目の前でまた、仲間が死んだ。さっきまで一緒に笑っていたのに。跡形も無くなっていた。
いつもそうだ、いつも俺の前から皆、消えて行く。故郷だって、家族だって、友達だって...全てが消えていった。
「ヨハン少尉、何があったのですか!」
「おそらく敵勢力による暗殺だっただろうな。黒いマントを纏った男に襲われ、確保したところ自爆しやがった...アンドレイ曹長は爆発に巻き込まれ殉職...。」
「...そうですか...。おそらく、オラーシャ軍を狙った魔女狩りでしょうね。」
「なあ...そいつら、この近くにまだいると思うか?」
「まさか、追い討ちをかける気ですか!?おやめください!」
「ちっ...。とりあえず、市民には外出を控えるよう通達してくれ。もしかしたらまだ巻き込まれるぞ。」
「了解しました。ですが、くれぐれも手荒なことはおやめください。」
俺は拳を強く握った。もっと早く気づいていれば、もっと注意深く見ていればこんなことにならなかった。奴は拘束を解く技術を持っていた、失態だ。
そして、路地裏から立ち去ろうとしたとき、途中で何かを拾う。何だろうと思い拾うと本であった。そして中身を見た時に俺は驚愕した。
「おい、待ってくれ。これを見てくれ。」
「どうしたのですか...?なっ...これはっ...!」
中を開けると、ネウロイはウィッチの存在によって誕生したものであり、ウィッチを殲滅することでネウロイは消滅するとかいてある書物であった。
「一体誰がこんな...!」
「これを魔女狩りの証拠物品として持ち帰り、報告しましょう。」
「わかった、先に帰っててくれ。車をとりにいってくる。つってもわるい、鍵あいつが...」
「わかりました、ではこちらへ。」
そう言われるがまま車に乗ろうとするが。
「何か妙じゃないか?この音、何だい?」
「この音...?っまさか!」
「離れろ!」
俺達は即座に車から離れる、すると爆発が起きる。やはりどこかに潜んでいるんだ、奴らが。
「皆、物陰に隠れて様子を伺え。そして銃を構えていつでもやり合えるように準備しておけ。」
「了解です。」
やはり奴らか...。さて、どうしたものかな。
銃を抜き、いつでも撃ち合えるようにしておく。気配を感じ取る、殺気でわかる。明確な殺意だ、駄々漏れな殺意で居場所を教えてるようなものだ。
様子を伺っていると黒い物陰が動いた。
「っ!」
銃弾が銃口から発射され、硝煙を上げると共に目標から血飛沫があがる。
「まだいるぞっ!」
「はいっ!少尉に続けぇ!」
2人が銃を発砲すると、数発が目標の腕と健に命中する。
「少尉!右ですっ!」
「っ!?」
敵の一人がナイフを射出し、右の物陰から攻撃してくる。俺はそれを回避し、同時に脚部両方に一発ずつお見舞いする。
「おそらくこれで終わりだろう。だが気を抜くな、殺意を抑えてる奴が潜んでいるかもしれない。」
「了解しました。それで、確保しますが三人でしょうか?」
「ごめん、切羽詰まって最初の一人の眉間ぶち抜いちゃった。だから遺体回収と容疑者回収の両方やって、ごめんね。」
「了解!」
「あと、拘束解かれないようにと隠し持ってるもの全部没収ね。もう勘弁だから。」
「了解しました。」
こうして基地からの応援も到着し、容疑者を確保する。
車に乗っている時、俺は今回の反省をしながらハットを深くかぶり考え事えをした。
基地につくと夜になっていた、そこでこの基地の隊長ともいえるリーシャ=リフナスカヤ少佐に部屋に招かれる。
「今回の任務はご苦労であった、そして...アサンコフのことは残念であった...。」
「はい...。私が注意していなかったが故の...責任です。」
「そう自分を責めるな、責めすぎる事でいつかお前は自己犠牲を行なう。それでは周りのものは浮かばれん。あいつは市民に愛されていてオラーシャ陸軍でもよい働き者であった。彼の魂は私達が引き継ぐ、無論お前もだ。」
「わかりました...。それで、今回のことであるが話してもらえるか?」
「はい、これなのですが...おそらくこれは奴らの教本のようなものでしょう。内容に目を通したところ宗教のようですね。」
「ふむ...。っ!」
本を開いた瞬間、リフナスカヤ少佐は怒りを露にし、本を床に叩き付ける。
「何だこれは!何がウィッチは悪だ!ネウロイは神だ!ふざけるな、こんな奴らのために我々ウィッチと市民の安全が脅かされてたまるか!このことは国連に報告、そして各国で連携して魔女狩りを殲滅するぞ。いいな?」
「了解しました。そのために私はここにいるのですから。」
「よろしい、奴らから尋問を行なうがお前も来るか?」
「勿論です。」