと腕の様な部分で二人に殴りかかるが、二人は同じタイミングでバックステップをとり、避ける。
「おい、どうすんだ!」
サッズは二人にそう聞いた。
「そこで見ていろ。」
「下がっててくれ。」
二人はそう言ってマシンに向き直る。
「何時もの行くぞ。ライト。」
「ああ。頼んだ、レスト。」
二人はマシンに向かって走り出した。
マシンは先ず先にレストと呼ばれた青年を狙い、右翼に搭載された機関銃で狙い撃つ。が、レストはそれを剣で弾き。近づいてマシンに搭載された機関銃を切り落とす。
次にマシンは左翼の機関銃をレストに向けるが、ライトと呼ばれた女性が武器を銃に切り替え、弾倉に向かって撃った。そしてもう一方の機関銃はライトが撃った弾丸により暴発して使い物にならなくなった。
そして残った武器は両翼の丸い鋸状の刃のみ。
二人はそれを難なくかわし、懐に飛び込み、同時に切りつけた。そして、マシンは三人が足場にしていた列車を揺らし、レスト達を振り落とそうとする。
「下がれ!」
ライトがそう指示し、レスト達は後ろに下がる。そしてマシンはそのまま動かなくなった。
「へっ、やれるもんならやってみやがれ!」
動けないと思い。サッズが挑発するが、マシンがブースターから火を出してそのまま列車を線路から落とそうとし始める。
レスト達は構える。が、ライトは隙を見て逃げる。レストもライトの後に続いて別の車両に移動するが、サッズはまだ移動していなかった。
「飛べ!」
ライトがサッズにそう言って飛ぶように促す。そしてサッズはジャンプして別の車両に飛び移った。
が、マシンはまだレスト達を狙っている。
「来るぞ!」
「勘弁してよ。」
「やってやる!」
マシンが三人が乗った車両に飛び移り、三人に攻撃を仕掛ける。
サッズが二丁拳銃でレスト達を支援し、レストは左側から、ライトは右側から攻撃を仕掛ける。レストがマシンの頭部らしき部分を攻撃するが、あまり効いていない。
「くっそ!効かないのか!?」
「いや、僅かだが効いている筈だ。......レスト。頭部を集中攻撃だ。」
「了解。.....そっちも支援頼む。」
「あいよ。任せとけ。」
三人がマシンの頭部に集中砲火を繰り返し、破壊しようと試みるも、中々倒せない。すると、突然マシンの頭部が左右に開き、中から砲台が出現する。
「マズイ!!」
レストは砲台がライトの方に向いていることに気づき、ライトの前に立ち塞がる。
「レスト!?何を.....」
ライトがそこまで言ったと同時に砲台からビームが発射された。
「ぐううううう。」
レストはライトを守るために自らを盾として守った。
「レスト。お前は何をしているんだ!!」
「悪い、説教なら後でちゃんと聞くから。......それよりもあいつ。ビームを撃った後だと動けなくなって、ビーム砲のチャージにも時間が掛かるみたいだな。」
レストの言うとおり。マシンはビーム砲を撃った直後、動けなくなってしまい。次のビーム砲を撃つまでの間。エネルギーチャージ中は、大きな隙が出来てしまう。
「今がチャンスだ!畳み掛けるぞ!」
レストの合図でライト達も攻撃を繰り返し、頭部に攻撃を繰り返しつづける。
そしてまた、頭部が左右に開き。砲台からビームを撃とうとした瞬間。
「今だ!撃て!!」
レストの掛け声と同時に三人が砲台に向かって弾丸を撃ち込む。
すると砲台は暴発し、使い物にならなくなった。そしてマシンはバランスを崩して線路よりも下に、底が全く見えない下に下にと落ちていった。
「はぁ~」
サッズは気が抜けたのか尻餅をついてしまった。
レストも気が緩み、ライトに駆け寄る。
「やったなライト。」
「ああ。」
レストはライトとハイタッチをしようとするが、ライトから帰ってきたのは平手打ちだった。
パシィ「え?」
「お前は何を考えているんだ!!もし、お前があの攻撃で死んでたらどうするんだ!」
「わ、悪かった。善処する。......多分。」
「何か言ったか? 」
「いいえ、何も。」
ライトはレストを心配して彼を注意する。
「やれやれだな。」
サッズはその光景を目の当たりにし、それしか言葉が出てこなかった。
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暫くして、落ち着いたのかライトは黙ってしまった。
「軍人さんなら市民を守れよ。」
サッズがレスト達にそう言うが二人はどこ吹く風邪といった様子だった。
「あんたら政府の軍人だろ。なんでパージに歯向かってるかそこんところ詳しく聞きたい───」
「軍は抜けた。」
「俺もだ。」
二人は列車から線路に飛び降り、そのまま何処かへと向かって歩き出す。
「おい、待てよ!はぁ、.......父ちゃん。孤軍奮闘だぁ。」
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三人はそれから暫く道なりにこの場所。封鎖区画ハングドエッジを進んでいた。
そして暫く進んでいくと兵士が包囲網を張って見張っている。三人は物陰に隠れ、様子を伺う。
「いくらパージが嫌だからって軍と戦うなんてよ。」
サッズがそう呟くとライトがこう答える。
「軍よりも下界送りを恐れたんだ。下界は地獄だからな。」
「地獄......か。」
ライトの答えにレストは一人そう呟いた。
「地獄ねぇ......ここもそんなに変わらんぜ。」
サッズは辺りを見回しながら、そう言ってライトの話に答える。
暫く様子を伺っていると、兵士は腕に付けた端末を操作し、宙に浮いていた輪から魔物が飛び出してくる。
「飼い慣らされた軍用だ。大した敵じゃない。」
「そうだな。あれぐらいなら軽く倒せる。」
ライトとレストは軽くそう言うが、サッズはそうではないようだ。
「あんたらにとっちゃそうだろうがよ。って、オイ!」
サッズがそうライトに答えるが、ライトとレストは走りだし、兵士と魔物を片付けた。
そして暫く道を走っていると三人の頭上斜め上から隕石の様なものが数m先の道に降ってくる。
サッズは降ってきた衝撃で軽く飛ばされてしまい、ライトとレストは両腕で顔を守る様に衝撃を防いだ。
どうやら橋を崩して、一人でも多く排除しようとしたのだろう。何人かは底へと落ちていってしまった。
レストとライトは橋を落とされてしまった為、他に道はないか辺りを見回すがどうやら回り込めそうな道は無いらしい。
「引き返すか?」
「時間がない。」
「どうすんだ?」
「黙ってろ。」
ライトとレストは橋の先まで歩くと。ライトは左手を、レストは右手の指を鳴らして飛んで行こうとする。が、
「あっ、オイ!待てって。置いてくな!」
「ちょっ!何すんだ!離せって!」
サッズはレストに掴まって自分も向こう側に渡ろうとする。
「こっちはなぁ、くっついて行くしかねぇんだよ。」
レストはサッズを振り払おうともがくが、サッズが手を離す事は無かった。
「くっそぉ!」
レストはサッズの鳩尾に膝を入れて引き剥がし、もう一度作動させようとするが、
「.....ダメだ。動かない。」
「壊れたのか?」
「多分。...治そうにも、専用の工具がないと無理だな。チッ」
レストはサッズを恨めしげに睨み、どうやって移動しようか考える。
「あれに、乗れるんじゃねぇか?」
サッズは息も絶え絶えにレスト達にそう提案する。サッズが指を指した方向には、軍が使用していると思われる移動用の貨物船が見えた。
「どうだ、なぁ?」
「....らしいな。」
サッズの問いかけにライトは苛立ちながらそう答える。
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ライトがロフトの操作パネルに触れると、ロフトはそのまま下へと降りていき、貨物船の近くに止まる。ライトとレストは飛び移り、サッズも移った。そしてやはりそこにも兵士はいた。
「はぁ。次から次へと。」
「無駄口を叩くな。切り抜けるぞ。」
「あいよ。」
ライト達は武器を構え、臨戦体制に移った。
「パージ対象者だな。武器を捨てろ。丁重に扱ってやる。」
兵士達の中でも一際、抜きん出ている兵士がレスト達に降伏するように指示する。恐らく隊長だろう。
「そうか。なら、やれるもんならやってみろよ。」
レストはやる気満々で武器を構え、兵士にそう答える。
「「丁重に」ってのは──」
「楽に死なせてやるって意味さ。」
ライト達も武器を構え、直ぐ様臨戦体制に移った。
「もう遅い!」
隊長クラスの兵士は猛スピードでレストに迫り、レストの頭上に武器を振り下ろす。が、レストは剣でガードし、振り払った。
「チッ、ガードが固いな。」
「油断するなよ。」
「分かってるって。」
そしてライトとレストは絶妙なコンビネーションで兵士達を翻弄し、隙をついて剣で斬りつける等して攻撃を仕掛ける。
「おらぁ!」
「ぐっ!?」
「どうした!そんなもんか?お前ら弱いな。」
「レスト!何をしている、早く来い!」
ライトとサッズは最低限兵士達を相手取って戦うと、先へと走っていく。が、レストはまだ兵士達を相手取り、戦いを続けていた。
「チッ、ああ分かった。今行く。」
レストは兵士達全員、貨物船から叩き落とすとライトの元まで走った。
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暫く歩いているとサッズがライトとレストに話しかけた。
「なぁ、兄ちゃん達よ。目当てはなんだ?」
ライトは何処かを見上げ、レストはそんなライトを見つめ続ける。
サッズは近くにあった何かの制御装置に触れながら、更に質問を続ける。
「軍事機密とかってやつか?.......もういいじゃねぇか。」
サッズはライトの方にに向き直る。
「軍は抜けたんだろ?.......話したって別に──」
「下界のファルシ。」
ライトの答えにサッズは少し動揺する。
ライトはサッズに向き直り、更に続ける。
「目的は下界のファルシだ。」
そう言うと、ライトはサッズの横をそのまま通り過ぎ、サッズの後ろにあった制御装置を作動させる。
「着いてきたのは失敗だったな。」
ライトはそう言って貨物船の先端へと歩いていった。
「兄ちゃん。.....まさか、あんたもか?」
サッズは残ったレストにも同じ質問を投げ掛ける。
「......まぁ、似たようなもんだ。」
レストは少しだけ考えるとそう言って、ライトの後を追って歩いていった。
「失敗だった?.......そうでもねぇよ。」
一人残されたサッズは、そう誰にも聞かれることなく呟くのだった。
主人公 レスト・ウィンダルム
年齢:20歳
見た目:銀髪のセミロング 中性的な顔立ち
身長:178㎝
体重:75㎏
服装もライトニングの上着に、黒いカーゴパンツのようなズボンを着用
使用武器
ブレイズエッジ MarkⅡ
ライトニングの武器 ブレイズエッジを改良したもの。その切れ味はライトニングのものを大きく上回るほど