【完結】鈴木さんに惚れました   作:あんころもっちもち
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今回は短めです


08.失う恐怖

☆セバス視点

 

 

創造主であるたっち・みー様が御隠れになってどれだけの時が流れたでしょうか。

私が創造された当初は、敬愛する至高の41人と、ナザリック地下大墳墓を守護する為に創造された仲間達に囲まれ 幸せな毎日でした。

・・・こんなにも恐ろしく静かな日々が訪れることがあろうとは夢にも思っていなかったのです。

 

寂しくないといえば嘘になるでしょう。

少しでも気を緩めてしまえば、苦痛に顔を歪めてしまいそうでした。

 

置いていかないでください

側にお仕えさせてください

どうか、どうか、私を捨てないでください・・・

 

何度も何度も繰り返し願い続けるこの叫びは、1度も届くことはありませんでした。何が悪かったのでしょうか。

 

どうしたら、どうすれば、戻ってきてくださるのでしょうか?

 

至高のお方の考えを私如きが理解出来るはずもないのですが、いつまでも思考の海に沈んでいってしまう。

 

最後にたっち・みー様とお会いした時、寂しそうにしながら「もうここに来ることも・・・ないだろうな」と笑いかけて下さいました。

そんな、たっち・みー様に、矮小なる我が身では声を出す事すら出来ませんでした。

 

指先一つ動かすことが出来ないNPCである私と、プレイヤーである至高のお方には、越えることの出来ない大きな見えない壁が存在しているようで、ただ、ただ祈ることしが出来ない己の不甲斐なさを呪いました。

 

 

まるでパズルのピースがひとつひとつと、こぼれ落ちるように・・・お至高のお方々がお隠れになる度、ナザリック地下大墳墓は過去の栄光など忘れてしまったかのように ひっそりと影を潜めていきました。

 

慈悲深きギルドマスターであるモモンガ様が残ってくださっているお陰で、アインズ・ウール・ゴウン。そして、それに連なる 私たちNPCは存在を許されていました。

 

それが私たち残された心の支えであると同時に、何も出来ない私は足を引っ張る事しか出来ないのだと痛感し、締め付けられる思いでした。

 

お一人で自室と外を行ったり来たりしていることが多かったモモンガ様。

その大いなる存在を感じる事は出来ても、お顔を拝見することは殆どなくなってしまっていました。

 

 

 

 

それが、以前までの話。

 

 

ここ最近、モモンガ様は ナザリック地下大墳墓内を転々と飛び回ることが多くなっていました。

メイド達からの報告もあり、どうやらモモンガ様はら仕掛けられたトラップや配置されたNPCを確認しているようだ、との結論に至ったのはつい先日のことでした。

 

 

なぜそのようなことを・・・?

 

防衛力の確認?まさか、このナザリック地下大墳墓を攻め落とそうとする勢力が・・・!?

 

例え、再びプレイヤー1500人の軍勢が襲いかかろうとも、このナザリック地下大墳墓をこの命に替えてでも守りきる自信はあります。

ただ、至高のお方々がお隠れになった今、我々にも多大な被害が出るでしょうが・・・。

 

アインズ・ウール・ゴウンを。

何より モモンガ様を危険に晒すわけにはいかない。これ以上、失う訳にはいかないのです。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「あれ?あぁ、いたいた」

 

モモンガ様の声が耳に届いた。

段々と近づいてきていたのは気配で分かっていましたが、わざわざ、目の前まで歩いてきて下さった事実に、私をはじめ、隣で並び立っていた戦闘メイド「プレアデス」達にも緊張と歓喜が入り交じった感情が身を焦がすように駆け抜けるのが分かりました。

 

「ええっと、セバス・チャン。あれ?カルマ値300、極善だ。思ったより高い・・・あー、『製作者:たっち・みー』か。なら、そうなるかな」

 

モモンガ様は私の前に立つと、私のステータスやたっち・みー様にそうあれと与えられた設定をご覧なっているようでした。

 

「え、設定はこんなに短かったっけ?たっちさんらしいといえばらしいけど・・・」

 

困惑気味なモモンガ様に、身が凍りついたかのような衝撃が走りました。

 

たっち・みー様が与えてくださった設定に、何一つ不満や不安などありませんでした。他の守護者と比べて非常に短い・・・とは思ったものの、それだけだったのです。

 

しかし、その設定がモモンガ様の気分を害してしまったのならば・・・

 

私は、創造主のたっち・みー様に置いてかれてしまいました。

たっち・みー様がそう望まれているのならば・・・私の感情など関係ないのです。

たっち・みー様のご意思なのですから。だから・・・あぁ、だから、それも受け入れなければならないのでしょう。

 

私の心の支えはまだ、ここに残って下さっている。

だから、私はまだ踏ん張れていました。

 

だが、モモンガ様にまで・・・至高の41人全ての方々から 置いてかれてしまったら、捨てられてしまったのなら。私は・・・

 

 

「よし。加藤さんに説明するのに、これだけ分かれば十分かな〜」

 

 

どこか喜色を含むモモンガ様のその一言で、私は引きこもっていた思考の海から、急に現実に引き戻されました。

 

 

 

 

・・・カトウサンとは、誰のことでしょうか??

 

 

 




→『モモンガは主要なNPCの設定や能力を確認した!』
→『アルベドの設定にドン引きしつつ加藤さんへのいい話のネタになると思い、放置した!』

セバス視点は、書くのが難しいですね。





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