蒼真side
「貴様ら席につけ、ホームルームを始める」
いつものように織斑千冬がクラスに号令をかける、それに従うのは少し・・・というか大分癪ではあるが、俺と織斑千冬が衝突すれば、山田先生が涙目になるので、彼女の為にもいつも我慢している、相棒も同様だ
「今日は転校生を紹介する、二人とも、入れ」
「(転校生?束が言ってた”あの子たち”か?だが・・・一体誰・・・)」
瞬間、俺は驚いてしまう、滅多な事では驚かない俺だが、この時は驚いた、度肝を抜かれた
入ってきたのは二人の少女、それだけ聞けば別に驚きはしない、ここはIS学園、世界各地から優秀なIS乗りが集まってくる、だから女の転校生は珍しくはない、もし転校してきて大騒ぎするような奴だったらソイツはきっと男だろう
「矢車簪です、よろしくお願いします」
「矢車本音だよ~よろしくね~」
ザワザワ
とクラスがざわめきだす
「(え?なにあの子?矢車くんの妹?)」
「(でも彼女いるって言ってたし・・・もしかしてお嫁さん!?)」
「(バカ!この歳で結婚なんてできるわけないでしょ?)」
そんな話がボソボソと聞こえてくる、当然だ、あいつらは"矢車"を名乗っている、まあ、俺がそうさせたんだが・・・
一方クラスの話題の渦中にいる俺は
ツゥー
と涙が出てきた、涙は止まらず、それどころ増す一方だ
周りの女子が再びざわめきだす、当然だ、今まで鬼のような印象を持っていた男が泣いているのだから、動揺するのも納得する
相棒が心配そうに俺の顔を覗くが俺はそんな相棒を見ず、黒板の前に立つ二人の少女をまるで、無くしたものを見つけたときのような目で見ていた
自分でも何故こんなにも泣いているのかがわからない、しかしこの二人との再会は、俺にとって大きなことだ、もう二度と会えないと思っていた恋人とこうして再会できたのだから
簪&本音side
「緊張するね~かんちゃん」
「え!?本音でも緊張するときってあるの!?」
「もぉ~ひどいよかんちゃん~私だって人間なんだよ~?」
そんなことを言いつつも彼女の顔はいつものように、ううん、いつも以上に穏やかに笑っていた
もうすぐ彼と会える、もう二度と会えないと思っていた彼と
きっかけは二ヶ月前・・・
あのとき私たち二人はまだ戦場のど真ん中にいて、いつ死んじゃうかわからない、そんな状況だった、私の家は先祖代々から”裏の世界”では有名だ、対暗部用暗部の更織家、少しややこしいので一言で纏めると、裏切り者を”殺す”組織だ
「ハァ、ハァ」
あのとき、私は本当に危なかった、敵がISを装備しているという情報が入っておらず、そのままの状態で戦っていたのだ、敵はIS、方やこちらはただの生身、蒼真だったら勝てるかもしれないけど、私には無理だ
そんなときだった、私が壁に追い詰められ、その銃口から鉛弾が火を吹く、直前、目の前のISが起動を停止した
「なんで!?なんで動かないのよこのポンコツ!!」
「私の娘に”ポンコツ”なんて、酷いこと言うな、お前」
まるで、鬼を見ているようだった、ドスの効いた女性とは思えない声を出し、目の前のパイロットだけを切り裂く鎌は”死神”という印象を与えられた
その人は計ってか、私には血が着かないように殺すと、ISに手を突っ込み、何かを探すように手を探っていた
再び取り出された手を見ると、それが綺麗な青色の球体だということがわかった、女性は球体を取り出した後、まるで我が子を抱き寄せるように優しく包みこんだ
「そうそう、今日はこっちに用があったんだった!」
先ほどの女性とまるで別人のように声が高くはねあがり、こちらへ近づいてくる
「やあやあこんにちは!!キミがそうくんの彼女の簪ちゃんだね!!私は束!束さんって呼んでね!!」
あまりにも元気な自己紹介でこっちが警戒心を解いてしまう、というか”束”って、あの篠ノ之束じゃ・・・?
「こ・・・こんにちは、篠ノ之さん私h「だから束さんって呼んでねっていったじゃん」あっ・・・はい束さん」
「私は篠ノ之の性を捨てたんだよ?今の私は”影山”束、改めてよろしく、”矢車”簪ちゃん?」
女性・・・束はさっきよりもにこやかな表情で私を見たそれよりも、気になることがあった
「何で私が”矢車”簪だって知ってるんですか?」
「ん?ああ、ひょっとしてそうくん言ってなかったのかな・・・家族の話をしないなんて・・・反抗期かな~?まあ、いいや、まあ、端的に言うと本人に聞いたからだよ」
「貴女は、彼の・・・お母さん・・・でいいんでしょうか?」
束さんはうんうんといった表情で頷いた
「今日はね!!キミにいや、キミたちに話があって来たんだよ!!」
「話・・・ですか、じゃあ、少し待ってて下さい、”キミたち”って事は本音にも話があるんですよね?束さん?」
「正解だよ」
「それも、蒼真から?」
「うん、だってそうくん、ひょっこり帰ってきたと思ったら、急に「彼女ができた」って話して来るんだよ!?あれは束さんでもビックリしたね、それで、簪ちゃんたちがそうくんともう会えないかも、って悲しそうに話すから、束さんも悲しくなっちゃって」
「だから、引き取りに来たと?」
「”引き取る”は少し違うかな?どっちかと言うと”救いだす”のほうが正しいんじゃないかな?」
私は少しギクリとしたが、多分蒼真が話してると思ったから説明はしなかった
「「やっと通信繋がったよ~かんちゃん大丈夫?」」
ふいにいつものふ抜けた声が聞こえてきた
その後、私たちは合流し、安全地帯へ移動し、束さんの説明を聞いた
「IS学園って知ってるでしょ?あそこに、そうくんといっくんが入学することになったんだ」
「「え!?」」
私たちの声が被ったがそんなことを気にしている場合ではなかった
「蒼真たちがIS学園に入るってどゆこと~?」
「申し訳ないことに、私のミスでね・・・マスクドライダーシステムって知ってるでしょ?」
「仮面ライダー・・・」
「変身ってやるやつ~」
私たちが回答を言うと、束さんは少し笑った
「そうだよ、それ、それは私とそうくんで共同開発したものなんだけど、少しISのコアが使われててね・・・ISコアネットワークにそうくんという”男性”の適性者が登録されたの、それで、マスクドライダーシステムを使う二人とゴミの一人がIS学園に入学することになっちゃったんだ、まあ、入学することは私が進めたんだけどね」
この時私はどうすべきか悩んでいた、更織としての責務か、この支配からの解放か
そんなとき、私に鶴の一声が舞い降りた
「それで、二人にはIS学園に入学してほしいんだよ」
「「え・・・!?」」
また私たちは声が被ったが同じように気にする余裕はなかった
「どういうことですかぁ~?」
「どういうもなにも、そのままの意味だよ?二人にはそうくんを支えて欲しいんだ、これからちょっと厄介な感じになりそうだから、その時にそばにいて支えてあげて」
と、その後私たちは世界からは”死亡”扱いになっている、”更織”簪と”布仏”本音としては、今の私たちは”矢車”もうあの家には縛られない、私たちは彼の、蒼真のそばにいる、何があっても絶対に
三人称秋水side
「矢車簪です、よろしくお願いします」
「矢車本音だよ~、よろしくね~」
「(ヤグルマ?イマヤグルマッテイッタ?)」
秋水は目の前の女子二人を食い入るように見ていた、既に光の灯らない眼には矢車と名乗った二人の少女がまるで鏡写しのように写っている、何故彼女らが矢車と名乗っているのかが秋水には理解できなかった、自分を嘲笑うかのような眼差しで秋水を見ていた蒼真の実妹なのか、それ以外の何かなのか、など、今の彼には判断できなかった
ただ・・・その眼には・・・
「(アイツハ?ヤグルマノ、イモウト?ジャア、アイツを殺せば、アイツに仕返しができる・・・?)」
悪意に満ちた殺意がゆらゆらと灯っていた
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今回、話全然進みませんでしたねww
さて、正気じゃなくなってきた自称天才君、どうしてやろうかな?ww
では皆さん、また次回(いつになるかわかりませんが)お会いしましょう
PS,感想や本文を読んでてわからない部分などありましたら、感想欄で気軽に質問してきて下さいね、ネタバレにならない程度に答えますので