ご注文はハーブティーですか??   作:テレサ二号

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インフルエンザにかかってしまい、しばらく布団の中です……。

仕事も休みをいただいたので更新しちゃいます(^^)


では本編です!!


1羽:一目見て普通の家じゃないって気づいたよ?

ココアと別れ、木組みの家と石畳の街を歩く。

川のせせらぎ、鳥の声が心地よい。

 

「こんな時はラヴェルだな」

 

月はスマホを取りだし、ラヴェルのボレロをかける。新生活に向け、新たな街を歩む自分自身を盛り上げるように音楽が流れていく。

元々はバレエの演者の為に作られた物らしいが、個人的には行進曲のような音調がとてもお気に入りの曲だ。

 

「俺もバイオリン弾けたらな…」

 

機会があれば練習してみようとか思いながら、天々座さんのお家に向かった。

 

地図通り歩いて行くと、青緑の屋根と煉瓦に覆われた大きなお屋敷に着いた。

 

「で、デカイな……」

 

月の実家、相武家も中々大きいのだがこの家はそれ以上に大きく、門にはサングラスを付け黒服を着た男たちが立っている。

 

 

「こ、怖いな…。でもここで引き下がる訳にはいかない!!いざとなったら子どもに姉から頃習った合気道でどうにかしよう!」

 

「あの!今日からここでお世話になります!相武 月と申します!よろしくお願いいたします!」

 

月は自分が見せられる精一杯の誠意を見せ挨拶した。

すると…

 

「あなたが月さんですかい」

 

「ですかいですかい」

 

「旦那様からお話は伺っています。どうぞお入りください

。遠方よりお疲れ様でした」

 

見た目の強面とは真逆のとても紳士的で、丁寧な対応だった。人を見かけで判断してしまい、月は自分自身がとても恥ずかしくなってきた。

 

使用人さんに屋敷内の自分の部屋や、必要最低限生活に必要な場所を案内していただき、最後にこの家の主である、天々座家の当主の部屋の前にやってきた。

 

「この部屋で旦那様がお待ちです、私はこれで失礼いたします」

 

丁寧に案内してもらい、立ち去り方も完璧だった

 

「人を見かけで判断してはいけないな。いい勉強になった…」

 

心からそう誓い、月は部屋のドアを4度ノックした。

 

「誰だ?」

 

「今日からお世話になる相武月です」

 

「そうか…入れ」

 

自分の父親と同い年くらいと伺っていたが、中から聞こえた声はかなり若く聞こえた。

 

「失礼します」

 

中に入ると社長が使いそうな大きな机と長椅子に、黒髪の癖毛に口回りに薄いヒゲ、左目に黒い眼帯を付けた男性が座っていた。

 

「お前が月か…」

 

~~~月の心の声~~~

 

第一印象は将軍だ!ウチの父親が逆らう者は許さない皇帝のような人だとするなら、この人は逆らう者は○してしまえというような、圧倒的圧力を持つ将軍に思えた。

 

~~~~~~~~~~~

 

「相武 月です!今日からお世話になります!」

 

黙っていると更に怖いので失礼の無いように挨拶をした。

 

「固くならなくていい。ここを実家だと思ってくれていいし、俺のことは父親のように思ってくれると嬉しい。呼び名は…そうだなぁ…親父と呼んでくれ。何か困ったことがあったらいつでも言ってくれ」

 

見た目とは裏腹に懐が深い方のようで、月は少しホッとした。

 

(ちょっと待て…さっき人を見かけで判断しないって決めたばかりじゃないか……)

 

などと頭の中で自問自答していると

 

「もう少し近くに来い。顔をよく見せてくれ」

 

そう言われ、月はさっきより少し前に出た。しばらく俺の顔を観察した後、親父さんは懐かしそうな顔をした。

 

「顔は美咲に似て容姿端麗だな」

 

美咲とは月の母の名前である。

 

「母をご存知なんですか!?」

 

不意に出た母親の名前に月は動揺を隠せなかった。

 

「あぁ、お前のことも覚えてる。最後に会ったのは美咲の葬式だから……10年前になるのか…」

 

月の母親である美咲は10年前に病気で他界している。美しく優しかった母親が月は大好きだった。

 

「そうですか……。母とご面識はあったんですか?」

 

家族以外に母親を知っている人に出会ったのは初めてだったので、少し嬉しくなって月は親父さんに質問をしてみた。

すると予想外な答えが返ってきた。

 

「知ってるというか………」

 

少し恥ずかしそうに顔を染めたあと

 

「美咲は俺の初恋の相手だからな!!」

 

照れながら屈託の無い笑顔で返してきた。

 

「………えぇーーーーー!!」

 

室内に月の声が響いた。

 

「まぁ、昔話はいずれするとして、今日は疲れたろ?晩飯まで部屋で休んだらいい」

 

続きが気になるが、初対面の人にそこまで追従することができず、月は諦め部屋を後にすることにした。

 

「そういえば、ウチにはリゼという可愛い娘がいる。歳は月の一つ上だ、仲良くしてやってくれ。嫁に欲しくなったら相談してくれ、前向きに検討しよう」

 

年頃の娘さんがいるという事をを月は初めて聞いた。

 

「そ、そ、そんな事聞いてませんよ!?俺みたいな男がいて不安にならないんですか!?」

 

「そりゃ言ってないから聞いてないだろう。それにアイツも年頃の男が近くにいれば多少は女の子らしくもなるだろう。あと面白そうだと思って二人には黙っておいた」

 

とドヤ顔をしながら親指をグッと立てている。

思っていたよりかなりフランクでお茶目な方なようだ。

 

「ハァ……では娘さんが帰宅されたら改めてご挨拶させていただきます。失礼します」

 

月は頭を下げ部屋を出ようとする、と親父さんから再度声をかけられた。

 

「俺からの入学祝いを部屋に置いてる。好きに使ってくれ」

 

「あ、ありがとうございます…失礼します…」

 

親父さんは嬉しそうに言ってきたのでよく分からなかったが、一応お礼を言って月は部屋を出た。

 

「美咲……お前の子がこの街に来るとはな…。お前に似ていい子みたいだなぁ……」

 

月が出た後の部屋に男の寂しい独り言が広がった。しかしそれを聞いている者は誰もいなかった。

 

月が自分の部屋と割付けられた部屋に入ると、自分の荷物の他に様々な家具と入学祝と書かれた大きな白い布で

覆われた物が置かれていた。

 

「これが入学祝いか……。大きなビックリ箱とかだったらどうしよう?」

 

と、不安になる反面ウキウキしながら布を剥ぎ取ると月は言葉を失った。

そこには一台のグランドピアノが置いてあった。

 

「こ、こ、こ、れはグランドピアノではないか…。し、し、し、しかも…ベーゼンドルファー のインペリアル…モデル290!!」

 

月は興奮のあまり気を失いかけた

 

「お、お父様☆」

 

月の目は¥のマークになっていた。この人には一生逆らえないと月は心に誓ったのだった。

 

 

 




リゼを今回で出す予定でしたが
思ったより長くなり次回持ち越しです( ・3・)

月が貰ったピアノは推定2500万です

私もリゼの親父さんに養って貰いたいです(笑)


ではまた次回お会いしましょう!!
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