【完結】鈴木さんに惚れました   作:あんころもっちもち
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25.動き出すNPC達

☆アルベド視点

 

アンデッドであるモモンガ様が寝ているなど、睡眠無効ではなかったのではないのか?もしや、睡眠無効を無力化するアイテムを使用している・・・?

 

 

「ナーベラル、貴方 鑑定は使えたかしら?モモンガ様が 睡眠無効を無力化させるアイテムを装備していないか確認して頂戴」

 

「勝手に御身を探るなど・・・不敬になるのではないでしょうか?」

 

「先程、モモンガ様が仰られていた言葉を忘れたの?今は非常事態よ、構わないわ」

 

ナーベラルが神妙に頷き、モモンガ様の装備を確認していくのを横目に、どうするのが最善か考えを巡らせた。

 

「モモンガ様は、『ユグドラシル』が消滅すると仰られていたわ。ここも消えるだろうと・・・」

 

ぐぅ、情報が足りなさ過ぎる。

 

改めて己の無能さに苛立ちが隠せない。『ユグドラシル』が 世界が終わるのならば、何かしらもう異常が起きててもおかしくは無い。ここは・・・

 

「アルベド様、一先ずは現状を確認するのが最善かと」

 

「ええ、そうね。セバス、プレアデスを連れナザリックの外部に異常がないか確認してきなさい。ナザリック内部については それぞれの担当の者に異常がないか確認させた後、階層守護者は緊急招集を行います。」

 

 

そこで鑑定の終わったらしいナーベラルが声を上げた。

 

 

「アルベド様、原因が分かりました。この指輪です。『その蜘蛛は愛する人を決して逃しはしない。即死耐性35%アップ。全ての無効化スキルを無効。』と出ました。」

 

 

ナーベラルが指し示した先には不気味に輝く蜘蛛の指輪を視界に入れてから、一瞬逡巡し、外そうと手を伸ばした時、セバスから制止がかかった。

 

「アルベド様、お待ちくださいませ。」

 

「何かしら」

 

「指輪とは、リアルの世界で恋人同士が贈り合うものだと聞いたことがございます。モモンガ様の想い人である“カトウサン”からの贈り物かもしれませんので、勝手に外すのは止めた方がよいかと。それに・・・モモンガ様は随分とお疲れのご様子。睡眠を充分にとれば、精神的な疲れを癒すこともありましょう」

 

セバスの話が本当なら、不利益しか及ばさない指輪をわざわざ付けていらっしゃるのも、モモンガ様が カトウサンを愛してるが故なんでしょうね・・・

 

カトウサンがどのような方なのか分からないけれど、モモンガ様の支えであった事は変えられない事実に少なからず嫉妬を覚えてしまう。

 

 

「それもそうね。モモンガ様は このまま 私が責任を持って、モモンガ様の自室へとお送りしますわ。それと、・・・モモンガ様が“このような状態”である事は無意味に広めぬよう、決して口にしないようにしなさい。」

 

「かしこまりました。お願いします」

 

 

セバスとプレアデスは礼をするとその場から退出した。

 

さぁ、私も動かなければ

 

「んぅ〜 失礼致します、モモンガ様」

 

私はモモンガ様に触れられる歓喜に震えながらも 慎重に未だに静かに眠るモモンガ様をそっと抱き上げ、モモンガ様の私室へとお連れしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

既にメッセージにてナザリック内部の異常は無かったと報告を受けている。外部の方からは、異常が報告されており、皆への報告の為にもセバスには戻ってくるよう指示を出していた。

 

再び、玉座の間へ戻った時には 一部を除く階層守護者達が既に揃っていた。

突然の事に戸惑いながらも集まった皆の視線を受け、私は表情をキュッと引き締めた。

 

 

「アルベド、遅かったですね。“緊急招集”との事でしたが、それほどの事が起こっているとでも?」

 

 

ナザリック第7階層「溶岩」の守護を任された階層守護者であるデミウルゴスが 私に鋭い視線を向けてきた。

私が独断で階層守護者を集めた事に 疑惑を持っているようね。

 

その視線を真っ直ぐに受け止め、私は これから皆が衝撃を受けるであろう事を口にした。

 

 

「先程、モモンガ様がこちらに来られました。その時に告げられたのです。『ユグドラシル』が消滅するに伴い アインズ・ウール・ゴウン、そしてこのナザリック地下大墳墓も消え失せると」

 

 

驚きで目を見開き、戸惑う階層守護者達。

 

「そ、そんなぁ?!」

 

「消える?!ナザリックが??!」

 

「ど、どういうことでありんすか?!!」

 

声を張りたげたのは、ナザリック第6階層「ジャングル」の守護者、マーレ・ベロ・フィオーレとアウラ・ベラ・フィオーラ。そして、ナザリック第1~3階層「墳墓」の守護を任された階層守護者、シャルティア・ブラッドフォールン。

 

取り乱して情けないと思いつつも、自分もそうであったと思い出し 悪態をつくのは止めた。

 

 

「モモンガ様ガ、イラッシャラナイ、ヨウダ、ガ?」

 

顎をガチガチさせながら話す 巨大な昆虫 コキュートスは、ナザリック第5階層「氷河」の守護を任された階層守護者だ。

 

「モモンガ様は、・・・今はお休みになられているわ」

 

先程より増した鋭い視線を向けてくるデミウルゴスが威圧するように声をあげた。

 

「何か・・・モモンガ様の身に起こったのですね?しっかりと説明して下さい アルベド。」

 

デミウルゴスのこの視線は苦手だ。私は何とか、ため息を飲み込んで、慎重に言葉を選びながら発言した。

 

「モモンガ様は ご自身で付けられた指輪の効果により今は眠っていらっしゃるわ。精神的にだいぶ疲れているご様子でしたので このまま休んでもらうつもりよ」

 

 

その時、玉座の間が静かに開いた。入室してきたセバスは この場にいる者達を確認した後、ハッキリとした口調で告げた。

 

 

 

「ご報告します。ナザリック地下大墳墓の外が 沼地ではなく、“草原”になっていました。」








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