【完結】鈴木さんに惚れました   作:あんころもっちもち
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05.初めてのパーティー

私の選んだアバターは、人間種の女性だ。デフォルトのキャラクターから髪や肌、目元をいじっただけ・・・あと、体型もいじった。

デフォルトでも十分スタイルは良かったけど、どうせならと ボンキュッボンに、しちゃいました。

 

「あ、はは」

 

理想の自分といった感じに仕上がったアバターを見て、乾いた笑い声がでた。

これが私の全力だもの、これ以上は無理だわ。

 

 

ハッキリ言おう!

私はキャラクターメイキングを必要とするゲームをやったことが無い。

 

ゲームといえば、一人で進められるRPGや、恋愛ゲームとか・・・

 

だから、キャラクターメイキングってどんなものなのか なんとなーくでしか知らなかったし、自由度が高いと言われる『ユグドラシル』でも、まさかこんなにも細かく作り込めるなんて想像以上だった。

 

自由度が高過ぎて、メイキング初心者には難しい。

 

あとね、種族。

びっくりするぐらい多いから、どうしようか迷った。攻略サイトで確認してみたら、なんでも初期設定では出てこない種族もあるらしい・・・。

どういう事?って思ったけど、アイテムを使用したり、クエストをクリアする事で種族変更が可能な場合があるんだそう。

 

さらに、初期設定が人間種だと そういった種族変更の幅も広いらしいので、取り敢えず人間種にした。

 

どの種族が有利だとか、全然分からないし。職業も未定だしね。おいおい決めてこうかなぁと。・・・と言っても、もうすぐ『ユグドラシル』サービス終了するから時間に余裕はないんだけれども。

 

 

 

 

わからない尽くしのちょー初心者な私は今、雪の廃鉱山の前でボーっと鈴木さんを待っています。

 

20時待ち合わせだったのだけど、この高ぶった気持ちを抑えきれずに・・・現在、19時です。

1時間前に来ちゃった、テヘッ

 

うおっ、自分で言ってて寒気がした。歳を考えろよ自分、おぉーこわこわ

 

 

さすがに早く着すぎた、とは思うけど 万が一・・・億が一 があるしね?あるよね?

 

 

でもまぁ、鈴木さん・・・ゲーム内ではモモンガというHNらしいので、モモンガさんか。彼が来るまで暇なので、攻略サイトやら何やらを見て時間潰し。

 

『ユグドラシル』はそれなりに長い間愛されていただけあって、攻略情報も膨大な量がある。

これで、すべてが公開されている訳では無いって言うんだから末恐ろしいものがあるよね。

ハマっちゃったら、廃プレイヤーまっしぐらだなぁ〜。

 

 

「お待たせしました、ミケさん・・・えっと、加藤さんですよね?」

 

声をかけられ、確認してみれば、モモンガさんがいた。・・・骸骨だ

そっかぁ、鈴木さんはアンデットにしたのか〜

骸骨で身につけている装備も私の物とは比べられないくらいレアな装備だ・・・と思う。

見た目が、なんかこうレア感?あるなって。カッコ良くて、こう威圧されるようなデザインだしね。

 

ちょっと怖いけど、普段の鈴木さんを知ってる私から見れば、何だか可愛らしく見えるんだから不思議だ。

 

 

「そ、そうです!よろしく、お願い、します」

 

「こちらこそよろしくお願いします」

 

 

ピコンッ

 

《「モモンガ」からパーティー申請がされました。パーティーに加入しますか?『YES』『NO』》

 

もちろん、い、YESで。

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

☆鈴木悟視点

 

 

ストレートロングの黒髪に、ペリドットのような黄緑色の瞳。

白に金色の刺繍がはいった落ち着いた雰囲気のあるワンピースに、真っ黒でシンプルなスタッフを装備した 加藤さんこと、ミケさんがいた。

 

軽く挨拶をしてから、すぐにパーティー申請をした。

ミケさんのこのキャラクターデザイン、どこかで見た事あるなぁ・・・と考え、すぐに思い至った。

 

あ、アルベドに似てるんだ。

 

細かい造形や瞳の色は違うけれど、なんというか配色がアルベドっぽい。

 

ナザリックの守護者統括、アルベド。

玉座の間に配置されたこのNPCは、タブラさんが作成したキャラクターだったな。

 

そういえば、玉座の間にも ここの所ずっと行ってないや

 

 

「あ、あの 変でしたか??」

 

「へ?」

 

 

不安そうな声で話しかけてくる彼女に、何のことやらと首を傾げた。

 

 

「わたし、その、キャラクターを作ったの初めて、で・・・。カッコいい女性を作ったつもり、だったんですけど、その、」

 

「あ、いえいえ とても"素敵"だと思いますよ。僕の知ってるNPCに似てたので びっくりしただけです」

 

「え!あ、そ、そ、そ、そうなんですね」

 

いつも以上に挙動不審になったミケさんに思わず笑い声が漏れそうになったのを、ぐっと堪えて話を続けた。

 

「僕の所属するギルドの拠点NPCなんですけど・・・」

 

「ギルド、ですか?」

 

「アインズ・ウール・ゴウンってギルドなんですけど、聞いたことないですか?」

 

「す、すみません・・・ギルドまでは、まだ、その、よく分からなくて」

 

「あぁ、いえ・・・」

 

 

ある意味、有名なギルドだったし、つい知ってるものだと思って話してしまった。

よく考えてみたら、最近始めたばかりの人が知ってるわけないよな・・・。

 

 

「あの、そろそろ雪の廃鉱山に、行きませんか?えっと、余裕が、ある時で良いので、もっモモンガさんの話をき、聞かせてくださひッ」

 

あ、噛んだ

 

「え、え、とギルドのこととか・・・その、色々と・・・知りたいで、す」

 

噛んだ恥ずかしさからなのか、段々と声が小さくなっていくミケさん。

会社ではオドオドしている事が多いし、必要最低限の事以外の会話を聞いたことがなかったから、勝手に人見知りするタイプだと思っていたけれど。

上手く話せないだけで、ちゃんと向き合えば話をしてくれる・・・意外と、好奇心旺盛な人なのかもしれない。

 

 

「ハハッ そうですね。僕のギルドは個性的なメンバーが多かったですし、全部話そうと思うとかなり長くなりますよ?」

 

「ど、どんと来い!・・・です」

 

 

 

 








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