今年も色々とあるとは思いますが、私の作品を今年もよろしくお願い致します!
今回で原作の3話が終わり。次回の原作4話にはメシアスの装備の真の力が判明しますのでよろしくお願い致します。
では、第19話をどうぞ!
第19話 ラグナの戦場・試験内でのドッグファイトと其々の進歩。
ミラージュが提案したハヤテの最終試験を実施する許可が降りてちょうど1週間が経過した今現在、晴天広がるラグナの青い空に飛行機雲を引きながらミラージュの乗り込んだ赤とハヤテが乗り込んだ青のVFー1EXが2機が飛んでいる。
その姿を映像越しにアイテールのブリッジで見届けているのは隊長のアラドやチャックにアーネスト艦長とオペレーターの3人、メッサーは審判役としてハヤテ達の更に上空で自身のVFー31に乗り込み旋回行動を行いながら待機している。
アラド
「制限時間は5分。その間に1発でもミラージュに当てればハヤテの勝ち。ハンデとしてハヤテは何発喰らっても良しとする。審判役としてメッサーが上空を飛ぶ。」
ハヤテ ・ミラージュ
『『・・・』』
アラド
「各機が左右に旋回後すれ違った瞬間に試験開始だ!」
ハヤテ・ミラージュ
『『了解!』』
互いの了解の言葉で左右に分かれるハヤテとミラージュをモニター越しに見ながら各自が深妙な表情をしている中、艦長席に座っているアーネストが口を開いた。
アーネスト
「アラド隊長は此の試験の結果はどう予測する?」
アラド
「まあ〜ハヤテが一方的に撃たれるのは目に見えてますね。経験が圧倒的に違う。しかし・・・もしかしたら大番狂わせが起きるかもしれませんが。」
アーネスト
「大番狂わせか・・・チャック少尉はどう思う?」
チャック
「ハヤテもハヤテなりに頑張っていましたよ。やっぱミラージュの方が有利ですけど、彼奴なら大丈夫と思います。」
アーネスト
「そうか・・・メシアス中尉は・・・?そういえばメシアス中尉は何処に行ったんだ?」
アラド
「メシアスならマネージャーとして新人女神の方の問題解決に行ってますよ艦長。」
アーネスト
「よくやってくれているな中尉は・・・あちらは彼に任せて我々は此方に集中するとしよう!」
再びモニターにアーネストが目を戻した時にオペレーターのベスの距離の読み上げに合わせ反転した2機が互いの距離を少しずつ縮めて行く。
距離5000から始まったカウントは徐々に1000になり、やがてゼロ距離になった瞬間に試験開始の口火が切られた!
アラド
「試験開始!!」
アラドの合図と同時にすれ違った2機が互いに背中向かいなりペダルを踏み込みながらエンジンの出力を上げ通過して行く。
自身の左横を通過し右後方に上昇したミラージュの機体を捕捉する為に操縦レバーを傾け機体を宙返りさせようとするハヤテだが、やはり実践に出て何十回と戦場を飛んでいるミラージュの方が実力は確かである。
上昇しながらハヤテよりも機体を素早く宙返りさせながらの高速マニューバであっという間にハヤテの背後を取り模擬戦用のペイント弾を主翼から機体中心部にかけて正確に命中させていく。
ハヤテ
『クッ!早い!』
ミラージュ
『フッ!素人が!』
開始早々に先手と背後を取られ一方的に撃たれ焦るハヤテに対してミラージュは余裕の表情を浮かべ鼻を鳴らしながら機体後方にピッタリと張り付きハヤテに反撃の体制を取らせないように猛追しながらペイント弾を連射していく。
一方その頃・・・ワルキューレのレッスンルームにはメンバー5人に加えてマネージャーのメシアスの6人が集まっていた。
その部屋でダンスレッスンなどを行う広いスペースの中心にはワルキューレの曲の”僕らの戦場”を歌っているフレイアがいるが数日前の夕方にメシアスと過ごした事で幾分良くはなっているが、矢張りまだ表情には元気が無く歌に自分の気持ちが込もっていない暗い歌声になってしまっている。
その証拠にメシアスとレイナの端末に表示されているフォールドレセプター数値は平均に達しておらず、其れどころか徐々に下がって来てしまっている。
マキナ
「フレフレ・・・」
レイナ
「メシアスのお陰で少しは元気になっていたのに。」
其れをドリンクを片手にしたマキナと端末を操作しながらのレイナが心配そうに見つめている中、階段を登った上のスペースにいるカナメと美雲にフレイアから端末に映るハヤテ達の模擬戦の映像に目を向けるメシアス。
カナメ
「メシアス君のサポートで調子を取り戻したと思ったのだけど。」
美雲
「まだまだ見たいね・・・ところで其方の模擬戦はどんな感じかしらメシア?」
メシアス
「ハヤテが一方的にやられている展開だが・・・今のミラージュは少し慢心している。飛行実技以外受けていないハヤテの行動を考えたら実力に圧倒的な差があると把握出来るが、戦場では慢心が死に繋がり命を落とす。其れを1番分かっているのはミラージュ・・・お前自身だった筈だろ。」
端末を覗き込むカナメと美雲の間でミラージュの今の様子に表情をしかめるメシアス。
美雲
「慢心は戦場で1番の大敵になるのは確か・・・でも今の状態からハヤテ・インメルマンに逆転の機会はあるの?」
メシアス
「勝負は最後まで分からない・・・決して最後まで諦めずいれば必ずチャンスは訪れる。況してや慢心している今のミラージュなら尚の事、其れに・・・俺の正体を知りたいと言った時のハヤテの覚悟と言葉は本物だった・・・俺は其れを信じる。だからきっと大丈夫だ美雲。」
美雲
「其れを信じる。ね・・・ふふ。メシアらしくて私は好きよ♡その理由。」
メシアス
「ありがとう美雲。」
オーディション最終日の夕食の席で見せたハヤテの覚悟。
あれ程の思いを持っているハヤテならきっと此の試験を突破すると言い切る言葉に、メシアスらしさを感じ時折彼だけに見せる年相応の笑顔で笑う美雲。
カナメ
「問題はフレイアの方ねメシアス君。」
メシアス
「問題無いですよカナメさん。フレイアは大切は気持ちを思い出したんです。後は・・・余計な事は考えず、自分が歌うべき場所で歌うだけです!」
カナメ
「そうね・・・なら其の為には!」
カナメが手首のデジタル端末を操作するとルーム内の壁が変化、まるで空中に浮遊しているかのような海と青空の映像に切り替わった。
歌うのを止めてしまっていたフレイアが変化した部屋に驚いていると映像の一部に正に今行われているハヤテの試験の様子が映し出され、其の中でハヤテの機体がペイント弾によって大量に被弾していく様子が映っていた。
フレイア
「ハヤテ!!」
思わず映像越しのハヤテの機体に近づくフレイア。
ルーム内には試験中の通信内容も聞こえており、スピーカーからミラージュの声が聞こえて来ていた。
ミラージュ
『訂正の無い者を合格させても戦場で命を落とすだけ・・・ならば!』
ハヤテ
『な、何を!うわぁぁぁ!!』
再び発射されたペイント弾を躱した勢いで姿勢制御を失い失速し数回霧もしながら降下していくハヤテを逃すまいと激しい追撃を掛けるミラージュ。
以前にメシアスとチャックが話した通り・・・生半可な覚悟で戦場に出て死んで欲しく無い優しさから、ハヤテを此の試験で落とす為に容赦無く責め立てていくミラージュ。
ミラージュ
『ハッ!全く・・・良い鴨だ!!』
ハヤテ
『クソ!機体が勝手に・・・ハッ!なら此れでどうだ!』
ミラージュ
『な、何!』
ハヤテ
『見てろよ!ぐぅぅぅぅぅ!!』
ミラージュ
『無茶だ!』
ハヤテ
『うっせぇ!ゲロ女!』
ミラージュ
『あぁぁぁ!もぅぅぅぅ!!』
追い詰められたハヤテは事もあろうに以前の講義中にも行ったAIのサポートを切り形勢を逆転させる為にスロットを上げミラージュの背後に回り込もうと宙返りを行う為に機体を持ち上げるが、再び失速し高度をどんどん下げ落下して行く。
ベス
『ブルー急速に高度低下!アンコントロールのもようです!』
フレイア
「アンコントロール!!」
チャック
『あちゃー!やっちまったか!』
ミラージュ
『ハヤテ・インメルマン候補生!直ちに脱出しなさい!』
ハヤテ
『五月蝿えぇぇぇ!負けたら・・・飛べなくなる!』
アラド
『とんだ見込み違いだったか・・・ミラージュ!ハヤテを強制脱出させろ!』
ミラージュ
『了解・・・駄目です!サポートだけで無く遠隔操作まで切られています!!』
アラド
『あの馬鹿!』
何とハヤテは緊急事態を想定しいざという時にミラージュの操作で脱出装置を起動出来るようにする為の遠隔操作までも、サポートを切った時に一緒に切ってしまい此方からの操作を全く受け付けない状態にしてしまっていたのだ。
それによって失速したまま脱出する事が出来ずに墜落してしまう最悪の事態になってしまうと思い騒然となるブリッジ。
アーネスト
『消火班。及び救護班に緊急待機の指示!』
ベス・ミズキ・ニナ
『『『了解!』』』
スピーカー越しに聞こえて来る危機迫る会話にメシアスやその場にいるワルキューレ達も騒然となる中で、フレイアがメシアスの方に近づき驚愕した表情を浮かべ尋ねてきた。
フレイア
「メシアス!ハヤテ・・・ハヤテに何があったと!」
メシアス
「今ハヤテは外部からの操作を全て切ってしまい脱出装置を遠隔起動させなくしてしまっている。此のままだと最悪の事態になる可能性もある。」
フレイア
「そんな・・・ハヤテ!!」
メシアス
「何処に行くんだフレイア・・・今はレッスン中だぞ。」
急いでレッスンルームから飛び出して行こうとするフレイアの前に立ち塞がり道を塞ぐメシアス。
フレイア
「だって!此のままだとハヤテが!!」
美雲
「メシアの言う通りよ。其れに彼は今・・・自分の戦場で戦っているわ。」
フレイア
「自分の・・・戦場。」
美雲
「フレイア・ヴィオン!・・・貴女の戦場は何処なの?」
フレイア
「私の・・・戦場・・・」
美雲からの質問に答えられずに立ち尽くし俯くフレイアの肩に手を置き自分の方に向かせるメシアス。
フレイア
「メシアス?」
メシアス
「フレイア・・・ハヤテは自分が進むと決めた道を進む為に今この瞬間にも戦っているだ。自由な空を掴む為、今までの自分を変える物を掴む為、そして・・・デルタ小隊になる為に彼処で必死に飛んで戦っているんだ!」
フレイア
「ハヤテ・・・」
メシアス
「なら、ワルキューレであるフレイアの戦場は歌を歌う今この場がそうじゃないのか?・・・2人で話した日に気付いた筈だ。美雲達にもフレイアにも同じくある物は歌が大好きな気持ち何だと、そして其々が歌にその時に伝えたい想いを込めて歌う事を・・・歌は頭で考えて伝える物じゃ無い・・・心の中の想いをのせて相手に届けるのが歌だ!」
フレイア
「私の想い・・・!」
メシアス
「そうだ!今フレイアがハヤテに伝えたい想いを込めて歌う今この場所がフレイアの戦場なんだ!!」
フレイア
「私の戦場。」
ハヤテ
『ぐぅぅぅぅ!!』
映像越しに映るハヤテに手を伸ばすフレイア。
フレイア
「そうだ・・・ハヤテも今戦って!」
ハヤテを見つめる瞳を閉じたフレイアの足元からは額のルーンと同じくピンク色の光が無数に溢れ出し彼女を包み込んで行く。
そして深呼吸をしながら閉じた瞳を開き再び”僕らの戦場"を歌い始めるフレイア。
その歌声には先程の暗く沈んだような歌声では無く、明るくキラキラした中に軽やかさを感じさせる優しい調べを乗せた歌声となって響いていた。
其れに頷くカナメにフォールドレセプターを確認しながら互いに笑い合うマキナとレイナ、そして其れは映像越しに映るハヤテにもしっかりと伝わっていた。
ハヤテ
『ハァ、ハァ、ハァ・・・歌!』
レイナ
「フォールドレセプター!アクティブ!」
マキナ
「わぁ〜!フレフレ!」
美雲
「此れもメシアのおかげかしら?」
メシアス
「違うさ。此れは・・・フレイア自身が踏み出した。新たな一歩だ!」
美雲が作ったワルキューレサインに自分の作ったサインを重ね彼女の言葉に首を横に振るメシアス。
フレイアの歌声には更に力と熱が入りメロディーも盛り上がり始めた時に、其れを受けてハヤテにも変化が現れた。
ハヤテ
『フレイア!』
歌声は感じ取りヘルメットを脱ぎ去りフレイアの名を口すると、瞳を見開きしっかりと前を見据え操縦レバーを握り直す。
ミラージュ
『ハヤテ!!』
ハヤテ
『・・・うぉぉぉぉぉ!!!』
力強い声を上げながら落下しつつあった機体を立て直し岩肌が露出し様々な形に入り組んだ岩礁地帯の中に飛び込み、海面近くでガウォーク形態に変形しまるで水面を滑る様に移動し再びファイターに変形し大空に上昇するハヤテ。
フレイア
「ハヤテ!」
チャック
『フゥーーー!』
アラド
『ヒヤヒヤさせやがって!』
安堵の表情を浮かべたチャックとアラドがモニターに目を戻すと、先程とは見違える程の動きと軌道をしながら一気にスピードを上げ上昇しミラージュの機体の背後を取り反撃に出るハヤテ。
ミラージュ
『ハヤテ。』
ハヤテ
『まだ試験は終わって無いぜ!教官殿!』
ミラージュ
『何!』
ハヤテ
『行っくぜぇぇぇーーー!!』
今度は先程とは反対に背後を取ったハヤテがペイント弾を連射しながらミラージュの機体を猛追し、其れを躱しながら反撃の機会を伺うミラージュとの激しいドッグファイトを展開する。
ミラージュ
『いい加減観念しなさい!ハヤテ候補生!』
一瞬の隙を突き再び背後を取ったミラージュがペイント弾を発射する為にターゲットスコープを覗き込んだ瞬間!
ハヤテ
『掛かった!はぁぁぁ!!』
ハヤテが操縦レバーを操作するのと同時に両足のペダルを力の限り踏み込んだ瞬間に、バルキリーの構造ならではの機体の尾翼を瞬時に畳む事で毎日逃げられていた海猫が行なった水中での急反転の動きを模した軌道で放たれたペイント弾を全て躱し、上昇し太陽を背後したハヤテを追い目が眩んでしまった状態のミラージュの機体ににペイント弾を当て残り僅か数秒の所で試験を無事に突破したのであった!
ハヤテ
『よっしゃあぁぁぁぁーーー!!』
チャック
『海猫ターンか!』
アラド
『合格だな!』
アーネスト
『フッ。』
ミラージュ
『負けた・・・私が!』
メシアス
「やったな・・・ハヤテ!」
フレイアの動きと歌声に合わせてバトロイド形態で空を舞っているハヤテの姿はさながら共にダンスを踊っているとも言える程に流れる様な素晴らしい動きである。
レイナ
「踊ってる!」
マキナ
「ヒラヒラ〜!」
カナメ
「この子の歌で!」
美雲
「インメルマンダンスって所かしらメシア?」
メシアス
「インメルマンダンスか・・・良いんじゃないか美雲。」
ハヤテもそしてフレイアも漸く最初の第一歩を踏み出し、ワルキューレにもデルタ小隊にも新しい風が吹き始めた。だが・・・
ハヤテ
『良い感じ!』
メシアス
「此れは試験だから良かった物の実際の戦場で一気意中している間に落とされているぞハヤテ。忘れたか。其処には・・・そんな甘い考えが通じ無い人がいる事を。」
メシアスの言葉が終わった瞬時に先程とは違う色のペイント弾の直撃を受けて真っ赤になるハヤテの機体。
その正体は審判役として更に上空を飛行していたメッサーだった。
メッサー
『いつまで踊っている!』
ハヤテ
『いきなり卑怯だぞ!』
メッサー
『其れが戦場だ!正々堂々!1対1の戦いなど存在しない!』
ハヤテ
『其方最新鋭機だろ!』
メッサー
『死にたくなければ戦う術を身につけろ!』
フレイア
「ハヤテ!」
ハヤテのVFー1EXの後方にそれ以上のスピードで追従してくるメッサーのVFー31から大量のペイント弾が放たれミラージュ以上に命中し機体が更に真っ赤になって行くのを心配するフレイア。
メシアス
「大丈夫だフレイア。メッサー中尉は口には出さないが、戦場で油断すると直ぐにやられるとハヤテに身を持って教える為に行動しているんだ。悪気があるわけじゃ無い。」
フレイア
「うぅぅぅ〜〜〜!でもハヤテ大丈夫やろうか?」
メシアス
「心配ならハヤテが暫くしたらカタパルトに戻って来るから顔を出しに行ってくればいいさ。あの日笑い方を気持ち悪いと言われた仕返しに少しからかって出迎えやるといいさ。ねぇカナメさん?」
カナメ
「女の子の笑い方を気持ち悪いと言うのは頂けないわねハヤテ君・・・良いわ。行ってらっしゃいフレイア。」
フレイア
「ありがとうございますカナメさん!ちょっと行ってきますたい!」
お礼を言ってトレーニングルームを飛び出していくフレイアを見送り互いに笑い合うメシアス達5人。
マキナ
「フレフレイ。完全復活だね!」
レイナ
「うん!でも此処から漸くスタート!」
カナメ
「そうね・・・フレイアを加えメシアス君をマネージャーにした新しいワルキューレのね!」
美雲
「これからが本番よ!そうよねメシア?」
メシアス
「ああ!新生ワルキューレの新たなステージの始まりだ・・・ではカナメさん。俺はフレイアの事をアラド隊長とアーネスト艦長に報告しに行きますので後の事はお願いします。」
カナメ
「分かったわ。艦長達への報告はお願いね。」
残りのメンバー達のクールダウンなどをお願いしブリッジに向かう為に部屋を出るメシアスを見送ったカナメ達だったが、改めてメシアスが居なくなったのを確認すると4人で話を始めた。
マキナ
「カナカナ!こっちの準備はバッチリだよ!」
レイナ
「既に結果も集計済み。過半数だった。」
カナメ
「でも良いのかしら?幾ら結果がそうだからと言ってメシアス君は。」
美雲
「私はむしろ賛成よ。夢のようじゃない。」
本人の預かり知らぬところである計画が着々と進行しているのをメシアスは・・・知らない。
ワルキューレの4人が話してるいる頃、ブリッジに到着したメシアス。
アラド
「おお!其方はどうだったメシアス?」
メシアス
「最初から何も問題ないですよアラド隊長。フレイアなら大丈夫って前に言ったじゃないですか俺は。」
アラド
「ははっ!そうだったな。お前さんはそう言ってたな!」
メシアス
「しかし凄かったですね。あの最後に見せたハヤテの動き!」
チャック
「アレは、メシアスに懐いてる海猫のテクニックの海猫ターンだぜ!」
メシアス
「海猫ターン!アレはその動きだったのか!まさか其れをバルキリーでやってのけるとはな!」
3人で盛り上がっているところにアーネストも参加して来た。
アーネスト
「メシアス中尉。フレイア・ヴィオン君の方はどうだった?」
メシアス
「後で詳しい計測データなどはレイナが送信しますが、フォールドレセプター数値は安定はしてませんがオーディションの時とほぼ変わらない数値を計測しましたアーネスト艦長。」
アーネスト
「そうか。彼女の方も一先ず問題は解決したようだな・・・此れからもデルタ小隊としても、ワルキューレのマネージャーとしても、頑張ってくれたまえメシアス中尉。」
メシアス
「了解しました。アーネスト艦長!」
アーネストの言葉に敬礼を持って返すメシアス。其れに笑顔を見せ同じ様に敬礼で返すアーネスト。
メシアス
「では俺は少しハヤテとミラージュの様子を見に言って来ますが・・・アラド隊長。柔軟性のないミラージュに対して、わざと直感的なハヤテを組ませたんですよね?」
アラド
「う〜〜〜ん?何の事だメシアス?」
メシアス
「フッ。誤魔化すならそう言う事にしておきます隊長。では、失礼します!」
アラド
「やっぱり気付いてたかメシアスは。本当に大した男だよ。」
そう言ってメシアスが出て行ったドアを見ながら懐からバレッタクラゲのスルメを取り出し口にするアラドであった。
一方、カタパルトの上では・・・メッサーからのペイント弾によって返り血を浴びたように真っ赤になった機体を眺めるハヤテと最後の数発だがコックピットのキャノピー部分に直撃を受け、負けるはずが無いと思っていた中での敗北のショックから出て来ないミラージュが其々いた。
ミラージュ
「・・・」
今回はペイント弾だったので無事だが実戦の中での実弾の直撃だったら確実に死んでいたであろうハヤテの一撃と、何処かで油断していた自身の慢心が故の結果を引き起こした事を理解しているミラージュのヘルメットを握る手には悔しさや不甲斐なさから力が入る。
しかし其れすらを忘れさせれ程に先程から外から聞こえる軽快なリズムのノック音にイライラし声を荒げるミラージュ。
ミラージュ
「・・・クゥ!五月蝿い!あっ?」
其処にはキャノピーに顔を近づけミラージュに対して険悪な表情が無くなったハヤテがいた。
ハヤテ
「悪かったよ。あんたの言う通り飛べるだけじゃ駄目みたいだ!」
ミラージュ
「あぁ・・・?」
ハヤテ
「でも、やっぱりドンパチは好きじゃ無いから俺なりにやらせて貰う!明日からまたよろしくなミラージュ教官!!」
ミラージュ
「えっ!」
ハヤテ
「じゃあ〜〜お疲れ〜〜!」
そう言って機体から飛び降り近くにいたフレイアや整備班のガイ班長やハリー達数人と今回の試験中に賭けをしていた事などの雑談をし始めるハヤテを、コックピットから出ながら見つめるミラージュの首筋に冷たいドリンクを声を掛けながら押し当てるメシアス。
メシアス
「お疲れ。ミラージュ!」
ミラージュ
「ひゃぁぁぁ!脅かさないでくださいメシアス!」
メシアス
「悪かった。ほらドリンク・・・あの時の動きに翻弄されて一瞬ハヤテを見失ってたな。あんな動きは予測出来なかったんだろ?」
ミラージュ
「油断や慢心していたのは認めます・・・でもメシアス。あんな事をすれば普通はバランスを崩し再び失速して墜落しています。常識や教本にはあの様な対処方法など。」
メシアス
「確かにハヤテのあの咄嗟の行動は結果的に成功したがリスクの方が多すぎる。荒削りな直感は自身のだけで無く時には味方も巻き込む事や実戦で通じるとは限らない。」
ミラージュ
「なら!」
メシアス
「だが!その逆も然りで教本通りの戦いも実戦では通じない事がある。時には直感こそが勝敗の命運を左右する事や、形勢を逆転させる事があるのも事実だ。現にハヤテは其れをやりミラージュの試験を突破した。」
ミラージュ
「・・・」
メシアス
「ミラージュ・・・ルールや常識と言うある意味限界に囚われていては人は真に強くはなれない!時に人の持つ感性は常識では測れない力を生み出す。今までの己の中にあった一般的なルールや常識などを覆した時・・・人は新たな高みに登る事が出来るんだ。」
ミラージュ
「新たな・・・高み。」
メシアス
「そうだ・・・だが焦る必要は無い!今この瞬間からその新しい最初の一歩を踏み出せば良いんだ。ハヤテやフレイアみたいにな。」
ミラージュ
「最初の1歩ですか・・・そんな言葉を知ってるとは、メシアスはまるで年季掛かったお年寄り見たいですね。」
メシアス
「ちょっ!お年寄りは無いだろうミラージュ!」
ミラージュ
「あっははは〜!すいませんメシアス・・・でも、ありがとうございます。私には未だ時間が掛かりそうですが・・・その最初の1歩を必ず踏み出して見せますから!」
メシアス
「その意気だミラージュ!さてと・・・俺はハヤテの方にも声を掛けに行くか!今日はお疲れ様ミラージュ!」
ミラージュ
「お疲れ様でした。メシアス。」
表情が少し晴れたミラージュに労いの言葉を贈りながらハヤテと同じく機体から飛び降りてハヤテ達のところに向かうメシアス。
ガイ
「やったじゃねえか!ボウズ!」
ハリー
「こっちは大損ですよ班長!」
フレイア
「試験・・・合格したんやね!」
ハヤテ
「ヘッ!俺に掛かれば此れぐらい!」
フレイア
「運のいい奴め〜〜〜!」
フレイアのからかう言葉に一斉に笑い出す整備班達のメンバー。
ハヤテ
「何だと!あれぐらい楽勝だった!」
メシアス
「イヤ。アレはフレイアが言う通り、運が良かっただけだハヤテ。」
ハヤテ
「って、メシアス!お前までそんな事言うのかよ!もう少し言い方ってもんがあるだろう!」
メシアス
「言い方も何も事実を言ってるだけだ。なあ〜フレイア?」
フレイア
「メシアスの言う通りたい!最初はコテンパンやったやん!ねぇ〜メシアス?」
ハヤテ
「お、お前らな〜〜〜〜〜〜!!」
2人からの笑い混じりのからかいに参った表情を浮かべ笑うハヤテに、其れを見て笑い合う一同。
暫くの間、夕日が優しく照らす中を和気藹々とした温かい雰囲気が包みラグナの茜色の空に笑い声が響くのであった。
はい!第19話は如何でしたか?
今回は今までの中で1番長い話でしたが自分なりに満足しています。
文面を見直しながら改めたので、今までの内容にも少し手を加えて訂正し直して行きます。
では、次回。第20話でお会いしましょう!