ご注文はハーブティーですか??   作:テレサ二号

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どうもテレサ2号です!
更新が遅くなってしまい、申し訳ありません!
仕事が鬼のように忙しく、執筆時間が限られていました(ToT)
え?誰も待ってないって?
それは言わない方向で(笑)

いよいよごちうさの映画のBlu-rayが出ますね\(^^)/
シャロの浴衣が眩しいので見てない方は是非見てくださいね!
ちなみに私は映画館で三回見ました(*´-`)

それでは本編です!!



14羽:小説家VS音楽家 異種対決開幕!

ある晴れた日、月はフルールでの仕事に勤しんでいた。

 

「ふぅ、こんなもんかな。暑くなってきたし、そろそろアイスティーの量を増やすように店長に打診しとくか」

 

ふと周りを見渡すとお客さんはそこまでおらず、シャロもチラシ配りに出掛けているようで店内にはいなかった。

 

「シャロはまだ帰ってないのか……。日射病とか大丈夫かな……」

 

チラシ配りの担当を決める時、月は自分が行くと立候補したのだが、ピアノのリクエストをされた時に肝心の月がいないと困るでしょとシャロに言われ、シャロが進んでチラシ配りに出かけた。

 

((シャロがいないと、何でだろ……。なんか寂しいな……))

 

「あれ?桐間さんがいないからって、相武くん寂しそうな顔してるわよ?」

 

窓の外を見ていた月に、先輩の女性店員が声をかけてきた。

 

「顔に出てました?」

 

「出てたわ 笑 。二人は付き合って無いの?」

 

「俺とシャロがですか?俺たちはいい友達ですよ」

 

「芸能人の熱愛報道の模範解答みたいな事を言うのね……。二人はお似合いだと思うけど。彼女が欲しいって思わないの?」

 

「シャロもそんな気無いですよ。異性として見てくれてるのかも怪しいくらいです。それに俺はピアノが恋人みたいなものですから」

 

そう言うと月は優しくピアノを撫でた。

先輩は呆れたように首を傾げると月にアドバイスをした。

 

「まぁ、恋なんてする物じゃなくて落ちる物だけど、恋の一つもしたこと無い人に恋について弾いてる曲なんて弾けるのかしら?たまには自分に素直になってみるのも悪いもんじゃないわよ?それじゃ、私は仕事に戻るから」

 

ヒラヒラ手を振ると先輩は厨房に向かった。

月は今言われたことを考えながらも、接客に戻ることにした。すると、店の扉が開かれ一人のお客さんが入ってきた。

 

「いらっしゃいませー。フルール・ド・ラパンへようこそ♪」

 

「いらっしゃいましたー♪」

 

独特な雰囲気を持つ黄色いストールが特徴的な女性は月が挨拶をすると、変わった返事をしてきた。

 

「あのー、先程の可愛らしい店員さんはまだ戻っていらっしゃらないんですか?」

 

「可愛らしい店員ですか?」

 

「はい♪金髪の太ももが素敵なお嬢さんです♪」

 

「多分シャロのことですね。まだ戻っておりませんが?」

 

「そうですかー。ではせっかくですから、貴方のオススメのハーブティーをください♪」

 

「承りました。それではお席までご案内致します」

 

「あらあら紳士さんなんですね♪ちょっと格好いいですよ♪」

 

「からかわないでください!//」

 

月は歳上の女性の雰囲気に当てられて、少し顔を赤くしながら女性を席まで案内し、ハーブティーを淹れる為に厨房に向かった。

 

「お待たせ致したました。こちらローズヒップになります。ローズヒップには女性に嬉しい美容効果がありますので」

 

「まぁ、そうですか♪それではいただきますね♪うん、美味しいです♪」

 

そういうと嬉しそうにハーブティーを飲み続けた。

 

「あのー、差し支え無ければお名前を伺いしてもよろしいですか?」

 

「…………相武 月です」

 

「ライトさんですか、素敵なお名前ですね♪ライトって漢字でどう書くんですか?」

 

「月です」

 

「きっと月さんが生まれた日はとても月が綺麗な日だったんでしょうね♪」

 

「あの、自分の名前を教えたので貴方の名前も教えてください」

 

「私ですか?私は小説家の青山ブルーマウンテンと申します。小説のネタを探してさまよっていますー」

 

(青山ブルーマウンテン……。変な名前だな……)

「それで?ネタは見つかったんですか?」

 

「いえー全く……。このままでは担当さんに怒られてしまいますー。何か刺激があればと思い、この喫茶店を訪れたのですが……スイマセン、お仕事中に」

 

「今日は比較的お客さん少ないので大丈夫ですよ。そうだ!このお店ではピアノの演奏サービスを行っているんです、良かったら一曲聴いていきませんか?」

 

「いいんですか?ではお願いします♪」

 

「承りました!」

 

月はピアノに向かうと準備を始めた。

そしてしばらく何を弾くか考えた後、軽やかにその指を運び始めた。

 

「♪~♪♪~♪♪♪」

 

月はベートーヴェンのピアノソナタ第8番 ハ短調 作品13『大ソナタ悲愴』を弾いている。

この曲は難聴に苦しむ時代のベートーヴェンが作曲した曲だ。

※作者が大好きな曲です。←どうでもいい(笑)

 

青山は月の弾いている時の先程までとは違う表情に興味を持ったようで、何やらメモを取り始めた。

そんな青山さんの様子を横目に見ながら、月は演奏を続ける。店内のお客さんだけでなく、通行人もちらほら足を止め始めた。

 

(悲愴って悲しい気持ちで書き上げた曲だったな。俺も少しさっきの寂しい気持ちをこの曲に乗せよう!)

 

「♪~♪♪~♪♪♪」

 

月は一音一音丁寧に弾き上げていく、細かさや繊細さを意識しながら指を滑らかに動かしていく。

 

「♪~♪♪~♪♪♪」

 

月が演奏を終えると店内に拍手が湧き、お客さんが増えている事に気がついた月は慌てて会釈をした。

そんな月に青山が声をかけてきた。

 

「演奏素晴らしかったです♪おかげで小説の題材が見つかりました」

 

「どんな感じの物ですか?」

 

「ウサギ達が奏でるハーモニーを題材にした、その名も!ウサギカンタービレです!!」

 

(どっかで聞いたようなタイトルだ!!)

 

「今日は設定を考えますのでこれで失礼致しますー。また後日取材させてください♪」

 

「お、お手柔らかに……」

 

そう告げると青山は満面の笑みでフルールから出ていった。

 

「今日もいい演奏だったわね♪あの曲はあの人の為に弾いてたの?」

 

月が振り向くとシャロが帰って来ていたようで月の演奏の感想を述べた。

 

「そうなるな。俺が弾きたくて弾いただけだけど……」

 

月はシャロがいない寂しさを込めて弾いたなど、本人に言える訳もなく、月は青山の為に弾いたと嘘を付いた。

 

「ふーん、そうなんだ……。別にいいけど……。私、接客に戻るから!」

 

少し寂しげな表情をした後、シャロはホールに戻って行った。

 

 

バイトを終えるとシャロは月に挨拶をせず、そそくさと帰路に着いた。

月はシャロに声をかける間もなく、更に寂しい気持ちを募らせた。

スマホを見ると着信履歴が残っており、相手はタカヒロさんだった。月はすぐに折り返しの電話を入れた。

 

「月です、先程は電話に出れなくてスミマセン」

 

「いや、構わないよ。忙しいところスマナイね。今週の土曜日にココア君主幹の夏のパン祭りを計画していてね、私も手伝う予定だが、まだ人手が足りないと思われる、そこで月君にもヘルプをお願いしたいのだか……。その代わりに夜のバータイムは休みにするつもりだ。ピアノの練習もあるだろうけど頼めないかな?」

 

「タカヒロさんの頼みなら断りませんよ」

 

「そう言ってくれると助かるよ。チノも月君に懐いているようだしね」

 

「だと嬉しいです」

 

「ではまた土曜日に」

 

電話を切ると月も帰ることにした。

 

(シャロと一緒に帰りたかったなぁ……)

 

そんなことを思いつつ月は帰路に着いた。

 

週末の土曜日、ついに夏のパン祭り当日がやってきた。

朝からココアとタカヒロが焼いたであろう、パンが所狭しと並んでいる。

夏のパン祭りというのは飲み物代は別途かかるが、一定料金を払えばパンが食べ放題というものだった。

そして今はタカヒロを中心に今日の役割分担の話をしている。

 

「今日は私とココア君が厨房担当でパンをどんどん焼いていこう。月君とリゼ君、チノは接客と会計をお願いするよ」

 

「「「「はい、分かりました!」」」」

 

Openの立て札をかけると続々とお客さんがやってきて、すぐに満席になった。

 

「飲み物の提供も忙しくなってきたな」

 

「パン出しはココアが焼くのと同時進行でやってくれているからな、チノちゃんとリゼは飲み物作りにしばらくは専念してくれ」

 

「月さん一人で大丈夫ですか?」

 

「フルールの接客術を甘く見ては困るねチノちゃん♪」

 

そういうとオーダーから会計まで月が手際良くこなし始めた。

 

「流石月さんです!」

 

「伊達にウチよりお客さんが多くないな」

 

「リゼよ、それは言わんでくれ……」

 

思わぬリゼの口撃にティッピーがダメージを受けるのであった。

 

(いつも俺が厨房にいる時、シャロがホールを上手く回してくれてるんだよな……。やっぱシャロって凄いな。って何で俺シャロの事考えてんだろ?集中しなきゃ!!)

 

その後、夏のパン祭りは大盛況で幕を閉じた。

途中千夜が来てくれたが、あまりの忙しさに構うことができなかった為、パンのお裾分けをする事になった。

今日は仕事で来られなかったシャロの分も合わせて千夜の家に持っていく事となった。

 

甘兎庵に着くと店先で迎えてくれた千夜とココアが話始めた。

二人の会話を月、チノ、リゼの三人が後ろから聞いている。

 

「今日はパン祭りに来てくれたのに忙しくてあまり相手できなくてゴメンね♪」

 

「ううん、大丈夫よ♪無事に成功して良かったわね♪」

 

「これパンのお裾分け♪」

 

「ありがとう♪」

 

「それでシャロの家知らないか?」

 

「バイトで来れなかったから、お裾分けしたくって♪きっと赤い屋根の大きなお家に住んでると思うんだけど」

 

(隣の古い家がそうだとはとても言えない。千夜もそんな顔をしてるな……)

 

「えっと……」

 

千夜が返答に困っていると、隣の家の扉が開きシャロが出てきた。

 

「夕食買い忘れちゃったー。ん?」

 

時が止まったように見つめ合う六人。そして事態を全て把握してシャロは悲鳴を上げた。

 

「あぁーーー!!」

 

「もしかして私たちは……」

 

「大きな勘違いをしていた……」

 

「い、今まで勝手に妄想の押し付けを……。お嬢様とか関係なく私の憧れなので……」

 

(気を使わせちゃってる!?)

 

自分たちの勘違いに気がついたチノとリゼはかなり動揺している。月は困った様子で頭を抱えている。一方のココアはと言うと……。

 

「ところでシャロちゃん家はどこかな?♪」

 

「この物置よー!!」

 

「えぇ!?」

 

するとシャロは涙を瞳に浮かべ、家の中に入って行った。

一同はどうしたらいいのか分からず、幼なじみである千夜の方を見た。しばらく解決案を考えていた千夜が口を開いた。

 

「月君がシャロちゃんのことを励ましてくれたら、いいと思うの♪」

 

「そこは幼なじみの千夜の方がいいんじゃないのか?」

 

まさかの提案に驚いた月が咄嗟に千夜の提案を否定した。

 

「そんな事無いわよ♪同じ特待生で同じバイト先の月君に励まされたら、シャロちゃんも元気が出るはずよ♪リゼちゃんもそう思わない?」

 

一同の視線がリゼに向く、それを確認してから千夜はリゼにアイコンタクトの為にウインクをした。

 

「あぁ。女の子が泣いているんだから、それを励ますのが男の子の役目だと思うぞ!行ってこい、月!!」 

 

そう言うとリゼは月の背中を叩いた。

 

「私たちは先に帰りましょ♪」

 

「月さんだけに任せて大丈夫なんですか?」

 

「大丈夫よ♪他の人がいるとかえって悪いわ♪」

 

そう言うと月を残して、リゼ達は帰路に着いた。

 

(が、ん、ば、れ)

 

と千夜は口パクで言うと、月に微笑み甘兎庵に帰って行った。

 

(全く、みんな無責任だな……)

 

と思いながら月はシャロの家のドアをノックする。

しかし返事はない。

 

「シャロ?入るぞ?」

 

返事を待ったが無かったため、月はドアを開け部屋に入った。

 

部屋にはシンプルなベッドに家具とテーブルが一つ置かれていた。

女の子特有の甘い匂いに月は少し顔を赤らめながらシャロを探すと、ベッドの隅で体操座りをして俯いている。

どうやら泣いているようだ。

月はベットに腰掛けるとシャロに声をかけた。

 

「大丈夫か?」

 

「…………私の事なんて放っといてよ。月の事なんて嫌いよ!あのお姉さんと仲良くしてればいいじゃない!」

 

「あのお姉さん?」

 

「月がピアノを弾いて上げてたお姉さんよ!」

 

「青山さんの事か?」

 

「私の為にピアノを弾いてくれた事無いじゃない!それなのに、私以外の人の為には良く弾いてる……。私の事なんてどうでもいいんでしょ!?」

 

月は少しの間黙った。そして覚悟を決めたように口を開いた。

 

「ゴメン、俺シャロに嘘付いてた。確かにきっかけは青山さんの小説の刺激になればと思って弾いた。でも弾いた曲はベートーヴェンの悲愴って曲で、ベートーヴェンが耳が聴こえなくなってから作った曲なんだ。そんな悲しい気持ちを表現したくて、その時シャロがいなくて寂しかった気持ちを音楽に乗せて弾いてた。それをシャロに言うのが恥ずかしくて青山さんの為だって嘘付いた。本当にゴメン」

 

そういうとシャロは少し顔を赤らめながら、納得した様子で月の顔を見てきた。

その視線を月は受け止め微笑んだ。

しかしシャロは完全に元気を取り戻した訳ではない。

 

「本当の事言ってくれてありがとう。嘘を付いてたのは月だけじゃないわ……。私もココア達に嘘付いてた。お嬢様じゃなくて貧乏なのって初めからちゃんと言えてればこんなことにはなってなかったのに……。それなのにみんなに気を使わせちゃった……。最低だ私」

 

そう言うとシャロはまた俯き、涙を流し始めた。

そんなシャロを月は軽く抱きしめ、シャロの顔を自分の胸元に押し当てた。

月の思いがけない行動にシャロは激しく動揺した。

 

「ど、ど、ど、どうしたのよ急に!」

 

「昔、俺がピアノが上手く弾けないって泣いてた時にいつも母さんがこうやってくれた。涙のお薬は人の体温だって、訳の分からない理屈でな」

 

そう言うと月はシャロの頭を撫で始めた。シャロは恥ずかしさもあったが同時に心地よさもあり、月の行為を受け入れた。

 

「シャロは最低なんかじゃないよ。いつも自分にできる事を一生懸命頑張ってるじゃないか。そんなシャロの頑張りを知ってるから、誰もシャロの事を失望したり嫌いになったりなんてしないよ。俺が保証する」

 

「でも私はみんなが思ってるようなお嬢様じゃないのよ?」

 

「そんなのは関係ない。シャロはシャロだ!お嬢様だから仲良くしてくれてたんじゃない、シャロだったからみんな仲良くしてくれたんだ!それ以上シャロを傷つける事は例えシャロ本人でも俺は許さないぞ!」

 

そう言われたシャロは大粒の涙を流し始めた。

今まで沢山辛いこと、我慢していたこと、苦しいことがあったのだろう。その全てが涙として溢れて来ている。

 

「今まで弱音も吐かず、良く頑張ったな……」

 

無言で泣き続けるシャロの頭を月は撫で続けた。

 

しばらくすると泣きつかれたシャロは寝息を立て始めた。

月は優しくベッドに寝かせ毛布をかけた。自分はベッドから降りると、ベッドの縁に体を寄せシャロの手を優しく握った。

 

「おやすみシャロ。今夜くらいは良い夢を」

 

自分も眠たくなって来た月は、その眠気に身を任せ自らも眠りについた。

 

 

 

翌朝、先に目覚めたのはシャロだった。

シャロは繋がれている手に驚きはしたものの、規則的に寝息を立てる月を見て落ち着きを取り戻した。

 

(そっか……、やっと気づけた。私、月の事が好きなんだ。いつも私の味方でいてくれる、私の頑張りを見てくれているこの男の子が私の好きな人になっていたんだ。)

 

そう思ったシャロは月の頭を軽く撫でた。

 

「千夜に報告しなきゃ♪」

 

その後シャロはハーブティーを淹れ、月を起こした。

月とシャロはココア特製のパンを食べながら、楽しい朝食を過ごしたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月が帰宅すると天々座家は月の朝帰りで大騒ぎになっていた。

親父さんは

「俺の息子ならそれくらいの甲斐性が無いとな!」

と茶化されたが、リゼには死ぬほど怒られ、特訓と言う名の扱きを受けるのであった。

 

 

 

 




いかかでしょうか?

ついにシャロが自分の気持ちに気づきましたね(* ´ ▽ ` *)
今後シャロがどう動くか楽しみです( *´艸)

そして、バイト先の女の先輩に名前を付けるか凄く悩みました(笑)
これからも出演が増えれば、モブキャラから昇格させようかな?
こんな名前がいいよってオススメがあればコメントをお願いします(‐人‐)
もしかしたら、その名前をいただくかもしれません(  ̄▽ ̄)
まぁ、しばらくはモブだな( ̄ー ̄)


ではまた次回!ほなっ!!(^^)ノシ


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