やはり俺がボーダー隊員なのはまちがっていない。(未完結) 作:スキート
2日連続投稿はできたので次も間隔を空けないように頑張ります。
-玉狛支部-
「はーちーまーんー! 起きなさい!」
いつも通りの変わらない朝。桐絵の大声から俺の朝は始まる。いや、ごめん昼だわ。
「……うす」
「ご飯できたわよ」
俺は桐絵にそう言われリビングに向かう。すると、とてもいい香りがドアの向こうから溢れ出て来る。今日の当番はレイジさんか…。あの人の料理はとても美味しく、最近では料理を始めたノッさんがレイジさんに料理を教えてもらう程に美味い。
「遅いですね比企谷先輩」
「うす
リビングに入った途端挨拶をしてきたこの男は烏丸京介。玉狛第一の隊員で、一言で表すともっさりとしたイケメン。3ヶ月前くらいまでは本部にいたが、もう1人と一緒に突然玉狛支部に移動してきた奴だ。
「あ、ハチくん」
「宇佐美か」
こいつはさっき言った烏丸と一緒に移動してきた宇佐美
「あ、そういえばレイジさんはどこ行ったんだ?」
「なんか本部に用があるーって言ってご飯作って行っちゃったよ」
「そうなのか。サンキュ」
レイジさん…。そんな急ぎの用があるなら作っていかなくていいのに…。
「いいからさっさと食べるわよ」
「「「「いただきます」」」」
みんなで手を合わせてそう言い、レイジさんの作ったご飯を食べ始める。メニューは米に魚、味噌汁と至ってシンプルだが、寝起きの俺からしても重くなく、するするとお腹に入っていく。
「あ、小南先輩知ってます? さっきレイジさんが本部に行った理由」
「え? 結構重大な話なの?」
するといきなりまた烏丸の嘘話が始まる。烏丸と桐絵の間ではよくこういう事が起こる。桐絵は何でもすぐに信じてしまうためからかいがいがあるのはわかる。だから俺も烏丸の嘘に乗っちゃうんだけどな。
「ええ。レイジさんが本部に向かった理由は…………」
「り、理由は………?」
変に伸ばすなよ。俺も気になっちゃっただろうが。
「比企谷先輩お願いします」
「ひっ」
危ねえ。いきなり俺に振るから変な声出かけちゃったよ。
「理由は? 気になるから早く教えなさい!」
「えーーっとだな。レイジさんがボーダーを少しの間やめるからその説明とやらに」
焦って変なこと言うところだった。いや、別に今言ったことが変なことじゃないわけでもないがな。
「えっ⁉︎ そうなの⁉︎ とりまる知ってた⁉︎」
「ええ。当たり前じゃないですか小南先輩」
流石烏丸だ。ちゃんと乗ってくれる。あととりまると言うのは桐絵が烏丸に言うあだ名みたいなものである。
「栞も知ってた⁉︎」
「うん。知ってるよ。レイジさんがボーダーを辞めないことを」
「ふぇ? ど、どっち?」
「桐絵(小南先輩)すまん(すいません)。嘘だ(嘘です)」
そう俺たちが桐絵に告げると顔が真っ赤になり、プルプルと震えだす。
「あんた達〜、騙したわね!」
そう怒鳴ると俺と烏丸をポコポコと叩き始める。こいつは黙っている時の方が可愛いけどこういう慌てふためいて起こるところとかも可愛い」
「なっ! か、可愛っ」
すると、桐絵がもっと顔を赤く染める。すると、烏丸を叩いていた片手を俺へと向ける。え? 何でさっきよりも怒ってんだよ。い、痛い。ごめんなさい。
「天然タラシですね」
「鈍感ってこわいよねー」
2人がそんな話をしている最中、漸く桐絵が叩くのをやめる。
「お、おい。何怒ったんだよ」
「なんでもないわよ」
プイッと俺が話しかけると顔を背けて俺と目を合わせない。俺の目って合わせたくないほどに腐敗が進んで……。あれ? 目から汗が…。
「あ、そういえば宇佐美。レイジさんが本部に行った本当の理由は?」
「出さなきゃいけない書類があったんだけど無くしちゃったらしくてね。今朝漸く見つかって走って本部に向かったんだよ」
「レイジさんが無くし物か。珍しいな」
レイジさんが無くし物とかすごい珍しいレベルと言うか3年以上付き合いがある俺も1度を見たことがない。それほどちゃんとした人なのだ。
「ううん。レイジさんが無くしたわけじゃなくてね。陽太郎がレイジさんに怒られた腹いせに部屋に忍び込んで大事そうに保管してあった書類を隠しちゃったらしくてね。今日見つかった時にレイジさんに怒られて泣きながら雷神丸と一緒に本部に行っちゃったよ」
「そうだったのか」
陽太郎というのはこの玉狛支部に住んでいる唯一の子供で、なんか昔からいる。雷神丸はこの支部に2匹いるうちのペットでカピバラ。ちなみにもう1匹というのは昔に比企谷家で飼っていたカマクラという猫のことだ。多分俺の部屋で寝てる。
「八幡。私は今から本部に行ってちょっと米屋とかぼこしてくるけどあんたは来る?」
「あー、じゃあ行くわ。どうせ夕方から防衛任務入ってるし」
俺はご飯を食べ終え、食器を片付けてから桐絵と共に本部に向かった。
。。。
-ボーダー本部-
「よぉ。八幡。ぼんち揚食う?」
「げ、迅さん。あ、もらいます」
本部に着いた俺と桐絵は、それぞれ別れ、あいつはランク戦ブース、俺は、防衛任務まで暇だったので比企谷隊の隊室に向かおうとしていたのだが……。
「げ、って酷いなぁ」
この男・迅悠一に遭遇してしまったのである。ぼんち揚をいつも持ち歩く玉狛支部所属の
「最近留守が多いすね」
「ははははは。実力派エリートは忙しいのだよ」
「あんたもう学校もないだろ…」
そう。この男は、こないだ高校を卒業したのはいいのだが、大学受験をしなかったため準備とか何もないし忙しくないはずなのだが…。
「おっと、ニートではないぞ八幡」
「まだ言ってないっすよ」
「ふっ、俺のサイドエフェクトがそう言っている」
う、うぜぇ…。まぁ確かに言おうとしたのは否定はしないが。
「お? 迅と比企谷か」
「お前らが2人っきりっていうのは珍しいな」
「お、太刀川さんに風間さん」
「うす」
俺たちが立ち話をしている所に通りかかった太刀川さんと風間さんに声をかけられる。っていうか確かに迅さんと2人っきりはあまりないなと思う。基本的に俺は誰かと一緒にいるし、ほぼほぼ隊室にいるため会うことはあまりない。
「2人そろって何か企んでんのか?」
「太刀川さん…。俺が何かを企んでいるように見えます」
「怪しいだろ。特に目が」
「しかも迅と一緒と来た」
「2人揃って酷いなぁー」
俺なんて目のせいで怪しまれてるんですけど。そんなにやばいのか俺の目は。さっきは桐絵に目を逸らされたし。
「あ、迅。今から戦おーぜ!」
「あー悪い太刀川さん。俺今忍田さんに呼ばれてて」
「ちっ、何だよー」
よし。このままだと俺に矛先が向いてきそうだから逃げとこう。うん。それがいい。隊室はまだ遠いけど他の隊室に避難するくらいなら今すぐにでも………。
「おい。比企谷どこへ行く」
「ひゃ、ひゃい…」
「よぉーし! 比企谷! 今から死ぬまでバトルぞー!」
「こ、この戦闘狂が……」
風間さんに首元を後ろ向きに引っ張られずるずる引きずられて行く。そんな俺を尻目に迅さんは笑いながらボーダー本部長である忍田さんの元に向かう。絶対に許さねぇ。
「ほら。比企谷さっさと立って歩け」
「さっさと行くぞー」
この後、俺はランク戦ブースにいた桐絵、米屋も加わり、げっそりと搾り取られるのだが、それはまた別の話。
迅さんの口調がつかめねえ…。