Program code: IS   作:音原織那

3 / 12
 短くなってしまいましたが、新話投稿です。


code:2 災厄は続くよ何処までも

 やって来ました東京へ。

 ……てか、父さんの仕事って何なんだろうな?

 前回はしがない銀行マンだったはずなんだが、さらっと一軒家を購入して引っ越すとは……ん?

 前より災厄ウサギに関わる可能性が高くなってね?

 しかも白騎士事件から二ヶ月も経ってない今は6月前だ。

 モッピーこと侍ガール、篠ノ之 箒が引っ越すのが三年終わり頃だった筈だから……。

 妹LOVEの奇人変態である災厄ウサギがこの辺に残っていないわけがない。もし、残っていないとしても何かしらの方法で盗撮なりをしてるに違いない。

 アンダーラインを作ったんだって言われても納得しそうで怖いわ……。

 うん、全体的に関わらない事を祈るしかないな。

 

「織斑 一夏だ。よろしくな!」

 

「一夏の姉の織斑 千冬だ。一夏と仲良くしてやってくれ」

 

 ……願いも虚しく、御隣さんへの挨拶で全てが吹き飛んだ。

 テンプレか?!テンプレだから諦めろとでも言うつもりか?!畜生!

 

「あ、はい。よろしくお願いします」

 

 一夏に関われば箒にも関わる事になるだろう。すなわちそれは、災厄ウサギと関わりを持ってしまう事に他ならない。

 あ……俺詰んだかもしんない。

 

 

◇◆◇

 

 

 俺の心配を他所に意外な事ではあるが、俺が箒と関わる事は殆んどなかった。

 よくよく考えてみれば、一夏と箒の関係は放課後に篠ノ之道場での剣道が中心となっていたのだから、基本インドアで学校でしか話したり遊んだりする機会がない俺と関わりがある方が可笑しいと言えるだろう。

 ……だから。

 

「ねぇねぇ、君聞いてる?この束さんが話しかけてあげてるんだからちゃんと反応しなよ」

 

「あ、はい。すみません」

 

 関わりがない筈のこの人との関わりも気のせいだという事にして欲しい。

 今世紀最大の大天災(誤字に非ず)篠ノ之 束。自身の作ったパワードスーツ『IS』を世界に認めさせるためだけに白騎士事件を起こした傍迷惑な災厄のウサギ(ラビットカラミティ)。

 はっきり言って、彼女に関わるだけで死亡フラグが乱立している気すらしてきてしまう。

 

「それで?なんでしょうか」

 

「君の使ってるPCにアクセスできないんだよね~。もっと正確に言えばセキュリティから無理やり引っこ抜いたデータすら開けないんだよね」

 

 ……迂闊だったというべきだろうか。

 今後、電脳世界にウサギ在り等という言葉が囁かれても可笑しくないこの人が織斑家の隣に引っ越してきた人間のPCに興味を示さないわけがなかった。

 どうしようもない。そうとしか言えないだろう。

 

「当然でしょうね。プログラムの形式そのものが根本的に違いますから」

 

「ふ~ん?ま、いいや」

 

 簡単に引き下がった?

 意外すぎる。分解させろとか、強奪していったりとかしそうだと思ってたんだけど。

 

「やけにあっさりですね」

 

「プログラムなんてどうでもいいんだよ。この束さんに掛かれば簡単に終わるだろうし。それよりも、私が知らないプログラミング技術を持ってる君の方が面白いね」

 

 ……え゛?

 君の方が面白いね。面白いね。お・も・し・ろ・い・ね。

 興味を持たれたって事は死亡フラグ?

 あれだよな、一夏は世界最強が守ってるし、箒は最終的には保護プログラムで国が守る。

 ……俺は?

 

「いやいやいや!面白いものなんてなにもありませんって」

 

「君の意見はどうでもいいんだよ。決めるのは束さんだから」

 

 それから、束さんはちょくちょく俺の前に現れては帰っていくという事を繰り返し、箒が保護プログラムによって転校するとパッタリと姿を見せなくなった。

 ……まぁ、直接会ってないだけでやり取りはしてるんだけど。

 

『こよみちゃん』

 

『なんですか……っていうか、ちゃん付けはいい加減やめてください』

 

『あげる』

 

『え?』

 

 関わってしまったものは仕方がないと開き直り、彼女が持っている知識を学べるだけ学ぼうとしたのが原因だったのかもしれない。

 本当にそれだけとも言えるやり取りで投げ渡されたソレはある意味で破滅の道を示しているのだろう。

 

『ISコア』

 

 恐らく、世界に467個しか無いものとは別の物だろう。

 火種になる未来しか思い浮かばない。

 ……うん。俺、詰んだ。

 

 

◇◆◇

 

 

 四年生になって、セカンド幼馴染みこと中華娘、凰 鈴音が俺のクラスに転入してきた。

 因みに、一夏とはクラスが別だ。

 案の定というか、仕方ないというべきか。

 日本語が堪能であったわけでもない彼女は言葉遣いがぎこちなかった事から虐めにあってしまっていた。

 

「リンリン?パンダの名前じゃん」

 

「おいリンリン、笹食えよ~」

 

「きゃっ!?」

 

 原作では一夏が助けていたが、同じクラスである上に、男が女を虐めるという行為がどうしても我慢できなかった。

 好きな子に軽い悪戯を仕掛けるくらいならまだしも、突き飛ばして蹴りを加えようとするのはやり過ぎとかそういった問題じゃない。

 

「おい!」

 

「あぁ?なんだ、森下じゃん」

 

「邪魔すんじゃねぇよ」

 

「人の名前を馬鹿にするわ、女の子を突き飛ばすわ……いい加減にしやがれ!」

 

 まぁ、今後の人生に未来が見えなくなってムシャクシャしていたのもあったんだろう。前回の時の経験をフル活用して悪ガキ共を殴り倒し、気がつけば先生に説教をされ、保護者呼び出しという結果が待っていた。

 騒ぎを聞き付けて隣の教室からやって来た一夏はよくやったなどと言っていたが、その表情はどこか驚いていた。

 事情を聴いた母もまた、驚きながらも今回の事を注意してきたが、後でよくやったなどと誉める時点で子供の教育にこれは良いのだろうかと少々疑問を覚えるものだ。

 因みに、驚いていたのはインドア派の俺が一方的に喧嘩で勝っていたからだそうな。

 

 そんな事があってから、俺と一夏と鈴音(鈴で良いと言われた)は連み始めた。

 中学に入ってからはそこに五反田 弾と御手洗 数馬が加わり、バカなこともやりつつ中学時代を過ごし、原作の通りに鈴が中国に帰ってしまった中、俺達は受験生となり中学を卒業した。

 まぁ、原作の通りに一夏が誘拐されたり、受験会場を間違えたりしてなんやかんやあったのは割愛しておく。

 重要な事ではあっても、俺自身がそんな事を言っていられる状態ではないからだ。

 

『ISコアを個人的に所有している男子!二人目の男性適合者か?!』

 

 新聞の見出しやTVで放映されている情報を見ながら、俺は災厄のウサギを思い浮かべて一つため息をついた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。