ご注文はハーブティーですか??   作:テレサ二号

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どうもテレサ二号です!

今日は千夜ちゃんの誕生日ですね!
おめでとう!( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆

内容は関係無いです、ごめんなさい(笑)

最近四月は君の嘘を見てるんですが、創作意欲が刺激されて筆が走りました(  ̄▽ ̄)

青山先生の気持ちが分かってきた(*´∀`)♪

では本編です!!


23羽:大事な大事なシャッターチャンス

冬の終わりが近づき雪もほとんど溶けて無くなって来た2月の終わり、月は今日もフルールでのバイトに勤しんでいた。

 

「シャロ!3番テーブルの日替わりケーキとハーブティーのセット2つできたぞ!」

 

「ありがと!4番さん、ローズヒップとラベンダーをよろしく!あと付け合わせにハーブクッキーも!」

 

「分かった!!」

 

風邪もしっかり良くなったシャロと月を中心に、今日もフルールは忙しく営業していた。

ピークの時間帯を過ぎ客足が滞りだしたころ、月は店長に呼び出された。

 

「それで?ご用件は何でしょうか?」

 

「忙しい中スマナイね」

 

「いえ、過渡期は過ぎましたから。それを踏まえて俺を呼んだんでしょ?」

 

「流石だね♪では本題に移ろうか……。実は相武君に頼みたい事があってね?」

 

「頼みごとですか?」

 

月と店長の話し合いは一時間以上続くのだった。

 

 

 

 

「何を話してたの?」

 

店長との話し合いを終えた月にシャロは問いかけた。

 

「ひ・み・つ」

 

月は微笑みながらシャロにウインクすると仕事に戻った。

しばらく働いているとデジカメを持ったココアがフルールにやってきた。

 

「たのもー!!」

 

「いらっしゃいませお客様。当店ではそのようなサービスは行っておりませんので、どうぞお引き取りください」

 

「いきなり帰れ宣言!?」

 

「冗談だよ(笑)。いらっしゃいココア。今日はどんな用件があってここに来たんだ?」

 

「実はお姉ちゃんとお母さんに手紙を送るのにみんなの写真を添えたくて。月君とシャロちゃんが働いてる所を写真に撮ってもいいかな?」

 

「いいんじゃないか?店長には俺から言っとくよ」

 

「ありがとう♪早速シャロちゃんから撮らせて貰うね?」

 

ココアはデジカメを手にシャロのもとに向かった。

 

 

 

「…………お客様……。店員の写真撮影は止めてください!!」

 

「お姉ちゃん達、バニーガール喜ぶと思って♪」

 

「ウチはそういう店じゃないんだけど!!」

 

((店長の趣味が反映されてるからな、あながち間違いではないな……))

 

「でも……さっき撮ったシャロちゃん……。気品オーラが足りない気が……。ちょっとこれを持って座ってくれる?」

 

ココアはお店のマグカップをシャロに手渡した。

マグカップを受け取ったシャロは伊須に腰掛け、足を組み、右手にマグカップを持ち、左手で髪をかき上げる仕草をした。

 

「それでこそいつものシャロちゃんだよ!!」

 

((普段の私って…………))

 

ココアは満面の笑みでシャロを連写した。

 

「それじゃあ、次はライト君!!」

 

「俺!?」

 

「当たり前だよー!ライト君も私の友達なんだから!」

 

ココアはシャッターチャンスを今か今かと楽しみに待っている。

 

「そうだ!ライト君はいつも通りピアノを弾いてる所を撮りたいな♪」

 

「なるほど、それなら大歓迎だ」

 

月はピアノに向かうと鍵盤カバーを開き、演奏する準備を始めた。

 

「さて……何を弾きますか……。そういえばお姉さんに送る手紙って言ってたな」

 

月は演奏する曲を決め、ピアノを弾き始めた。

 

「♪~♪♪♪♪~♪♪」

 

月が弾き始めたのは、ベートーベンのヴァイオリンソナタ第5番、へ長調作品24「春(スプリングソナタ)」だ。

春を待つ人たちのように幸福感に満ちた明るい曲想がモチーフの作品だ。

ピアノを聴く人たちの心が寒い冬から目覚め、春の暖かさに心を踊らせるように、明るくリズミカルに美しく月は弾き上げていく。

 

「♪♪♪♪~♪~♪」

 

月が演奏を終えると店内に拍手が起こった。

月は会釈するとココアとシャロのもとに戻った。

 

「どうだった?」

 

「凄く綺麗で心が踊るような曲だった!今のは何て曲?」

 

「ベートーベンのバイオリンソナタの春だ」

 

「ピアノなのにバイオリンソナタ?」

 

「ピアノの伴奏でバイオリンを弾くんだよ。だからこれはバイオリンがいないからそこは俺が弾いてるんだけど、とても完成形とは言えないな」

 

「何でバイオリンの曲にしたの?」

 

「大切な思い出だからこの曲は……」

 

月は何か思う所があるように遠くを見た。

その視線をシャロは見逃さなかった。

月はたまに遠くを見る癖がある。その視線はまるでここではない何処かを想っているように感じられ、シャロの心はいつも寂しい気持ちになる。しかしシャロはそれを月には伝えていないのである。

 

その後、ココアはハーブティーと日替わりのケーキを注文し、ココアの悩みを月とシャロは聴くことにした。

 

「チノちゃんの笑顔が撮りたいの?」

 

「うん……。でも恥ずかしがって、そっぽ向いちゃって……」

 

「チノちゃんって割と笑ってくれるイメージあるけどな」

 

「それは月にはなついてるからでしょ?」

 

「お姉ちゃんの私よりなつかれてる!?」

 

「いや、ココアはココアだろ……」

 

「さりげなく撮ってみるのはどう?」

 

「私がカメラ持ってるだけで警戒しちゃって」

 

「無理矢理撮ろうとしたんでしょ?」

 

「もう懸賞金出すから撮ってきて~!!」

 

「「懸賞金!?」」

 

「でもお金の問題じゃなくて……」

 

「リゼちゃんの格好いい写真とライト君の可愛い写真付けるから!!」

 

「惑わされないんだからー!!」

 

「ココア……俺の可愛い写真なんていつ撮ったんだ?」

 

月のツッコミにココアは答えなかった。

 

翌日、ココアと千夜の活躍によりチノの笑顔の写真が撮れたとメールで報告があり月は胸を撫で下ろした。

しかしその写真は笑顔ではなく小笑だとリゼから聞いた月は苦笑いを浮かべるのだった。

 

 

更に翌日、甘兎庵が石畳ウォーカーという雑誌に載ったというのでそれをみんなで見ようとラビットハウスに集合していた。

 

「みんな、心の準備はいい?行くよみんな!!」

 

「OKよ!!」

 

ココアが雑誌を開くと半ページ分に甘兎庵の記事が載っていた。そしてその中には仕事着の千夜の写真も載っていた。

 

「「おぉ~!!」」

 

リゼと月は驚きの声を上げた。

 

「甘兎庵が雑誌で紹介されてる!!」

 

「千夜さん素敵です♪」

 

「すごーい♪こんなに大きな特集記事なんだね♪」

 

「何もわざわざここで読まなくても」

 

「1人だと緊張で怖くて」

 

「分かる!!私も一人で通知表見るのが怖くて」

 

「二学期のだろ?早く見ろよ!てゆうか学校に返せ!」

 

リゼのツッコミが炸裂した。

その後もみんなで雑誌に目を通している。

 

「でも甘兎庵の記事小さくないか?」

 

「ううん、いいの。お店を大きくする夢の第一歩だもの、小さくても嬉しい♪」

 

「こっちにフルール・ド・ラパンも載ってるよ?」

 

「え?いつの間に……」

 

そこには一ページ分の大きさにフルールの記事が載っていた。

そこには店の外観、ケーキセット、笑顔で接客するシャロの写真が載っていた。

 

「あぁ、この前来てた取材ってこの雑誌だったのか……。店長と俺がインタビューを受けて、看板娘さんの写真が欲しいって言うから、シャロの写真渡しておいたんだ♪」

 

「勝手に渡さないでよ!!」

 

「みんなに誰が看板娘か確認したけど、満場一致でシャロだったぞ?」

 

「うるさい!うるさい!///」

 

「ウチの記事より大きく載ってるわ!!」

 

「今、小さくても嬉しいって……」

 

千夜は甘兎庵より大きいフルールの記事にショックを受けていた。

更にページをめくると、フルールの記事として月のインタビューの記事が二ページにわたって記載されていた。

 

「イケメンピアニストに緊急独占取材、ピアノを聴きながら優雅なティータイムと空間をご提供?」

 

「取材に来てた方がコンクールでの俺を見てくれてたみたいで、是非記事にさせて欲しいと依頼を受けてね。店長から臨時ボーナス支給という条件付きで取材を受けたんだ。流石にイケメンピアニストは言い過ぎだけどな(笑)」

 

「月君の記事だけでウチの四倍……」

 

月の記事の大きさに千夜は更にショックを受けた。

 

「ラビットハウスには取材来てもらえてません……」

 

「周りのお店は載っとるのにのぅ……」

 

「いつかきっと来るよ♪それよりも今いるお客様の為に、真心を込めてコーヒーを淹れなきゃ♪」

 

「ココアのそういう明るくてポジティブな所、俺は好きだぞ」

 

「え?//」

 

思わず口から出た月の言葉にココアは一瞬で顔を真っ赤にした。

 

「な、何言ってるのよ月!!」

 

「え?普通に思ってることを言っただけだぞ?」

 

「そういうのは思ってても口には出さないものだ!」

 

「月君ったら天然のジゴロさんね♪」

 

「と、友達としてだよね?//」

 

そんな話をしているとお店に青山が入ってきた。

 

「人が少ない所は落ち着きます~♪」

 

「「救世主だ!!」」

 

青山が現れたことで話をそっちに振れると思い、ココアと月は安堵した。

 

「この雑誌、私のグルメリポートも載ってるんです♪」

 

青山は自分の記事を開くとココアに渡した。

 

「そんなお仕事もしてたの?あ!良く見たらリゼちゃんのスナップ写真も♪」

 

次のページには私服姿のリゼが写っていた。

どうやら一般人の私服特集のようだ。

 

「素敵です先輩♪」

 

「そういえばこの前買い物してるときに撮られたんだった//。ん?このパン屋さんって」

 

「これって私の実家のお店だよ~!」

 

「そんなとこまで取材を?てゆうかパン美味しそう……」

 

「確かにパン美味しそうだな。しかものどかで綺麗な場所にあるんだな」

 

写真のパンに思わず月とシャロは唾を飲み込んだ。

 

「素敵そうな場所にあるのね♪」

 

「いい雰囲気です」

 

「そ、そうかな?♪」

 

その時、数滴の涙が紙面を濡らした。

 

「何かティッピーが凄い悔しい顔してる!!」

 

思わずココアは突っ込んだ。

そしてシャロは物欲しそうに雑誌を眺めていた。

 

((月と先輩が載ってる本……欲しい。でも今月もお金が……))

 

「切り抜いて上げましょうか?」

 

「いいの?」

 

「シャロちゃんの為だもん♪」

 

千夜は月とリゼが載っているページをハサミで切り抜いた。

 

「はい、シャロちゃん♪」

 

「ありがとう~」

 

「シャロ~♪何を切り抜いて貰ったんだ?」

 

シャロは慌てて紙面を隠した。

 

「あの……//。これはその……//。ずっと憧れていて!!」

 

「そうだったのか!?」

 

その紙面には、

筋肉執事喫茶

仕えようーーー

汗を流しながら

と書かれていた。

 

「まぁ……人の趣味は人それぞれだからな……」

 

「え?これは違います!!」

 

「あはははは!!」

 

二人のやり取りを見ていた月はお腹を抱えて笑い出した。

一方のチノは一人蚊帳の外と言った感じで寂しい表情を浮かべていた。

 

「暇です……」

 

 

 

「チノちゃん、ラビットハウスが取材されなくて落ち込んでるのかしら?」

 

「チノちゃん……。私に任せて!!」

 

ココアがいそいそ何かの準備を始めた。

 

「チーノちゃん♪これ見てごらん!!三姉妹喫茶だよ?」

 

((どう反応したら!?))

 

雑誌の切り抜きの後のページにココアが描いたリゼ、チノ、ココアの三人のイラストと三姉妹きっさと書かれた紙が貼りつけられていた。

イラストはかなり特徴を掴んでいて上手く描けているが、喫茶という字が分からなかったのであろう平仮名になっている。

 

「お、中々上手く描けてるじゃないか凄いぞココア」

 

「えへへ~♪」

 

月はココアの頭を撫でた。

 

「ライト君の絵も見てみたいな?」

 

「止めておいた方がいい。月は絵心が無いどころか理解ができない……」

 

「リゼちゃん!それは酷いよー!」

 

「いや、リゼのいう通りだ……。俺は音楽に力を注ぐあまり、美術の才能を捨ててしまったらしい……」

 

「???」

 

この言葉の意味を理解するのはまた別のお話で。

その時、月の背後で大きな音がした。

音の先からは壊れたイスとお尻を擦る青山がいた。

 

「青山さん!?」

 

「大丈夫ですか!?」

 

「いいイスですね。お店の歴史を体で感じました。まさか!!これはマスターのお叱りの意思!?仕事しないから!?」

 

「頭打ったのか!?」

 

「こんなオンボロなお店じゃ取材が来ないのも納得です……」

 

「そんなこと無いわよ♪」

 

チノを諭すようにシャロが話始めた。

 

「このテーブルのキズ1つにもお客さんとの思い出が詰まってるのよ」

 

「それココアさんが付けたやつです」

 

「このカップだってたくさんコーヒーを注がれて……」

 

「それココアさんが割ったので新調したやつです」

 

「ココアぁぁぁぁ!!」

 

「なんで怒られてるの?」

 

チノを慰めることに失敗したシャロはココアの背中をポカポカと叩くのだった。

 

「年期が入っているというのは思い出が入ってるってことよ?」

 

「年期ですか?」

 

「こうやると刻まれた思い出をお店自身が教えてくれるわ♪」

 

そういうと千夜は壁に耳を当てた。

 

「うわぁ//ロマンチック//」

 

千夜の言葉にココアはうっとりしている。

千夜に促されるまま、チノは机に耳を当てた。

 

「…………第一章ラビットハウス誕生」

 

「千夜……さっきまでのムードが台無しだ……」

 

千夜のボケに月達は言葉を失った。

その時、救世主のようにラビットハウスの電話が鳴った。

 

「お客さんからかも!また来るって言ってくれてたしさ♪」

 

リゼは笑みを浮かべると電話対応に向かった。

 

「ほら♪リピーターさんはちゃんといるよ♪」

 

ココアはチノの頭を撫でながら諭すように語りかけた。

 

「バカ野郎!!来るんじゃない!!」

 

リゼは大声を出すと勢い良く電話を切った。

 

「リゼ!?何事だ!?」

 

「親父の部下達がお客さんがいないなら自分達が行くって……」

 

「何でウチの状況知られてるんですか……」

 

天々座家のリサーチ力にリゼ達は言葉を失うのであった。

 

 

 

翌日、ラビットハウスのバータイムでのアルバイトをしているとタカヒロから声を掛けられた。

 

「実は今度雑誌のインタビューを受けることになってね」

 

「ラビットハウスがですか?チノちゃん喜ぶでしょう。良かったです」

 

「カフェタイムのインタビューはココア君に任せようと思うんだが、バータイムの取材の時は一緒に取材を受けてくれないかな?」

 

「いえ、そんな滅相もない!俺は隔日勤務のアルバイトですから。タカヒロさんあってのラビットハウスです、俺が出る幕じゃありません」

 

「カフェタイムは三姉妹で行くようだけど、ラビットハウスで働く仲間の月君が出てくれないのは私も寂しい。月君が出ないのであれば今回の件はお断りしよう」

 

「………………タカヒロさん、俺の逃げ道塞ぐの上手くなりましたね」

 

「もうすぐ一年の付き合いだからね。無理矢理は気がひけるから快く引き受けてくれると嬉しい」

 

「分かりました。ただし主役はタカヒロさんですよ?俺は引き立て役です」

 

「凄く豪華な引き立て役だね(笑)。ありがとう」

 

月はタカヒロとのバイトもフルールと同様にやり易いと思っていた。

そんな自分の居場所をしっかりアピールできるように頑張ろうと心に誓うのだった。

 

 

翌日、ラビットハウスのインタビューが載ってある雑誌がいよいよ販売され先日同様にラビットハウスに集合して雑誌を見ることにした。

 

「行くよ!みんな!」

 

「あぁ!!」

 

「ヨシ、いつでもいいぞ!」

 

「OKよ!!」

 

「焦らさないでよ~」

 

「「「せーの!!」」」

 

雑誌にはラビットハウスの記事が二ページに渡って掲載されていた。

写真はリゼ、チノ、ココアの三姉妹の写真を見出しに、タカヒロがシェイカーを振る写真と月が付け合わせの料理を作っている写真が載っていた。

内容はラビットハウスの歴史と今のお店について語られていた。

 

「チノちゃんのおじいちゃんの事が語られてるわ♪」

 

「苦労してこの喫茶店建てたのね」

 

「チノちゃんのお父さんの写真も!」

 

「バータイムの記事デカイな!って三姉妹って言ったの誰だ!!」

 

「えっへっへ~♪」

 

ココアが嬉しそうに微笑むチノを見つけ、カメラのシャッターを切った。

 

「な、なにをするんですか//。ホントしょうがないココアさんです」

 

チノはココアに見えない角度で小さく微笑んだ。

その時、月とチノの目が合い月はウインクをした。

二人は何だかおかしくなって笑い合うのであった。

 

 




いかがですか?

書いてたらチノ派に目覚めそうです(*´-`)
ココアも明るくてあの笑顔も堪らんですなー(  ̄▽ ̄)

ハーレムルートに戻そうかな?←おい

今後の構成をどうするか凄く悩んでおります(;´_ゝ`)
次回はそこまで遅くはならないと思いますが、しばらくは更新が遅くなるかもしれません。

テレサ二号の今後にこうご期待!!


ではまた次回!!ほなっ!(^^)ノシ

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