尋耶side
「ちょっと待ってください!」
「は?」
聞き覚えのない第三者の声に反応し尋耶は後ろへと振り向く。すると藤咲すら知らない男子生徒が尋耶へと近寄ってきており近づくなり大声をあげた。
「尋耶先輩!なんでそんなヤツの面倒を見てるんですか!?尋耶先輩には確か火野ライカとか言う戦妹が居たハズなのにどうしてそんな…」
「なぁ…ちょっといいか?本当にわからない事があるんだがオマエだれ?」
「ふざけないでください!?最初に先輩へ戦兄弟の申請をしに来た狙撃科Aランクの久藤ですよ!」
そう言われ尋耶は真剣に考え込み彼を思いだそうと必死になるしかし尋耶は。
「ごめんな、えっと久藤だっけ?記憶にないわ…」
全く記憶にないのか申し訳なく告げた。
キンジside
「ヒャッハァ、フィーバーだぜぇ!」
「お、おい羽牙…当てるはいいがこっちも使いきれないぞこれ」
放課後、学園島にあるゲーセンにて羽牙は備え付けのスロットマシンで大当たりを引き既に三箱近くのメダルを獲得しその様子を見ているキンジは半ば呆れていた。
「いやぁ!ありがとなキンジ!お前が誘ってくれたお陰で大儲けだ!アッハッハッハ!」
そしてなぜ羽牙はこんなに機嫌がいいのかと言うのは少し前に遡る。
それは強襲科の自由履修の届を出しに行こうと学舎の前へやって来たキンジなのだが偶然会った理子からゲーセンのメダル交換券を貰いそこへライカとのスパークリングを終え学舎から出てきた羽牙とキンジを見つけたアリアが合流し今に至る。
まずキンジとアリアはれおぽんというマスコットキャラがキーホルダーになったモノをクレーンゲームで狙い始め羽牙はキンジからメダル交換券を貰いスロットコーナーへと消えていった。しかしれおぽんを獲得後合流しようと羽牙を探し二人が目にしたものはメダルが入った箱を積み上げ派手に発光するスロットマシンの前に座っている羽牙であり余らせるわけにもいかないキンジ達は頑張ってメダルを減らすのであった。
「キンジ!どうすればいいの!?こっちも真ん中の大きなルーレットが動き始めたんだけど!?」
「羽牙ァ!いい加減止めてくれぇ!」
尋耶side
その頃尋耶はいきなり怒鳴ってきた久藤という後輩に軽く謝罪をし本人のことを覚えてないと伝える。だが本人はその事に納得がいかないのか怒りのボルテージをさらにあげた。
「覚えてないって…じゃあなんでそこの落ちこぼれだったり男女の火野ライカのことは覚えてるんですか!もういいですよまったく!先輩と言いレキ先輩といいなんなんだよ!」
立ち去ろうとする久藤がさりげなく愚痴をこぼすだがそのなかにレキの名前が出てきた途端尋耶の眉間がピクリと動き久藤に質問する。
「待てよ今レキのって言ったか?そうなるともしかしてお前レキにまで戦兄弟申請をしに行ったのか?」
「ええ!そうですよ!しましたよ!でもあの人僕が戦兄弟申請に行ってなぜ自分なのか?なんて言われて尋耶先輩に断られたと聞いたとたん『アナタは尋耶さんに断られたことの意味を理解できていないのなら私の戦兄弟になれるとは思いません』何て言われたんですよ!」
「く、久藤くんこれ以上はせ、先輩に失礼なんじゃ…」
そして久藤はレキに戦兄弟申請を断られた理由を半ばヤケクソ気味に話すだが自分を止めようとする藤咲を八つ当たりの対象と見たのか今度は彼女に当たり散らした。
「五月蝿い!落ちこぼれは黙ってろ!そもそもなんでお前見たいなヤツが羽牙先輩の戦妹になれるだけじゃなく尋耶先輩にまで面倒みてもらえるんだよ!?」
「そ、それは…!」
「ああ、言わなくてもわかるさ!どうせその貧相な体で誘惑したんだろ?それで簡単に引っ掛かった!火野ライカだってそうだ!強襲科の癖に狙撃科の尋耶先輩をハニートラップに陥れて自分のものにしたんだ!そうに決まってる!」
「く、久藤くん!私の悪口を言うのはいいけど羽牙先輩の悪口を言うのは聞き捨てなりません!」
「なんだよ言うようになったじゃないか落ちこぼれ!そうだよなお前の後ろにはあの羽牙先輩がいるもんなァ!」
藤咲に注意され神経を逆なでられたのか久藤は藤咲へと標的を変え怒鳴り散らす。だか久藤は何かを思い出したのか嫌な笑いを浮かべ続けた。
「そう言えばこんな話を聞いたことがるぞ!お前影で疫病神って呼ばれてるけどさぁ!その理由ってお前は自由履修で整備科に行ってるけど本来はSSR科でその力は過去が影響してるらしいな?」トントン
「や、やめて…わ…ワタシは……」
そしてその話をした途端藤咲の肩が震え始めその場にしゃがみこんでしまうがそれでも久藤は続ける。
「ほら言ってみろよ!お前の薄汚い過去をさぁ!」トントン
「あ…あぁ…!」
「おい黙ってないでなんとかって…さっきから何だよ鬱陶し…っ!?」トントン
藤咲は肩を震わせながら久藤の後ろだけを見ているそして肩を叩かれている本人はいざ後ろへ振り向くと見てはいけないものを見てしまったのか声を出せずに動けなくなったなぜなら。
「なるほど、思い出したよ久藤ハジメ。確か入学式から少したった時に俺に戦兄弟申請をしてきた後輩くんだったね」
そこに居たのは誰もが優しく微笑んでいると思えるような顔をしてると言える尋耶である。だが彼らが感じている目の前にいるモノの感覚は違い彼らの心の中にあるのは。
((怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けてタスケテ!))
恐怖だけであった。なぜなら人は相手の表情から雰囲気を読み取ることができる生き物である。だが二人の前にいる人間からは
「どうした?まるで
「ひぃぃ!?く、来るなよ!なんなんだよアンタ!?こんなの人間じゃない!化け物だ!化け物だぁぁぁ!」
久藤は尋耶の声で我に帰るがそれでも恐怖が心を塗りつぶしているせいか叫び声を上げながら射撃場を走り去り取り残された藤咲は未だに現実に帰ってこれず尋耶は仕方なく藤咲の目の前で指を弾くと彼女はまるで催眠術が解けたかのように呆然とした。
「あ、あれ?私今…何かとても嫌なことがあったような…」
「気が着いたか藤咲?急に考え込んでプルプルしてたが何かいかがわしい事でも想像してたんじゃないのか?」
だが尋耶はまるで今のことがなかったかのように振る舞い藤咲をからかうが彼女はその事を本当に想像してしまったのか顔を真っ赤にした。
「そそそ、そんなことありません!?決してです!」
「えぇ~?ほんとにごさるかぁ~?」
羽牙side
「ほー?そんでムカついて思わず威圧しちまったと?」
「まぁな…あー、まだイライラするつかあの……なんだっけ?謎の後輩は何様なんだ?」
夕方ゲーセンから忘れ物を取りに武偵校へと戻ってきた羽牙は狙撃科の学舎から見知らぬ後輩が逃げるように走り去っていくのを見つけ面白そうだと中に入るとそこには尋耶がおり羽牙は先ほどの出来事を聞いたのだった。
「ところでさっきまで志麻のやつもいたんだろ?何処行ったんだ?」
「藤咲ならお前からの課題を終わらせるって張り切って帰ったよ。まったく…こんなことなら一発ぶん殴っとけばよかったよ」
「その割にさっきからワンホールショットしてるのは誰なんですかねぇ…」
「只の精神統一だ気にするな」
そして尋耶は感情に流され格下相手を威圧してしまった先ほどの自分に腹をたて、鬱憤晴らしのために藤咲から受け取ったライフルの弾倉を二つほど空にしながらも的には一点の穴のみしか空けていなかったのだった。
今回でバスジャックまで行こうとしたのにどうしてこうなったのでしょう!?