あれからレイを探した。
探した。
探した。
最初は見つかると思っていた。
だが、
結局見つからなかった。
レイの失踪から1週間後、僕は探すのをやめた。そして夜まで部屋にこもっていた。
「…アツヤ。入るぞ。」
アヤカだ。
「アヤカ…」
「アツヤ。どうして出てこない?」
そんなの決まってる。
「もう…疲れたんだ。レイを探すのは。」
「…そうか。」
それから長い沈黙があった。
「お前にだけは教えよう。」
「…何を?」
少し間を置いてアヤカが口を開けた。
「…レイは殺された。」
…え?
「ど、どういうこと?」
「実は俺はレイがいなくなる瞬間までレイと一緒にいたんだ。」
「なにしてたの?」
「この村に食料庫あるの知ってるだろ?」
「うん。道が危ないからってレイがいつも行くなって言ってた。」
まさか。
「俺たちは食料庫に向かっている途中、崖に突き落とされそうになったんだ。」
待って。それじゃあ…
「アヤカはどうやって助かったの?」
「俺は避けられたけど、レイが落ちてしまったんだ。」
僕は悲しいながらも真剣にその話を聞いていた。
「俺は犯人の腕を掴もうとしたんだが足が速くてすぐ逃げられたんだ。」
「そっか…」
この時、何かを見落としてるような気がした。
「あぁ。さて、ここからが本題だ。この村には俺たち以外の人は来ないと言っていいほど見かけない。」
あ…ということは…
「そして足が速いということも考えると…」
考えたくはなかった。その真実を正面から否定したかった。
「犯人はいつも活発なレイナだ。」
頭が真っ白になった。
レイナがレイを殺した?
「そ、そんなことあるわけない。第一、レイナは活発だけど足が速いところなんて一回も見たことない。」
「あぁ。そうだ。だからこれはあくまでも可能性が高いということだ。頭には入れておいてほしい。じゃあな。」
もうなにがなんだかよくわからない。
その後アヤカは部屋を出ていき、僕も寝ようとした。
だが寝れない。
頭をよぎる。
――――犯人はレイナだ――――
その言葉が頭から離れない。
結局一睡もできずに夜を明かした。
その夜は夢を見た。
寝てはいないが頭に自然に入ってきた。
誰かが人類を滅ぼす夢。
誰なのかはわからない。
だけどその人は人類をほぼ壊滅させた後、
悲しい顔をしていた。
悲しい顔をして立っていた。
僕にはその人の気持ちが伝わってきた。
憎い人間をほぼ滅ぼした。だけどなぜこんなに満たされない。我が主よ。なぜお前は悲しい顔をする?
お前が嫌いな人間がほとんどいないんだぞ。なぜもっと喜ばないんだ?
そんなの決まってる。
人が死ぬのは悲しいからだ。
という、1人のようで2人いるような、そんな心の叫びが聞こえてきた。
僕はこの光景に違和感を覚えた。
僕 は こ の 人 を 見 た こ と が あ る の か も し れ な い