生きる事は悩むこと   作:天海つづみ

50 / 57
追撃

 

 「あいつら上位になったかな♪」

 カンナは感情に流されるし……

 

 「アッハ!多分ね」

 

 「クロフ君の慎重さなら失敗は

 無いでしょう」

 面白味も無いでしょうけどね

 

 

 「サイズ…合うといいけどな♪」

 ナナキは変な手つき

 

 「大体ゼニスと同じ位だったから

 多分ねっ…て、やめなさいよ!」

 ナナキの手を叩くアルト

 

 「この前のヘルパー装備ですね?

 なんだか嬉しそうでしたよ」

 

 「人の服の試着で嬉しそうだったの?」

 そんな事ってあるか?

 

 「あの娘(ゼニス)の感情は分かり難い

 ですが、鏡の前でクルクル回っていた

 ようです」

 ハインツがニコリと笑う

 

 「イマイチ分からねぇ娘だな♪」

 

 飛行船の中で話をする四英雄

 

 数日前、旧シュレイド城に突如出現した

 黒い竜の撃退指令を受けた、

 

 追い詰めた、が、

 あと少しで取り逃がしてしまった

 角を折り、翼もボロボロにしたのに

 

 弱った黒竜に対する判断は四英雄に

 一任すると本部からの連絡、

 ただし深追いするなとのこと

 

 

 

 「あの島ですぞ!」

 船内に操舵士の声が響く

 

 「父ちゃん!起きて!着いたってさ!」

 

 「んがっ!おぉ、着いたか!」

 寝ていたガストンが起き上がり、

 皆で甲板へ出て見下ろす

 

 眼下には溶岩だらけの島が見える

 

 「野郎…こんな所まで飛んできたのか」

 ガストンは目を凝らす

 

 他に2隻の飛行船が飛んでいる、

 旧シュレイド城から追跡してきた

 

 大陸から遥か南西、

 海原に煙を吹いている島

 

 「じゃあ準備はいいか♪」

 持てるだけ持って来た物資を担ぐ

 

 「これがワシの最後の仕事だ!!」

 肩を回す60才

 

 「またそんなことを……何回目です?」

 全員ラオ戦の時の装備

 

 「アッハ!!行くよ!!」

 

 些細な事でも情報を持ち帰る、

 英雄とは世界に破滅をもたらす竜を

 調べ、戦い、倒す使命を持つ者

 

 

 

 

 

 ゆっくりと着陸、四人を降ろすと

 上空で待機

 

 

 

 「フン!!溶岩の中に浸かってやがる!!」

 温泉で湯治のつもりか?

 

 四人は見る、溶岩の中から姿を現す

 紅い竜を

 

 「様子が変わったな♪」

 

 「角が治ってるじゃねぇか……」

 妙にデカく……

 

 「つまりココはヤツの居場所、

 回復する巣穴ってところでしょうか……」

 翼が治ってますね……

 

 「飛び上がった!!来るよ!!」

 

 四人の前まで突っ込んで来る!

 が、難なく避けて足を斬りつける

 

 「動きは同じだな♪」

 ランスで軽快にステップする

 

 「ブレスは避けろよ!!」

 力を溜めて爪先を殴る

 

 「あれを食らったら

 骨も残らないでしょう」

 反対の足を太刀で斬るハインツ

 

 「尻尾!!」

 アルトが叫ぶ!!

 

 広範囲を凪ぎ払う

 

 「距離を離すな!

 バカデケェ火ィ吐くぞ!!」

 ガストンが走り込む

 

 「あれは酷かったわね!!

 危なかったわ!!」

 腹から足を斬る

 

 「ガードも無理そうですか?!」

 

 「バカ言うな!盾ごと焼かれるぜ!」

 ナナキが盾を振って見せる

 

 

 

 四つん這いになる紅竜

 

 「くそっ!!まぁたこれか!!」

 

 四つん這いになられると高速で

 這いずり回る、手が出せない、

 回避に専念……

 

 ?

 

 突然……威嚇?

 動きを止めて……何だ?

 

 

 

 (何だ?何してやがる?こういう時は……)

 密着せずに2歩離れて

 力を溜めるガストン

 

 初めて見る動きには近付かない、

 それが生き残る道

 

 

 「グオオオォォ!!!!」

 咆哮!!直後!!

 

 

 「ドドドドォオオーーン!!!!」

 

 

 

 「ぐあぁぁーーっ!!」

 突然火柱に焼かれるガストン!!

 

 断末魔を上げてアルトに伸ばした

 手だけが火柱から出る!!

 

 が……

 

 「来るなあぁあああ!!!!」

 焼かれながら叫ぶ!!それでも……

 ハンドサインで逃げろと言っている

 

 「父ちゃん!!」

 「師匠!!」

 

 「バカ!!止まるんじゃねぇ!!」

 次々に!!ブレスじゃねぇ!!なんだ?!

 

 バチバチと高温で焼かれるガストン、

 火柱の中で影が倒れる

 

 

 「上だ!!」

 空から次々降ってくる巨大な火球

 

 

 こんな攻撃見てネェぞ!!

 なんてこった!!特殊能力あるぞコイツ!!

 「納刀!!動きを見極めろ!!」

 

 

 回避に撤する三人……ガストンは……

 

 腕だけが無傷で……

 熱い地面に落ちている、

 残りは……無惨に

 

 

 「父ちゃん!!」

 泣きながら駆け寄ろうとするが

 

 「バカ!!アルト!!」

 ナナキが襟首を掴んで引きずる!

 

 「ドドドドォオオーーン!!!!」

 

 「アルト!!しっかりしなさい!!

 師匠は全滅なんて許しませんよ!!」

 切り替えないと!

 

 「オヤジなら何て言う!?

 生き残って学べ!だろ?!!

 悲しんでるヒマは無ねぇ!!考えろ!!」

 

 黒い時はブレスと粉塵以外は肉弾戦、

 コイツは違う!!火山弾なのか?!

 キリンやクシャルのような能力が?!

 今身につけた能力か?

 

 

 

 

 三人は広がって距離を取る

 

 どうする……撤退……

 

 それを考えた瞬間!!

 

 「ドォオオン!!」

 

 飛行船の一隻が堕ちる、

 ブレスを上に吐いたのだ

 

 「ちぃっ!!そっちも狙うか野郎!!」

 

 「逃がさない……って事ですか」

 

 「どうしたら……」

 腕だけでも……

 

 

 

 

 ナナキは避けながら考える、と

 「ハインツ!!アルト連れて逃げろ!!」

 

 一瞬でお互いの思考を読む

 

 「バカな事言わないで下さい!!

 一人で残る気ですか!!」

 走り回りながら叫ぶ

 

 「アンタ一人だけ置いて行けないよ!!」

 

 

 もしかしたら……コイツは

 逃げたんじゃなくて……

 

 走りながら観察するナナキ、叫ぶ!

 

 「ココは巣穴じゃなくてヤツの狩場

 じゃねぇか!!?

 得意な場所じゃねぇか!!?

 俺達は罠に嵌まったんじゃねぇか!!?」

 だから新しい攻撃を……

 

 「嘘!!」

 空を見ながら本体も避けるアルト

 

 

 「可能性が!……もうひとつあります!!」

 全員回避のみ

 

 「良い話であってくれよ!?」

 何かこっちに有利な……

 

 「これが別の個体の可能性です!!」

 

 「「最悪だ!!」」

 それもあった!!

 

 黒竜は一匹だけの思い込みと、

 弱って巣穴に逃げたと思い込んだ

 

 不覚!!思慮が浅かった!!

 

 不利な場所、知らない攻撃、

 弱っていない別個体の可能性

 

 やっちまった!!

 

 「撤退するぞ!!」

 ナナキが手を振る

 

 「しかし狙い撃ちされます!!」

 飛行船は……

 

 「だから……こうすんだよ……」

 アルトに走り寄るナナキ

 

 

 

 

 「ドムッ!!」

 

 「がはぁっ!!」

 アルトの鳩尾を殴り気絶させる

 

 「ナナキ!!正気ですか!!」

 ハインツは怒る、アルトを気絶させた

 事ではない

 

 こうなればハインツはアルトを抱えて

 逃げるしかない、

 ナナキは自分の退路を絶ったのだ!

 

 ナナキは紅竜の正面に飛び出す

 「早くしろ!!お前らは生きて伝えろ!!」

 

 「貴方を見捨ててベッキーに

 会わせる顔がありませんよ!!」

 

 「上司だろ!!何とかしろよ!!

 ギルドナイト本部長!!」

 

 ステップしながら腹を突く

 

 

 

 

 

 

 「……解りました、生きて伝えます!!

 貴方も生きて下さい!!」

 ハインツはアルトを抱え、ガストンの

 腕を拾う

 

 気絶させてくれて助かった、

 アルトは残ろうとする、そうなると

 全滅した

 

 

 紅竜がハインツの方を見ると

 「こっち向けコラァ!!」

 ナナキが後ろから足を刺す

 

 

 

 飛行船が着陸する、大きくてノロマで

 ただの的だがナナキが囮になって

 守る

 

 「テメェの相手はこっちだぜ!!」

 

 紅竜の注意を引き付ける

 

 

 

 閃光も罠も効かねぇ、手持ちの

 回復系だけで消耗戦か

 

 「ハインツ、アルト、頼んだぜ!

 コイツは俺が食い止める!!」

 

 

 

 

 ちくしょう……クーラードリンクも

 無限じゃねぇ……

 

 

 ジリ貧だ……

 

 

 怖えぇなぁ……

 

 

 怖えぇなぁちくしょう……

 

 

 カッコつけても誰も見てねぇのによ……

 

 

 

 倒せねぇでも時間稼ぎさせて貰うぜ…

 

 ランスを振り上げ全力で叫ぶ!!

 

 「来いやァあああぁああぁああ!!!!」

 

 

 

 

 

 ベッキー……すまねぇっ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「かふっ!!ゲホっ!」

 アルトは気が付いた、飛行船の中

 なのを認識すると狼狽える、

 甲板に飛び出すと

 

 「ハインツ!!」

 

 ハインツは遠く小さくなった島を見て

 

 「火山弾……ではない……まさか」

 

 空から島へ正確に……

 火球が真っ直ぐ……

 

 まだナナキは……戦っている……

 

 

 

 「ハインツぁあああ!!」

 泣きながら殴りかかるが

 「バシィッ!!」

 アルトの拳を素早く掴む

 

 「怒りはもっともです、ですが冷静に

 なりなさい!」

 

 「死んじゃったんだぞ!!父ちゃんがぁ!!」

 ハインツの胸を何度も叩く

 

 「あのままでは全滅でした!私達は

 何としても生きて情報を伝える!

 それが使命です!!」

 

 「だけどぉおああぁああ……」

 

 アルトを胸に抱き止めるハインツ

 

 泣き続けるアルト

 

 操船している竜人や船員もうつ向く、

 ハインツも涙を流す

 

 

 「私だって悔しいんです!!ですがっ!!

 ナナキと師匠が犠牲になって

 掴んだ情報を伝えねばなりません!!

 我々は死ぬ訳にはいかないんです!!」

 

 

 

 たとえ……生き恥を晒しても

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 王宮 国務大臣執務室

 

 「緊急の書簡が届きました」

 薄くて緑色のローブを纏う若い男

 ルキウスの執事マーカス

 「ギルドナイト本……失敬、

 四英雄からのようです」

 

 ハインツがギルドナイトであることは

 ルキウスと数人しか知らない、

 

 ギルドの暗部が王宮に出入り……

 それどころか王族の一人では

 色々まずい

 

 「追撃の報告ですね……」

 こちらは白のローブに金の装飾、

 封蝋を剥がし小さな手紙を

 読むルキウス

 

 「これはっ!!」

 立ち上がる

 

 「どうされましたか?」

 

 「マーカス、書士隊とギルドナイトに

 召集を」

 手紙を持つ手が震える

 

 「すぐに手配致します」

 マーカスは退がろうとするが

 

 「四大英雄を王宮へ」

 

 「王宮へ……ですか?」

 いくら四大英雄でも……

 

 「速くしなさい、飛行船で今すぐです、

 災厄が来るかも知れません……」

 

 「すぐに!!」

 マーカスは走り出す

 

 手紙を握りしめ

 「なんて事だ……」

 

 

 

 即座に大陸全土へ伝書鳩が

 飛ばされた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数日後

 

 「人の一生は我らより短いが……」

 竜人ココット

 

 「それでも師より弟子が先に……」

 同じくミナガルデ

 

 「辛いもんじゃなぁ……」

 同じくドンドルマ

 

 表情は暗い、目が皺に埋もれる

 

 

 全く同じ姿の三人が円卓に座る、

 20以上の椅子がある多きな円卓

 

 「ようこそ、遠路遥々

 ご足労ねがいまして……」

 ルキウスは一礼する

 

 「摂政殿、よろしいのか?」

 「ワシらは英雄とは言っても平民だぞ?」

 しかも竜人

 「王宮内のお立場…悪くならんかの?」

 

 「国あっての王宮です、この危機に

 私の立場など……」

 毅然とした態度で議長席へ

 

 シュレイド国の主要人物達も円卓へ、

 各大臣、将軍、貴族……

 

 最後にハインツが部屋に入る、

 普段着とはいえ貴族のローブだが

 ハインツの席はない、

 ルキウスの部下の立場

 

 

 

 「王も隣でお聞きになっています、

 ハインツ、報告を」

 ルキウスの言葉で会議は始まる

 

 

 

 ………………

 

 

 

 

 「星……とは?」

 ココットが聞く

 

 「初めは火山弾を操ると思われ

 ましたが、遠くから見た時は……」

 ハインツは立ったまま答える

 

 「遥か上空から……ですか」

 

 大臣達から声が上がる

 「つまり流星を落とすと?」

 「信じられませんな」

 「いやしかし竜巻を操る竜も……」

 「自然災害そのものか……」

 

 

 ドン!!と円卓を叩くと将軍が嫌味の

 ように

 「負けた理由を捏造しただけでは?」

 

 さらに続ける

 「敗北にもっともらしい理由を

 付けただけではないか!」

 鎧を着て武人らしい格好だが、

 太っていて立派な腹が出ている

 

 

 議場の空気が悪くなる

 

 「しかし私は確かに……っ!」

 ハインツが反論しようとすると

 ルキウスが手を挙げて制する、と

 

 「敗北は敗北、ですが逃げも隠れも

 せずに恥を忍んで訴えているのです、

 嘘を言うとお思いか?」

 真っ直ぐに将軍を見る

 

 

 「弟君を庇いたいのは分かりますがね」

 将軍は呆れたように

 

 「大体流星などと……戯言を……」

 

 「弟君を庇うためにこの円卓会議で

 偽証を並べるのですか?」

 

 「国務大臣、自分のお立場を理解して

 無いようですな」

 

 将軍の派閥らしき大臣も避難の声を

 上げる

 

 議場は相手を貶める場になる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「カンッ!!」

 竜人達の杖が鳴る

 

 「立場、出世、

 蹴落とし合いなぞくだらん!」

 

 「盤上の駒遊びを

 見に来たわけではない!」

 

 「こうして児戯に興じている内に

 一番大事な時を失なうぞ!」

 

 

 「何を言うか平民どもがぁ!!」

 将軍が怒鳴った

 

 

 

 

 瞬間!!

 

 

 

 

 議場が凍り付く……

 

 

 

 

 ハインツでさえ逃げ出したくなる

 殺気……

 

 

 大臣達も動けない

 

 

 

 全員が理解する

 

 

 老いたとはいえ最強レベルの化け物

 を円卓会議に呼んだ事に!

 

 

 

 「分かっとらんなぁ…」

 

 「このままでは盤も駒も…」

 

 「この国ごと灰になると

 言うとるんじゃ…」

 

 

 笑う三人、しかし動けない……

 

 「ワシらがこの場で問うのは一つよ」

 

 「お伽噺を真実として認めるか……」

 

 「それとも隠し通すかじゃ」

 

 

 

 ココットが大臣達を睨むと

 「問題は『人類最強の二人』が敗北、

 最大の戦力を失ったのじゃ……

 そして災厄は……終わっとらん……」

 

 

 

 静寂……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 水差しを持った女官の一人が顔を上げ

 口元の布を取る

 

 「その辺で勘弁しては貰えぬか?」

 

 「なっ……王!!」

 「なにをしておいでで?!」

 「そのような格好で……」

 大臣達が狼狽える

 

 「ルキウス、ご苦労だった、

 この目で、耳で、英雄の声と威厳を

 堪能させて貰った……」

 

 「勿体ないお言葉……」

 ルキウスは立ち上がり、自分の席…

 議長の席に王を招く

 

 

 

 キチンと座ると 

 「では…是非とも英雄の意見を

 賜りたい」

 後ろに双子を従え、

 王は三人に一礼する

 

 「王!!」

 「平民にそのような!!」

 大臣達から意見されるが

 

 

 「黙りなさい!我々の兵士で勝てる

 相手では無いのでしょう?

 この国が危険なのでしょう?

 こちらが協力を求める立場です」

 王は三人に向き直ると

 

 「この国を私の代で終わらせる訳には

 行かないのです」

 

 

 

 三人の竜人は頷く

 「他の小僧どもとは違うな、

 流石は王じゃ」

 大臣達を見渡すココット

 

 「王と国務大臣は聡明じゃの、

 ハインツもな」

 同じくミナガルデ

 

 「小僧ども、口を開くな……沈黙せよ」

 同じくドンドルマ

 

 大臣達も将軍も黙る他無い、

 今から兵士を集めても勝てないだろう

 

 

 

 

 

 

 ………………

 

 1、G級に限り真実の公表

 

 2、シュレイド国内を移動する際の

 通行税をハンターに限り免除

 

 3、大陸南沿岸に飛行船と兵士の派遣

 および、連絡内容のギルドへの開示

 

 4、緊急時に限りG級ハンターの

 飛行船による運搬、使用及び

 全兵士のサポート

 

 

 ハンターに有利すぎて国の面子を

 潰しかねない内容だが

 

 「以上を締結する!!」

 ルキウスの宣言と共に王とココットが

 握手をする

 

 

 

 

 

 

 ………………

 

 

 数分後 別室

 

 「お陰で上手く行きました」

 ルキウスが頭を下げる

 

 「ワシらを呼んだ理由がまさかなぁ」

 

 「摂政殿からこんな手がなぁ」

 

 「何事も話し合いのルキウス殿がなぁ」

 

 同じ顔、同じ姿が同じ様に笑う

 

 

 「城内の兵士で太刀打ち出来るはず

 ありませんからね、

 まさか兄上が力で捩じ伏せるとは…」

 ハインツもやれやれといった顔

 

 「私も王も若すぎて大臣達から

 嘗められてしまいますし……

 綺麗事だけでは国は動かせません」

 ルキウスはニコリと笑う

 

 

 

 「バァン!」

 

 「ルキウス!!ハインツ!!

 これビックリしただろ!!?」

 女官の姿のままで乱暴にドアを開ける

 若い王

 

 同じ顔の二人が困った顔をする

 

 「いい加減脱ぎなさい」

 ルキウスが言うが

 

 「これくらいやっておかないと

 奴等(大臣達)を出し抜けないからな!

 それに噂に名高い英雄も自分で

 見たかったんだ」

 笑ったまま

 「その紅竜とやらの流星も

 一度見てみたいな!」

 

 ハインツが溜め息を吐きながら

 「貴方は好奇心が強すぎます」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。