ルイズには二つ名がある。
それはワンのルイズ。
馬鹿の一つ覚え、錬金しかできない無能。錬金以外の魔法を唱えると爆発する。なんとも言えない性質だった。
だが、その性質も侮れない。ルイズは錬金に関しては天才の域を飛び越えた錬金の神とも呼べるものだった。
ルイズが幼い頃魔法を教わって時に発覚した事なのだが、その時から既に才能の一角を見せて居た。
初めての錬金はミスリルという鉱石。鍛冶屋ならば誰もが欲しがる幻の鉱石であり、通常の錬金では不可能であると言われている品物だ。初めてミスリルをみたルイズの母はただ、成功した事に驚いていた。その為、まだミスリルという事には気付いていなかった。
また別の日ルイズは父に錬金を見せていた。丁度その時ルイズの父は金のネックレスをつけて居たので、それを見たルイズは綺麗だと感じ、同じものを作って喜ばせようとした結果、ただの石が純金に変化した。
純金に変化した。
通常金を錬成できるようになるには、トライアングルにまで登り詰める必要があるのだが、それをすっ飛ばして純金を錬成したルイズに父は顎が外れた。ルイズの母もあまりの出来事に驚いて動けなかった。
二人は信じられず鑑定屋に行き見てもらったら純金であることは確実だった。
この時二人は決意した。
「「ルイズを悪い大人に関わらせない」」
それはただの親が子に対する愛情であって、当たり前のことだった。
更に目をつけられなぬよう。錬成でも制限を設けた。真鍮までならば錬成しても良いがそれ以上は駄目だと。
その結果ルイズは馬鹿にされるようになったのだが、二人はその分愛情を注いだ。
この性質はルイズと親二人以外は知らないことだ。
さて、そんなルイズが錬成すると決めたのは、AC用の武器。なぜかムイロは武器の設計図を暗記して居た。それがルイズは不思議で仕方ないのだが、利用できるのだから、利用しない手はない。と腹をくくり紙に設計図を書き出した。
「ここがこうで…?この鉱石知らないわね。あとこの…ええと、『コジマ粒子』か、かなり危険ね。錬成する前に少し改変させましょうか。」
座学は一位のお陰が理解も早かった。
「うーん、取り敢えず此処をこうして…まずは木でつくってみようかしら。」
仕組みを理解したルイズは模型を作る事に、ルイズは錬金が得意。まぁ、錬金以外できないのだがそのため、両親に錬金をより上手に、利用する為に、模型をつくってそれを錬金する方法を習っていた。
模型ならばゴーレムを錬成すれば良いのだが、ゴーレムも錬金の類だからとやって見たものの、作られたのは巨大な爆発だった。それを見ていたルイズとその両親は揃って土煙のなかため息をついた。
その為、模型をつくってやるという方法が最も得意であった。
「巨大だし、これなら私の腕でも持てるぐらいの大きさ。1/15のスケールで作れば良さそうね。」
それ故か材料さえあれば大きなもの、シャンデリアとかでも、木であれば四時間で十分に作成できた。
人呼んでヘファイストス《物作りの神》だ。
「この位複雑でもそうね。ざっと見積もって六時間で作成出来れば上々かしら。」
まぁ、それだとしても異常な早さだと言わざるを得ない。
「じゃさっとく材料を集めに行こうかしら。今は3時だし、うーん、鍛錬場ならあるかしら。」
そうと決めるとルイズは行動が早い。病室をでて、鍛錬場へと向かう。
今ルイズが向かっている鍛錬場というところは、かなり広く名の通り制限はあるものの自由に魔法を使っても良いと言うところであった。案外人は居るものでざっと、三十人を超える人は居た。
鍛錬場は危険で、やたらめったらに魔法を撃つものだから他の所と比べ5メートルほど低い。その分の土は他の所に放置してあるのだが、邪魔で困って居たところをルイズが発見。
無料で貰うことに成功した。理由はお察しの通り錬金出来るからなのだが。その土は様々な人に手伝って貰いながらルイズの部屋の近くの庭に山積みとなっている。
彼女は頻度として、二ヶ月に一度鍛錬場を訪れ土を貰っていく。そのくらいが両者にとって丁度良かった。
実際ウィン−ウィンの関係で居る。
因みに余談なのだが、鍛錬場に来る多くはむさ苦しい男故か、二ヶ月に一度訪れるルイズは鍛錬場のアイドル的な、妖精的な立ち位置にいたりする。
さて、そんなこんなで丁度鍛錬場についた。
「すみませーん。鍛錬場監督のミスタ・ジョシュは居ますか?」
「何か用かな、ミス・ヴァリアエール」
独特の重みがあるこの声、そう、何処ぞのジョージに激似したこのなんか八極拳使いそうな男こそここの主、ジョシュだ。
実際に使うのは風魔法なのだが…
「土を貰いに来ました。」
「おお、そうか私も丁度来る頃だろうと思って居てね。あっちの方に集めておいたよ。」
「お気遣いいつも感謝します。ミスタ・ジョシュ」
「はは!礼には及ばんよ。所でだが、怪我は大丈夫か?倒れたと聞いたが。」
「はい。怪我はもう大丈夫ですよ。」
「そうか、そうか、気をつけなよ。体、大切にな…」
「ありがとうございます。」
いつもの一連の話を終え土の有る方へと歩いて行く。
「うーん、大体250kgか馬二頭でたりるわね。」
「すみませーん。馬を二頭貸して頂けませんか?」
「はーい。いいですよ、ここに署名を… 」
署名やなんやらをして、馬車に積まれた土を
馬二頭で運ぶ。
ルイズの部屋の前まで訪れると土を下ろす。
この作業自体は馬車の積荷の後ろにある枷を外すだけなので一人でも足りる。
まぁ、いわば軽トラックみたいな感じだ。
ここまで終えて今は四時。まだ時間はあるが明日は使い魔の件があるので流石に武器の作成に入るのはよして、来た道を戻り馬を返し病室へ戻った。