【完結】鈴木さんに惚れました   作:あんころもっちもち
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14.運命の日

今日は念願の ナザリック地下大墳墓へ突撃する日だ!

 

「おつかれさまです。それじゃ、また夜に、いつもの街で待ってますから」

 

「お、おつかれ、さまです!わかり、ました。楽しみに、してますね」

 

 

仕事を終え、鈴木さんと挨拶をかわしてから帰宅した。

それは、もう 鼻歌交じりに最速力で移動した。

 

あの、アインズ・ウール・ゴウンの拠点であるナザリック地下大墳墓へ行くことが出来るんだ!

 

スグにでもログインしたくて、家に入って そのまま中へ駆け込んだ。いつもならちゃんとするはずの玄関の戸締りも忘れて。

 

 

いつもの椅子に座り、パソコンを起動させ、もはや 慣れ親しんだコンソールを取り付けた。『ユグドラシル』を起動させてログイン画面に入ったところで 不自然な影が背後をかすった気がして、パッと後ろをふり返った。

 

 

機具を取り付けているせいで ハッキリとは分からなかったものの、そこに”誰か”がいる事。そして、それが私に対して良くないものである事が、直感で分かって、恐怖より先に声が出た。

 

 

「だ、誰?!」

 

 

「ーーチッ」

 

 

こちらに影が迫ってくるのが分かって、咄嗟にテーブルに置いてあったペン立てを手に取り、影に向かって思いっきり投げつけた。

 

「いッッーー、テメェ!!」

 

一瞬怯んだ影が 更にこちらへ迫ってきた。

あぁ、ログイン画面邪魔!めっちゃ邪魔!何も見えないから!!

 

椅子に押し倒される衝撃に、首に刺さってたプラグが無理に引っ張られ軋みをあげた。

 

それから碌な抵抗も出来ないまま、お腹に突き刺さる何かに痛みと恐怖が駆け巡る。

 

 

 

嫌、いやいやいやいや!!!!!!

 

 

 

ナザリックに行けるのに!

鈴木さんとも上手くいけるかも なんて思ってたのに!!!

 

お腹から引き抜かれ、もう1度振り上げられた何かを手で掴んだ。・・・これ、ナイフだ。両手で包み込めないほど大きいナイフ。

 

ハッと、影が 動きを止めたその一瞬に、昔”お兄ちゃん”から教えて貰った護身術を使って、ナイフを取り上げ、反射的に影に向かって突き刺した・・・が、上手く急所は外したらしく 影がよろめきはするものの 倒れることは無い。

 

「くそ、くそったれ!」

 

反撃された痛みに耐えきれなくなったのか、驚いたのか、影は バタバタと部屋を駆け出して そのまま姿を消した。

 

 

 

『何かあった時のために必要だからな』

 

へへへ、お兄ちゃん。上手くいったよ

 

小さい頃、友だちの出来なかった私に たった一人だけ付き合って遊んでくれたお兄ちゃん。何年も会っていない彼に、私はニヤッと笑った。

 

 

 

あぁ、でも。

残ったのは 血だらけな私だけ。

 

無我夢中でナイフを取ったからか、両手の感覚がない。

危険が去ったと思ったら、アドレナリンが切れたようで、身体が痛みに悲鳴をあげてた。苦しさの余り、動けない。

そうしている内に身体に力が入らなくなっていく・・・

 

 

行きたかった、ナザリックにいけるはずだったんだ。

 

生きたかった、鈴木さんと もっともっと一緒に・・・

 

 

 

「・・・す、すずき・・さ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

☆鈴木悟視点

 

 

加藤さんが、昨日 『ユグドラシル』にログインしてこなかった。

あんなに楽しみにしていたナザリックへ行く日に限って どうしたんだろうか?

彼女と遊ぶようになってから、こんな事は初めてで俺はずっと待ち続けた。

 

待ち合わせ時間から 1時間、2時間と時間が経って 何かあったんじゃないかと思い、電話をかけてみるものの・・・出ない。

 

どうしようもない不安で、胃がヒリヒリしてきた。

 

 

え、嫌われたのか?

いや、でも、職場では普通だったしな。

 

どちらにしろ、加藤さんの自宅は知らないし、何もすることが出来ないまま 朝を迎えてしまった。

 

 

 

 

あれから結局、不安で一睡もできず仕事へ向かい、加藤さんの姿を探した。

 

だが、就業時間になっても加藤さんは 現れない。

もしかして、本当に何かあったんじゃ・・・

 

 

就業のベルがなったその時、社長が部署内に入ってきた。

一気にその場がザワついた。滅多なことでは 社長は現場に来ることは無いからだ。

 

「何か重大なミスをやらかしたのか?」

「え〜仕事がこれ以上増えるのはホント無理」

 

ガヤガヤする皆に、部長が声を上げた。

 

「静かにしなさい。そのまま席につきながらで良い」

 

あんな真剣な顔で話す部長は初めて見た。

そして、どこか悲しげな面持ちで皆を見渡した社長は 静かに・・・衝撃の事実を告げた。

 

 

 

 

「加藤 さゆりさんが、昨夜 自宅にて強盗に襲われ亡くなった。」

 

 

 

 

ガタンッ

 

俺は、思わずその場に立ち上がってしまった。心臓が痛いほどバクバクと鳴っている。これ以上、何も聞きたくなくて、それでも社長から目が離せなかった。

 

社長はコチラを見たものの、そのまま話を続けた。

 

 

「我社のあるこの地区にも、皆が住んでいる地区にも犯罪が絶えない。貧民街にほど近いこの場所で生きるなら 仕方ないことだ。・・・各自、防犯意識をしっかり持つように。それと、彼女が請け負っていた仕事は協力して処理するように。以上だ」

 

 

話し終えるとそのまま退出した。

 

ガヤガヤと周りが騒がしくなっていくが、そのどれもが遠くで聞こえているようだった。

 

「鈴木さん、大丈夫ですかぁ?」

 

すぐ側でした声の方を見れば、加藤さんと仲良くしていた女性社員が心配そうにコチラを伺っていた。

 

「加藤さんの事は その、お気の毒でしたけどぉ。鈴木さんも無理しないで・・・」

 

「か、加藤さんが」

 

死んだ?

あの加藤さんが・・・?

 

 

 

 

 

「ーッ!、す、鈴木さん!!しっかり!!」

 

昨日の徹夜が響いたのか、心配で碌に飯を食べてこなかったのが悪かったのか。

 

俺はそのまま意識を失った。

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

目が覚めたのは 昼過ぎになってからだった。

入社してから保健室のお世話になるのはこれが初めてで、起きた当初は何処にいるのかと混乱したが、タイミングよく入ってきた部長から、もう一度説明された。

 

加藤さんが亡くなった事を

 

呆然としている俺の手に1枚の紙を握らせ、部長は言った。

 

「今日、そこで 加藤さんのお通夜があるそうだ。・・・お前は行ってこい」

 

「あ、」

 

「あと、お前 もう帰れ。仕事の邪魔だ」

 

足元に置いてあったらしい俺のカバンを押し付けて、部長は立ち去った。ドア越しに部長がなにか喋ったのが聞こえた気がしたが、どこか遠い出来事のようで。

 

俺は何も言えずに・・・結局、どこか頭がフワフワとしながら帰宅した。

 

 




部長「加藤が死んだか。鈴木とも上手くいってたのになぁ〜。はぁ、クソ!・・・・・・おっぱいぐらい揉んどきゃ良かったぜ」


まさかの急展開で読者を置いていくスタイル



※活動報告にて、タイトルについてのアンケートを実施しております!沢山の方の意見を聞きたいのでコメントしてくれると嬉しいです|ω・)

アンケートの結果を見ながら、2章開始と同時にタイトル変更致しますのでよろしくお願いしますね!





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