生きる事は悩むこと   作:天海つづみ

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今回は繋ぎの話ですので、
何のテーマも無く
私の実体験から出た反省もありません。

適当に読んで下さい


達成感

 

 

 「ガス来るよ!!」

 カンナが斬りながら叫ぶ!

 

 一斉に前転2回、範囲から出る!

 

 グラビモスは熱風を噴き出すが

 

 「スゲェ!!指示が速えぇ!!」

 誰も焼かれずに無事

 

 「当たり前じゃん!!」

 カンナはまた足元へ滑り込む、

 膝を見ながら斬りつける!

 

 「水属性も正解みたいね!!」

 溜め斬りでなくても怯みやすい

 

 事前に弱点までは聞いてなかった、

 けど水で正解のようだ

 

 グラビモスは横に体を引く

 

 「カンナっ!!」

 ガノトトスの動き!今のカンナは背が…

 

 体当たり!!

 

 「ほいっ!!」「ガシィッ!!」

 

 ガードして後ろへ大きく飛ぶ、

 派手に飛んだが難なく着地

 

 「スゲェ!!」

 まるで曲芸

 

 回避の方法を変えてきた、

 盾の使い方一つでこんな事出来るんだ

 センスってやつなのか?

 

 

 「設置したよ!!」

 マリンが呼ぶ、皆で罠の近くへ

 

 ブレス!!

 「ギィイイイーーン!!」

 高速で高熱が飛ぶ

 

 「うおっ!!」

 「あっぶなぁ!!」

 

 

 

 しかし

 

 

 

 「罠仕掛けると来なくなるよね?」

 クロフが言うと

 

 「私も気になってたんだよね」

 マリンも同意

 

 

 何者かの悪意を感じる

 

 

 「そんな知恵あんのか?」

 

 「まっさかぁ!!」

 

 数度のブレスの後、漸く突進して

 罠に掛かる。

 

 腹の剥き出しになった所へ

 「せーの!!」

 

 「ドカン!!」

 

 力なくグラビモスが地響きをたてて

 倒れる、

 重そうな体に潰されそうになるが

 

 「やったぁ!!」

 カンナが跳ねる

 「これで上位検定だぁ!!」

 

 「カンナのお蔭で楽に狩れたよ!」

 マリンも笑顔、ソロの苦労に比べたら…

 

 「これでリオス夫婦やれば上位だね」

 クロフが皆に言うが……

 

 「あぁ……そうだな」

 

 イシズキが暗い……なんで?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「お疲れ様でした」

 相変わらず表情が分からない、

 そもそも普通の人間に比べて美人の

 竜人が何で化粧?

 

 「これで上位検定受けられますよね?」

 

 「もちろんです、

 ユクモ村長の権限で許可します」

 いつもののんびりした口調ではなく、

 きちんとした物言いで、

 丁寧に会釈され思わず姿勢を正す。

 

 

 

 しかしコノハが申し訳なさそうに

 「ですが今リオスがいないんですよ」

 不思議な帽子がうつ向く。

 

 どうなってんだろこの帽子

 

 

 「えーっ!こういう時ってどうすんのぉ?!」

 

 「ドンドルマや周辺のギルドに連絡

 します、数日中には返事が来るでしょう

 から、それまで逗留なさって下さい」

 

 温泉(ギルド)に手を向ける

 

 うん、温泉って好きかも、

 ジャンボ村にあったら…いいなぁ、

 人が集まる何かがあれば……観光に

 ……ジャングル……

 

 

 

 「ドンドルマだったらいいな!」

 カンナはなぜかドンドルマで

 上位になりたいらしい

 

 「なんでドンドルマなの?」

 クロフには全然分からない

 

 「あったり前じゃん!!」

 前を歩くカンナは後ろ向きに歩き出す

 「四大英雄に認められた事に

 なるんだよ!」

 ニカッと笑う、嬉しくてしょうがない

 

 「そういうモノ?」

 どこで上位になっても同じじゃ?

 

 「分かんないかなぁ、ハクが付くじゃん」

 指を立てる、師匠を思い出す

 

 

 

 「…………」

 

 「カンナ、ハクって何?」

 マリンが少し笑いながら聞く

 

 「は、ハクはハクよ!」

 プイッと顔を逸らす、

 聞いたばかりの言葉を雰囲気だけで

 使いたい年頃、

 やっぱり意味は分かってない

 

 現代で言えばブランド物の名前だけで

 欲しがるタイプかもしれない

 

 

 「何にしろ、クエストがある地域に

 行かなきゃ上位になれねぇぜ?」

 

 「連絡待っててもヒマだから

 素材集めようよ!」

 

 カンナから採取の提案が出るとは

 「大分減ったしね」

 

 

 

 上位になったら……どうするべきだ?

 

 

 気のせいかも知れないけど……

 

 

 皆の気持ちがバラバラになって

 来てるような……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数日後

 

 「ガラガラガラ……」

 ガーグァの荷車が疾走する、

 行商人達は迷惑そうに避けていく

 

 ドンドルマの門に到着、車輪を軋ませ

 急停止する……と

 

 

 

 「きぼぢわるい!」

 カンナは口を抑えて降りる

 

 「お尻いたい……」

 マリンが腰の辺りを擦りながら

 

 偶然出会ったのは幸いだったが

 揺れは大きいし小石で跳ねる、

 しかもこの大きな地鶏は

 減速を知らない

 

 でもスピードは速い上に坂道も平気で、

 徒歩や竜車で7日の所を2日……

 乗り心地は……

 

 

 

 ネコタク以下か……?

 

 

 

 「いででで」

 四人はヨロヨロ荷車を降りて

 

 「ありがとう……」

 クロフも尻を擦りながら料金を御者の

 アイルーへ渡す

 

 「まいどにゃ!」

 次の客を探しに走り出す

 

 「こんなにツラいもんなの……?」

 カンナは吐きそう

 

 「オメェが急ぎたいって言ったからだろ」

 イシズキも尻を擦る 

 

 

 

 見上げる……と

 

 

 

 「門があんなに!」

 クロフが指差す

 

 「おー!半分くらいか?」

 

 一月振りのドンドルマ、門が大分

 出来てきた

 

 「1ヶ月でこんなに直るんだ……」

 まだ顔が青いカンナ

 

 「人数が多いしね」

 足場を組み、大勢が石を積み上げる

 

 元通りになった鉄扉を抜けギルドへ

 

 

 

 

 

 「あら、お帰りなさい」

 

 クロフはビクッとする

 『お帰り、お兄ちゃん』

 パティが突然頭に浮かぶ、

 固まってしまう

 

 「あら?」

 首を傾げるベッキー

 

 「おい、どうしたクロフ」

 

 「あ、ゴメン…お帰りなさいって……」

 

 「あぁ、いつもはお疲れ様だっけ?」

 マリンが周りを見ながら

 

 「あれぇ?そうだっけ?」

 お帰りなさいも言ってたような

 

 

 

 「ホッホッ、ドンドルマから旅立った

 ハンターには言うんじゃ」

 

 「あれぇ?師匠達はぁ?」

 カンナは見回すが

 

 「任務でなぁ、とっくに行ってしもうた」

 

 あの人達は大陸中を飛び回る、

 1ヶ月も同じ所には居ないだろう、

 俺のやりたいことは……それか?

 

 

 「今日は休んで明日ね?」

 ベッキーはクエストの用紙をヒラヒラ

 させる

 

 「そうだね」

 マリンがカンナに目配せすると

 無言で頷く、

 さすがにカンナも今の体調では……

 

 皆二階の自室へ、

 

 四人は思う、ユクモと比べて……

 

 藁の寝床と豚……どうなのよコレ

 

 そしてこれから……どうなるのか

 

 

 

 

 

 

 

 ………………

 

 

 「何かスグに合流すんぞ!!」

 

 「もう!!なんでよぉ!!」

 閃光玉を投げるカンナ

 

 「今度は逆にしてみる!!」

 リオレイアに肥やし玉をぶつける

 

 「何か思い付いたの?!」

 マリンは墜落したリオレウスに溜め斬り

 

 

 雌のリオレイアは飛んで行った

 

 

 リオレウスに斬り掛かりながら

 「レイアが吠えると飛んで来る

 気がする!」

 

 「ホントかよ?!」

 

 「試してみよう!!」

 歩きながら調合

 

 

 

 

 

 暫く戦うとレウスは飛んで行く

 

 「うん……多分そうだ」

 

 「レイア来なかったねぇ」

 カンナが空を見る

 

 「何だ?予想通りか?」

 

 「吠えるのが合図って言うか

 呼んでる……ような?」

 

 「合流するのが遅くなったかもね」

 マリンも見上げる

 

 「アイテムの確認しとこうよ」

 カンナに促され数の確認

 

 

 

 

 この検定の意図が分かって来た

 

 複数クエストというだけではなく、

 制限時間内に効率良く

 道具の数にも気を使い、

 移動もある程度予測しながら戦う、

 

 地形、調合、ハンターの移動速度、

 もちろんペイントの使用まで、

 総合的な技術を試されている。

 

 攻撃、防御なんて基本中の基本、

 今までのクエストの経験値がないと

 攻略は難しい

 

 

 「ペイントって複数あっても

 分かるもんだね」

 マリンが鼻をヒクつかせる

 

 「今は離れてるしレウスは10番だね」

 クロフはフルフルの大剣を研ぐ

 

 

 

 

 

 

 

 

 10番でレウスと戦う

 

 「閃光は使いきるつもりで!!」

 尻尾に叩きつける

 

 「こっちだけでも倒しちゃえば!!」

 足に溜め斬り、倒れてもがく

 

 「楽勝だぜ!!」

 尻尾に溜め斬り、切れた!

 

 「ここだぁ!!」

 カンナは閃光を投げる、いつの間にか

 気付いた、

 尻尾を切ったら飛び上がり、必ず

 こっちを向いている

 

 「おらぁあああ!!」

 「せーの!!」

 

 

 リオレウスが倒れる

 

 「1匹相手なら余裕だな!」

 

 「あの訓練に比べたら凄い楽よね」

 ハンターナイフで戦ったアレだ

 

 「解毒薬調合するよ!」

 いつの間にか調合はカンナが

 主導するようになった

 

 「ペイントは各自持って!見つけたら

 最優先で!」

 

 「「「了解!」」」

 

 

 

 

 

 走りながらマリンは思う

 

 誰も死なせない、死ぬ気もしない

 

 

 

 

 

 ………………

 

 

 

 

 

 

 「はい、上位検定終了!!」

 ダァン!!とスタンプを押すベッキー

 

 「ホッホッ、では…………」

 ギルドマスターは咳払いを一つして

 

 「ドンドルマの名において、この四人を

 上位と認める!」

 

 「それじゃ新しいギルドカードに

 するからね」

 

 ギルドカードを預ける

 

 

 テーブルにつき飲み始めるが……

 

 「なんか実感湧かねぇな」

 自分でも不思議な位落ち着いてる、

 コレといった感想が無い

 

 「こんな感じなのか……」

 マリンも実感がない、

 ドキドキもワクワクも無い、

 あんなに上位になりたかったのに。

 

 「なんかさ、皆がお祝いしてくれるかと

 思ってた」

 それは無いだろう

 

 「とにかくこれで目標は……」

 

 

 「ホッホックロフよ、書士隊への推薦は

 どうするんじゃ?」

 ギルドマスターが来てくれた

 

 「それは…待ってください」

 うつむく

 

 「ギルドマスター、今クロフは迷って…」

 イシズキが言う

 

 「ホッホッそうか、ゆっくり決めると良い

 若いんじゃしなぁ」

 

 

 「上位になったのに暗いのぉ?」

 ロクスが同じテーブルに来る

 

 「なんか実感がねぇんです」

 

 「そりゃそうだろうの」

 当然という顔

 

 「なんで……ですか?」

 カンナも暗い

 

 「お前達はの、やっとの思いで攻略

 してないからのぉ」

 

 やっと?

 

 「あー、そりゃそうだ、クロフは準備を

 大事にするし」

 

 「事前に情報も集めようとするし」

 

 「そっか!両方普通に狩れるし」

 

 「十分過ぎるほど準備するから

 達成感か薄いんだのぉ、

 何しろ賭けにもならなくての」

 ニヤリと笑う

 

 「またやってたんですか」

 クロフが呆れる

 

 「全員成功に賭けてのぉ」

 

 

 最初にレイアを狩った時に比べると…

 達成感は確かに薄い、

 それだけ強くなったのか?

 

 

 

 「それにのぉ、お前達は多分だが…

 目標が検定ではないんだの」

 ニヤリとするロクス

 

 「目標……」

 俺は何処に向かって……

 

 「心のどこかで思ってないかの?

 居るべき場所はココじゃあないと」

 ロクスがテーブルをツツク

 

 「ホッホッ、デカくなったもんじゃ」

 ギルドマスターも笑う

 

 四人は意味が分からないが……

 

 「旅立つ時なのかも知れんのぉ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌朝、墓場

 

 「いつも早いね」

 マリンが花を持ってくる

 

 「暫く会えねぇからな」

 振り返る、いつもの早朝の風景

 

 「………………」

 「………………」

 

 「話してもいいんじゃねぇか?」

 

 「……うん、上位になれたし……」

 

 「怖えェよな……けどな?」

 イシズキは立ち上がり向き直る

 「クロフに聞いたらよ、オメェは

 仲間だとよ…何を聞いてもビビらねぇ

 かもしんねぇぜ?」

 

 「分かんないわよ……それは……」

 勇気が……

 

 「俺に先に話さねぇか?」

 

 「……」

 

 「俺は人を死なせた、お前もそうだろ?」

 墓を指差す

 

 「ふぅ……勇気が要るわね」

 

 マリンも墓を見る

 「その通りだけど、あんたとは少し違う」

 

 二人で並んで座り街を見下ろす

 「あんたは新人を利用して

 死なせたんだよね」

 

 「思い出したくもねぇな、クズだったぜ」

 シュウの仲間だった時だ、

 1人で立ち向かう新人を隣のエリア

 から見て笑っていた、

 

 どうしようもないクズ

 

 

 「私は違う、下位を一緒に戦った

 仲間なんだよ」

 顔を両手で覆う

 「私も……クズだったんだよ……」

 

 

 

 「……話せよ……フォロー出切るように

 すっからよ」

 

 

 

 

 

 ………………

 

 

 

 

 

 

 ギルドマスターへ挨拶して一路

 ジャンボ村へ出発

 

 「何日位掛かんのぉ?」

 

 「来た時は7日で着いたけど?」

 

 「風が良ければだろ?」

 船ってのは基本そうだ

 

 「砂上船と海の船か……海って

 初めてだなぁ」

 マリンは見たこと無いらしい

 

 「クロフだけじゃん、海しってるの」

 

 「あ、そうか」

 カンナは北、マリンは砂漠のはじっこ、

 イシズキは砂漠の真ん中の

 生まれだっけ

 

 

 ドンドルマから南へ丸1日、途中で

 火山の村でナガエに挨拶してから

 小砂漠の村へ、

 

 

 

 そこから砂上船で南に向かい

 更に丸1日、砂漠が終わったら

 徒歩で港街へ

 

 

 

 

 

 港

 

 

 

 「お前スゲェな、乗り物に平気で

 乗れるのな」

 砂漠の生まれなのに砂上船は

 初めてだったイシズキ

 

 「よく1人でドンドルマまで

 来られたわね」

 

 「私も師匠がいたからドンドルマ

 まで行けたのに」

 

 「1人じゃないよ、ゼニスさんって

 人が一緒に……」

 

 「誰だそれ?」

 初耳

 

 

 

 

 あれ?そう言えば誰なんだ?

 「良く知らないかも」

 

 三人が凄い勢いで顔を見る

 

 イシズキが顔を抑えながら

 「くぁーっ、こいつぁよ!」

 

 「ちょっと呆れるわ」

 マリンも何だか渋い顔

 

 「クロフって警戒心とか無いのぉ?」

 人が良いを通り越してバカ?

 

 「え……変だった?」

 

 

 

 「まったく同意です」

 

 「「「「え?」」」」

 

 

 

 四人が一斉に見ると

 ギルドナイトスーツが一礼する

 

 「少しは人を疑って下さい」

 クロフに何かを差し出す

 

 「あれ?!無い!」

 荷物を探るクロフ

 

 「財布、取り返しましたよ」

 目深に被った帽子の下で

 笑顔なのが分かる

 

 「ありがとう、ゼニスさん」

 

 

 

 

 

 

 「「「ギルドナイトぉ?!!!」」」

 

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