やはり俺がボーダー隊員なのはまちがっていない。(未完結) 作:スキート
俺にしては頑張った。頑張ったんだよ……。戦闘シーンとか無理なんだよ…。
それでは4話目どうぞ…。
-ボーダー本部・比企谷隊隊室-
「ノッさん! ヘルプ!」
ガチャッと比企谷隊のドアが勢いよく開けられる。助けを求める声と共に入ってきたのは太刀川さんだった。
「太刀川。またレポート?」
「その通りだ! 提出が明日で…」
「うわっ、太刀川さんまたやったんすか…」
もちろん、いつも通りレポートをやらなくて提出の1日前に焦るパターンである。本当にこの人はまったくをもって学習しない。元々頭自体良くないし、大学に行けたのもボーダーと提携しているところだったからだ。
「お! 比企谷! いいところに! お前も手伝ってくれ!」
「結構です」
「ちっ」
ボソッと舌打ちしたみたいだけど聞こえてますからね?
「ノッさんも優しいっすね。風間さん呼べば1発なのに」
「手伝う代わりにご飯奢ってもらうことを条件にしてるし、食費も浮くから僕としては別にね」
「流石ノッさんよく言った!」
「ほら、さっさと終わらせるよ」
☆
「ふぅ…。終わった…」
「ノッさん、比企谷。すまん。助かった…」
「今度マッ缶奢ってくださいよ…」
レポートを書き始めて2時間も経ち、漸く終わった。結局あの後、俺も何だかんだで手伝うことになり、3人でせっせとレポートをやることになった。…どんだけ量あったんだよ。
そんな事を思っていると、比企谷隊の隊室のドアがノックされる。
「比企谷ー。少しいいか?」
声の主は風間さん。何か俺に用でもあるのだろうか?
「空いてますよ」
俺がそういうと風間さんはドアを開ける。
「少し邪魔をする。比企谷、戦いの相手を…」
そこまでちょっと言いかけた風間さんは、机の上を見て言葉が詰まる。風間さんが見ている机には、太刀川さんが持ってきたレポートがいっぱい重なって乗っていた。
「太刀川…」
「か、風間さん…」
風間さんの不穏な空気を察して太刀川さんはびくびくし始める。ドンマイです太刀川さん。こうなったらもう太刀川さんに為すすべなどない。今まで幾度となくレポートの件で風間さんに怒られてきたというのに、またやってしまった為、今から説教タイムに入るのだろう。
「少しこっちへ来い」
「…はい」
完璧に怒り気味の風間さんに連れられ、隊室の外に連れ出される太刀川さん。風間さん。もっと言ってやってください。まぁ、言っても絶対またレポート手伝ってってくると思うけど。
「ははは。ドンマイ太刀川」
「まったく学習しないですよね。あの人」
「少し僕も甘くしすぎかな?」
ノッさんにも多少は自覚があったらしい。ていうか、ノッさんは基本的に誰にでも同じように優しいので、太刀川さんにも甘かったら誰にでも甘いと思う。
「まぁ、ノッさんは優しすぎるところもありますしね」
「なんか怒るのは性に合わないからね」
…確かにノッさんが怒ったのは1度しか見たことがない。でもよくあるパターンでいつも優しい人程、怒ると怖いみたいな風潮があるが、ノッさんはまんまそれに当てはまる。前に起こった時は少々喧嘩みたいになってしまっていたため、あの時は怖いと思っていなかったのだが、今になってよくよく考えるとくそ怖かった気がする。
「…怒んないでくださいよ」
「大丈夫だよ。僕は比企谷くんにしか怒ったことないから」
「それはそれで嫌っすね…」
「まぁ、僕は相当なことがないと怒らないと思うから大丈夫だよ」
「それならいいんですけど…」
そんなこんなで俺とノッさんが会話をしていると、風間さんの説教が終わったのか、風間さんと太刀川さんが隊室に戻ってきた。
「比企谷、さっきの話の続きだが…」
「あ、訓練の相手ですよね?」
「いや、すまん。さっき用事が入ってしまった。こちらから誘ったのにすまないな」
「いえ、大丈夫です」
本当に風間さんは忙しそうだ。太刀川さんへの説教に、会議への呼び出し、他にも色々な仕事があるのだろう。休みたい時もあるだろうけど、しっかりと訓練も怠らない。とてもしっかりしている人だ。
「それじゃあ行ってくる」
「はい」
「そんじゃあ、比企谷とノッさん! 俺と
「どんだけ戦いたいんですか…」
「はは…。行こうか比企谷くん」
「はぁ……」
。。。
-ボーダー本部・ランク戦ブース-
「で、どうするんですか?」
「あー、どうすっか。ノッさん決めてくれ」
「んー、三つ巴とか?」
「あ、いいなそれ!」
ノッさんの提案で、俺、太刀川さん、ノッさんで三つ巴をすることになった。
「比企谷くん。さっさとやるよ」
「…はい」
☆
-ステージ・市街地A-
狭いところも広いところもある特に変哲のないステージ、市街地A。一番平凡なステージである。
そんなステージで俺は一番高いところにある建物の屋上で、アイビスを構えていた。
この屋上からなら、見通しもいいし、相手からは見にくいだろう。
「ん? 太刀川さんか」
俺は屋上から太刀川さんを見つける。弾が通りやすいところにちょうどいるため、狙い撃ちは簡単だろう。
「ふっ」
バンッと、ヘッドショットできる位置に弾を放つ。だが────。
「なっ!」
シュバッと、俺の放った弾が太刀川さんの持つ弧月に斬られる。あそこまで無防備な状態からよく気づかないあの人は…。
今のせいで、俺のいた建物は場所バレしたはずだから、さっさとバレないように他の建物に移動しようとする。
が─────。
「んなっ!」
突如、背後からの攻撃に気づき、すぐさまアイビスをしまい、弧月で、その攻撃を防ぐ。俺のサイドエフェクトである気配察知でどうにか対処は出来た。
そして後ろを振り向くと、密かに気配を潜めていたノッさんがいた。
「流石ですね。ノッさん」
「正面からの戦いはあまり好きじゃないんだけどな」
「俺もノッさんとは嫌ですよ」
「僕も比企谷くんなら尚更ね」
そう言いながら、ノッさんはスコーピオンで俺に攻撃してくる。そして、その攻撃を俺は弧月で捌く。弧月の方が耐久度は高いため、スコーピオンがすぐ刃こぼれするのに対し、刃こぼれはほぼほぼしない。真正面からの撃ち合いとなれば弧月の方が有利に進められるだろう。
だが、
「ふっ!」
「うぐっ」
素早い動きで俺の背後に回ろうとするノッさんをどうにか防ぎながら、スコーピオンのどこから来るかもわからない攻撃を避ける。
スコーピオンは、体のどこからでも出せるため、あまり近くには寄りたくない。
「バイパー」
俺はそう言い、100発を超えるバイパーを放つ。
「シールド!」
ノッさんはそれを防ごうとシールドを展開するが──。俺が狙ってるのはノッさんじゃない。ノッさんの後ろまで迫っていた太刀川さんだ。
「なっ! シ、シールド!」
戸惑って少し対応に遅れた太刀川さんは、何発もバイパーが当たり、トリオンが体のそこら中が漏れ出る。
「太刀川。終わりだ」
「ノ、ノッさん⁉︎」
その間にいつのまにか太刀川さんの背後に回り込んでいたノッさんによってトリオン供給器官を一指しされるが。
「おらぁっ‼︎」
そして、そのぶん投げた弧月が刺さった先は、運良くもノッさんの首だった。
「…油断した…!」
そして、2人とも相打ちな形で
「………」
なんだこのスッキリしない終わり方は…。
☆
-ボーダー本部・ランク戦ブース-
「いやー、ノッさんやるな! まったく気づかなかった」
「僕もあそこでまさか弧月を投げて来るなんて思わなかったよ」
「………」
2人で戦いの話に花を添える中、特に何もしなかった俺は、少し悲しげに、先程太刀川さんに奢って貰ったMAXコーヒーを飲みながら感慨深く呟いた。
「やはり俺が最後に勝ち残ってしまったのはまちがっている………」