あれから、どれだけの時間が経っただろう。502とその他精鋭ウィッチ達によるオラーシャ解放戦が始まり、成功し、そしてネウロイが殲滅された。
ウィッチ達はそれぞれの国へと帰り、そして避難していた人々達も祖国へと帰り始めていた。
そんな中、俺はというと。ウィッチ達の両親の避難先を調べ、そして両親と連絡を取り合い、再会させるという仕事に就いていた。
「ザインベルグ大尉殿。」
「どうした?」
「リトヴャク大尉、そしてエイラ・ユーティライネン大尉、アウロラ・ユーティライネン大尉がこちらに到着しました。」
「りょーかい、んじゃそうだな。温かい飲み物とお菓子でも用意してあげな。」
「了解です。」
俺は書類や名簿を隅々までチェックし、サーニャの両親の疎開先を探すのであった。
「おう、来たぞ我が姉弟よ。」
「って...お前まさかねーちゃんに何かしたのかよ!」
「おいおい誤解だ、勘弁してくれ。」
「その...、ザインベルグ少尉...いや、今はもう大尉でしたか。お久しぶりです、サーニャです。」
「大きくなったな、サーニャ。」
「えへへ、そうかな?」
「それに、少しばかり表情が柔らかくなった気がする。成長したな。」
「そんな、照れます...。」
そんな時、俺の横腹に蹴りが入る。
「ってぇ...何しやがる。」
「お前サーニャとどういう関係だ!えぇ?答え次第でもう一発、今度は更にきついのいれてやるからな!」
「うーん、いいねぇ。私の妹も乙女なものだ、そうだな、年頃の乙女は難しいものだぞ、我が姉弟よ。棘のように鋭いが触るととても脆いガラス細工のように。」
「って、何感心してるんですか姐さん。というか今仕事中な。」
「こら!話そらすなぁ!」
なんだかんだありながら、飲み物を飲んで菓子をつまみ、あれから何があったかをお互い話す。
今日はもう遅いし寝るか、ということにはなったものの俺は仕事を続けた。そんな時である。
「お前は寝ないのか?」
「そういう姐さんこそ、寝ないんですか?」
「私はもう少し酒を楽しもうと思ってね。」
俺の隣で酒を飲みながら見守るアウロラ大尉。
「ふあぁぁ...。」
「そろそろ寝たらどうだ?無理をしすぎるのもよくないぞ。」
「そんじゃ、お言葉に甘え...!?」
「よしよし、なら私と寝るか。」
「はぁ!?」
「バカ、皆が起きちまうだろ。」
「あのなぁ、流石に自分が何言ってるかわかって...。」
「ああ、わかってるぞ?そんじゃ行くぞ。」
「っておい...まったく。」
こうして気づいたらあの時のように抱き枕にされ眠る。いつぶりだろうな、なんだが懐かしい気がする。
朝になって下に降りると、サーニャとエイラが料理を作っていた。
「おはよう、大尉。」
「おっす、んで...ねーちゃんどうしたんだ?」
「おえぇ、飲み過ぎた。」
「ほら、水でも飲んで休んどけ。」
「ありがと、イッル。」
姐さんは酔いつぶれてる、駄目だこの人。
俺は2人のつくった料理を食べるとすぐに仕事場に戻る。少しでも早く終わらせなければ。そんな時だった。
「この名前...もしかして...!」
俺はすぐにサーニャの元に駆けつけて確認をとる。
「この名前...間違いなく私のお母様とお父様です。」
「そうか、それじゃあ準備してくれ。明日会いに行こう。」
こうして無事に両親と連絡をとりあい、明日再会しにいくこととなった。
「お母様!お父様!」
「サーニャ、よかった、無事で!」
「この時をどれだけ待ち望んでいた事か...。」
家族とまた会えるなんて、いいな。俺も、こんな気分を味わいたかった。
「ありがとうございます、おかげで娘とまたこうやって。」
「いえいえ、これが仕事ですから。」
「それで、これからどうするの?大尉は。」
「そうだな...軍で結構稼いだし、星について勉強したいなぁって。」
「そっか...でも、行く当てはあるの?」
「無いよ...。でも、一人だって行きてけるさ。」
「そんな...。」
「そんなら私がいい場所知ってっから、私に任せときな。サーニャ。」
「本当?よかったね...。」
「ああ、そうだな...。」
少し嫌な予感がするけどな。
「それじゃあ、幸せになサーニャ。」
「何かあったら絶対言えよ!あと、手紙よこせよな!その...サーニャは私のた、たたた...。」
「うん!勿論だよ、エイラは私の大切な友達だもん。」
こうしてサーニャは両親のもとへと帰っていった。そして俺はというと。
「で、当てってなんだ?姐さん。」
「そうだな...う〜ん。何だったかな。」
「おいおい姐さん、頼むぞ。」
「あ、そうだ。なあ、私と生涯共にしないか?」
「は?」
「はぁ?」
俺とエイラは珍しく同じように言う。
「私は本気だぞ?君のその真っすぐで純粋なところが凄く好きだ。だから、どうだ?」
「まあ...姐さんが言うなら間違いないか。ただ、一つだけ約束だ。飲み過ぎるな、以上。」
「わかった、約束するから。」
な、なんか嫌な予感するな...。
こうして俺達は結婚し、俺は星の研究をし、アウロラは役所で働いていた。
だがあの約束はすぐに無かったように
「聞いてくれよ〜、旦那〜。」
「どうしたんだ、姐さん。」
「あのさ、スケベ野郎がセクハラしてきたから蹴り飛ばしたんだけどそしたらクビになっちまった。」
「えぇ...、何でそうなるのさ。」
「さあ、因果応報なのに相手が骨折したからだって。」
「いやいやいや、それでよく逮捕されなかったな。」
「まあ原因が原因だからって穏便に済ませてくれたけどなぁ...。明日からどうしよう、もう自棄酒しか...!」
「おいおいよせよ姐さん。」
「なら、私を満たしてくれるか?」
「へ?」
その後は朝までずっとだった、この人ちょっと強すぎないか色々と。そして結果的に子どもができたはいいものの...。
「よせ、姐さん!アルコールは子どもに悪影響だぞ。」
「もう我慢できないんだ、勘弁してくれ。」
「待て姐さん!ならそうだな...美味しいもの食べて抑えよう。な?」
「し、仕方ないな...。子どものため、だもんな。」
すごく苦労したさ、そりゃあもう。それから出産し、姐さんも仕事を見つけて再出発した。
それから何年か経って、子どもが少し成長した頃だった。
「お母さん、空綺麗だね!」
「ああ、そうだな。今日はオーロラか。」
「そういえば、スオムスではよく見えるよね。」
「ああ、懐かしいな。なんだか...こうやって妹とよく見てたかな。」
「お母さん、妹いるの?」
「ああ、昔はとってもとっても可愛くてねぇ...。」
また始まるか、妹の話伝説。何時間続くんだこれ。
「私もあのオーロラに手が届いたらなぁ...。」
「ははっ、そうか。いい感性をしているな私の子は。やっぱり私と旦那の子だからか?イッルも昔、そんなこと言ってたな...。」
「そうなのか?」
「ああ、じゃあ聞かせてやろうか?」
「ま、手短にな。」
こうして姐さんの妹話がとても長く続いた、子どもはものすごく興味津々で聞いてたな。好奇心旺盛っていいもんだねぇ。
「やっぱりいいな、こうやって平和な空を見上げれるのはさ。」
「そうだねぇ、姐さん。」
「イッルもニパも...皆元気にやってっかなぁ...。」
「今度会ってみていいんじゃないか?きっと喜ぶぞ。」
「そっか、それもそうだな。よし、そろそろ冷えるし家帰って皆でサウナだ。旦那、酒はあるよな?」
「まああるけど、でも姐さんほどほどにな?」
「おうよ、わかってるって。」
本当かぁ?でも、こうやって平和に笑い合えるってのが一番なのかもな。あのオーロラのように綺麗で輝かしいものだと俺は思ってる。
ウィッチのおかげでこうやっていられるんだ、ありがとうな皆。