生きる事は悩むこと   作:天海つづみ

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ロシアでは意味無く人前で笑うのは
愚か者だそうだ、
だけど殆どの国は笑顔は基本。

気が付くと1日……
数日笑ってない、
そんなことが過去にあった。

自分ではなかなか気付けない、
病んでいる事に。


笑顔と疑念

 

 「やっぱり冷えたら刃が通らないわ」

 とにかく弾かれる

 

 「硬ぇよな、砥石が無くなるぜ?」

 大剣の刃を確認する

 

 「溶岩から出た直後以外は無理かな」

 なんだか面倒なモンスター

 

 「せっかく寝かせてんのにぃ……」

 

 討伐目標はアグナコトル、

 溶岩や地面から出てきた直後は刃が

 通るが、冷えると硬くなってしまう。

 

 一通り攻撃したあと隣のエリアで

 いつものように話し合う

 

 「おまけにデカいって言うか……」

 

 「長いんだもん!」

 カンナは手を広げる

 

 「そう……長いのよ、頭狙うのも走るし、

 寝てからも頭に走って溜め斬りだし」

 スタミナ消費が大きい

 

 「移動も早いよ、滑って行くのが……」

 

 「あれ追い付けないしぃ!!」

 

 「こいつも消耗戦だな、めんどくせぇ、

 マリン、前回はどうやった?」

 

 イシズキは確信している、

 マリンが上位検定で失敗した話から、

 その辺りで仲間を失っていることを

 

 

 「水属性の武器が良かったのかな…」

 

 「それの用意は次回だね」

 今回も一回は様子見で

 

 「攻撃自体は当てられるけど」

 アグナコトルは足が短くて体高が

 無いため、カンナは楽

 

 

 

 暑さで長期戦は不利、効果的に

 ダメージを入れるには顔を……

 ちょっと無理か?

 

 「マリンは前は1人じゃないよね」

 

 「仲間がいたけど……」

 

 「武器は?」

 

 「弓が居たのが効果的だったのかな」

 マリンは腕組みしたまま首を傾げる

 

 

 ガルダさんが言ったG級は複数の

 武器が扱える……

 多分ここだ、この辺りで基本動作

 (通称・抜刀コロリン)が通用しなく

 なってくる、

 だから使えるようになるんだ、いや

 武器の選択をしなきゃならないんだ。

 

 

 「だけどよ、今から飛び道具はなぁ」

 

 「えー、いいんじゃないのぉ?」

 

 「防具も一式用意すんだぜ?」

 

 「あー、そっか!」

 

 そうだ、ガンナー装備が必要だ、

 今から慣れない武器を使い始め……

 時間的に……

 

 

 カンナが怒りそうだし……

 

 

 

 「シビレ罠、全員調合分も含めて

 12個…持てるだけもって、武器は

 水に変えよう」

 ガノトトスなら何度か戦ってるし

 素材は十分

 

 「じゃあ後はいつも通りに」

 マリンはピッケルを担ぐ、似合う

 

 「ポーチ一杯まで採取だぁ!」

 カンナも

 

 

 

 

 

 ………………

 

 

 

 

 「あらぁ、リタイアですか?」

 残念そう…なのか?化粧で表情が……

 ベンチに腰掛け、のんびりしている

 

 「はい、準備に入ります」

 

 「慎重なんですわねぇ」

 

 ジャンボ村の村長は見つからないほど

 忙しくしてたのに、この人は

 1日ココに居るらしい

 

 ユクモ村、温泉ばかりに目が行きがち

 だが、自然の斜面を利用して

 モンスターの侵入を防ぎ、

 各店や農地も充実している。

 

 この村はトウジ、とか休暇のために

 人が集まるそうだ……

 トウジって何だ?

 

 他のハンターに聞いたら、一生ここで

 ハンターを続けたいと言う人までいる

 

 

 「改めて見るとスゴい村ですね」

 

 「ですが周りが山岳地帯ですからねぇ」

 村長は手を山の方へ向ける

 「交通の要所にあるドンドルマとは

 比べられませんわ」

 

 いつものようにオホホと笑う

 

 村に活気がない……ではなく、

 のんびりしている、

 ジャンボ村もこうだったら良いのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 加工屋

 

 「あぅ!!ガノトトスの大剣だな!」

 小さな竜人は鎚を振り回す

 「すぐ作ってやりてぇが半日待ちな!」

 

 竜人って大きい人と小さい人が

 いるのか?

 ジャンボ村の村長とココの村長は

 人間と代わりないが……

 

 

 

 

 そういえば聞きたい事があったんだ

 

 「あの、50年位前はマカライトが

 溶けなかったって本当ですか?」

 

 「うそだろ!そうなのかよ!」

 そういえば皆に言ってなかった

 

 

 「あぅ!!本当だぜ!」

 

 「でも、武器とか防具の……」

 クロフが言い終わらない内に

  

 「レシピ自体は昔っからあったんだ!

 竜人族の村とかになぁ!」

 

 

 「なのに燃石炭の使い方……」

 

 また言い終わらないうちに

 

 

 

 「おい若けぇの!!」

 竜人は片方の眉を吊り上げる

 

 「オメェは毎日メシ食った事を古文書

 に遺すか?」

 

 「???」

 クロフ達は考えるが何の事だか……

 

 

 

 「そう言うことかぁ!」

 カンナは解ったらしい

 

 「え?わかんねぇ、何だ?」

 

 

 

 「あぅ!当然過ぎて当たり前の事なんか

 遺さねぇわな!」

 

 炉の中に燃石炭を敷き詰める、

 昔は当然過ぎたのか

 

 「そうして失伝したものがいっぱい

 あるんだろうね、勉強になるわ」

 マリンも頷く

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガノトトスの大剣、水の属性……

 ……それはまぁ良いとして……

 

 麓の農場、スゴい規模……養蜂まで

 やってる

 

 

  釣り場の桟橋に立ち眺める。

 

 

 

 

 「俺、店の人と上手く話せてない

 気がする」

 

 「何だ?何かあったか?」

 

 自分とカンナへの対応を話す、

 なぜこんなに差がある?

 

 「男と女で態度違うの当たりめぇだろ!」

 イシズキが大笑いする

 

 「うーん、私は微妙かなぁ」

 マリンは何だか煮え切らない感じ……

 

 

 

 なんで?

 

 「なぁクロフ、お前はムサ苦しい男と

 普通の女…どっちに話し掛けられたら

 嬉しい?」

 イシズキがズイッと寄る

 

 イシズキ、カンナ、マリンと話す……

 違い?分かんない

 

 クロフの顔と反応を見て、

 イシズキはボリボリ頭を掻くと

 「まったく……こーゆーのは

 ニブイやつだな……

 彼女に話し掛けられたらどうだ?」

 

 パティ……パティ……と……

 

 うつむき耳まで赤くなる

 

 

 

 「分かりやすいわね……」

 マリンが呆れる

 

 「店のモンが男なら、女に話し掛けられ

 た方が嬉しいって事だ」

 

 「うん……解る」

 まだ赤い

 

 

 

 「クロフ、私も言いたくないけどさぁ、

 無表情でボソボソ話しても

 誰も聞いてくれないよ?」

 カンナは顔を覗き込む

 あんまり言う事じゃないけど、と

 付け加える

 

 

 「俺そうなの?」

 自分では解らなかった

 

 「笑顔が大事なんだよ?」

 自分の顔を指差しニコッと笑う

 

 女性の微笑みというより笑った子供

 ……多分言ったら怒るよね?

 

 

 

 笑う……

 水面を見る、

 俺……苦手かも……

 そういえば師匠と出会うまで……

 

 あんまり笑ったことないかも

 

 

 「私も愛想良くするのは苦手だけど、

 店では出来るだけ笑顔にするわ」

 

 マリンも苦手なのか

 

 

 「男なら愛想笑いより気合いの方が

 良いときもあるけどな!」

 

 「気合い?」

 

 「コンチワー!って元気良く言うんだ」

 

 

 ……出来るか?俺?

 

 

 「何にしても仏頂面より笑顔だよ!」

 カンナに背中を叩かれる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あ、こ……」

 

 カンナに背かを叩かれる

 

 「コンチワー!!」

 笑顔……笑顔……

 

 「あぅ!!出来てるぜぇ!!ほら、持ってけ!!」

 明らかに職人も笑顔

 

 「ね!」

 カンナは満足そう

 

 

 

 

 まだクロフは戸惑っている感じ、

 イシズキと歩く姿を後ろから見ながら

 

 

 

 「ねぇマリン、仏頂面って何?」

 小声で

 

 マリンは吹き出す

 「あんた知らないで言ってたの?」

 

 「師匠が言ってたよ、笑ってないと

 周りが笑わないって」

 

 「うん……そう……そうなんだよね」

 私もそうか……まずは自分なのか

 

 私も……笑わなくなってたかもね。

 

 

 

 

 ………………

 

 

 

 

 

 「よし!!掛かった!!」

 

 「せーの!!」

 

 バカンと胸が砕ける

 

 「コイツ壊せるとこイッパイだよ!!」

 カンナは部位破壊が嬉しいらしい

 

 「適当に当てても怯みやすいぜ!!」

 

 「属性って便利だわ!」

 

 

 

 「潜ったぞ!!納刀!!」

 

 熱い地面に潜りながら背鰭で攻撃に

 来る、地上の突進と変わらない速度

 

 ディアもそうだが地上と地下でなぜ

 同じなのか、この世界はそういう事

 らしい

 

 

 体を半分地上に出すと

 

 「ブレス!!」

 

 アグナコトルは自分の周りを凪ぎ払う

 様に攻撃するが

 

 「おらぁっ!!」

 抜刀斬りを浴びせる

 

 「これがチャンスだったとはね!」

 マリンは溜め斬り

 密着するとブレスが当たらなくて

 隙だらけ

 

 怯んだアグナコトルは地上に飛び出し

 もがく

 

 「せーの!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 「結局シビレ罠残ったなぁ」

 クロフが確認する、6つで終わった

 

 「水属性の大剣が三人いると

 こんなに楽なヤツだったんだな」

 

 「やっぱり慣れが一番大事だわ」

 隙を理解していれば

 

 「私は太刀で良かったかも……」

 カンナは納得いってない様子

 

 

 「何で?」

 片手剣辞めたいとか?

 

 「違うの、背が低くて潜り込めない

 モンスターなら頭ブツける心配

 ないじゃん」

 自分の頭に手をやる

 

 「あぁ……最初から足元に潜る必要

 ねぇからな」

 べったりと腹を地面に着いている、

 構造的に潜れない

 

 「この前のドスファンゴで少し

 気付いてたんだけどね」

 片手剣を太刀の構えにする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ゼルドさんか?」

 ニヤけるイシズキ

 

 「ぶはははははは!!」

 

 大爆笑

 

 「こんなっ!……熱いとこ……でっ」

 クロフは酸欠

 

 「笑わせっ……息が!!」

 マリンも

 

 「地面熱い!!……ひゃふぁははは!!

 ノド熱いぃ!!」

 地面を転がるカンナ

 

 「ひゃひゃひゃ!!自爆したぁ!!!」

 同じくイシズキ

 空気が熱いのに爆笑するとノドが痛い

 

 「くっ!……クーラードリンク!」

 

 「アイテムっ!!……ムダにっ!!」

 

 アグナコトルの死体の脇で四人が

 笑い転げるオカシナな光景

 

 

 皆と一緒だと笑える、

 そうだ、何度も笑って来た……

 これからも笑いたい……かも

 

 後はグラビモス……そしたら……

 

 

 

 

 

 ………………

 

 

 

 「ふいーーっ……」

 

 「ちょっとカンナ、オッサンぽいよ?」

 

 「うわ、やば!!」

 伸ばした体を起き上がらせる

 

 帰って来て温泉に浸かってみる

 

 「ここでハンター続けたいって気持ち、

 分かるかもしんない」

 カンナは幸せそうに天井を眺める、

 顔がユルミっぱなし

 

 「狩りに行った後に入る方が自然よね」

 

 なぜ狩りに行く前に入るのか、

 そして不思議な効果があるのか、

 なぜドリンクをのむのか、

 

 

 ……謎だ

 

 

 

 「ねぇ、マリンはさ、子供の時

 体の事言われた?」

 

 「ゴツい事?」

 

 「そう」

 カンナは悪気はない、マリンもそれは

 分かっている

 

 「子供の頃からデカイし言われたよ」

 二の腕を掴む

 

 「私もチビって言われたよ」

 

 「……それで?どうしたの?」

 

 

 

 「大きくなる方法ってある?」

 (主に胸が、とは言わない)

 

 「んー親の遺伝が出てるんだよ」

 腕組みする、更に太く見える

 

 「親も大きいんだ?」

 

 「そうだよ……カンナの親は?」

 

 「私は普通だと思ってたけど……

 ちっちゃかったのかも」

 自分の頭に手をやる、ツインテールは

 解いて今は上にまとめてる

 

 「クロフの村に行ったら両親も

 見られるだろうね」

 

 「クロフってあんまり自分から

 話しないから、村の様子きいたこと

 ないかも」

 

 「彼女は見て見たいけどね」

 

 「美人だったりして……」

 

 

 

 二人は顔を見合せ

 

 「「まさかねぇ!!」」

 

 

 

 

 

 

 男湯

 

 「なぁクロフ」

 

 「何?」

 

 「マリンは仲間だよな」

 

 「えっ?突然何?」

 

 「いや、まぁアレだ」

 

 クロフは続く言葉を待つがイシズキは

 天井を見上げたまま

 

 「オメェはよ、何を聞いても許せるか?」

 

 「何の話?」

 

 「俺が人死なせてる話したろ?

 マリンもそんな過去抱えてても

 許せるかって聞いてんだ」

 

 「別に?仲間だよ?」

 

 コイツは馬鹿なのか?死生感ってモノが

 無いのか?

 

 両親が道具屋やってるらしい話は

 聞いたが……

 

 身近で誰か死んでるのか?

 

 

 

 まぁ俺は責められる訳じゃねぇけど

 

 「お前が許せるなら良いんだ」

 

 

 今は上手く行ってる、俺はこの

 パーティーが好きだ、今は良いんだ、

 

 ……無闇にツツク必要は無ぇ

 




笑顔の表情を作るだけでも
精神衛生上では効果があるらしい。

まぁ小難しい事は置いといて、
しかめっ面では人と関われない、

バカだと思われても
笑った方が自分にも
相手にも良い効果がある。
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