俺は全力で兄様に泣きついている。
「兄様、何か宝貝を出してよ」
「まったく欲しいからって、頼めば出して貰えると思うのは考えが甘いと言わざるを得ないね」
「いや、マジで命の危機なんだって。今回の任務は初めての単独遠征に選ばれて良いレベルじゃないから。ほら、今回はどうせ縛竜索は使わないでしょう?それで良いから貸してください」
「正大だって、いくつか宝貝を作っていただろ?それで頑張ってくれたまえ」
「いやいや、確かにいくつか作ったけど、光るだけとか消臭や消音が出来るだけの貧弱な宝貝で、どう戦えと?」
「言っておくが、スタンド……じゃなかった。宝貝に強い弱いの概念はない。ようは使い方次第さ。ぶっちゃけると最終的には宝貝なんて使わないで素手で殴った方が」
「そんな身も蓋もない。宝貝の能力バトルが売りなのにアニメ化したら戦闘がほとんどカットで回想や独白や会話がマシマシになってたくらい酷い」
「正大。それ以上はいけない。(この二次に)ブーメランが刺さっている」
「はっ!冷静じゃなかったとは言え、俺は何を言っているんだ」
こんな感じで、兄様に泣きついている。
何故泣きついているかと言うと、使者が帰った後に開かれた本当の会議が原因だ。
「ふむ。使者殿は無事に金鰲島を発ったようだな。では、改めて会議を開く。崑崙との関係を保つ為にも使者殿に聞かせられない話も有る」
えーと、何かきな臭い話でしょうか?
「まあ、これは崑崙側も行うだろうが、今回の目標から技術や情報を得たいので可能な限り回収できるモノは回収するように。元始からの手紙によると千里眼を妨げられて術の発動点の情報収集に苦労したらしいからな」
まあ、相手より良い位置に付く為には、これくらいはやらないとね。
こんな俗な話は、確かに使者がいる時にはしにくい。
「そしてこれが本題なのだが、情報収集の為に派遣した仙道が戻らなかった場所が一か所あるそうなのだが、もし生存しているようなら保護して欲しいらしい。その場所に誰が向かうかが問題だ」
「私は遠慮したい。同胞でもない人間を助けるのは」
「同じく」
「その考えに同意する」
「「答えるまでもない」」
皆なかなかに冷たいです。
とりあえず、人間と妖怪の溝が深い事が分かる答えだね。
これは本当に使者に聞かせられない話になる。
まあ、俺自身は他の皆と違って人間に隔意は無いけど、積極的に行きたくないな。
むしろ、遠征に行きたくない。
「では、その場所に趙正大に行って貰おう。もし生存しているようなら保護も頼むぞ」
「何故に?!」
「肯定も否定もしないのであれば、答を出さなかった者が選ばれるのが道理であろう。それに反応を見るに人間に対して他の者達と違い思う事も無いのであろう?」
あ、失敗。
明確に否定すると、ちょっと可哀想かなと思った俺が馬鹿でした。
そうか、肯定も否定もしないと押しつけられるのか。
なあなあで済ませようと思う性格が裏目に出た。
まあ、でも保護くらいならしても良いかな?
崑崙について少し興味があるし、もし生きているなら話をするのも悪くないかもしれない。
「ちなみに、先ほども言ったが、千里眼ですら妨害に有った為に確認は出来なかったらしいのだが、他の四か所から戻った仙道からの情報が類似する事から、戻らなかった場所も同様な可能性が高いと推測したらしい。しかし、仙道が戻らなかったからには、それなりに危険な可能性も有るとのことだ」
いや、それは絶対に危険なフラグですから。
やっぱり、その場所に行く人はクジ引きで決めませんか?
無理ですか?
そうですか。
「それでは、崑崙側が持ち帰った情報を改めて、共有する」
俺の思いをスルーして会議は続いた。
そして冒頭に戻る。
「とにかく、何でも良いので戦力アップを要望します」
「しょうがないな。余化と江を連れて行くと良い」
「よし、メイン武器とメイン盾ゲットだ。これで勝つる……ってな訳ないでしょう!」
「何でも良いと言ったじゃないか」
「まだ、妖ゲツにもなってない二人を連れて行くとか、足手まといでしょう。むしろ守る事を考えると戦力ダウン?」
「二人とも、なかなか才能はあると思うんだ。きっと何かの役に立つはず」
兄様は、明後日の方角を見ながらそう言った。
ちょっと目を見てお話しましょうか?
たぶん荷物になるとか思ったのでしょう?
「僕も遠征に行きたかったんだけどね。通天教主様が言うように万が一もあるから、ああ悩ましい」
「いや、実際は星を破壊できるかもしれない事にワクワクしているのでしょう?」
「おや、バレてしまってはしょうがない。誰か失敗しないかと期待している」
「俺が失敗しそうだと思ってる顔だ!兄様、宝貝貸してください。マジで」
兄様は、ため息を吐きヤレヤレとポーズを取ると言った。
「かわいい弟に、ここまで頼まれたのなら仕方ない。縛竜索を持って行くが良い」
え?ダメ元で無理と思いつつも泣きついてたけど、今貸してくれるって言った?
俺は歓喜しながら、兄様の気が変わらない内にと縛竜索を持って急いで旅立つ。
だから、兄様が放った小さな一言を聞き逃していた。
「楽に攻略したいなら、それに頼るのは間違いだと思うけどね。僕ぁ」
外伝買いました。
キャラガイドは、けっこう助かります。
あとは、複製原画応募しました。
当たると良いなー