日常です。
そんな中でも、
このままで良いのか
ダメなのか
毎日自問自答するんだよね。
「あんなのが出てこなきゃさぁ、
もう上位だったのにぃ!!」
カンナが膨れる、この温泉には
色々効果があるらしい
「ドンドルマの火山一帯の生物が
大混乱だからね」
二人で温泉に浸かる、入って来る
女性がマリンを見るとギョッとするのが
気になる、
一瞬男だと思われてるようだ。
イビルジョーは無事に討伐された
クロフ達は見つけられなかったが、
これで終わったと思ったのに……
ドンドルマの下位、 火山地域は
大荒れになって安定しないため、
数ヶ月 下位は立ち入り禁止
上位と下位のモンスターが入り乱れ
危険すぎるため、上位の狩場に
指定されてしまった
ナナキが最速で討伐案を
出してくれたが、こればかりは
どうにもならない
………………
一週間ほど前
「ホッホッ、ユクモに紹介状を
書いてやろう」
「えーっ?!なんでぇ?!」
「早く上位になりたいんじゃろ?」
「そうだけどぉ……」
当然不機嫌なカンナ
「伝書鳩で話は通しておくからね」
ベッキー小さな手紙を書いてくれる、
結構技術が必要そうだ
「お前達だけではない、他の下位も
火山のクエストは受けられん、
安定するのは数ヶ月先かもしれんのぉ」
どうやらカンナはロクスの言う事は
素直に聞くらしい
「せっかく行くなら色々見てきな、
温泉あるし」
アルトが笑う……温泉って何だ?
「コノハちゃんによろしくな♪」
相変わらず軽いナナキ
………………
「ここは見た事ないモンスターも
多いらしいから面白いかもよ?
……先にあがるわね」
マリンは湯から出て脱衣場へ、
波が大きい
一人で湯船に鳥のオモチャを浮かべ
「見つける事もできなかったし……」
イライラする
(ドンドルマで上位になれば一目
置かれるハンターになったかも
しれないのにぃ)
……自分の体を見る
(体鍛えると胸から無くなるって……
マリンは何で胸大きいのよ!)
男湯
「風呂っていうんだね」
クロフは初めて入った、呼び方が沢山、
風呂、温泉、湯船……?
「お湯に体全部入れるって初めてだぜ」
イシズキも初めて
「キャラバンの頃はやっぱり?」
「水浴びしか無かったな、ドンドルマに
来てからだぜ?お湯で体拭いたのは」
暑い地方は湯浴みさえない
ジャンボ村も暑い時期は川で洗った
二人で外に出る、装備を着けるが
「ぐあぁー!!ゲリョス装備ってムレる!!」
イシズキがボヤく、ゴム質……
「まだ装備着けるの早いわよ?」
マリンは何かでパタパタ扇いでいる
「なんだよソレ?」
「団扇って言うらしいわ?」
「カンナはまだ?」
「まだ不貞腐れてるわ」
マリンは笑う、
インナーだけで寛いでいる
スタイルは決して悪くないし
顔も悪くない、
カンナは女同士で胸に目が行くが……
筋肉が凄いし全体がデカイ……
その辺の男より立派な体格、二人は
女性としては見ていない
俺も師匠に色々教えて貰いたかった
から、ドンドルマに居たかったけどなぁ
………………
「これは不運かもしれない、けど、
他の土地を見る良い機会と考えたら…
どう?」
指を一本立ててアルトが言う
「もっと東かぁ、行ってみてぇな」
東を指差す
「私はクロフが行くなら」
マリンは深く考えてないようだ、
片道一週間程度だし
「ここで上位に早くなりたい!
もっと師匠にも教わりたい!!
温泉も行きたい!!」
子供らしい理屈で膨れるカンナ
「両方は取れないぜ♪」
………………
「暫くは機嫌悪いわね」
ウチワを貸して貰う、村でヤシの葉を
編んで作ったアレに近いが……
これは……紙と……?
「あの、ドンドルマから来られた方は?」
ギルドスタッフのコノハ、独特な衣装で
パタパタ走って来る
「あ、俺達です」
「外で村長がお待ちですよ?」
不思議な帽子……
番台のアイルーもそうだが
衣装が矢鱈と可愛らしい。
なぜギルドに風呂があるのかな?
風呂にギルドを付けたのか?
ジャンボ村は港に……
………………
「うそだろ!!立ち上がったぞ!!」
四足から二足?
「初めて見るわ!!」
戦う形態が変化する?
討伐対象はアオアシラとドスファンゴ
アオアシラは立ち上がり腕を振り回す
「以外にリーチ長いわ!」
「頭も高い!」
クロフの抜刀斬りでギリギリ
「腕がトゲあるし硬ェ!!」
「頭狙わなくても斬れるみたい!!」
マリンが尻の辺りを斬る
横からドスファンゴが走って来るが
「何かどっちも簡単に寝るぅ♪」
特にドスファンゴが簡単、カンナは
紙一重で避けながら斬る
寝てる間にアオアシラを倒し、
ドスファンゴも寝かせて溜め斬り、
睡眠が効くモンスターだった様だ
難なく2頭を倒すと、偶然並んで
顔がコチラを向いている
毛むくじゃらのドスファンゴ
怖い顔のアオアシラ
「………………」
「ブフッ!!」
最初に笑ったのはクロフ
「やっぱり!!?そうだよな!!」
「アハハハ!!」
指を指して笑うカンナ
「ちょっ!……まっ……クッ!……」
マリンは笑いを押さえるが
「「「「ぶははははははは!!!!」」」」
四人で大爆笑
「おい、クロフぶふっ、息がっ!!」
「ひゃうっ!ダメ!止まんない!!」
転げるカンナ
マリンとクロフは酸欠でヒクヒクする
そっくりなのだ、ゼルドとガルダに……
「こ……これっ!…ドンドルマにっ…
行ったらっ!」
息が吸えないクロフ
「言ったら怒られるわっ!……ヒッ!」
同じくマリン
俺……始めて人と大笑いしたかも……
村では本気で笑えてたかな?
あぁ……楽しいんだ……これ。
………………
「オーノー」
「???」
え?何??クロフ達は固まる、
言葉は共通のハズだけど
「あら、ごめんなさいね、口癖で……」
ユクモの村長、妙な喋り方…失礼だが
厚い化粧で表情も分かりにくい、
ちなみに竜人。
「上位目前のあなた方には
簡単過ぎて失礼でしたわね、また
宜しくお願いします」
声で判断する限り歓迎されている
「お疲れ様でした、火山の状況が
掴めましたらクエスト発注しますね」
コノハにハンター小屋に案内される
四人で同じ部屋、ドンドルマとは違い
独特の雰囲気、敷物の模様も
建築様式も……いや、ドンドルマが
ヒドイのか?寝床が藁だよ?
「えぇー?!四人一緒ぉ?!」
「いけませんでしたか?」
「一応男女別れた方がさ……」
マリンも困り顔、当然ではある
「生憎と今は他のハンターの方達も
多く、湯治客も……」
コノハは申し訳ない顔をする、
観光地というのは客が来る土地らしい
「俺達を信用しねぇのか?なぁ?クロフ」
クロフはうつ向いて困る、
このテの話題は苦手過ぎる、
年頃の健全な男である以上
何も知らない訳ではない
「な?大丈夫だろ?」
どこが?
何が?
「あの、ナナキ様の弟子は……」
コノハがモジモジと
なんだか聞きにくそう
「私だよ?」
首を傾げるカンナ
「ナナキ様は何で私の…その…」
顔が赤くなる
「まさかナナキさん……」
「そうらしいな」
ニヤケるイシズキ
「師匠ココでもお尻触ってんの?!」
「何でも大陸中のギルドガール全員
触ったとか……」
コノハは嫌そうではない、なぜだ?
「大陸中!!?なにしてんのよ!!!!」
ハッとする
「まさか私、これからドコに行っても
言われるのコレ?!」
「ナナキさんらしいわね」
マリンもクスクス笑う
「お前有名人だぜ?!
なりたかったんだろ?やったな!!」
「やぁだぁあっ!!」
夜
このギルドは余り騒がず静かに
飲むようだ、
ケンカと賭けのドンドルマとは大違い
四人で外の足湯に浸かる
「地面から湯が出るのは何かな……」
「火山の近くは多いらしいわ……」
「気持ち良いけど何で足だけぇ?」
クロフがうつ向いている、何かある、
言いたい事があるらしい、
みんな黙る
「あの、みんな上位になったら……」
「あ?オメェ書士隊になるんだろ?」
「それが……」
「他にやりたいこと出来たとか?」
マリンは困った顔になる
「それが……無くなっちゃったんだ……
マルクさんに聞いたら何か……
書類の写しとか……」
「師匠も言ってたよー、
字ぃ書くの嫌だって、報告書?とか」
「うん、だから上位になったら
どうしようかって」
「今はとりあえず上位を目指すのよね?」
マリンが聞くが……
イシズキは違和感を持つ
「私はG級になるんだから変な所で
迷わないでよ」
カンナが口を尖らせる
『お前何がやりたいんだ?』
『やりたいことを仕事に出来る
ヤツなんざ居ねぇさ』
おじさんとガストンさんの言葉、
俺はどうするべきだ?
何をしたいんだ?
今は楽しい……みたいだし……
そう、多分俺は楽しいと思ってる
「なぁ、クロフ、ナガエ師匠はよ、上位で
止まってるだろ?理由知ってっか?」
「?」
「上位がちょうどイイらしいんだ、
命の危険は少ねぇし、稼ぎもイイ、
食っていくのに一番だとよ」
「ハンターを仕事にするならG級
ばかりじゃ無いってことね……
上位が一番人口多いそうだし」
「有名になるならG級だよぉ!!」
カンナは膨れる
「上目指さないなら何でこんなに
早く上位検定まで来たのよ!!?」
「カンナ、クロフは急いで無いんだよ?」
マリンがなだめる
「俺も解るぜ、急がば回れだ」
「解んない!何?」
「事前に準備を十分にしてリスク
減らしてるでしょ?」
「一回リタイアするのさえ準備だしな」
「何となく分かるけど……」
「命を大事にしてきたら結果的に
失敗が無くなって早くなっただけよ?」
「根が臆病だからな」
イシズキは笑う
「青春ですわねぇ」
村長が来た、薄暗いなかに真っ白な
顔が……少し怖い
「あ……あの……」
「聞いてましたわ、若いんですから
迷うのは当然ですわね」
「当然……ですか……」
「一生迷う人、一見成功してるのに
後悔してる人……色々ですわ」
「正解は無いってことよね」
「でも有名なら色々得だよぉ?」
足をバチャバチャする
『おっかなビックリ、ヨタヨタ歩いて…』
ガストンの言葉
「一度原点に戻ってみては
いかがでしょう?」
「原点……って何ですか?」
「お前がハンターになった所じゃねぇ?」
「クロフの村か……行ってみたいな」
「えーっ!!田舎でしょ?!」
カンナだって田舎出身だろうに
「今の視点から見た故郷がどう
見えるか……経験してみたらいかが?」
「今の視点から……」
何か変わったんだろうか
「今まで色々経験なさったでしょう?
貴方の視点が変わっているはずです」
イシズキが何か思い付く
「そういやお前彼女居るって言って
なかったかぁ?」
ニヤケる
「あ、私も聞いたわソレ」
マリンもニヤニヤ
「クロフの彼女は見たいかも……」
カンナまで
「じゃ決まりだ、上位になったら
クロフの故郷に行くぞ」
間
「面白がってない……?」
絶対そうだ
「「「ないない!!」」」
明らかに三人ともニヤニヤしてる
「若いって良いですわねぇ」
小屋に戻り寝る準備に入るが
「男はこっちに入んないでよ!」
ロープを張るカンナ
「おい!こっちが狭ェぞ!」
「ケンカしないの!」
「騒ぐと迷惑だから……」
いつもこうだ、退屈はしないが
「なぁ、今日のクエスト、どう思った?」
イシズキが暗い中、寝ながら聞く
「2頭同時って初めてだよぉ?」
「普通は上位で任されるのよ……
私もあまり経験無いわ……」
「レウスとか2頭同時だったら、なぁ」
「想像したくなぁい」
「上位検定は……リオスの夫婦だよ?」
「マリン、何で知ってんだよ」
マリンに何か違和感があるイシズキ、
しかし暗くて表情まで見えない
「私ね……過去に失敗して……」
「リオ夫婦かぁ、肥やし玉で……」
カンナは想像する
あれ?
「俺、何かそれっぽいのやったような…」
「何だよそのクエスト?」
村でガノトトスを狩った話をすると
「スゴいわね、場合によっては
3頭同時……」
「アルトさん1人なら余裕ってか……」
「G級って人外って呼ばれるの
良く解るわ、なりたい!」
カンナは人外の意味解ってるのか?
「ねぇ、クロフ?ちょっとおかしくない?」
「何が?」
「2回目にガノトトスに挑んだ時も
リオス夫婦は居たのよね?」
「あれぇ?そうだよ」
「偶然会わねぇで成功したのか?」
「あれ?そういえば……」
「足止めしてた人いないんでしょ?」
「今まで気が付かなかったのかよ」
やっぱりニブい所がある
「クショッ!」
「おや、珍しいですにゃ…ですな」
「会議中に貴女がクシャミとは……
風邪ですか?」
「失礼しました」
無表情の美人
「ではゼニス、
横流しの報告を聞きましょう」