病室に戻ったルイズは考えていた。この状況をなんと説明するかを…考えた中で最も簡単なのは錬金における知識が豊富な生物の魂と契約したというものだった。
錬金でトライアングルを超える力が必要な鉱石を練金しザッとこんなものですとドヤるだけだ。
しかし、ルイズはこの程度いいのか?と考えた。
第二の案。普通に言う。
幸いあの『★暗い〜』という巫山戯たような、真面目のような本は貸し出しているので事足りるといえば事足りている。
これが1番だが、他に無いか考えてみる。
幾つか思いついたもののやっぱり普通に伝えた方が良いよね。と言う結論に至った。
「うん、答えは得た。寝よう。」
なんだか随分サバサバしている。(メメタァ
朝
「おはようございます。」
と朝食中にコルベールが入って来た。ルイズはサラダを食べていたのか口に人参を咥えている。ルイズは背が低めなので、うさ耳をつければ十分にウサギに見えそうだった。そうコルベールは感じた次の瞬間腹に衝撃が伝わった…
「おはようございます。ミスタ・コルベール」
「えっ、あ、おはようミス・ヴァリアエール」
「今日は確か…使い魔の件でいらしたのですよね。
「えっ、あ、ハイソウデス。」
コルベールは腹に痛みを抱えていることに疑問を抱きながらも、『挨拶が帰って来た』のでそのまま話を続けた。外を見ると少しだけ日が高い気がしだがきっと気の所為だろう。ルイズか食事だったのもきっと気の所為ダロウ。ソウダロウ。
「その使い魔の件なのですが、学園長の元でお話があります。」
「え、学園長の元で、ですか?」
「はい。不思議かもしれませんが都合がヨカッタノデね。」
「そうなんですか」
「では、移動しましょうか。」
ルイズにとっては願っても無い幸運だった。噂によると変態ではあるが、頭は柔軟で非常に物分りが良いとのことだった。
さて、余談ではあるが実はルイズとコルベール、この二人かなり仲が良い。と言うのも、ルイズは非常に物造りにおいて詳しく、魔術と杖の構造と言う題名でレポートを書いた際にコルベールと出会い意気投合したのだ。勿論、恋人なんて言うのはナンセンスだ。それで、だが前代未聞のこの自体、愛弟子であるルイズを守ろうと奔走したのだ。それはもう他を寄せ付けない勢いで、そうして普通はあり得ない学園長との会談迄漕ぎ着けたのだ。
実際は事件当日救護した後に学園長の元に行きこうして休める時と、会談を設けたのだが、それはそれだ。
またその時、学園から少し遠目の所で、会議が終わったある学園の長はこう言っている。あれは正しく悪魔、いや、破壊の杖より恐ろしものじゃった。と…
決してこの学園の者とは言いっていない。
蛇足が長くなったが、現在二人は学園長室の前にいる。
「あの変態は物分りが良いのでそこまで気を使う 必 要 は な い のですが、一応粗相はないように…」
「はい」
コンコンコン
「学園長、コルベールです。ミス・ヴァリアエールをお連れしました。」
「…ィィではないか。ロングビル。」
「…学園長?」
「この変態!」
「…ミス・ヴァリアエール少しお待ちを」
「ハ、ハイ」
世界は普段怒らない人が起こることほど恐ろしい怒りはないと言うが、この世界ではそうとも限らないようだ。
そう、言葉で表すならば何処かの⑨の熾天使が無数の数で現れ、一つ一つの連携が取れた状態で襲ってくるようなものだたと言っておこう。
一人の綺麗な女性が出て行った後、コルベールが出てきた。
「お待たせしました。お入り下さい。」
「ありがとうございます。ミスタ。」
コルベールが開けた扉の先に待っていたのは、頭に雪だるまを載せたなんとも愉快なジジイだった。
「…ミス・ヴァリアエール…なにがとは言わんが今失礼極まりないことを考えたじゃろ。」
「……いいえ考えてないです。」
「一体なんの間じゃよ…」
此奴…私の思考を読んで…!と思っている隙に部屋の空気が少し下がる。所謂真面目モードってやつ。
「あのさぁ…お主巫山戯ないでくれない?」
「「?」」
さ、さて使い魔の話を…
「まあ、いいか。さてよくぞ訪れたミス・ヴァリアエール。ここに呼んだのは他でもない。お主の使い魔、もとい昇格試験の事についてなんじゃが。教師たちの報告によると、使い魔は見当たらず。お主に使い魔のルーンの様なものが見られたとのことじゃが…その事について何か自身でわかっていることはあるかの?」
「はい。学園長先生。私の使い魔は私の中に居ます。」
「それはどう言うことじゃ?」
ルイズ以外の二人は検討がつかず頭を傾げる。
「お二人が頭を傾げるの無理はないかと思われます。
私もまさか、と今でも思っているからです。」
「焦れったいの、簡潔にいえるかの?」
「はい。ですが、本当に不思議な事なので信じて頂けるか不安ですが…
言います。私の使い魔は魂です。」
「魂じゃと?なぜそう思う。」
「それは使い魔に聞きました。使い魔になった魂が言うには、身体が死ぬと全く同じタイミングで呪文に応じた結果、身体ごと応えらるわけもなく魂のみ応えらたのではないか、とのことです。」
「そうか…そんな事が…しかし今こうしてお主しか居らぬ様に本当に使い魔に成ったのか?」
ルイズの言い分は理解して居てもやはり疑問は多くなんとも言えないのが現状だった。
「そうだと思いこの本を持ってまいりました。」
「この本がどうしたのじゃ?」
「ここの部分なのですが−。」
「ふむふむ」
ルイズはあの『★暗い〜』の記載を説明する。
「そうか…成る程。知識などを使えるか…」
「はい。使い魔の元種属は本人も忘れて居てわからないのですが、使い魔の知識のお陰でいままでの私が出来ない事が出来る様になりました。」
「何か出来る様になった?」
「それは錬金の技術が上昇した事です。真鍮が私の限界でしたが、昨日錬金をした所純金の作成に成功しました。」
「なんと!それは本当か?」
「はい。ご覧になられますか?」
「ああ頼む。」
「では失礼して--」
ルイズは持参した石に向けて呪文を唱える。
「--錬金!」
見事持ってきた石ころは純金へと変貌し二人を驚かせた。
出来たものを二人に渡すルイズ。
それを触って確認すると本物である事が確認出来た。
「なんと…!」
「天才じゃったか…!」
「如何でしょうか?」
ルイズは二人に恐る恐る聴く。
「文句ナシじゃ、学園長たるわしが認める。後はまかしておきなさい。ただし、ミス・ヴァリアエール。これをするのは控えなさい。他の者に知られると危険じゃ。ミスタも良いな?」
「ええ勿論ですとも!」
「やったぁーーー!」
ルイズは歓喜した。なんの問題も無く昇格は決定した。
少しだけ、話をした後にルイズとコルベールは部屋を後にした。
二人が退出した後に学園長は1人息を吐いて居た。
「ふぅーあの娘やりおる。まさか『素であれが出来る』とは」
幾つかの思考が過ぎる。
「此度は使い魔の知識とやらを見せはしなんだ。だが、確かに使い魔は入る様じゃ…出なければあの存在に話が着かん。確かにわしが『使い魔を見た』それだけで十分じゃろ。」
肩を回しぼきぼきと音を鳴らす。
「言ったのだから、やり切ろうかの。さてがんばろー」
言葉は適当だが確かに目は真剣そのものだった。