羽牙side
「神崎さんの依頼を断ることになった?それだと武偵憲章二条を破る結果にならないかい?」
「本当に耳が痛くなる言葉だが…此方だっていつまでもその依頼に付きっきりってわけにはいかないだろ?」
とある早朝羽牙と白音の二人は羽牙の車に乗り学校へと向かっている中、アリアの依頼に関してどう対処するかという話をしており羽牙は尋耶と決めた方針を白音に話した。
「それもそうだけど…手段が無い訳でもないんでしょ?」
「まぁな、だがそれは最終手段だ。なにせこれまでの手口を考えるに武偵殺しがやむを得ず表舞台に出てくるなんて万に一つの確率だし、逆に引きずり出せるっていう確かな理由がないとこっちが自滅するだけだ」
白音は羽牙の話を聞き「ボクの方でも調べようか?」と言い出すが羽牙は「大丈夫さ」と断りそこから何気無い会話をしつつ武偵校へと着く。すると二人の携帯が同時に鳴り二人は顔を見合わせるとそれぞれの相手へと応答するのであった。
白音side
「もしもし?どうしたの神崎さん」
『シラオト!良かったわアンタ今どこにいるの!?』
「ぶ、武偵校の生徒用の駐車場にケイと一緒だけどなにかあったの?」
武偵校へついた途端に鳴り始めた二人の携帯、そして白音の携帯へ連絡してきたのは先日偶然知り合い羽牙達の依頼主となったアリアであり、何やら急いでいるのか唐突に話を進めた。
『ええ、実は厄介な事件が起きてアイツらの力を借りたかったんだけとジンヤしか連絡がとれなくて、キンジがシラオトならハガと一緒じゃないかって言ってくれて助かったわ!』
「そそうなんだ?それよりまた武偵殺しの犯行?」
『そうよ!だからハガ達が近くにいて助かったわ!あと悪いけどすぐにそこにいくからハガに話しておいてくれない?』
「わ、わかった!ケイにはボクから話しておくから駐車場で合流しよう!」
『わかったわ!ところでアンタ達の車ってあと二人乗れるわよね?』
羽牙side
「ほいほい?どうした尋耶朝っぱらから電話してくるなんて珍しいな?」
『羽牙、奴さん動きやがったぞバスジャックだ!』
「マジかよ!?場所は?」
『男子寮前のバス停を通過してからお台場方面へと進路を変えたらしいが俺らにとって重要なのはそのあとだ』
「なんだ?バスに爆弾がつけられてる以上に厄介なことでもあるのか?」
『あぁ、なんでも横に改造された無人のスポーツカーがいて時速60km以上で走行中らしい…いいか無人のスポーツカーだぞ?』
「それって…!」
『間違いなく
羽牙は尋耶から来た連絡の内容にさほど興味を示さないつもりでいたのか軽い気持ちで電話に出るだがその内容が武偵殺しが絡んでおりそして彼らが武偵殺しを恨んでいる原因の一つが関わっていると知ると羽牙は表情を険しくした。
「クソッ!尋耶お前今どこにいる!?回収してやるから場所教えろ!」
『悪い羽牙!今から神崎の指示でレキと待機しないといけないんだ。だからそっちに神崎達を向かわせたから回収してやってくれ!あと後ろの
そして尋耶の電話が切れたと同時にアリアたちが羽牙の車へと合流し乗り込もうとする。
「ハガ!バスジャックよ武偵殺しがでたわ…!ってなによこの車一昔前のフィアットじゃない!?こんな骨董品でバスに追い付けるはずないでしょ!?」
「いいから早く乗れ!それとも今から車輌科に借りにいくか!?」
「わかったわよ!」
そうしてアリアとキンジは後部座席へと乗り込むしかし嫌な思い出があるのかキンジは羽牙に質問した。
「羽牙、急いでいるのは分かるがお前に一つ聞きたいんだ。バスに追い付く為にあのトンデモ機能使う訳じゃないよな?」
「へっ?そうなのケイ?嘘だよね!?」
「いやぁ~この前車輌科に更に改装してもらったけどな?シカタナイヨナァ緊急事態ナンナダカラァ!」
だがアリア達をのせた羽牙は不吉な笑みを浮かべると足元にある謎のレバーを引くのだった。
三人称side
突如としてバスに爆弾が仕掛けられていると予告を受ける。だが状況のはそれだけに留まらず後ろから接近してきた無人のスポーツカーからの攻撃を受け生徒達は少なからず負傷したのだった。
「クソッ…防弾制服っつても当たると痛てぇんだぞ…!お前ら全員無事か?」
「なんとかね、でもこれでボク達も迂闊に動けなくなった」
「ん?不知火、武藤なにか聞こえないか?」
「何かって?この状況で幻聴でも聞こえてんのか?」
「違う、なんかこう…叫び声のような?」
「確かになにか…いや、これは最高のタイミングで援軍が来てくれたかもしれないぜ?」
武藤が車内の状況を確認する中一人の生徒の言葉にる、すると並走するスポーツカーとは別に後から接近する車が見えがその直後並走している車が突如としてクラッシュし後ろを見た武藤は思わずを頬を吊り上げるのだった。
アリアside
「ハガアァァァァァ!?アンタもう少し速度を落としなさい!そうじゃないと絶対に事故るから!?絶対事故るとアタシの勘が言ってるから!」
「アリアの言う通りだ羽牙!いくら急いでいるとは言えもう少しスピード落とせ!?」
「ケイ!この先カーブだけど絶対に転がらないよね!?」
「お前らうるせぇから少し黙ってろ!?」
武偵校の駐車場から出て数分後、道路を爆走する一台の小型車がおりその中に座っている運転手以外の乗員は気が気ではなかった。なぜなら羽牙が足元にある謎のレバーを引いたとたん後部のエンジンハッチが開き車が出してはいけない爆音を発しながらロケットスタートをかまし、更には数秒で速度メーターを振り切り本来その車が出せない速度で走行しているのだから。
「オラ!もう少しで追い付くぞ?ここから手が離せなくなるからインカムつけとけよ!?」
そう言い羽牙は耳にインカムを挿し込みアリア達も同じように準備する。
「見つけた!あのバスよ!横の車はアタシがやるわ!」
アリアは二丁のガバメントを引き抜きルーフを外した屋根から体を乗り出すと数発の弾丸を叩き込み一台の無人車輌を無力化するのであった。
羽牙side
「武藤!無事か?無事だな!なら運転変われ!お前の方がコイツがイカれたときに居た方がまだマシだ!」
「マシってなんだマシって!?その車改造したの誰だと思ってる!早々に壊れない設計してんだぞ?」
無人車輌を撃破後羽牙はバスの搭乗口の隣に並走しアリアとキンジそして白音を降ろす。さらに車輌科である武藤の顔を見ると車の運転を変わるよう指示した。
「当たり前だろ!白音は応急処置のためにそっちに送っちまったし、もしこっちがターゲットになったら俺がスポンジになっちまうよ!」
「わかったよ乗ればいいんだろ!?おい他の車輌科!ヤバくなったら頼むぞ!」
『ハガ!追加が来たわ対処して!』
「追加って…おかわりした覚えはねぇんですよ畜生!!」
そして武藤か車に飛び乗った直後アリアから敵の増援が来たと通信が入り羽牙は思わず泣きたくなるのだった。
白音side
―――白音!一年の頃衛生科にいたよな?だからバスの中にいる連中の応急手当てしてやれ!こっちは何とかするから!
白音は自分と入れ違いに武藤が乗り込むのを見届けると先ほどの羽牙の言葉を思い出しながらも負傷した生徒を診ていく。そしてある程度の診察が終わるとアリア達に通信を出すのだった。
「こちら白音!キンジ、アリアさんボクの方はなんとかなりそうだけどそっちはどう?」
『こちらキンジだ屋根上でアンテナらしきモノを見つけたから取り外した!』
『アリアよこっちも爆弾をみつけたわ!位置はバスの下中央に二つ!だけどここからじゃ届かない…って増援!?ハガ!追加が来たわ対処して!』
『追加って…おかわりした覚えはねぇんですよ畜生!!キンジ運転手をちゃんと守れよ!』
白音はそれぞれの通信を聞くなか敵の増援が来たことを知り身構える。だがバスの後方から二つ目の爆発音が聞こえると白音はほっと胸を撫で下ろした。
「羽牙のヤツが敵車輌を片付けた今ならこちらも迎撃の準備ができるぞ!」
「負傷した連中は前の方へ移れ!より軽傷なヤツもしくは動ける強襲科はこっちを手伝え!」
そしてバスがトンネルに差し掛かった頃強襲科であろう生徒達が羽牙の行動に感化されたのかバスから外をうかがい援護の体制に入ったのだが。
『おい嘘だろ…待て待て待て!神崎聞こえるか!車輌の前へ逃げろ今すぐに!あと白音聞こえてるならそこのカッコつけようとしている後ろの馬鹿共を前の方へ引きずり下ろせ!』
『どういうこと!また敵の増援!?』
『――の―弾――輌だ!――マ――ムがきかね―』
「ケイ?どうしたの?ノイズでよく聞こえない!」
突如羽牙から慌ただしい通信が入り白音はバス後方より黒塗りの車輌が急接近するのを確認する。。
『クソッタレェ!てめぇら全員伏せろオォォォォォ!』
だがその瞬間羽牙の叫び声もむなしくUZIよりも重々しい銃撃音と共にバスの後方が形を変えていったのだった。
総UA500突破ありがとうございます!こんな小説でも楽しんでもらえたら幸いです!