ご注文はハーブティーですか??   作:テレサ二号

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どうもテレサ2号です!!

W杯の観戦で睡眠時間を削られる毎日です(;´_ゝ`)
日本には行けるとこまで行って欲しいものです(*´-`)
頑張れ日本ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ


では本編です!!


16羽:No More 映画泥棒!!

ある梅雨入りした雨の日、千夜がお客さんからチケットをいただいたという映画を学校終わりに観に行く事になっていた。

月とシャロは教室で昼御飯を食べながら、映画について話していた。

 

「ウサギになったバリスタって、どんな話なんだろうな?俺、映画館行ったこと無いから凄く楽しみだ!」

 

「ココアと千夜は小説を読んでるみたいよ……?私は読んだこと無いけど……」

 

「シャロ疲れてないか?眠そうだぞ?」

 

シャロはウトウトしながら月との会話に相槌を打っていた。

 

「昨日、凄く忙しくてね……」

 

「昨日は俺が休みだったからな……ゴメン」

 

「月はたまたま休みだっただけでしょ?月は悪くないわよ」

 

「そうだ!紅茶飲まないか?美味しい茶葉をお客さんからいただいてな?淹れて来たんだ」

 

月は水筒を取り出すと紙コップに紅茶を淹れ、更にカバンからクッキーを取り出した。

 

「付け合わせに手作りのレモンクッキーをどうぞ♪」

 

シャロは紅茶とクッキーを受け取ると、クッキーを1つ摘まみ口に運んだ。

クッキーの香ばしさとレモンの爽やかな酸味が口一杯に広がり、薫り高い紅茶とベストマッチだった。

 

「美味しい!!月ってホント器用よね」

 

「そんな事は無いさ。紅茶は頂き物だし、クッキーも思い付きで作っただけだから」

 

「少し目が覚めたわ!ありがとね♪」

 

月は笑顔で相槌を打つと、周りの女子が羨ましそうにこちらを見ていたが、月は気づかなかったふりをした。

当のシャロは満面の笑みでクッキーを一つずつ美味しそうに口に運んだ。

 

下校時刻になり、下駄箱でリゼと合流した月とシャロは

降っている雨に肩を落とした。

 

「雨ですね……傘持って来てません」

 

「困ったな……止むまで待つか、迎えを呼ぶか……」

 

「そういえば、軍人さんって邪魔になるから傘差さないって聞いたことあるんですけど本当ですか?」

 

「おいシャロ!そんな事言ったら……!」

 

「走るぞ!!」

 

「先輩!?私ったら余計な事を!!」

 

リゼは小雨の中を全速力で走って行った。

 

「やれやれ、あーなったリゼは誰にも止められないからな。放っておこう……。俺、折り畳み傘持ってるから使おう。よいしょっと!ほら」

 

傘を開いて月はシャロを手招きする。

 

「んー、でも……」

 

シャロは少し顔を赤くして、難色を示した。

 

「狭いのが嫌か?二人とも濡れる訳にはいかないから半分ずつで我慢してくれよ?」

 

((そんな訳無いじゃない、この鈍感!!))

「まぁいいわ……」

 

シャロは傘の右側に入り、二人は映画館に向かった。

 

映画館に着くと、リゼ、ココア、千夜の三人はすでに到着していた。

 

「お疲れ様!チノちゃんはまだ来てないのかい?」

 

「月君にシャロちゃん♪あ、チノちゃんもちょうど来たみたいよ?」

 

先に到着した高校生組に少し遅れてチノが合流した。

 

「遅くなりました……」

 

「雨大丈夫だった?」

 

「雨なんて予想外だったからな」

 

「あはは♪みんなびしょ濡れだね♪」

 

ココアが屈託の無い笑顔で笑う。

 

「でも目は覚めたかも」

 

「確かに眠気吹っ飛んだな!」

 

「おぉ、私も眠いの忘れてた♪」

 

「何とか起きてられるかもしれないです」

 

「実は私も眠かったの……ふわぁ……」

 

「えぇ!?初耳だよ!!」

 

ココアと千夜は眠いという話をしていたようで、千夜の発言にココアは驚いた。

 

「あぁ!みんな見て!雲の間から光が♪」

 

ココアが指さした方向には雨雲の合間から日の光が差してした。

 

「綺麗です……」

 

「これが映画だったらエンドロール流れてもおかしくないです♪」

 

「終わるの早いな……」

 

シャロの言葉に思わずリゼは突っ込みをいれた。

 

「あの光の差し方は、天使の階段って言われているのよ♪」

 

「素敵です……」

 

千夜のロマンチックな知識にチノは相槌を打った。

 

「そうなの?私、お天道様の鼻水って教わったけど」

 

「………………台無しです」

 

シャロとチノは遠くを見るように呆れた目をした。

 

「本当の名前って、何なんだろうな?みんな知らないってのは何だか不思議だな」

 

「………………薄明光線。気象現象としての正式名称は薄明光線だ。レンブラント光線とも言うけどね」

 

「詳しいな……。お前は何でも知ってるのか?」

 

「何でもは知らない。今回は昔読んだ本に書いてあっただけだ」

 

「流石月さんです。素敵です♪」

 

「そうかい?ありがとうチノちゃん♪」

 

「ライト君!チノちゃんに触りすぎ!私の妹なんだからね!」

 

リゼの疑問を月が即座に回答し、チノは月を称賛した。そんなチノの頭を月は優しく撫でた。

その様子をシャロはじっと見ていた。

 

「シャロちゃんも撫でてもらえば?」

 

「べ、別に期待してないわよ!//」

 

 

 

「それじゃあみんな、中に入ろう?」

 

ココアを先頭に館内に入った。館内に入るとリゼはタオルを取りだしみんなに配った。ココアとチノが頭を早速拭き始めた。

 

「頭拭いて上げるね♪」

 

「いいです。私はあまり濡れなかったので」

 

「チノはあまり濡れなかったのか?」

 

「ティッピーが途中で持ってきてくれたので」

 

「器用だな!!」

 

一方で千夜とシャロが一緒に髪を拭いている。

 

「シャロちゃんは私が拭いて上げるわね?ってあれ?シャロちゃんそこまで濡れてないのね?」

 

「うん…………//。月と一緒の傘に入ってきたからね//」

 

「あらあら♪シャロちゃんったら大胆ね♪それにしても月君ってば紳士さんなのね?」

 

そういうと千夜は月を指差した。

月の左半身はびしょ濡れで右半身もかなり濡れていた。

つまりそういう事である。

 

「…………バカ//」

 

シャロは少し顔を赤くしてそっぽを向いた。

 

「ほら、月も早く頭を拭け。風邪ひくぞ?」

 

「サンキュー」

 

月もリゼからタオルを受け取った。

 

「しかし凄く濡れたもんだな?」

 

「いいだろ濡れるくらい。水も滴るいい男って言うだろ?」

 

そう言うと月はリゼにウインクをした。

ウインクを受けたリゼは顔を少し赤らめた。

 

「突っ込んでくれよ!恥ずかしいだろ!?」

 

「あぁスマン……どう突っ込んでいいか分からなかった……」

 

「調子狂うな……。まぁ中に入ろう!」

 

「私、ポップコーン買ってくる!」

 

月が促すとココアはポップコーンを買いに行った。

ココア以外はシアターに向かった。

そしていよいよ映画が始まった。

 

「どうしてこんなになるまで焙煎したんだ!!」

 

((開始5分で涙腺が……。お姉ちゃんなのに、チノちゃんの隣で泣いちゃダメ!))

 

((泣いてるのココアさんにバレたくない。絶対からかわれる!))

 

((チノちゃん?そうだよね?感情に素直になるべきだよね))

 

ココアはチノにティッシュを差し出した。

しかし泣いているのはチノではなく、ティッピーであった。

一方のリゼ達はというと。

 

((映画館初めてだけど、スクリーンって大きいなぁ。ウチのテレビより大きいんじゃないか?))

 

と映画館に感心するリゼ。

 

((うんうん♪メニュー名に使えそうね♪))

 

映画のセリフを必死にメモを取る千夜。

 

((静まれお腹!!ケチらずに何か買っておけば良かった!))

 

空腹と闘うシャロと言った感じであった。

 

((お腹の音、月に聴こえて無いかしら?//))

 

シャロが月を見ると、月は真っ直ぐにスクリーンを見ており、頬には涙がつたっていた。

 

((泣いてる!?))

 

しばらく月の横顔を見ていると、少し心配になったシャロは自分のハンカチで月の涙を拭った。

 

「シャロ!?」

 

「大丈夫?」

 

「あ、あぁ……。ありがとう」

 

月は涙を見られた事で少し顔を赤らめたが、素直にお礼を言った。

そして各々の気持ちが移り変わりながら、映画は終了した。

 

「後半寝てたんですか!?凄く良かったのに皆さんと語り合えないじゃないですか!!」

 

「し、小説を読んだからー」

 

怒るチノに、ココアは苦し紛れの言い訳をした。

 

リゼ、千夜、シャロ

((あまり内容を覚えてない……))

 

「でも主人公のウサギになったおじいちゃん、カッコ良かったね♪」

 

チノとティッピーが共に頷いた。

 

「ライバルの甘味処のおばあさん。あの情熱には心を打たれたわ♪」

 

「どこかで聞いた話ね」

 

「下らない事で争ってたけど」

 

「おじいさんも良かったけど、ジャズで喫茶店の経営難を救ったバーテンダーの息子さんはもっとカッコ良かったな!」

 

「なぬ!?」

 

「まるで父みたいでした♪」

 

「俺はキーボードを弾いていたバイトのお姉さん!彼女の要所要所でのマスターへの優しい言葉に涙が止まらなかったよ!」

 

((モデルはそれぞれ、タカヒロ・ババア・美咲じゃからな。チノ達が好感を持つのは仕方ないのぅ))

 

この物語が何をモチーフにしているのか唯一知っているティッピーは納得した様子で頷いた。

 

「ちょっとトイレ」

 

「待ってるねー♪」

 

トイレに向かうリゼをココアが手を振り見送った。

 

「チノちゃん?眠いの?」

 

「いえ…………平気です……」

 

「カモン!!」

 

ココアはチノに背中を向け膝をつくとチノに背中に乗るように促した。

 

「家までおんぶして上げる!」

 

「子供じゃないんですから……」

 

「大丈夫♪気にしないよ?」

 

「私が気にします……。ココアさんがおんぶしたいだけじゃないですか!」

 

「止めておいた方がいいわよ?ココアちゃんも眠いんでしょ?」

 

「倒れたりしたら悲惨よ?」

 

「うーん、そうだ!」

 

何かを思い付いたココアはおもむろに行動を始めた。

そしてリゼがトイレから戻ると、チノを担ぐココア達がいた。

 

「うお!!騎馬戦でも始めるのか!?」

 

リゼの突っ込みに満足したココアはチノを下ろした。

当のチノは本当に眠いようで、かなりウトウトしている。

 

「チノちゃん大丈夫?」

 

「無理するなよ?迎え呼ぶぞ?」

 

「いえ……大丈夫です……」

 

ティッピーも心配した様子でオロオロしている。

 

「ヨシ、おいで!」

 

月も先程のココアの様に膝をつき、チノに背中に乗る様に促した。

 

「無理だよライト君。私がやっても乗らないんだから」

 

「…………でも」

 

「大丈夫だから、おいで♪」

 

月がチノに微笑むとチノは月の背中に体を預け、規則的に寝息を立て始めた。

 

「えぇ!?私の時は頑なに嫌がったのに~!?」

 

「これが月とココアの信頼度の違いだな」

 

「うぅ……」

 

「シャロちゃん?羨ましいの?」

 

「そんな訳無いでしょ!!//」

 

「みんな静かに!!」

 

眠っているチノがいることを忘れていたココア達は、月の一言で我に帰った。

 

「それじゃあリゼ、俺はチノちゃんを送って帰るから、先に俺の荷物を持って帰ってくれないか?」

 

「あぁ任せといてくれ!」

 

「ココアはチノちゃんの荷物を持って先に帰ってくれないか?晩御飯の準備とかしておいてくれ」

 

「うん、分かったよ!お姉ちゃんに任せなさい!」

 

ココアは袖を捲り、お得意のポーズをしたが月は流す事にした。

 

「無視!?」

 

「シャロと千夜は気をつけて帰ってくれ。今日はありがとな♪」

 

「月も気をつけて帰りなさいよ」

 

「月君、チノちゃんをヨロシクね」

 

別れの挨拶を済ませると各々は帰路に着いた。

しばらく歩いているとティッピーが月に話しかけてきた。

 

「スマンのぅ小僧」

 

「対した事無いよ」

 

「チノは幼い頃に母を亡くしてから、あまりワガママを言わなくなってな?ワシも息子もチノにはもう少しワガママを言って欲しかったんじゃが、チノは我慢が上手くなってな」

 

「それは違うと思う。親の気持ち子は知らずとは言うけど、子供は子供なりに考えることがあるのさ。早く一人前になって親に心配かけないようにしなきゃって思ったりするもんさ。それは我慢とは違う、子供の意地ってやつさ」

 

「そんな物かのぅ。お主とチノはどこが似ておる所があるからのぅ」

 

「中学卒業したら都会に出て行ったりしてな」

 

「なんじゃと!?それは困る!!」

 

「……私は出て行きませんよ。私の夢は立派なバリスタですから」

 

「「!?」」

 

「「チノ(ちゃん)、起きたのか?」」

 

「月さん、ご迷惑をおかけしてすみません」

 

「大したことじゃないさ」

 

「あの……前々から月さんにお伺いしたいことがあったんですが、聞いてもいいですか?」

 

「うん?そんな事があったの?いいよ、何でも聞いてくれ」

 

「…………月さんは、高校を卒業したらこの街を出て行くんですか?」

 

「そうだねぇ……。音大に進学するにしろ、坂本先生に弟子入りするにしろ、この街を出て行くことにはなるね」

 

「寂しく無いんですか?」

 

「………………」

 

チノからの思わぬ質問に月は答えに悩んでいた。

しかし自分の思いを素直に口にすることにした。

 

「俺さ、この街に来る前は正直高校三年間は色々苦しいのを我慢すると思ってたんだ。大学生になったら同じ目標を持つ仲間達と楽しくやれるだろう、それまでの辛抱だって思ってた。相武家を出て、優遇して俺を迎えてくれたリゼの親父さんには悪いけど、俺は誰も信用しないだろうって思ってたんだ。それでも今は不便無く毎日楽しくやれてるし、この街を出て行くのも寂しいと思ってる。この寂しいって気持ちはチノちゃん達が俺に育ててくれた気持ちだよ……。ありがとう……」

 

「いえ、私は何もしてませんよ!」

 

「チノちゃんも何かしたい事があったら、タカヒロさんに相談してみなよ。その方がタカヒロさんも喜ぶ。あと俺にできる事があったら、何でもするからいつでも言ってくれ」

 

「…………じゃあ、今は家までこのままでお願いします」

 

「はいはい、了解しました」

 

「……ありがとう……月お兄ちゃん……」

 

チノはまた規則的に寝息を立て始めた。

 

「ココアがいなくて良かったな。おやすみ……チノ」

 

夕日差す道を二人と一匹で歩く。

月はこれからの日々を大切にしようと思うのであった。

 

 

 




いかかでしょうか?

今回はシャロ×月の絡みは少なかったかもしれません(^^;
最近は月のピアノシーンも書けてないので、そろそろ書かねばね。
ゴメンよ、月君(笑)

コメントや投票お待ちしております!!

ほなっ!!(^^)ノシ
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