生きる事は悩むこと   作:天海つづみ

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集落へ

 

「これで足りるかな?」

森と丘エリア 8番と呼ばれる場所、

木々が生い茂り 、木漏れ日が地面に降り注ぐ。

 

キノコ類、特に特産キノコは

村の大切な収入源だ、

幸い大きな猪 ブルファンゴも、

鋭い爪を持ち、二足歩行で素早く、

人間と背丈が同じくらいのランポスも居ない。

 

 

背負い籠にキノコを入れる、

まだまだ採取するから少しだけ。

 

後はカラの実とハチミツと……考えながら9番へ。

何も居ないことを確認する。

 

クロフはハンターではない、ただの村の青年で

村のために働く人。

戦闘訓練などしたこと無いし、剣より虫網を

振り回してきた、

モンスターがいる場所は避けていく。

 

9番、ここは細長い地形をしていて、やはり木々

が生い茂り、さながらトンネルのようである、

そてここには大概………

 

小さな足音がこちらへ来る。

 

「道具屋にゃーーー」

 

白猫のアイルーと黒猫のメラルーが

四足で走ってくる、数は四匹。

 

猫族と呼ばれる原住民?で あらゆる環境、

地域に適応しながら生きている。

 

特にアイルーの方は人語も操り手先も器用で、

村長によると人の村で商売まで始めて

生活してる者までいるそうだ。

 

一方のメラルーは手癖が悪く、人の

持っている物を盗んでしまう。

特に狩場(集落の近く)に来るハンターは

被害に会いやすいが、人間社会には

言葉が足らず入ってこれないため、

人の村まで来ることは無い、

狩りに来るハンターが狙われるのだ。

 

ちなみに道具屋は…

 

足元まで走って来ると二足歩行になって

クロフの匂いを頻りに嗅ぐ、

歩くときは後ろ足で立ち上がるのだ、

まるで幼い子供に囲まれている保母さんの

ような絵面になる。

 

 

持ってるにゃ、持ってるにゃと言いながら

周りを囲む。

 

「もちろん持ってるよマタタビ、後で集落に

行くから族長に伝えて」

 

「了解にゃ」 

 

「変わった事は無い?」

 

「クックがいるにゃ、それと族長が大きな

取り引きしたいと言ってるにゃ」 

 

 

イャンクック 通称クック 大きな赤い鳥竜種、

大きな翼と嘴、そして大きな耳を持つ、

ハンターにとってコイツが狩れたら一人前

と言われるらしいが…

 

何度も見てるが化け物だ、赤い鱗と大きな

シャクレた嘴が脳裏に浮かぶ。

あんなでかくて怖そうなのにハンターに

とっては初心者向きの

デカイ耳がある鳥だとか、世界が違う。

 

道具屋にすぎないクロフの勝てる相手では

ないし、戦う気なんて最初から無い。

 

今日の仕事はクックを避けながらか、

効率悪そうだ。

 

などと考えながら歩き出す、すると猫族も

一緒に着いてくる、一列に。

 

一度この中の一匹でいいから、飽きるまで

モフモフして撫でて、

じゃれつかせて遊びたい、

が、クロフは口には出さずニヤける。

 

 

大きな取り引き、この言葉が示す通り猫族に

とって取り引き相手のクロフは

物を盗まれる事は無い。

 

急いだ方が良いかな?

 

 

 

 

猫族の集落

 

「良く来たにゃ道具屋!」

保母さん状態の青年にアイルーが声を掛ける、

マタタビの香りにつられて

幼児の数が増えている(幸せ)

 

なんだかいつもより偉そうにしている族長、

他の子より年は取ってるらしいが

……見分けがつかない。

 

「なんだか大きな取り引きだって?

良いもの拾った?」

 

時々どこで見つけたか分からない石像とか

マタタビと交換したがるが…

 

「フフフにゃ」

 

 

どうせ盗んだ砥石とか回復薬とかだろう、

ハンターの中には盗まれても取り返さず

忘れるヤツがいる。

そうなると集落のガラクタ置き場に置かれる。

 

大陸中の村と猫族には協定がある。

 

狩りが終わるまでは保管、取り返しに来たら

ハンターに返す(マタタビは除く)

 

来なかったら集落の物。

道具屋と取り引きも自由。

道具屋はまた売ることが出来る。

 

これってなんだか悪い事してる気がするが、

村長によると、

「ヤハハ、メラルーは習性だから止められない、

ハンター 、猫族、そして村にとって

一番良い協定だよ。それに道具が無駄になる

ことが一番損だしね。」

さてガラクタか道具か、まったく別の…

 

 

「マタタビと持ち物全部いただくにゃ」

さぁ何が出るか

 

 

 

「捻れた角にゃーーーーーー!!!」

 

両手で数匹が天に掲げる、誇らしげだ………

 

 間…………

 

 

 

「えええエェーーーーーーー!!!」

 

捻れた角、それはディアブロスの素材。

となれば最近砂漠に居座り、隣村との交易を

脅かしていた存在が思い浮かぶ。

「ちょ、ちょっと待って!

それ誰が持ってきた?」 

 

「砂漠のヤツ(猫族)にゃ、見たことないけど

そう言ってたにゃ」

 

まさか?まさかいやいやいや!

今朝だぞ?出発したの、片道徒歩で40分位で

砂漠に着いたとして、

そこから狩りを始めたとして……

…まだ昼まで大分ある。

 

早過ぎるだろ、G級ってそういう者なの?

 

遠くから見たことあるけど

村中総出(50人程度)でも勝てる気しないぞ。

 

アイルーが取り引きしてるって事はもう狩り

は終了した事に…

 

 

村長どうしよう、珍しく高額商品だけど…

これに見合う交換物…もってないよ?

 

「持ってるマタタビ全部にゃ!」




モフモフ モフモフ
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