魔法使い二人と筋肉が行く!! 作:マユ太
エ・ランテルにある冒険者組合で注目を集めたナギ率いる紅き翼は無事に冒険者登録を終わらせる事に成功した。
「では、こちらが
「ありがとう。
それと…さっそくで悪いんだが、俺達は異国の人間でこの国の文字が読めないんだ。
俺達の受けられる依頼をいくつか見繕ってもらえないだろうか?」
「はい、構いませんよ。
討伐、護衛、採取、調査などがありますがご希望はありますか?」
「じゃあ、討伐で頼む」
「分かりました。
少々お待ちください」
ナギ達に一礼して依頼書を見繕う為に書類の山から条件にあった依頼を探しに向かう受付嬢。
彼女の背中を見送った後、受付嬢から受け取ったプレートを首に掛けたエヴァンジェリンとラカンは微妙な顔をしながらプレートを指でつまんで眺めていた。
「どうかしたのか、二人とも?」
二人の表情に疑問を感じたナギは二人に質問をした。
「いやいや、戦士職最強の『伝説の傭兵戦士』を習得している俺が駆け出しだぜ?
色々と思う所があって普通だろう。
つーか、お前はいいのかよ?『
魔法戦士最強の職が泣いてるぜ?」
「筋肉ダルマの言う通りだ。
私達があの雑魚共よりもランクが下なのだぞ?
『大賢者』であるこの私が……」
「それは……」
ゲームの中の話だ。
しかも、それらは自分が妄想して作ったユグドラシルには存在しないバグチートな職業だ。
そう口にしようとしたナギはその言葉を飲み込んだ。
ナギにとっては自分と彼等が最強無敵の存在であるのはゲームの中の話であるが、彼らにとってはそれが現実なのだ。
故に設定であれ、自分たちが身に着けたと言う情報が彼らにある以上、彼らにとっては駆け出しの称号は酷くプライドを刺激するものだったのだろう。
そう思ったナギは彼らをどうやって
「お待たせしました。
では見繕った討伐系クエストの説明に入らせて頂きます」
「ああ、よろしく頼む」
悩んでいる途中で依頼書を何枚か持った受付嬢がナギ達の元へ戻って来た。
受付嬢が戻って来た為、思考を遮られたナギであったが、今は依頼を受けて金を集める事が優先であると思ったナギは二人の件を後回しにするした。
「討伐系だとこの三つになります。
まずは初心者向け依頼で街の周辺に出没する……」
「おっと、説明している所悪いんだけどな。
ちなみに、ここで一番難しい依頼ってなんだ?」
そして、何故か受付嬢の説明の途中で、ラカンが突如、受付嬢の言葉を遮った。
受付嬢は一瞬だけイラっとした表情を見せるが、ナギを視線の端に捉えると崩れた表情を瞬時に元の笑顔に戻した。
「申し訳ありません。
一番難しい依頼はミスリルプレートの冒険者しか回して居ないのです。
ですから、駆け出しである貴方がその依頼を受ける事はできません」
「いやいや、俺はただ
情報を集めんのも冒険者の務めってヤツだろ?
なぁ、
受付嬢に情報開示をしてもらえなかったラカンはあくまで情報収集と受付嬢に説明し、ナギに肘を一回ぶつけて同意を誘う。
「?確かに情報収集は必要だと思うが……」
「そうだよな、情報収集は必要だよな?
貴重な情報をくれる
お前はそんな情報をくれた奴には感謝するよな?」
「まぁ、貴重な情報はありがたいからな。
確かに感謝するが、それが一体…」
ラカンの行為を不思議に思いつつも、彼の言葉に同意するナギは何故かニヤリと笑って受付嬢に視線を送るラカンに質問をしようとするが……。
「情報収集なら仕方ありませんね。
討伐クエスト最高難易度の対象モンスターである『ギガントバジリスク』についてお話させていただきましょう!」
先ほどまで絶対に話すつもりはないと言う感じであった受付嬢は、ハキハキと『ギガントバジリスク』の生態について語り出した。
そして、そんな受付嬢をニヤニヤとした顔で見ているラカンをチラリと見たナギはラカンの計画を悟った。
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ギガントバジリスクの情報を根掘り葉掘りとラカンが聞いた後、受付嬢に感謝と謝罪の言葉を送ったナギはオーガの討伐クエストを引き受け、冒険者組合を離れた。
「ムフフフ、いやぁイケメン様々だぜ。
お陰で俺達が討伐するにふさわしいモンスターの情報を手に入れられた。
さっそく……」
「オーガの
街の外に向かう道で欲しい情報を得られてホクホク顔のラカンの言葉を眉を顰めながら言葉で遮るナギ。
「なんだよ?ギガントバジリスクじゃあ不満か?
だったらドラゴン狩りにでも……」
「いやいや、そうじゃなくてさ。
この世界のモンスターの強さの基準が分からないのに何で最高難易度のモンスターに挑もうとしてんだよ」
先ほど後回しにした案件にぶつかったナギはラカンの言葉で頭を痛めた。
「ナギ、正直私は不本意ながらこの筋肉ダルマと似た考えだ。
しかし……異なる世界に飛ばされ、リーダーであるお前が行動に慎重になるのは良く分かった。
なら、折衷案として遠距離で必殺の一撃を与えて様子を見るのはどうだろう?
もし、ギガントバジリスクが私達の手に負えられないモンスターであるのなら、私の影による転移で撤退。
有効打を与えられたらそのまま討伐。
なに、元々受けた依頼ではないのだ、別に失敗しても構わんだろう?」
頭を痛め、ラカン達の説得に再び頭を悩ませるナギに説得の対象者の一人であるエヴァンジェリンからの思わぬ提案に飛びついた。
「ああ、そうだな。
ありがとうエヴァ。さっそく、その方針でいこう」
「うーむ、男らしくはないが……まあ、いいだろう」
エヴァンジェリンの案を感謝しながら採用し、今後の方針を決めたナギに悩みながらも同意したラカン。
そして、ナギの素直な感謝に照れたのか、顔を赤くしたエヴァンジェリン。
「ふん。感謝するくらいなら、さっさと吹っ切れていつもの貴様に戻る事だな」
誤魔化すように胸の前で腕を
しかも路上で腕を組むものだから、彼女のたわわに実った大きな胸がより大きく強調され、道歩く女性は恐れ戦き男達は足を止めて拝みだす。
もし、彼女がそっぽを向いていなければ彼等は半殺しにされていたに違いない。
そんな生暖かい雰囲気になった所で、何かを思いついたラカンが嫌らしい笑みを浮かべてエヴァンジェリンに向けて語り出す。
「エヴァ、ナギが心配でちゅー。いつも楽しそうにしているナギに戻って欲しいでちゅー。
いつものナギがエヴァはすッ……!?」
「……」
決して似てはいないが、エヴァンジェリンのものまね?のような事をしたラカンは言葉の途中、魔力によって強化された彼女の右手に頭を掴まれ、その続きを口にする事が出来なかった。
いや、常人なら頭を潰されているであろう力でアイアンクローを受けている事よりも、表情の消えたエヴァンジェリンの顔を見て言葉を失ったようにも見える。
心なしか周囲が冷え込み、周りにいたはずのギャラリー達も居なくなっていた。
彼等はエヴァンジェリンの
もし、遠巻きに観察しておらず、ラカンやナギの様に近くに居たらあまりのショックで生命活動が停止していただろう。
「…本当に殺してもいいんだぞ?ラカン」
「マジですみませんでした!!」
表情の消えたエヴァンジェリンに命の危険を感じ取ったラカンは本気の冷や汗を流しながらエヴァンジェリンに謝罪した。
しかし、ラカンの頭を握っている彼女の細くて美しい指に込められた力は緩められる事はなく……。
「さて、貴様はどんな悲鳴を上げるのかな?」
「おい!それはマジでシャレにならないって!!
悪かった!!本当に悪かった!!」
背筋が凍りそうなほどの声と共に彼女の左手に無詠唱で現れた魔力で作られた
彼女のステータスに繁栄され、ユグドラシルが誇る最高硬度の金属さえも切り裂く恐ろしい剣の切っ先が彼の股間へと向けられた。
ちなみに、このバカ騒ぎはラカンが土下座をした事で終了した。
凪の魔改造メモ
:千の呪文の男
原作の二つ名をそのまま利用しただけの魔法戦士職。
ネギま!の魔法を操り、近接戦闘にも長けたナギ専用職。
;伝説の傭兵戦士
上記とほぼ同文。
パロっただけのラカン専用職
ネギま!の魔法が使えるが威力が低くMPの消費が通常よりも大きい。
ただし、彼にしかできない何かがあるようだ。
;大賢者
原作の二つ名を使用しようとした凪だったが魔法職らしい二つ名がなかったので魔法知識が豊富な彼女に似合いそうな大賢者にした。
エヴァンジェリン専用の魔法職。
ネギま!の魔法が使える。