趙公明がアンニュイな訳がない   作:シアス

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閑話 このアンニュイ!君に届け!

side趙公明

 

渡された宝貝を使ってみると、彼の場所はすぐに分かった。

その場所に早く向かいたいが、まずは遠見の術で様子を伺ってからだと思い至る。

どんな場所に、どんな状態でいるか分からないし、第一印象を良くする為の準備をするにしても、やっぱり先ずは情報が大事だからね。

 

水晶に映し出されたのは、広い平原で見晴らしが良かった。

それに天気は晴れで、視界を遮る雲は一つもない。

これなら空から降ってきて登場すれば、かなりのインパクトがあるんじゃないかな?

実に素晴らしい。

採用しよう。

 

次に彼の状態だが、くっきりと魂魄体が見える。

侵入者くんは、彼の事を大した事はないと言っていたが、特殊なフィールドが張られている訳でも、何かの術を行使している訳でもないのに、魂魄体を維持しているのは、僕から見ると十分に異常な事に感じるのだが。

しかし、様子を見るに、寝起きなのかフラフラとしているだけで、強い意思を感じられない。

これなら思考があまり働いてないかもしれないから、上手くまるめ込そうだ。

彼の意識がはっきりする前に行かねば。

これは急ぐ必要がありそうだ。

 

 

さっそく接触してみたけど、思ったより簡単に誘導できた。

根は素直なのかもしれない。

簡単に妖怪に成れる訳が無いのに、すぐに妖怪に成れると思い込んでるあたり単純とも言える。

しかし、千年か。

ちょっと長いね。

僕としても、そんなに待たせるのは心苦しい。

侵入者くんは、彼におとなしくしていて欲しかったみたいだが、それでは彼があんまりなので早く妖怪になれるように手助けする事にした。

まあ、本音は早く遊びたいってのも有るけど、新藤崎竜先生の紹介状を待たされているのだから、その間は好きにさせて貰おうじゃないか。

勿論、その後も好きにさせて貰うけども。

それと弟になったのだから、侵入者くんに大した事は無いと言われるのは少し悔しいよね。

せっかくだから立派に育てる計画でも立てるべきか。

いつか侵入者くんを見返せる日が来るのを楽しみにしよう。

どんな顔をするのか実に見ものだと思う。

その為には、やっぱり早く妖怪にする必要がある。

そうだ。確か、通天教主様に龍脈の確保を依頼されてたんだった。

そのエネルギーを転用してみるのはどうだろうか?

たった今思いついたのだが、さも計画していたかのように彼に伝えた。

あとは、名前どうしようかな?

僕が公明だから、正大にしよう。

公明正大。

実に僕達らしい名前じゃないか。

 

 

正大を龍脈に移し替えて一人帰る。

初対面にスルーされた時は、どうなる事かと思ったが、それ以降は実に良い反応を繰り返してくれた。

そして、実にいじりがいがある。

この分だと、しばらくは楽しみに事欠かないだろう。

そういえば、約束だから妹達にお願いしに行かなければ。

妹達なら、すぐにでも向かってくれるだろうけど、ここは少し身の危険を感じて貰うべきか。

妹達には、ピンチになるまで様子を見るだけにしておくようにと指示をだしておこう。

別に、ピンチになって慌ててる様子を見たいだけって事は無いと言わなくても分かって貰えるよね?

 

せっかくだから、複数の龍脈を制圧して、同じように実験してみる事にした。

魂魄の有る無しが、妖怪になるかどうかに影響がある事を調べるのは大事だと思う。

防衛や管理に人員を割く必要があるけど、あまり大きく動かすと通天教主様にバレてしまうかもしれない。

いや、別にバレても問題は無いのだけど、せめて正大が妖ゲツになるまでは龍脈を使いたい所だ。

それなら、後で研究結果の資料や比較を出せるから、今後の仙人界の発展に役立つんだよと、通天教主様を説得できやすい気がする。

それなら最初から提案してれば良いじゃないかって?

通天教主様は、なかなかに頭が固い。

僕は必要だと思うから提出している劇場やカラオケ施設の建設に反対するのだから。

きっと正大の事なら許可はおりるだろうけど、許可が出るまでに時間がかかるだろう。

それなら、事後承諾になるけど、早めにやっておいた方が実に効率的だと思う。

さてと、そろそろ正大に会いに行こうと思うのだけど、お土産はどうするべきだろうか?

 

 

プレゼントって自分が貰って嬉しい物が基本だよね?

ならば、僕が欲しい思う存分に力を振るえる敵を作ってあげる事にした。

それなら実戦を行えるし、ついでに狩った獲物も持って行けば一石二鳥どころか三鳥の素晴らしい考えだと自画自賛したい。

だからこそ、やっぱり最初は大物だね。

東にある海に住んでいる海竜王とか、天空に住んでいる火竜とか、なかなか良い候補だと思う。

他には、自分達は強い恐れられる存在だと思っていそうな霊獣達も候補に入れておこう。

さてと、最初はどれに手を付けようか悩むところだ。

これなら、きっと喜んで貰えるだろう。

 

 

持って行ったお土産は凄く好評だった。

想像以上のリアクションをしていたし、口ではああ言っていたが、きっとあれが噂のツンデレに違いない。

それにしても、竜はとても美味しかった。

雲霄の料理の腕も上がっているようだし、このお土産シリーズはこれからも続けていこうと思う。

正大には悪いが、しばらくはその素材で作った肥料だけになりそうだ。

この料理が味わえないとは、正大もつくづく運がないな。

しかし、安心して欲しい。

料理の味に関しては、この僕が責任をもってレポートするので、料理を眺めて味を十分に想像できるようにしておこうじゃないか。

 

 

今日は、正大の所ではなく崑崙山と外交の為に、中立の立場を取る太上老君の住処で会談が行われた。

暗黙の了解である、金鰲島は妖怪の実力者を、崑崙山は人間の実力者をまとめるまでは、お互いにそれぞれの領域に手出しせず、引き抜きやスカウトはそれぞれの領域の者が優先して行うなどの約束事の再確認である。

これは、明らかに妖怪などの支配図が大きい為、金鰲島有利の内容だった。

だから、崑崙側は普通の人間が住む領域を増やす為に、現在の生息域周辺と複数の場所から人間の手に負えない存在を討伐もしくは追放する依頼を出してきたのだ。

それらの者達が良ければ金鰲側に引き入れても構わないと言う話なので、こちらとしては問題を感じる事もなく了承された。

これは、正大のお土産を増やすチャンスではないだろうか?

ついでに、妖ゲツになった時の修行もできそうな内容だったので、僕としては大変に満足な会談であった。

あとは、通天教主様と元始天尊くんの個人的な歓談が行われる為、僕と崑崙側の側近は席を外した。

彼も強そうに見える。

お願いしたら手合せしてくれないかな?

でも、通天教主様に崑崙側の仙道と問題を起こすなと釘を刺されているので今回は諦めよう。

でも、ただ待っているのも暇だな。

しかし、こんな事もあろうかと、前回来た時に立派な池が有る事を知っている僕は釣り具を用意していたのだ。

さてさて、どんな大物が釣れるかな。

期待に胸を膨らませていると、強い手ごたえを感じる。

ここは腕の見せ所だね。

華麗に一本釣りを決めると、そこには大きなマンボウの姿が。

うーん。この感じなかなかの強い霊獣だね?

なんだかとても怒っている。

確か、崑崙側の仙道と問題を起こさなければ良いのだから、この霊獣を倒してしまっても、まったく問題は無い訳だ。

向こうも、こちらの戦意を感じたのか先制攻撃を仕掛けてきた。

これは立派な正当防衛だね。

この霊獣が、どれくらいの強さがあるのか少しワクワクしながら、宝貝を握った。

帰りに通天教主様から、「問題は起こさなかったか?」と聞かれたので「崑崙側の仙道とは問題無かった」と答えておいた。

嘘はついてないと思う。

 

 

そんなこんなで、弟にお土産を持って行く日々を過ごしていると、妹達がついに人化を完成させて、名実ともに妖怪仙人を名のれるようになった。

実にめでたい。

弟も、すくすくと成長しているので、この調子なら人化できる日も近いだろう。

そんな中、ある日、通天教主様から呼び出しが有った。

色々と心当たりがあるだけに、どの事か見当がつかない。

とりあえず、正大に関しての可能性もあるから、言い訳じゃなくて研究結果の資料を準備しておかないといけないな。

そうだ。この機会に正大が人化した時の記念に試練を与えらるように仕向けよう。

何の呼び出しであろうと、色々と報告する事を決めて、僕は通天教主様が待つ部屋に向かうのだった。

 

願わくは、この試練を乗り越えて正大が一回り成長することを祈る。

 




うーん。閑話が、なんだか手記みたいになってしまいました。
今回の話は、今までで一番自信が無い。

今までは、「そんな投稿で大丈夫か?」って質問に対して「(ギリギリ)大丈夫だ、(たぶん)問題ない(と思いたい)」って答えられたのに、今回ばかりは「一番いいのを頼む」と答えたい気分です。

早く成長したいですね。
あと、どれくらい書いたらレベルアップできるのでしょうか?
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