生きる事は悩むこと   作:天海つづみ

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陰口

 

 「どう!?カンナ!!」

 クロフは砂漠で大剣を振るい

 音爆弾を投げる

 

 「難しい!!」

 カンナは武器の重さに苦戦する、

 「脚が沈む!!」

 

 ドスガレオスは尻尾を振り回すが

 「ブォン」

 「ガスッ!!」

 

 「でも楽! 吹っ飛ばない」

 

 ランスって盾の重さを

 利用する武器なのか!

 

 攻撃が足にしか当たらないし

 大したダメージが入らない、

 もちろん回避らしい回避も出来ない。

 

 けど

 「ブォン」

 「ガスッ!!」

 

 ガードしても疲れない

 

 生き残る、それがハンターとしての

 正解ならば、これほど体現

 している武器はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「太刀ィ?」

 ロクスは顔を歪める

 

 「ロクスさんの…太刀の技術を

 教えてあげたら…

 カンナは今の…」

 上手く説明出来ない

 

 「言おうとしてる事は解るがのぉ」

 

 「違うの?」

 カンナは期待していた

 

 「ワシはガンナーじゃ!!」

 ボウガンを構える

 

 

 

 

 

 

 

 

 「まさかガンナーだとは…」

 身体中の砂を叩く

 

 「以外過ぎるわ」

 カンナは靴から砂を出す

 

 ドスガレオスを倒し、

 キャンプで一休み。

 

 「使えそう?」

 クロフが聞く、実は他の武器も

 興味が出た。

 考えてみれば自分から武器を

 選んだ事が無かった。

 

 「戦うのは焦れったい、こっちの

 ダメージは少ない…けど…」

 

 「けど?」

 

 「移動がイヤ!重すぎる!」

 ブンブン首を振る、ツインテールが

 面白い様に動く。

 

 盾と槍両方だと大剣より重い、

 だがそれ故ガード性能は高い。

 

 太刀はリーチが長い、そして

 攻撃範囲が広い、何より軽い。

 

 ランスはガードがメインのようだ、

 リーチも無いし攻撃範囲が狭い、

 そして重い。

 

 

 

 

 

 

 「ドタッ!!」

 

 「んぎゃっ!!」

 ハンマーを持ったが振り回せない

 

 「ハンマーも狩猟笛もダメか」

 ロクスは腕組みして考える。

 

 「あの…片手剣は?」

 クロフだってそこから始めた

 

 「ナナキの話だとガードごと飛ばされ

 るし、足しか斬れんそうじゃ」

 

 (背も低いしな)

 大きなガノトトスを思い出す

 (じゃ大剣はどうだ?)

 

 「片手剣って何かダサくない?」

 

 「そんなこと言ってる場合じゃ…」

 

 「何で師匠はランスにしたの?」

 カンナはハンマーを荷車に戻す

 

 「あいつは何でも一人で狩りたがって

 なぁ、一番生き残る可能性がある

 武器を選んだまでじゃ」

 

 「なら…私もやってみる!!」

 

 「本気か?」

 

 「うん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 「止めといた方が良かったかも」

 アイアンランスを恨めしそうに

 見るカンナ

 

 「と、とにかく色々試してみよう」

 フォローする言葉が見付からない

 

 「時間掛かるし重いし!」

 

 カンナの利点は小さな体と素早さ、

 ランスは見事に利点を殺す。

 

 

 

 

 

 

 ギルドに戻りロクスにも報告

 

 今日はゼルドとガルダも起きていた

 

 「おぉ、どうじゃった?」

 

 「ガードが凄い楽、だけど重いしイヤ!!」

 

 「がははは!!まよっでるなぁ!!」

 ゼルドが飲みながら言う

 

 「あの、何かアドバイスとか…」

 怖い…クロフは緊張…

 

 「フム…無い!」

 ガルダが素っ気なく言う

 

 「え…あの…えーと」

 怖くて挙動不審になると、ガルダが

 話してくれる

 

 「フム、クロフよ、なぜ俺たちG級が複数の

 武器が使えるか、考えた事があるか?」

 

 表情が変わらない、けど優しい……

 ……のか?

 そう言えば師匠もボウガンとか使ってた、

 何で?

 

 

 「師匠はランスなのに太刀って…」

 カンナは首をひねる

 

 「あいでにあわぜるんだぁ!!」

 ゼルドが歯を剥き出して笑う

 

 「まぁ全部一本で片付けるヤツもいるがの」

 ロクスは腕組みする

 

 「それって一番カッコ良くない!?

 誰!?その人!!」

 

 「「オヤジ!!!」」

 ゼルドとガルダ

 

 「「オヤジ??」」

 クロフとカンナ

 

 

 

 「ガストンじゃ!!」

 ロクスが言う

 

 

 

 

 

 「はあぁーーっ…」

 大きな溜め息とともに下位が集まる

 テーブルに突っ伏すカンナ。

 

 「何とかなるよ……」

 出来るだけ明るく言うが

 クロフの言葉は空気と同じ。

 

 

 「何か悩んでるんだって?」

 筋肉質な大柄の女性、名前は女らしく

 マリン……

 

 

 …マリンって………

 違和感が凄い、ギザミとか言う装備に

 緑色の大剣を軽々と担ぐ、

 髪も短くクロフは男かと思っていた。

 

 (ドスマリンって感じだけど……)

 

 

 

 「あ、マリン、武器がさ…」

 

 「私は大剣一本で限界だよ」

 

 「限界?」

 カンナは起き上がる

 

 「覚えること増えるし、強化にお金

 が掛かりすぎるよ」

 

 「それ(費用)もあるのか、どうしよ…」

 

 「まずさぁ、カンナは太刀だった

 わけじゃん、何で太刀だったの?」

 ジョッキを持ちズイッと

 前のめりに聞いてくる。

 

 「師匠に勧められて…」

 

 「それだけ?ほんとに?」

 

 「他に理由?あったかなぁ」

 

 

 「見た目だけで選んだんじゃねぇの?」

 双剣使いの男、名前はイシズキ

 リオレウス装備に鉱石の双剣、

 兜は着けずに長い髪の毛を

 立てている、赤くて目立つ、

 

 クロフと同じ年でハンター歴は

 一年だという。

 

 「見た目で武器を選ぶって事があるの?」

 クロフは自分で選んだ事がない

 

 「当たり前だろ、

 俺はこの見た目がすべてだ!」

 ジャキンと抜刀し頭上でクロスさせる

 

 「ギルド内で抜くんじゃねえ!!!」

 近くにいた師匠らしき人に頭を叩かれる

 

 

 「いってぇ!!!」

 

 「バカだねぇギルド内は抜刀禁止だろ」

 マリンに睨まれる

 

 

 

 「カンナ、ランス貸して貰える?」

 やってみたい、この武器

 

 「いいけど何?使うの?」

 ロクスのランスを勝手に渡す

 

 「うんちょっと練習してみたい」

 

 私は次は何使おう…

 

 

 

 

 

 

 ドンドルマ 下位 密林

 クック討伐

 

 「いざとなったら助けてあげる」

 

 なぜかマリンが一緒、

 話したことあんまり無いし……

 なんで……

 

 

 「あの…、マリンのこと教えて貰える?」

 

 緊張する、二人きりだし……

 いつもはカンナがいた…

 

 カンナは誰にでもこう言って聞く、

 マネしてみる。

 

 

 「私?出身はバルバレ近辺、王都の

 遥か南の大砂漠のほう、

 小さいときからガタイが良くてさ、

 村長にハンター勧められて」

 

 (人に聞くって何か怖いけど簡単に

 答えてくれるものなのか?……

 確かに背は180を越えてるし筋肉凄い、

 歩幅が違うよ…)

 

 「クロフは?」

 

 ジャンボ村の事、ハンターになった事、

 

 

 そして…

 

 

 

 

 「人と話せなかったぁ!??」

 マリンは以外そうな顔をする。

 

 「うん、人が怖くて…」

 恥ずかしい…

 

 「違うな、自分が傷付くのが怖いんだ」

 

 「うん、そうだった」

 クロフは下を向く、

 カンナに比べて話しやすい…

 なんで?

 

 「同じ四英雄の弟子でも、

 こんなに違うのか」

 歩きながら腕組みする、

 二の腕の筋肉が盛り上がってる

 

 「カンナと俺?」

 

 「そう、カンナはさ、弟子であること

 自慢するし、自分が最強っていうでしょ」

 

 「うん、自信が凄い!」

 

 「下位の間じゃ嫌われてたんだよ、

 皆は口には出さないけどね」

 

 「そうなの!!?」

 

 「アンタは逆だね、自慢しないし

 自分は弱いって思ってる」

 

 「それが普通じゃ…?」

 師匠の戦いを見たら……

 世の中上には上ばっかり…

 

 「そう!下位なら普通、だからアンタは

 話しやすい」

 

 この人怖くない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あ、いた」

 クックを発見

 

 「私は適当に時間潰すわ、その代わり

 報酬要らないし、素材もあげる」

 そう言うとマリンは別エリアへ。

 

 

 

 

 

 クックの足元に走り込みガード、

 ガード突きをやってみる。

 

 これってダメージあるんだろうか…

 チクチクチマチマ攻撃する

 

 横にステップ…尻尾が来るが…

 「ガスッ!」

 あれ?

 

 片手剣の時はハデな音と共に

 のけ反ったが、

 

 突進!ガード!

 「バン!」

 足元で立ち上がるクックを見る…

 見る余裕がある!!

 

 ツイバミ!!4回連続!!

 「ガン!ガン!ガン!ガン!」

 

 スタミナは持っていかれるが…

 なんだこれ!体が楽!

 

 片手剣の時はキャンプ送り

 になったのに!!

 

 それなら!

 

 尻尾の後に2回突く、

 すぐにステップ、正面から避難。

 

 ブレス!しかしガード、

 片手剣の盾と違い防御範囲が広い

 熱くない。

 

 時間が掛かるが…

 

 

 

 

 半日掛かりでクックを倒した。

 

 「どうだった?」

 マリンが聞く、半日採取だけやってた。

 

 「これ(ランス)凄いかも」

 

 

 

 帰り道

 「なんでマリンは一緒に来たの?」

 

 「カンナの居ない所でアンタと話

 したかったんだよ、

 カンナの居るところでさっきの

 話したら……」

 

 「怒って騒ぐ……」

 

 「そう!」

 

 そうか、カンナに自分の事話したら、

 騒ぎそうだから話したくないんだ…

 

 マリンは騒ぐ気がしない…

 俺より大人に見える…

 

 「何かマリンは人を悪く言うような…

 人じゃないはず…みたいな」

 

 「言いたくないよホントは、子供の頃

 からゴツい事悪く言われて

 育ったからね、

 人の欠点言うようなマネはしたくない」

 

 「うん、俺も人を攻撃?するような

 事は言いたくないよ」

 カンナは言うよなぁ

 

 「劣等感ってヤツだよ、まぁそのぶん

 ハンターに向いてたようだけど」

 大剣を軽々と振り回す。

 

 「カンナは何か…劣等感あっても」

 

 「多分チビって言われ続けたはず、

 それに必死で抵抗してる」

 

 「カンナは言いたいことは言わないと

 後悔するって」

 明日死ぬかもっていってたな。

 

 「加減…だよなぁ、もう少し年取って

 みたら分かるのかなぁ」

 

 (師匠の言葉、女には聞いては

 ならない事が3つある……………

 でも……)

 

 「マリンっていくつなの?」

 

 「17」

 

 「年下!!!?」

 

 「以外だった?」

 ニコっと笑う、女性というより

 カッコイイ男にみえる、

 白い歯が光るのはなぜ?

 

 

 「アンタは堅実な狩りをする、

 今度組んでよ」

 右手を出す

 

 「うん!役に立たないかも

 知れないけど」

 握手、手が大きい…

 

 「そういう所が気に入られるんだな」

 

 「???」

 

 「謙虚だよ」

 

 

 

 

 ギルドに戻るとロクスとカンナが

 話している、

 

 「あ、お帰りー」カンナが言う

 

 「武器決まった?」

 マリンが聞く

 

 「何で太刀だったか思い出したんだ、

 囲まれるのが怖くて、斬り下がりが

 ある太刀にしたんだ」

 カンナは手刀で表現する

 

 (ほぉ、この娘(カンナ)の口から怖い

 という言葉が出るとはのぉ)

 初めて聞いたかもしれない

 

 「あぁ、まとめて斬れるし…」

 マリンもマネする

 

 「そう!次に繋げやすい!」

 

 「つまりじゃ、複数相手の立ち回りが下手

 だったって事だのぉ」

 ロクスが腕組みして言う。

 

 (立ち回り…?

 師匠に何か言われたような)

 

 

 

 「で?クロフよ、ランスはどうじゃった?」

 

 「この武器…モンスターの攻撃見る

 のに…特化してる?…ような」

 

 ギルドの喧騒が止まる

 

 

 

 

 「………は?」

 

 

 すぐにまた騒がしいギルドに戻る。

 

 (何だ?今の?)

 下位のハンター達はキョロキョロしている

 

 満足そうにロクスは頷き

 「クロフよ、しばらく使ってみろ」

 

 

 

 

 

 

 奥の部屋

 「ホッホッ、初めてで本質に気付いたか」

 

 「あぁ、あの小僧にこんな素質が

 あるとはのぉ!」

 

 「アルトがおじえだんじゃねえが?」

 

 「フム、楽しみだ」

 

 

 「あらあら、何の悪巧み?」

 ベッキーがジョッキを持ってくる

 

 「ホッホッ、さっきのクロフ、

 誰か思い出さんか?」

 

 「アイツと同じ事言ったわね」

 ベッキーはムスッとする

 

 「何にしても下位で

 止まるヤツではないのぉ」

 

 

 「ホッホッ、カンナが迷ったお陰だなぁ」

 

 「アルト良いでじみづげだな」

 

 「フム、攻撃よりも生き残ることが

 大事だと気付いているな」

 

 「普通は何度も使わないと

 理解出来ないはずなのにね」

 ベッキーは頬に手を当て言う

 

 「フム、何にせよアルトにとって

 今度の弟子は……」

 

 「わるぐない」

 

 「ホッホッホ、ゼニスの報告通りじゃの」

 

 「良い子すぎて、ちょっと詰まらない

 感じもするけど」

 ベッキーは目を細める

 

 

 

 

 数日後、クロフは自分でランスを

 作り強化してクエストへ

 

 

 「クロフ!行ったぞ!」

 マリンが叫ぶ

 

 「おう!!」

 ガード!リオレイアが突進してぶつかる

 

 レイアが二歩下がる

 「カンナ!!」

 ガードしたままクロフは叫ぶ

 

 「とりゃっ!」

 カンナは閃光玉を投げる

 

 サマーソルトはガードされ、

 閃光で墜落

 

 「マリン!!イシズキ!!」

 

 「「おおりゃ!!!」」

 

 マリンとイシズキが斬りまくる、

 レイアが立ち上がるが

 

 「せいっ!!」

 カンナは頭に抜刀斬り、

 

 怯んだレイアが振り向き逃げようとすると、

 マリンが力を溜めていた。

 「うおらあぁぁっ!!!!」

 

 ドカンとレイアの頭に大剣を叩きつける

 

 

 

 「上手くいったね!!」

 カンナは先頭を歩く

 

 「カンナはもっと調合覚えないと」

 クロフはポーチの中を確認する

 

 「やっぱ双剣最高!」

 歩きながら振り回すイシズキ

 

 「イシズキ、アンタは無謀な行動多いよ」

 マリンが諫める。

 

 マリンとイシズキが攻撃、クロフはガード

 とサポート、カンナは遊撃、

 良いチームとして行動できる。

 

 「アイテムの消費が少ねぇよな」

 

 「私の閃光玉使ってんだからね」

 

 「調合したのはクロフでしょ」

 

 クロフは一人ニヤケる、これが仲間か。

 村の作業を思い出す、

 だけどあの時とは違う、

 同年代で同じハンター……

 

 

 同じ??

 

 

 

 キャンプで防具の手入れと休憩。

 

 「カンナはハンターでナナキさん

 目指してるんだよね」

 

 「ん?ほうばお」

 口一杯に携帯食料を頬張ったまま

 頷く

 

 「イシズキは?」

 

 「四英雄って訳じゃねぇけど、人から

 カッコイイ!!って思われてぇじゃん」

 赤い髪の毛を逆立て直す。

 

 「子供かアンタは…」

 マリンが呆れる

 

 「マリンは?」

 

 「村の守りだけで良かったんだけどね、

 上位に挑戦してみようかって」

 

 マリンは2年ほどドンドルマで下位を

 やってるらしい

 

 「クロフは?」

 

 「王立書士隊に入りたい」

 

 

 

 「師匠達と同じ…仕事?」

 カンナは目を丸くする

 

 「皆目的はバラバラなんだね」

 最終的には皆……せっかく良い仲間に

 巡り遭えたのに…

 マリンの顔が曇る

 

 「とりあえず上位に行ってみっか!?」

 双剣でお手玉状態

 

 クロフ、カンナ、マリンは思う

 

 「コイツ悩み無さそう…」

 

 

 

 

 でも単純すぎてどこか羨ましい、

 目的ができたら何も考えず進める

 タイプ、

 見方によってはバカともいうが。

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