【完結】鈴木さんに惚れました   作:あんころもっちもち
<< 前の話 次の話 >>

38 / 51
37.襲撃

☆モモンガ視点

 

『どうやって世界を支配するか』

 

階層守護者達を集めた会議では 様々な意見が出された。その中で俺が想定外だったのは、“下僕たちの忠誠心の高さ”だ。彼らの「働きたい」という意欲が 物凄く高かったのだ。

 

しかし、俺だって ナザリックをブラック企業にするつもりは無い。色々と説得をしようとしたものの、逆に力説されてしまった。

デミウルゴス曰く、「存在価値を見い出せる行為こそ我等の幸せ」だそうだ。

そういわれると、そんな気がしてくる。下僕として作成された彼等と、ごく普通な人間だった俺では根本的な価値観が違うのかもしれない。

現に、仕事を与えた所 みんな嬉嬉として取り組んでくれている。“社長”ポジションの俺としては 仕事を押し付けているようで 罪悪感が拭えないけどな。

 

でも・・・みんなでワイワイしながら方針を決めていくのが 楽しくて、彼等の望みをかなり叶えた形になった。俺一人で考えていたら もっと慎重にことを進めていたかもしれない。

 

とにかくも、シャルティアと、プレアデスの ユリとナーベラルは俺と共に冒険者として活動。

シズとルプスレギナはカルネ村の管理。ソリュシャンは王国で諜報活動。エントマは帝国で情報収集をしている恐怖公のアシスタントをしている。

セバスは、そんなプレアデス達のサポート係だ。

 

アウラとマーレは、部下達を引き連れてトブの大森林を含むナザリックの周辺を担当。既に、森の賢王とかいうハムスターとナーガのリュラリュースとかいう奴を支配下に加えたらしい。トロールのボスは加減を誤って殺してしまったとか。まぁ、森を支配していた2体を生きたまま確保出来たのだ。上出来だろう。

 

コキュートスは、最近発見したリザードマンの集落を担当している。どのように支配下に加えるかは、コキュートスに任せた。この前、一緒に食事をした時には、弱いが心意気を気に入った奴がいるとか楽しそうに話していたな。様子を見に行ったデミウルゴスから 上手く行きそうだと報告を受けているし、問題はないだろう。

 

その デミウルゴスは、ソリュシャンと協力して王国の支配者層に働きかけているそうだ。スムーズにアインズ・ウール・ゴウンの支配下に加えるべく行動してくれているが・・・想定以上に貴族共が腐っていた為、何か策を打つ必要があると報告があった。うぬぬ、いっその事 不安分子は全て消すか?

 

アルベドは、守護者統括としての仕事やナザリックの管理を担当。実力者達が出払ってしまっている為、その穴埋めに奔走している。

そして、今回 更に“ツアレニーニャの捜索”という仕事が加わってキャパオーバー気味だ。

 

 

・・・人手が足りない。

解決方法は分かっている。ヤツを呼び出すしかないのだが、はぁ、背に腹はかえられぬか。

 

 

彼の元へ出向こうと思い、よしっと立ち上がって、ふと、気が付いてしまった。

宝物殿のトラップに猛毒の霧がある、毒耐性がないと3歩で死ぬレベルの猛毒だったな。・・・危ない危ない、ギルド長がナザリックのトラップで死ぬとかシャレにならないからな。

 

 

いざ、メッセージを使おうと、彼、俺の作ったNPCパンドラズ・アクターをイメージして・・・繋がった!

 

 

《パンドラズ・アクターか?》

 

《おぉ!!これはこれはモモンガ様ッお久しぶりです》

 

《おぉ、ひ、久しぶりだな》

 

 

ヤバい、パンドラズ・アクターがオーバーリアクションで話しているのが、メッセージ越しからでも伝わってくる。

 

 

《実はだな、お前に頼みたい仕事があるのだが。いや その前に皆と顔合わせするべきか・・・ とりあえず、こちらへ来てくれるか?》

 

《んん〜!Wenn es meines Gottes Wille(我が神のお望みとあらば)》

 

《ぐふっ!!》

 

せ、精神的ダメージがヤバい。何なんだ この心臓をゴリゴリ削られていくような破壊力は。

 

 

《モモンガ様?》

 

《そりゃあ、お前は 俺が 最高にカッコイイと思って作ったNPCだよ。その大袈裟な話し方も ドイツ語もめちゃくちゃカッコイイもんな。でも、でもさ、コレはないだろう!!!ぐううぅ〜刺激が強すぎて恥ずかしい、恥ずかし過ぎて死ねるッ》

 

《我が創造主にそこまで感激してもらえるとはッ!!身に余る光栄です!しかーし、モモンガ様が死んでしまっては一大事ですからね、今後は控えるとしましょう。》

 

《おおう、た、頼む》

 

 

恥ずかし過ぎて早口で何か色々と口走ってしまった気がするが、本人が控えてくれるそうなので良しとしよう。

その後、やって来たパンドラズ・アクターからは 何か生暖かい視線を感じたが、これ以上は恥ずか死ぬのでスルーして置いた。

 

なんだか、息子に黒歴史を見られた親の気持ちになった気分だった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

ニニャ達に護衛を付けて2日後。冒険者モモン一行は、依頼達成の報告をする為にギルドへ来ていた。冒険者として活動を始めてから 数日しか経っていないものの、冒険者達の間では いろんな意味で有名なパーティーへとなっていた。

 

冒険者ギルドに入ると突き刺さる視線の数々・・・美女だらけのパーティーに対する嫉妬、強さを知った者達からは 畏怖と尊敬。残り極わずかの者達からの警戒。

注目を集めた事だし、そろそろ次のステップへ移ってもいい頃合だが・・・。

 

 

その時 突然、頭に響いたセバスからのメッセージに未だに馴れず、ちょっとビックリしながらも返答した。

 

 

《モモンガ様、報告がございます》

 

《セバスか、どうした?》

 

《護衛を付けたニニャ一行ですが、薬師ンフィーレア自宅“バレアレ薬品店”店内にて現在 襲撃を受けております。ブレインが襲撃者の女と交戦中。保護対象が襲撃者のマジックキャスターに殺されそうでしたので、護衛任務についていたエイトエッジ・アサシン一体が交戦中です》

 

《分かった、スグに向かう》

 

 

あちゃー エイトエッジ・アサシン出ちゃったか。守る為とはいえ明らかな異形種が表に出たら誤魔化しが効かないぞ。

とにかく急がなくては

 

「用事を思い出した。これで失礼します」

 

丁度、報酬を貰った所だったので 受付嬢に早口になりながらも 言葉を告げて 背を向けた。

 

 

「あ、え!モモンさん!!」

 

 

驚いた様子の受付嬢が声を上げていたが、今は構っている時間はない。突然走り出した俺に驚きながらもユリ達が急いで追いかけてきた。

 

 

 

どうか、間に合ってくれ!!!

 

 




パンドラズ・アクター「モモンガ様も、照れ屋さんですねッ!」


エイトエッジ・アサシン。三体で護衛任務中。一体で対処可能との判断から 残りの2体は隠れております。







※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。