FINAL FANTASY13~ ルシの青年。   作:晴月

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前編 part2 対抗戦域 part1

レスト達が下界(パルス)のルシを目指していた数時間前、ハングドエッジの別の場所にて。

 

そこでは軍に強制連行されてきた人達が反乱を起こし、軍を相手に戦っていた。

 

下界(パルス)へ移住する皆さん。私は全てのコクーン市民を代表して皆さんに心より感謝申し上げます。』

 

ラジオからそんな声が聞こえる。

 

『なぜなら、皆さんの旅立ちによってコクーン社会の平和と安定が守られるからです。』

 

ラジオからはまだコクーン市民を代表すると自称する男の声が聞こえる。

 

『あなた方を下界(パルス)へ送らなければより多くの人々─つまりコクーンに暮らす何千万もの人々全てが─下界(パルス)の脅威に晒されることになるのです。』

 

男の演説はまだ続く。

 

『─ですが皆さんがコクーンを出て下界(パルス)へ移住することによって──』

 

するとある青年がラジオを踏みつけて男の演説をかき消す。彼の名はスノウ。下界(パルス)へ移住する名目で軍が殺害しようとした人達を束ね、反乱を起こした人物達のリーダーだ。

 

「何が移住だよ。ここで皆殺す気─」

 

「ユージュ。」

 

スノウはユージュと呼ばれた青年に話しかける。

 

「お前はここに残れ。」

 

ユージュは彼にそう言われ、俯いてしまう。

 

「すんません。役に立てなくて.....」

 

するとスノウは首を横に振る。

 

「ここで皆を守るんだ。」

 

スノウはユージュにそう告げ、ユージュの銃を手にしていた右手を掴む。

 

「お前がシャキッとしていれば皆も落ち着く。わかるだろ?」

 

スノウはユージュの肩を叩いて鼓舞する。

 

「....はい。」

 

ユージュは納得してその言葉だけを呟く。 するとスノウはユージュを背にしてこう聞いた。

 

「俺達"ノラ"は?」

 

ノラとはスノウをリーダーとした軍の支配を嫌う者達の集まりのことだ。

 

「ぐ、軍隊よりも強い!」

 

スノウにそう問われたユージュはスノウにそう答える。

 

これはノラにとっては合言葉のようなものとなっていた言葉だ。それが聞けたからかスノウはユージュに笑いかける。

 

「そういうノリだ。」

 

スノウはユージュの頭を撫でると戦場と化したハングドエッジの中枢へと向かう。

 

────────

戦線の前線にて、赤毛でトサカ頭の青年が軍隊に向かって銃を乱射する。

 

「もうムリっす!」

 

彼の後ろにいた気弱そうな青年が泣き言を呟いた。

 

「じゃあ休んでな。」

 

彼は銃を撃ちながらそう答えた。

 

「いいんすか?」

 

「俺らがくたばっちまったら一人で全員救うんだ。」

 

「もっとムリっすよ!」

 

青年は仰向けになって諦めかけていた。するとそこにスノウがやって来る。

 

「だったら一緒にヒーローになろうぜ。敵はコクーン聖府軍!しかも恐怖のPSICOM(サイコム)だ!」

 

スノウは彼らにそう言って鼓舞する。

 

「なーにが恐怖のPSICOM(サイコム)よ。」

 

するといつの間にいたのか女性が答えた。

 

PSICOM(サイコム)なんて見せかけだけの連中でしょうが。あたしらノラの敵じゃないよ。」

 

「なんせこっちはヒーローだしな」

 

女性とトサカ頭の青年がそう言った。

 

「フッ.....突っ込むぞ!」

 

「「おう!」」

 

スノウを先頭として一個小隊が出来上がる。このメンバー達こそがノラなのだ。彼らはPSICOM(サイコム)達と戦う為に更に戦火が激しい前線へと向かう。

 

────────────

 

「もーう無理っす!」

 

弱気な青年 マーキーはその場で倒れ込んでしまう。

 

「あーあ 敵だらけ。」

 

紅一点のレブロは余裕そうに呟く。

 

「よう大将。作戦は?」

 

様子を伺っていたスノウにトサカ頭の青年 ガドーそう聞く。

 

するとスノウは答える。

 

「突破してぶっ潰す!」

 

「それ作戦じゃないっす。」

 

「それでも勝つのがヒーローってね。」

 

そう言ってスノウ達は軍隊に突撃していく。

 

「マーキー。下がってろよ。」

 

「はいっす!」

 

言われると同時にマーキーは瓦礫の影に隠れる。

 

「な、何だお前達は!」

 

するとPSICOM(サイコム)の一人が此方に気付いたのか銃を構える。

 

だが、

 

「オラァ!」

 

スノウの拳一発で沈んでしまう。

 

「相変わらず強ぇな大将。」

 

ガドーがスノウをそう褒める。だがスノウは顔色一つ変える事なく先を急ぐ。

 

「まだまだだ。奴らはまだ居るんだ、先に進むぞ。」

 

スノウを先頭として全員が敵地に向かって走り出す。

 

そして次々にPSICOM(サイコム)の軍が魔物を引き連れて戦うが、スノウは格闘で、ガドー達は銃でアシストしながら戦い。そして次々に倒していく。

 

そして一同はパージの対象として連行された民間人達を発見する。全員ではないが、魔法使いが着用しているローブのようなものを着させられており、自分達のこれからを想像してか絶望して俯いていた。

 

「大丈夫か?」

 

スノウは彼らを安心させようとして声を掛ける。すると人々は顔を上げてスノウを見る。

 

後ろからマーキーが銃を抱えて走ってくるが何もないところで転んでしまう。

 

「なーにやってんだ。」

 

「へへへ....」

 

「ハァ...安心しろ。下界(パルス)に追放なんてさせない。俺らが どうにかするから、道が開けたら─」

 

すると男性達が立ち上がる。

 

「俺達も手伝うぞ。」

 

「そうだ!このまま黙ってられるか!」

 

それを聞いたスノウはガドーと顔を見合せる。

 

「けどなぁ....」

 

「頼む やらせてくれ。」

 

スノウは少し考える。すると南西の方角で爆発が起こる。

 

そしてあまり時間が無い事を感じとり、戦える人には武器を渡す事を決めるのだった。

 

「分かった。戦える奴は手を貸してくれ。」

 

そう言うと何人か立ち上がり、マーキーから銃を受けとる。

 

ひとり、またひとりと武器を持ってスノウの元に集まる。

 

すると今度は一人の女性が立ち上がった。

 

「母さん...?」

 

「大丈夫。」

 

彼女は自分の息子を一瞥するとそのままスノウの元に向かう。

 

スノウは戦う意志を見せた人達に銃の使い方を教えている。彼女は置いてあった最後の一丁を手に取るとスノウに近づく。スノウも気付いたようで彼女を一瞥し、心配して聞く。

 

「いいのか?」

 

「母は 強しよ。」

 

彼女はそれだけ答える。

 

スノウはガドーから最後の一丁を受けとると皆に見せつけて、その場に置いた。

 

「こいつは置いてく。誰か持っててくれ。」

 

目の前にいた先程の少年は怯えて後ろに下がる。

 

するとそれを見てか一人の少女が両手を広げて銃を受けとる。

 

「はいっ!」

 

スノウは一瞬戸惑ったが直ぐに銃を少女に渡した。

 

「いざって時は 皆を頼む。」

 

少女はスノウにそう言われた後、銃を撃つフリをして皆を安心させる。彼女、ヴァニラのスノウに対しての第一印象は調子のいいやつと後に語る。

 

「ま、隠れてりゃ安全だ。ここらの敵は直ぐに片付く。」

 

「みんなで家に帰るぞ!」

 

スノウがそう言って皆を奮い立たせる。

 

「ほーら皆。立って!」

 

レブロが皆を立たせる。

 

「おっし、行くぞ! 付いてこい!」

 

ガドーが戦うと言った人達を連れて 前線へと向かう。

 

最後に残ったのは先程の女性だけだった。彼女は一度だけ自分の息子を見るとスノウに肩を叩かれて前線へと向かった。

 

その光景を彼女の息子 ホープはただ、見ている事しか出来なかった。

 

───────────

 

スノウ達は皆を引き連れて PSICOM(サイコム)と戦う。

 

先程説明したようにスノウは拳で、ガドー達はスノウの援護として銃を撃つ。

 

それを繰り返し行って戦っていると突如、軍の戦闘機から魔物が飛んでくる。

 

それはベヒーモスと呼ばれる非常に獰猛な魔物だ。それを見たスノウは少し戸惑いを見せたが直ぐに向き直った。

 

「逃げたらヒーローじゃねぇな!」

 

 

そう言ってベヒーモスに立ち向かう。

 

「オラァ!」

 

スノウは拳をベヒーモスに叩き込む。が、見た感じではダメージをあまり感じていないように見えた。

 

 

「チッ、やっぱ聖府の魔物なだけあって固いな。」

 

「オイオイ、泣き言か?」

 

「ハッ!そんなわけあるかよ!」

 

今度は此方の番だと言わんばかりにベヒーモスが迫ってくる。

 

「ガドー!レブロ!牽制だ!」

 

「おう!」

 

「あいよ!」

 

スノウの指示に従ってガドーとレブロがベヒーモスを銃撃で牽制する。だが、ベヒーモスは引こうとはしない。

 

「面白れぇ!」

 

するとベヒーモスは立ち上がり、スノウに向かって拳を振り下ろす。

 

が、スノウはそれを避ける。そして振り下ろした腕からベヒーモスに登り、顔を殴る。

 

少しよろめいたが直ぐに持ち直し、再度拳を振り下ろす。

 

「キリがねぇな。」

 

ガドーがそんなことを呟く。するとスノウは二人に作戦を伝える。

 

「ガドー、レブロ。俺が奴の気を引く。その間に弾丸を叩き込めるか?」

 

「了解だ。」

 

「こっちもよ。」

 

ふたりはスノウの意図を汲んでベヒーモスに狙いを定める。

 

「ほら!こっちだ!」

 

スノウはベヒーモスを挑発し、自分に攻撃をくらわせるようにする。

 

それに反応してか、ベヒーモスはスノウに向かって拳を振り下ろす。

 

「今だ!」

 

スノウの合図と同時にガドー達が一斉にベヒーモスに向かって撃つ。

 

そして止めとばかりにスノウはまたベヒーモスによじ登ってベヒーモスの顔に拳を叩き込む。

 

そして仰向けに倒れて立ち上がってくることはなくなった。

 

「よし。先を急ぐぞ!」

 

スノウは走って戦力が拮抗している前線を目指して走る。

 

そしてPSICOM(サイコム)との戦いが始まった。

 

ガドーが前線で立ち向かう。

 

スノウは先程の女性の盾になるようにしてPSICOM(サイコム)の様子を伺う。

 

すると頭上に戦闘機がやって来て、銃撃を撃ち込む。

 

「スノウ!ヤバい!」

 

ガドーがスノウに指示を仰ぐ。

 

スノウは戦闘機の真下に銃を見つけると女性に伏せているように言い残し、低姿勢で銃を取りに行く。

 

だが、後少しの所で敵に狙いを見破られ銃を弾かれてしまいレーザー砲で狙われてしまう。

 

絶体絶命かに思われたが突如、誰かがロケットランチャーを戦闘機に放って墜落させる。

 

振り替えると其処には先程の女性がランチャーを構えていた。どうやら彼女が戦闘機を撃ち落としたようだ。

 

「言ったでしょ。母は強しよ。」

 

そう言って彼女はスノウに手を差し伸べる。スノウは彼女の手を取り、立ち上がる。

 

喜びを噛み締めた束の間。背後から爆撃が橋に落とされる。

 

それにより、戦っていた何人かは底へと落ちて行ってしまう。

 

スノウは気絶から戻ると自分に覆い被さっていた彼女を抱き抱えて周りを確認する。

 

「嘘だろ。おい!?」

 

何人も何人も壊れた橋から底へと落ちていき、スノウも彼女も落ちそうになっていた。

 

スノウは慌てて彼女の腕を掴んで必死に橋に持ち上げようとする。だが、スノウが掴んでいる橋の部品の一つであろう鉄骨は二人を底へと誘っているかに思えた。

 

彼女は助からないと思ったのかスノウにあることを頼んだ。

 

「あの子を......お願い......」

 

「しっかりしろ!」

 

彼女はそう言って気絶すると脱力して落ちそうになるが、スノウが彼女の手を掴んで持ち上げようとする。絶体に離すまいと。だが、スノウの手から彼女の手が離れてしまい、彼女はそのまま落ちて行ってしまう。

 

その光景を見ていたホープは手を伸ばしてただ叫ぶ事しか出来なかった。

 

スノウは彼女の手を離してしまった自分の手を見て、自分自身を攻めた。

 

だが、それも束の間。スノウが掴んでいた鉄骨も橋から離れてしまい、スノウも落ちて行ってしまう。

 

──────────

 

ホープは母親とスノウが落ちて行った底の方を見たまま動けないでいた。

 

ヴァニラがホープに寄り添って様子を伺っていたが、

後ろを振り向き、場所を移動する必要があると思い、ホープを引っ張る。だが、ホープは硬直したまま動けないでいた。ヴァニラはそんなホープに平手打ちをして覚醒させる。

 

「しっかりしろ!」

 

「う、うん。」

 

正気に戻ったホープの腕を引っ張ってヴァニラが安全な場所へと移動する。

 

───────────

 

一方その頃レスト達は、輸送機を動かしながら下界(パルス)のルシが居る遺跡へと向かっていた。

 

「無差別攻撃じゃねぇか。下界(パルス)に運ぶ前に皆死んじまうぞ。」

 

輸送機から見下ろしながらサッズはそう呟く。

 

「それが奴らPSICOM(サイコム)の狙いだ。」

 

不意に隣にやって来たレストが答える。

 

「........そういうことか。」

 

後からライトニングもやって来てそう呟く。

 

「聖府の狙いは、危険な人間をコクーンから消す事だ。パージ対象者をわざわざ下界(パルス)へ運ばなくても─」

 

「ここで全員殺す。それがパージ政策の正体だ。」

 

ライトニングの発言にレストが口を挟む。

 

「なにが政策だ。そんなの政治でも何でもねぇ。」

 

ライトニングとレストの発言にサッズはそう答えた。

 

「知ってたのかよ軍人さん達。」

 

ライトニングは首を横に振ったがレストは、

 

「ああ。知っていた。前からおかしいと思ってたさ、何故聖府の人間がパージを逃れられるのかを、ライトの様な警備兵でもな。」

 

レストの発言にライトニングは少し戸惑った。

 

「レスト、お前まさか?」

 

「ああ。俺は軍を止める前はPSICOM(サイコム)の指揮官をしていたから、知ってるもなにも俺はPSICOM(サイコム)から成り上がったからな。....まぁ今となっちゃどうでもいいことだがな。」

 

「そうか。」

 

レストがそう言うとライトニングは俯いた。

 

PSICOM(サイコム)だろうが警備兵だろうが、兵隊は兵隊だろ。下界(パルス)のファルシや手先のルシは社会の敵。ルシになりそうな人間も─任務とあれば迷わず殺すってわけだ。」

 

それを聞いてライトニングは答えた。

 

「そいつは迷ったのかもな。殺せなくて逆に殺された。」

 

「あんたらはどうなんだ?任務なら人殺しも平気か?」

 

サッズはライトニングとレストに問いかける。

 

「俺は平気じゃない。人が人を殺すことに平気になってしまったらそれはもう人じゃない。人の形をした"怪物"だ。」

 

「そうか。...で、あんたは?」

 

「........」

 

「無視かよ。」

 

 

サッズはレストの意見が聞けただけでもいいかと思い、聞くのはそこまでにした。

 

すると其処に聖府の機械兵が飛んでくる。

 

レストとライトニングは武器を構えるとそのまま斬りかかった。

 

機械兵は即座に二人の斬撃を防ぎカウンターを繰り出す。

 

レストとライトニングは直ぐに避けてまた斬り込む。

 

それが項を奏してか偶然、機械兵の動力源に傷を付ける事に成功し、そのまま動かなくなったしまう。

 

すると辺りで警報が鳴り出す。

 

「な、なんだ!?」

 

『パージ対象者に告ぐ、パージ対象者に告ぐ。無駄な抵抗は止め、直ちに降伏せよ。世界は下界(パルス)を憎み、君達の処分を願っている。』

 

「願ってるのは世界じゃなくてめぇら聖府だろうが。」

 

不意にレストが呟く。

 

『たとえこの場を逃れても聖府軍は全力を挙げ、君達を追跡する。このコクーンに最早君達の居場所は無い。無駄な抵抗は止め 直ちに投降せよ。』

 

軍はなにかを運びながらそう告げる。あれこそがライトニング、レストそしてスノウが探していた下界(パルス)のファルシが居る異跡だ。

 

「セラ......」

 

偶然助かったスノウは異跡を見上げながら最愛の人の名を呼ぶ。

 

「探し物のご到着か。」

 

サッズはライトニングとレストに聞く。

 

「ああ、あの中だ。」

 

「あの中に"アイツ"が.....」

 

下界(パルス)のファルシか.....」

 

別の場所、ホープとヴァニラも遺跡を見ていた。

 

ホープはローブを脱ぎ捨て、目の前の光景を目の当たりにする。

 

すると横から母親を呼ぶ子供の声が聞こえる。ホープは子供を今の自分の境遇と重ねて見てしまう。

 

(母さん...)

 

するとホープの横にいたヴァニラもローブを脱ぎ捨て、落ちていた銃を拾うとホープに渡す。ホープは銃を見つめたまま動かない。ヴァニラはそんなホープを抱き締めると呟いた。

 

現実(リアル)が辛い?....逃げてもいいの。」

 

ヴァニラはそれだけ言うと何処かへと走っていってしまう。

 

「ま、待って!」

 

ホープはヴァニラを追いかける。銃をその場に残したまま。

 

──────────

 

「『下界(パルス)のファルシ』ってのは───『聖府のファルシ』とどう違うんだろうな」

 

ライトニングとレストはどうやって近づこうかと下を見る。どうやら道は決まったようで道も目で追っていた。

 

「できればお近づきしたくねぇもんだがな」

 

サッズがそう言うとライトニングが戻ってきてただ一言。

 

「飛び移るぞ。」

 

それだけ言うとレストと同時に飛び降りた。

 

そして地面に近づいた所で、ライトニングが指を鳴らして重力発生装置を作動させてクッションを作る。

 

サッズは二人を見て暫くしてから飛ぶ決意を固める。

 

「.......父ちゃん負けねぇぞ」

 

ゆっくりと降りようとするが、手を滑らせて落ちてしまう。それを見ていたライトニングとレストは急いで先を急いだ。

 

※サッズは無事だった。

 

─────────────

 

スノウ視点

 

スノウは落とされた橋に戻り生存者がいないか捜索していた。そこで気絶しているであろうガドーを見つけて起こす。

 

「ほら!起きろ。」

 

「う、うう。」

 

ガドーは起きると直ぐに左肩を押さえだした。どうやら怪我をしたようだ。

 

「皆は!?」

 

ガドーがそう聞くとスノウは顔を背ける。

 

「死ぬわけねぇさ。」

 

「......ああ。」

 

ガドーの言葉にスノウは消極的に答える。

 

「シャキッとしろよ!大将だろうが!」

 

ガドーがスノウにそう言うがスノウは死なせてしまった女性の最期の言葉を思い出す。

 

「あの子って........どの子だよ!」

 

スノウがそう言うと同時に輸送機が塔の様な建物に激突する。激突した輸送機は先程レスト達が乗っていた輸送機だった。

 

「武器!」

 

「あ、ああ。」

 

ガドーに急かされ、スノウは足元の銃を拾ってガドーに渡す。するとガドーはスノウに向かって銃を向ける。

 

「腑抜けたツラのヒーローなんざ見たかねぇんだよ。」

 

ガドーはそう言うと途端に笑いだす。

 

「異跡で待ってんだろ、未来の嫁さんがよ!早く迎えに行けっつうの!」

 

どうやらガドーなりのスノウに対する気遣いのようだ。

 

スノウは異跡を見上げると直ぐに迎えに行く事を決意し、頭上を飛んでいた聖府の乗り物を奪いに行く。

 

「あいつを奪う!」

 

「人使い荒い大将だ。」

 

────────────

 

『武器弾薬を確認しろ。警戒を怠るな。』

 

二人の目の前にはPSICOM(サイコム)が警備を固めていた。

 

「行くぞ!」

 

「ああ。」

 

スノウが合図を出してPSICOM(サイコム)にガドーが銃を乱射する。次にスノウがPSICOM(サイコム)に突撃して拳を叩き込む。

 

そうして兵士を全員倒すと向こう側に置いてあったバイクの様な乗り物を奪い、二人は乗り込む。

 

「湿気た音だなぁ、愛がねぇ。」

 

「......」

 

スノウは頭上の異跡を見上げて位置を確認する。

 

「なぁ、ガドー。」

 

「あん?」

 

「どの子か分からねぇなら、皆守ればいいよな?」

 

「なんか悩んでるのか? んな暇あったら─走れよ、ヒーロー。」

 

ガドーにそう言われて少しニヤッと笑うスノウ。

 

スノウもやっと乗り込んでガドーと二人、顔を見合せる。

 

「よーい」

 

「どん!」

 

そうして発進させて二人はレブロ達が居る場所へと向かう。

 

──────────

 

レブロ達が居る安全地帯

 

「よぉ。」

 

ガドーがユージュ達にバイクから声を掛けるもユージュ達は銃を構えてくる。

 

「おーい!俺だ俺!」

 

スノウが声を掛けるとようやくユージュ達の警戒が解ける。

 

「撃つなよ。」

 

そして二人ともバイクを停めて降りると全員の安全を確認する。

 

「お前、ガキ好きだったっけ?」

 

ガドーがスノウに聞いてくる。それに対してスノウは一言。

 

「頼まれたんだ。」

 

それだけ答えた。マーキー達が近づいてきてスノウの無事を喜びあっている。

 

そこから少し離れた場所でスノウを睨む少年、ホープは一言

 

「あいつだ。」

 

そう言った。すると隣にヴァニラがやって来て聞く。

 

「言いたいこと、あるんじゃないの?」

 

ヴァニラにそう言われてホープは頷く。

 

「じゃ、行こう。」

 

「でも.........」

 

ホープは踏ん切りがつかないのか渋っている。するとヴァニラは、

 

「手伝おうか?」

 

ホープにそう聞く。

 

「えっ!?」

 

ホープはまさか手伝うなんて言われると思わなかったため、驚いた。

 

一方のスノウは、仲間たちと安全を確認しあい、無事かどうかを聞く。するとマーキーとユージュは、

 

「「ノラは軍隊よりも強い!」」

 

そうノラにとっての合言葉を口にした。

 

だが、スノウは

 

「ガキどもだよ。」

 

自分は子供達が無事かどうかを確かめただけだった。

 

「アホっ!」

 

二人はレブロにしばかれる。

 

「一人残らず....」

 

ユージュはスノウにそう答えた。

 

それを聞いてスノウは一言、

 

「皆守るからな。」

 

そう呟くのだった。

 

その光景を見ていたホープとヴァニラ。

 

ヴァニラはホープの様子にしびれを切らしたのか、ホープの背中を押す。

 

だが、ホープはまだ俯いている。するとヴァニラは、

 

「おーい。」

 

スノウに向かって声を掛ける。だが、スノウには聞こえていなかったのだろう。スノウはバイクを起動させると

 

「異跡に行ってくる。ガキどもを頼む。」

 

そう仲間たちに告げる。するとガドーがスノウを茶化す。

 

「お前は嫁さん。俺はガキ。美味しくねぇなぁ。」

 

するとスノウは、

 

「今度奢るよ。」

 

そう言った。すると今度はユージュ達が茶化す。

 

「式のご予定は何時ですか?」

 

すると今度は、

 

「お前らだけは招待しねぇ。」

 

笑いながらそう言った。

 

「ちょ!?あたしも!?」

 

それに対してレブロが過剰に反応した。

 

スノウの笑った顔を見たホープは、何故自分の母を殺したのに笑っていられるんだと怒りを露にする。

 

そうしたやり取りを仲間たちとしてからスノウは異跡に向かった。

 

 

それを見ていたホープ達は追い掛けようとして辺りを見回す。すると近くにガドーが乗ってきていたバイクが置き去りにされていた。

 

ヴァニラはホープを見てどうしたのかを訪ねる。するとホープは、

 

「あいつに言いたいけど......」

 

そう言ってヴァニラの腕を掴む。それに対してヴァニラは、

 

「ねぇ、これ飛ばせる?」

 

そう言ってバイクを指差す。

 

ホープは、

 

「......多分。」

 

とだけ答える。

 

するとヴァニラは喜んでホープをバイクの操縦席に乗せて、自分はホープの後ろに乗る。

 

「あっち!」

 

するとヴァニラは異跡を指差してそこへ向かうように伝える。

 

すると今度はホープの背中にしがみつく。ホープは少し驚いたが、直ぐに考える。

 

「異跡に入ったら下界(パルス)の......ルシにされるかも。」

 

それを聞いたヴァニラは少し顔を伏せた。が直ぐに顔を上げる。

 

「やっぱり僕.....」

 

止めよう。そう言おうとした所で後ろからヴァニラにハンドルを握られて一言、

 

「よろしく!」

 

そう言われる。すると

 

「何やってんだ!」

 

ガドーが走って近づいてくる。

 

「行きますっ!」

 

ホープはバイクのギアを最大にしてそのまま遺跡に突っ込む。

 

この時、二人はまだ知らなかった。これから起こる出来事に巻き込まれることになるなどとは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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