ご注文はハーブティーですか??   作:テレサ二号

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どうも、テレサ2号です!

W杯の日本代表惜しかったですね(*´-`)
思わず泣いてしまいました!(ToT)

試合後のベルギー代表のスポーツマンシップには感動しました!
ベルギー代表には日本代表の分まで頑張って貰いたいです!

では、本編です!


17羽:諦めたらそこで試合終了ですよ?

夏を控えたある晴れた日、月はいつものようにピアノを弾いていた。

 

「♪~♪♪~♪♪♪」

 

途中から部屋に入ったリゼは月の演奏が終わるのを待ってから声をかけた。

 

「お疲れさん、難しそうな曲だな?何て曲なんだ?」

 

「ショパンの革命のエチュード」

 

ショパンの練習曲ハ短調作品10-12は『革命のエチュード』として知られるピアノ独奏のための作品。1831年頃に書かれた。最初の練習曲集(作品10)の12番目として出版され、友人フランツ・リストに献呈された曲である。

※メチャクチャ格好いい曲です。興味がある方は一度聴かれてみてください!

 

「やっぱり月のピアノって凄く綺麗だよな♪」

 

「ありがとう。でもこの曲も坂本先生に比べたらまだまだなんだ……。先生は左手を使うの上手いけど、俺はまだまだ左手使うの苦手だし」

 

「だから月は時々左手でご飯食べてるのか?私はてっきり月は両利きだと思ってた」

 

「よく見てるな。左手だと少し違和感あるけど、右手と同じくらいは使えるようになりたくて。中学生の頃からやっててまだまだだ。それで?何か用事か?」

 

「お菓子を持ってきたんだ。一緒に食べないか?」

 

「あぁいいよ」

 

リゼは紅茶をティーカップに注ぎ、ワッフルをお皿に移した。

 

「お、ワッフルか?しかも焼きたてか。旨そうだな」

 

「使用人が作ってくれたんだ」

 

リゼは仕上げにホットチョコレートをかけホイップクリームを添えて、ワッフルを仕上げた。

 

「お店で出てきそうだな」

 

「フルールなら出てくるかもな。ウチでは出せないな」

 

「「いただきます」」

 

ワッフルを口にすると、ワッフルの香ばしさとモチモチの食感が広がり、チョコレートの甘さとその奥行きにある苦味、最後にホイップクリームの甘さと柔らかさが口に広がった。

 

「お、旨い」

 

「そうだな♪」

 

「それで?お菓子を持って俺の部屋に来るって事は何か話したい事があるんじゃないのか?」

 

「う……流石に鋭いな。実は今度演劇部の助っ人をすることになってな?」

 

「ふーん、いいじゃないか。リゼは声が通るし、暗記も得意だから役者向きだろ?それで演目は何をやるんだ?」

 

「お、オペラ座の怪人だ」

 

「リゼなら、ファントムの役とか似合いそうだな」

 

「クリスティーヌだ」

 

「ぶふぉ!ゲホ!ゲホ!」

 

月は驚きから紅茶を吹き出し咳き込んだ。

 

「笑うな!!」

 

「スマナイ……でもまぁ、リゼなら歌も上手いしクリスティーヌも悪くないかもな」

 

月は苦笑いを浮かべながらピアノに戻る。

おもむろに、オペラ座の怪人のテーマ曲のThe Phantom Of The Operaを弾き始めた。

 

「今に見てろよ!!」

 

リゼは部屋を出てラビットハウスに向かうのだった。

 

翌日、月はラビットハウスのバイトの前にリゼに呼び出され、甘兎庵に向かった。甘兎庵に入ると謎お面を着けた千夜とおめかしをしたリゼ、そしてバイト前のシャロがいた。

シャロの腕にいたアンコは月の顔を見ると、月の胸に飛び込んだ。

 

「お、アンコ。今日も元気だな?ヨシヨシ♪」

 

月は手慣れた様子でアンコを撫でていく。

 

「それで?リゼは甘兎庵でおめかしして何をしているんだ?」

 

「千夜とシャロからお嬢様らしさを学ぼうと思ってな?しかし上手くいかなくて……。月の身近にお嬢様らしい人はいないか?」

 

「お嬢様らしい……」

 

月はシャロの方を見た。シャロは腕で×印を作っている。

 

「ウチの姉は中々おしとやかだぞ?ただ演劇ってのは何かになりきるような物だ。その時の役の気持ちを考えて、行動や仕草に移さなければならない。俺もピアノを弾く時は作曲家になりきるような気持ちで弾くこともあるからな」

 

そう言うと甘兎庵の入口が開き、チノとココアが入ってきた。

 

「リゼちゃんの本心を聞きに来たよ!!」

 

「あれ?ロゼちゃん(さん)」

 

「お久しぶりです♪魑魅魍魎も恥じらう乙女です♪」

 

「!?」

 

月は驚きのあまり硬直している。

 

((クリスティーヌが降臨したわ!?))

 

((あの台詞教えたの誰!?))

 

「ロゼさん。ウチの喫茶店に来てくれるのを待ってたんです」

 

「ごめんなさい。まさか覚えて貰えているなんて思わなくて」

 

「当たり前です。ずっとずっと待ってました」

 

「そっか……。チノちゃんは私よりロゼちゃんのような人に憧れるんだね……。私も大人っぽくしてくる!!」

 

「ココアさん!?待ってください!話がまだ終わっていません!」

 

「何しに来た……」

 

チノの態度にショックを受けたココアが甘兎庵を駆け出して行き、チノも慌ててココアの後を追った。

 

「ハァ……。やっぱりこんなの柄じゃないよな?クリスティーヌは断るよ……」

 

「そ、そんな!やりましょ……」

 

「やりたいことを諦める必要がどこにあるのでしょう?」

 

「言いたいことを先に言われた」

 

「青山さん……いたんですか……」

 

青山はリゼを諭すように励ました。

シャロもリゼを後押しするようにリゼを励まし始めた。

 

「あ、青山さんの言う通りです!その格好凄く似合ってます!」

 

「こんなに可愛いのに勿体ないわ♪」

 

「そうだないつもとは違う雰囲気のリゼもいいと思うぞ」

 

((今更だが、恥ずかしくなってきた……//))

 

シャロ、千夜、月の称賛にリゼは恥ずかしくなってきて顔を赤くした。

 

「ありがとう。私、頑張ってみるよ!あと……勢いで来てしまったけど、こういうのって人に聞くもんじゃないな」

 

「聞く相手が悪かったのよ♪」

 

「「自分で言う!?」」

 

千夜の思わぬ発言にフルールコンビは突っ込むのだった。

 

「まぁそんな事はさておき、演劇頑張れよロゼさん♪」

 

「その名前で呼ぶな!!」

 

照れたリゼのペガサス流星拳が月に炸裂するのであった。

 

後日談ではあるが、クリスティーヌの設定はリゼの性格に合わせた台本になっており、おしとやかとはかけ離れたクリスティーヌだった。

リゼはおしとやかな役でのリベンジを誓うのであった。

 

 

 

翌日、リゼのバイトにお客さんとして月はラビットハウスに付き合う事にした。

 

「チノちゃんの作ったキリマンジャロが旨いんだよな」

 

「私のじゃダメなのか?」

 

「リゼも旨いんだけど、豆の挽き方がチノちゃんの方が丁寧で細かいんだよね。リゼは力強く挽くから苦味が強いんだよ。そっちの方が飲みたくなる時もあるけどね」

 

「挽き方で味が変わったりするんだな。今度挽く時は気をつけてみるよ♪」

 

ラビットハウスに着くと、ココアの制服を着た青山さんがいた。

 

「「青山さん!?」」

 

「どーもお疲れ様です♪」

 

「こんなココアの制服着て、何してるんですか!?」

 

「私、小説家を失業しちゃいましてー。チノさんに拾っていただいたんですー」

 

そんな会話をしていると遅れたココアがやってきた。

 

「ゴメン~また遅れちゃった~!私の制服選択中だっけ!?」

 

「おかえりなさいませ~♪ココアさん、こちらのお店で働いていたんですね」

 

「今度こそリストラだー!」

 

「失職ですか?実は私もさっきまで……」

 

「制服間違えてます!青山さん!」

 

ラビットハウスのバータイムの制服を持ったチノが青山を追いかけてやってきた。その後、ココアと青山は着替えに向かった。

 

「青山さん、小説家辞めちゃったの!?」

 

「就職先に困っていたのでとりあえずウチに来て貰いました」

 

「凄くピッタリです♪まるでこの仕事が天職のようです♪」

 

「本当にそれでいいのか?」

 

「後悔とかしないんですか?」

 

小説家を辞めた青山をリゼと月は心配した。

 

「ところで……白いおひげのマスターは?私、ずっとお会いしたくて」

 

「知らなかったんですか?」

 

「チノちゃんのおじいちゃんはもう亡くなられてるの……」

 

「え?この前お声を聴きましたよ?」

 

「会いた過ぎて幻聴を聴いてるんだ……」

 

((ティッピー……ヘマをかましたな))

 

「代わりにこの白いおひげをモフモフして心を癒してください!」

 

ココアはチノの頭からティッピーを奪うと、青山に差し出した。

青山は感慨深そうにティッピーを優しく見つめた。

 

「この子……気に入りました。特に目を隠してる所が気に入りました」

 

「良く見たら毛が凄い!!」

 

「ちょい悪な感じが気に入ってるみたいです」

 

((マスターと同じコーヒーの匂い……。信じられません……本当にいなくなってしまったんですか……?もう…小説の感想を聞かせてくださる事は無いんですか…………))

 

青山は凄く切なそうな表情でティッピーを見つめるのだった。

 

翌日、青山の事が心配になった月は再びラビットハウスに顔を出した。今日は千夜も来ているようだ。

 

「人生相談窓口……」

 

「この受付、良くできてるでしょ♪」

 

ココアは嬉しそうに千夜と月に自慢した。

 

「あの…これは一体?」

 

「このお店に貢献する為に、自分にかできない事をやろうと思いまして。人のお話を聞くのが好きなので、タカヒロさんがお客さんの愚痴を聞いているのを参考にしました」

 

「タカヒロさん?」

 

「父です……」

 

「お世話になってる方の名前くらい覚えておけよ!まぁ確かにタカヒロさんは愚痴を聞くのは上手いですね」

 

タカヒロの聞き上手っぷりは一緒に仕事をしている月が一番理解している。

 

「素敵♪とてもいい考えだと思うわ♪」

 

「千夜ちゃんの為にこんなの作ってみたよ?」

 

そこには手相占いと書いた看板があった。

 

「手相……占い……」

 

「特技は活かしてなんぼだよねぇ♪」

 

「ねぇ~♪」

 

ココアと千夜は楽しそうな表情とは裏腹に、月とリゼは言葉を失った。

 

「特技を活かせるといいんですけど。何故か皆さん愚痴ってくださらないんです」

 

「青山さんってミステリアスだから、みんな一歩引いちゃうのかもね……」

 

((そういう問題じゃないだろ……))

 

「マスターは人の話を聞くのがお上手でした。私もそんなマスターのように一息つける存在になれたら…」

 

「そっかー♪」

 

千夜とチノがぬいぐるみを持ってやってきた。

 

「ファンシーさがもっと出たら、学生の子も話しやすいかしら?」

 

「ぬいぐるみも配置してみましょう」

 

青山の前にチノが持ってきたぬいぐるみが置かれた。

 

「こ、こんな可愛い物に見つめられたら……呪われる!!」

 

「「「呪われる!?」」」

 

青山のまさかの反応にココア、千夜、チノの三人は驚きの声を上げた。

 

「とにかく、数をこなぜば相談しやすいオーラが出るんしゃないかしら?」

 

「…………というわけで、日々思い悩んでいそうな子を連れてきたわ♪」

 

「日頃の鬱憤晴らせって言われても……」

 

千夜は悩み相談の相手にシャロを連れてきた。

 

「よくいらっしゃいました♪おもてなしのコーヒーです」

 

「あ、でもこの後バイトが……」 

 

「あぁそれ、私がブレンドしたんだ」

 

「えぇ!?リゼ先輩が!?」

 

「そうなのか?俺も同じものを貰っていいかな?」

 

「どうぞー♪」

 

青山からコーヒーを受けとると、月とシャロはコーヒーを口にした。

 

「お、スッキリした味わいの奥にしっかりコクがあって旨いな♪」

 

一方のシャロはというと……

 

「あれ?何か涙出てきた……」

 

「まさか、ブレンドの具合によって酔い方が変わる!?」

 

「やってらんないですよー!また今月も厳しくて、ウサギにも噛まれて!」

 

「まぁ落ち着け……」

 

「泣くなよ、ほらっ」

 

リゼはシャロを慰めながら頭を撫で、月はシャロの涙を自分のハンカチで拭いた後に、自分の制服のブレザーをシャロにかけた。

 

「私も、こういうのがやりたかったんです」

 

「悩める相談者さんからお手紙が届いたよ?」

 

「段々ご意見ボックスみたいになってきたわね♪」

 

青山はココアから手紙を受けとると内容を読んだ。

 

 

妹が野菜を食べてくれません

このままじゃいつまでたっても

ちっちゃい妹のままです

そのままでも全然オッケーなのですが

セロリが嫌いな子でも食べられる

お料理を教えてくれたらうれしいです

 

「お返事を書かないといけませんね♪」

 

手紙の内容を読んだチノは顔を赤くし体を震わせている。

 

「私もお手紙貰って来ました!自称姉が自分も嫌いなのに、野菜を押し付けてきて困ってます!!」

 

((お互い自分で言え……))

 

「野菜が美味しく食べれる料理を教えようか?」

 

二人のやり取りを見ていた月は思わず提案した。

 

「あの……ホントにそんなに簡単に小説家辞めて良かったんですか?」

 

「ホントは続けていたかったんですが……」

 

「やりたいこと諦めるなって私に言ったのは誰だよ!」

 

リゼは青山の両肩を掴み語りかけた。

 

「おぉ!リゼちゃんが熱い!」

 

「青山さん……夢は逃げない、逃げるのはいつも自分です!!」

 

「おぉ、月君にも感染した!?」

 

「実はマスターにいただいた万年筆を無くしてしまっていて依頼、さっぱり筆が乗らなくて……。他の万年筆じゃダメなんです……」

 

「確かに、手に馴染む物じゃないとな……」

 

「あの、どこで無くしたか覚えてないんですか?」

 

「ココアさんと初めて会った時は確かに持っていたんですが」

 

「ココア、それはどこの公園だ?」

 

「えっと…………ウサギが沢山いる噴水のある公園だけど」

 

「分かった!!」

 

月はテーブルから立ち上がった。

 

「え?今から探すの!?」

 

「今、自分にできる事があるなら行動したい!簡単に諦めてたまるか!!」

 

月はラビットハウスを出て走って公園に向かった。

 

「月さん、素敵でした。私も行きます!リゼさん、お店をお願いします」

 

「チノちゃんが行くなら私も行くよ!」

 

店を出たココアとチノはしばらくすると息切れしている月と合流した。

 

「…………月さん、カッコ悪いです……」

 

「スマナイ……」

 

公園に着くと三人は散り散りに万年筆を探し始めた。

途中からココアはウサギを追いかけて万年筆探しからリタイアした。

 

「あった!!これじゃないか?ティッピー確認してくれ!!」

 

確認したティッピーは静かに頷いた。

 

「もしかしてこれですか?え?私が渡すんですか?それでもいいですけど、えっと……、おじいちゃんとティッピーがこうなった理由は分かりませんが内緒にするって窮屈じゃないですか?おじいちゃんとしか話さない私を思って、内緒にしておく必要はもう無いんですよ?だから……励まして上げてください」

 

月は自分の素直な気持ちを告げたチノの頭を優しく撫でた。

 

「チノちゃんの言う通りだね。探すのは俺でもできるけど、励ますのは俺たちにはできない。おじいさん、貴方の仕事です。青山さんの笑顔を取り戻して来てください!」

 

二人の言葉にティッピーは青山に励ましの言葉をかけることを決意した。

その夜、ウサギになったバリスタを見つめる青山にティッピーは声をかけた。

 

「面白かった。が、主人公より息子の出番が多かった」

 

「た、大変ですー!!」

 

青山は黄色のヒヨコのぬいぐるみを持ってチノの部屋に

駆け込んだ。

 

「このぬいぐるみからマスターの声が!!」

 

「それじゃない!!」

 

青山の天然発言にチノは突っ込むのだった。

 

その後、万年筆が戻った青山は小説家に復帰した。

その知らせをメールで受けた月は心を落ち着かせていた。

月は自分の部屋に飾ってある母の写真を見た。

 

「大丈夫、俺も忘れてないよ。俺がピアニストになりたいって夢の事、母さんのとの思い出も」

 

月は鍵盤に向かう。側に母の日写真を置き、母の好きだったパッヘルベルのカノンを弾き始めた。

いつもは聴きにくるリゼも今日はいない……。

 

 




いかがでしょうか?

今回の話を書いていて、青山さん可愛いなって思い始めた自分がいます(笑)
まぁ、青山さんはヒロインには入れませんけど(*´-`)

感想やお気に入り登録をドシドシお待ちしております!
励ましになりますので是非お願いします!(*´ノ∀`*)

次回はあの三人組が活躍します!
月はどっちに付けようかなぁ(  ̄▽ ̄)
ではまた次回!ほなっ!(^^)ノシ
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