ご注文はハーブティーですか??   作:テレサ二号

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どうも、テレサ2号です!

ギアスの映画観て来ました!!
ユフィの死ぬシーンはやはり何度観ても涙無しでは観られませんね……

最終作が楽しみです!

いつも後輩と聖天八極式とアルビオンは、どっちがいいかで盛り上がってます!
俺はアルビオンの方が好きだけど、聖天八極式のが人気なんだろうな……
皆さんはどうですか?

では、本編です!!今回は少し長めですので、何か飲み物でも飲みながらお読みください!!




5羽:小麦の香り、ハーブの香り、何の香り?

「今度の休みに看板メニューの開発しない?」

 

ココアの提案に皆が賛同し、週末の土曜日にラビットハウスに集まることになった。

月はというとせっかくのフルールでのバイトの休みなので夕方までピアノを弾いていたかったが、ココアからの挑戦状を受け仕方なく参加するとこになった。

 

 

~~~回想~~~

「ライト君!!どっちがチノちゃんのお姉ちゃんに相応しいか、パン作りで勝負だよ!!」

 

「いや、俺パンなんて作ったこと無いんだが?」

 

「ふっふっふー、雪辱を取り返す時が来たようだね!!」

 

「ココア……雪辱は晴らすものだぞ。」

 

「えへへ///みんなで楽しくパン作りしたいんだけど、ライト君は嫌かな?」

 

ココアの上目遣いに月は首を縦に振るしか無かった。

 

~~~回想終了~~~

 

(俺って女性の上目遣いに弱いよな?将来結婚したら尻に敷かれるタイプかも……)

 

「まぁ夕方からラビットハウスでバイトだし、ついでにパン作りだと思えばちょうどいいか。」

 

出かける為に服を着替えているとリゼが入って来た。

 

「おーい、そろそろ行くぞーって、お前なんて格好してるんだ!!//」

 

月はシャツを着るために上半身裸の状態だった為、それを見たリゼは激しく動揺している。

 

「この変態!!早く服を着ろ//」

 

「ちょっ!!勝手に入って来たのはリゼだろって、ぐはっ!!」

 

リゼの投げたカバンが月の顔面に直撃し、月は意識を手放した。

月が目を覚ましたのは30分後だった。

 

ラビットハウスに向かう道中。

 

「その……えっと……さっきはごめんなさい……」

 

「今後は部屋に入る時は必ずノックをお願いしますね、リゼ先輩。毎回カバンを投げつけられても困りますので」

 

「はい、承りました……」

 

珍しく怒っているのか、敬語で話す月にリゼはただただ頭を下げるしか無かった。

 

「「こんにちわー!!」」

 

「いらっしゃーい、今日はヨロシクね!二人とも!!」

 

「こんにちわ、リゼさん、月さん、今日はよろしくお願いします。」

 

挨拶を済ませると初対面の女の子がいることに気がついた月はココアに紹介するように促した。

 

「ココア、そちらの方は?」

 

「私の友達の千夜ちゃんだよ!」

 

「宇治松 千夜(うじまつ ちや)です、今日はヨロシクね」

 

(ココアとは真逆でおしとやかで落ち着いた感じの子だな)

 

「ライト君?今、失礼な事考えなかった?」

 

(いや、お前も心が読めんのかよ!?)

 

「こちら、チノちゃんにリゼちゃん、それとライト君」

 

「「「よろしく(です)!」」」

 

「あら?そちらのワンちゃん?」

 

「ワンちゃんじゃないです……」

 

「この子はただの毛玉じゃないよ!」

 

「まぁ、毛玉ちゃん?」

 

「もふもふ具合が格別なの♪」

 

「癒しのアイドルもふもふちゃんね!

 

ココアに撫でられるティッピーは満更でも無い感じでされるがままに撫でられている。

 

「月……アンゴラウサギって品種だって説明してやれよ……」

 

「あんなに楽しそうにしてる二人を見てたら、そんなことできないな 笑」

(前言撤回、やはりココアの友達だ。しかしティッピーのやつ、やはり怪しい……)

 

必要な材料を用意し、早速パン作りに取り掛かることにした。

 

「ココアがパン作れるって意外だったな。」

 

「えへへ。みんな、パン作りを舐めちゃいけないよ?少しのミスが完成度を左右する戦いなんだから!!」

 

ココアはとても燃えている。

 

「ココアが珍しく燃えている!!今日はお前に教官は任せた!!」

 

(あ、リゼにも変なスイッチ入った……)

 

「サー!イエッサー!」

 

「私も仲間にー!」

 

「暑苦しいです……」

 

「さっさと始めようぜ……」

 

ノリノリの3人とクールな2人というメンバー構成でパン作りを開始した。

それぞれ作りたいパン入れたい食材を提出し始めた。

 

「私は新規開拓に、焼きそばパンならぬ、焼きうどんパンを作るよ!」

 

「私は自家製の小豆と梅干しと海苔を持ってきたわ」

 

「冷蔵庫にイクラと鮭と納豆と胡麻昆布がありました」

 

(ちょっと待て、最後の2つおかしいよな!?チノちゃんまでボケに回らないでくれ!!)

 

「これって、パン作りだよな?私はイチゴジャムとマーマレードだ。」

 

(良かった!リゼはこっちに戻ってくれた!!)

 

「俺はハーブを使ったハーブパンを作りたかったから、ペパーミントとマリーゴールド、ローズを持ってきた」

 

それぞれ提出が終わると早速パン作りに取り掛かった。

 

「まずは強力粉とドライイーストを混ぜて♪」

 

「ドライイーストってパンをふっくらさせるんですよね?」

 

「よく知ってるね?偉い偉い♪乾燥した酵母菌なんだよ?」

 

「攻歩菌?そ、そんな危険な物を入れるならパサパサパンで我慢します!」

 

チノは青ざめ震えている。

 

(チノちゃん、一体何を想像してるんだろ?)

 

ドライイーストを加えた後、ココアは慣れた手つきで生地を捏ね始めた。

皆もそれを真似てパンを捏ね始めた。

 

「パンを捏ねるのって凄く体力がいるんですね」

 

「腕がもう動かない……」

 

千夜は少し辛そうにしている。

 

「リゼさんは平気ですよね?」

 

「何故決めつけた?」

 

(何故ってそりゃ、馬鹿体力&馬鹿力だからな)

 

「ほう……」

 

「あ……すいません。黙って生地を捏ねてます」

 

「千夜ちゃん大丈夫?手伝おうか?

 

「ううん。大丈夫よ。」

(ここでココアちゃんの手間を取らせる訳にはいかないもの)

「ここで折れたら武士の恥ぜよ!息絶える訳にはいかんきん!」

 

「生地を作りの夜明けは近いぜよ!!」

 

「「グっ!!(`・∀・)b d(・∀・`)」」

 

「お前らどーした!?」

 

千夜の突然の武士宣言に月が乗っかり、驚いたリゼが突っ込んだ。

どうやら月と千夜も意気投合してきたようだ。

 

「一時間程寝かせまーす♪」

 

生地が捏ね終わったので発酵を促す為に生地を寝かせる。

その間それぞれ好きな事をすることにした。

 

「月さん、父が呼んでいます」

 

「ん?あぁ、了解。ティッピーを借りて行ってもいいかな?」

 

「構いませんよ?どうぞ。」

 

ティッピーを受け取り、部屋を出てタカヒロの部屋に月は向かった。その途中。

 

「ヨシ、こちょこちょこちょ♪」

 

月は慣れた手つきでティッピーをくすぐり始めた。

しばらくするとティッピーの体が震えだし、遂に声を荒げた。

 

「も、もう限界じゃ!止めろ小僧!」

 

「やっぱりチノちゃんの腹話術じゃなかったのか、声のキーがチノちゃんの出せるキーじゃなかったからな。ピアニストの耳を舐めるな!!」

 

月が威張っていると、ティッピーも観念した様子で全てを語り始めた。

ティッピーの中に亡くなったチノのお祖父さんの魂が入っていること、原因が全く分からないこと、それを知っているのはタカヒロとチノだけだということ。

 

「頼む……誰にも言わないでくれ!!」

 

「口外すれば、チノちゃんやタカヒロさんが困るんだろ?だったらそんな事しないよ」

 

「スマンな……」

 

ティッピーと固い約束をした後、ティッピーと共にタカヒロの部屋を訪れ、室内に入った。

 

「来てもらってすまないね。月君に見せたい物があってね」

 

そういうとタカヒロはラビットハウスの思い出と書かれたアルバムを取り出した。

 

「この中に美咲君がこの店でバイトしていた時の写真が入っている、良かったら一緒に見ないかい?」

 

「はい!喜んで!!」

 

タカヒロが優しく問いかけると、月は笑顔でそれを了承した。

 

「ん?何でこの小僧に、あの小娘の写真を見せてやるんじゃ?」

 

「親父!月君の前で勝手に喋るなよ!」

 

「ティッピーの中身がチノちゃんのお祖父さんだって、俺知ってるので大丈夫です。もちろん口外はしません!!」

 

「そうか、知っていたんだね。驚いたろう?すまなかったね」

 

「それで?小僧と小娘に何か関係があるのか?」

 

「あぁ、月君は美咲君の息子なんだ」

 

「なに!?確かに言われてみれば面影があるのう……」

 

「男だからそこまで似てませんよ 笑。俺より姉の方が母さんによく似てるって言われてます。それより早く見ましょう!」

 

テーブルにアルバムを開くと月を中心に、タカヒロとティッピーがアルバムを覗いている。

そこにはオレンジ色の瞳に同色の様な茶髪のロングヘアーを途中でシュシュで結んでいる女性が写っていた。

間違いなく月の母親、美咲だった。

 

「へぇ、母さん若いですね。俺は結婚した後の写真しか見たこと無かったから、同い年くらいの母さんって新鮮です」

 

「この頃は客が全く来なくてね、美咲君が働き始めてから彼女目当ての客も増え出してね。もっとも、この街に彼女のハートを射止める男はいなかったがね」

 

「懐かしいのぅ……しっかり者で笑顔が可愛くてのぅ、そのくせコーヒーが好きで、バイトの合間にコーヒーを飲ませてくれって何度もせがまれてのぅ……」

 

「親父は美咲君には甘かったから、何度もコーヒーを淹れてあげてたな」

 

「なんじゃと!?何回かだけじゃ!何回か!!」

 

月がアルバムを捲っているとタカヒロがコントラバスを弾いている写真が出てきた。

 

「タカヒロさんが弾いているのはコントラバスですか?」

 

「あぁ、昔ウチの経営が不振だった時にジャズのミニライブを始めてね。そのおかげで経営難を乗り越えることができたのさ。」

 

更にページを捲るとそこにはジャズ演奏をしている写真が貼られていた。真ん中には見知らぬ女性が写っていた。

 

「この女性は?どこかチノちゃんに似てますが。」

 

「私の妻だよ。妻がボーカル、私がコントラバス、リゼ君の父親がサックス、美咲君がキーボードの四人構成のジャズバンドだったんだ。」

 

「失礼ですが、奥さんは今どちらに……?」

 

「亡くなったよ。8年前に……。病気でね……」

 

そう告げるとタカヒロは少し寂しそうな表情をして、アルバムの写真を見つめた。

 

「すみません……話したくないことかもしれないのに無神経に聞いてしまって……」

 

「私も美咲君の事を聞かせて貰ったからおあいこさ」

 

「きっと私より、チノの方が辛かっただろう。あの子は幼いながらにワガママを言わなくなってね。喫茶店の手伝いも頑張ってくれて、将来は立派なバリスタになりたいと言ってくれている」

 

ティッピーは嬉しそうに頷いている。

 

(チノちゃんにも俺と同じように辛い過去があったんだな……)

 

「そう考えるとチノちゃんは偉いですね。しっかりしていて家業を継ぐために日々頑張ってますから。家業を継がずに、家を飛び出した俺とは大違いですね……」

 

「そんなことは無いさ、美咲君はウチでバイトしてる時から、自分の子どもには自分のやりたいことをやって欲しいっと言っていたよ。月君は母親の願いを叶えているから、立派な親孝行さ」

 

「それにチノには無理してバリスタになって欲しくないんだ。今のままバリスタになりたいと思っていてくれるなら嬉しいけど、もし新たにやりたいことや夢が見つかったなら私に遠慮せず、夢を追いかけて欲しいと思っている」

 

「なに!?そうなったらワシの店はどうするんじゃ!?」

 

「そうなったら、誰かに譲るか俺の代で店じまいだな」

 

「それは困る!!なんとかせい!!」

 

タカヒロを煽るようにティッピーはピョンピョンと跳ねている。

 

「そうだ、パン生地を寝かせている時間はまだあるかい?」

 

「はい、あと30分くらいありますね。」

 

「そうか、だったら頼みたいことがあるから先に喫茶店の方に行っててくれないかな?」

 

「分かりました。頼みたいことってなんですか?」

 

「秘密さ♪後のお楽しみだよ。じゃあ、先に行っておいてくれ」

 

タカヒロの提案に首を傾げながらも、月は喫茶店に向かった。

カウンターで座っていると間もなくして、キーボードを持ってタカヒロが現れた。

 

「これはウチに昔からあるキーボードでね。頼みたいことというのは月君の演奏を聴いてみたいんだ。リゼ君の父親から、月のピアノは素晴らしいっていつも聴かされていてね、一度聴いてみたかったんだ。」

 

「いいですよ、ただジャズの曲は知らなくて……何でもいいですか?」

 

「あぁ、構わないよ」

 

「では……」

 

月はしばし何を弾くか悩んだ後、指先を動かし始めた。

 

「♪~♪♪~♪♪♪」

 

「Over The Rainbowか。」

 

Over The Rainbowは、1939年のミュージカル映画『オズの魔法使い』でジュディ・ガーランドが歌った劇中歌である。

※オズの魔法使いが気になる方はWikipediaで調べてみてください。是非一度聴いてみてください!!

 

月がキーボードを弾いていると音につられて、リゼ、ココア、千夜、チノが喫茶店にやってきた。

 

「お、月弾いてるな♪」

 

「えぇ!?ライト君、ピアノ弾けるの!?」

 

「心が癒されるわ~♪」

 

「月さん、素敵です!流石です!尊敬します!」

 

月を見つめるチノの目は、キラキラと輝いている。

 

「わ、私だってラッパくらい吹けるんだからね!!」

 

「子供用のオモチャのラッパとか言うんじゃないだろうな?」

 

「えへへ♪」

 

どうやら図星のようだ。演奏が終わると店内に拍手が響き渡った。

 

「そ、そろそろ生地の発酵が終わるんじゃないか!?//」

 

皆に褒められ、珍しく月は照れているようで、月は無理矢理話を変えた。

 

「照れなくてもいいじゃないか、いつも通り綺麗な演奏だったぞ。」

 

「月さん、今度は私の為に弾いてください!」

 

すると生地の発酵の終了時間を知らせるブザーが鳴った。

好きな曲を演奏してもらえると思っていたチノは、少しだけ残念そうな顔をした。

するとリゼがチノに妥協案を提案した。

 

「今度ウチに遊びにくればいい。月のピアノ聴き放題だぞ?」

 

「いいんですか!?」

 

「あぁ、チノが遊びに来てくれたら私も嬉しいし。いいよな、月?」

 

「あぁ構わないよ。ただし部屋に入るときはノックを忘れずにね」

 

「???」

「なっ!//」

 

意味が分からないチノは首を傾げ、リゼは今朝の失態と月の上半身裸の姿を思いだし、顔を真っ赤にするのであった。

 

「ありがとう月君。このお礼はまた今度させてもらうよ」

 

そう月に告げるとタカヒロはキーボードを片付け、部屋に戻っていった。

 

「やっぱタカヒロさんって格好いいな」

 

「はい、自慢の父です」

 

「フン!!」

 

タカヒロだけを褒められて納得がいかないのか、ティッピーは拗ねていた。

 

「それじゃあ発酵も終わったし、生地を好きな形に成形していくよ!」

 

ココアの指示のもと、それぞれが思い思いの形に成形し始めた。

 

「チノちゃんはどんな形にしたの?」

 

「おじいちゃんです。小さい頃から遊んで貰っていたので」

 

「ポッ//」

 

「おじいちゃんっ子なのね~」

 

「コーヒーを淹れる姿はとても尊敬していました」

 

(ティッピー嬉しそうだな……)

 

千夜の質問にチノが答え、ティッピーは嬉しそうに顔を赤らめていた。

その足で生地をオーブンに入れた後、チノはとんでもない発言をした。

 

「では今からおじいちゃんを焼きます」

 

「おぉ!?」

 

「南無阿弥陀仏……」

 

「コラ小僧!お経を唱えるでない!」

 

オーブンでパンを焼いている間、チノは物珍しそうにオーブンの中を覗いている。

 

「チノちゃん、さっきからオーブンに張り付きっぱなしだねぇ」

 

「ジー……」

 

「そんなに楽しいか?」

 

チノの横からリゼも同じようにオーブンの中を覗きこんだ。

 

「どんどん大きくなってきてます。あ!おじいちゃんがココアさんと千夜さんに抜かれました!月さんは首位独走です!流石です!……リゼさんだけ出遅れてます、もっと頑張ってください」

 

「私に言うなよ……」

 

「ライト君!負けないよ!すぐに追い抜いて、私がチノちゃんのお姉ちゃんに相応しいって所を見せつけるんだから!!」

 

「パンの話じゃないのか!?」

 

そうこうしているうちにパンが焼き上がった。

 

((チノちゃんが作ったおじいちゃんパン……中々ホラーだな……))

 

「「「「「いただきまーす♪」」」」」

 

「美味しい♪」

 

「ふかふかです」

 

「流石焼きたてだなぁ」

 

「これなら看板メニューにできるね♪」

 

「この梅干しパン」

「この焼きうどんパン」

「この焦げたおじいちゃん」

 

((いや、焦げたおじいちゃんは子ども見たら泣くだろ……))

 

「どれも食欲をそそらないぞ……」

 

みんなの上がっているテンションとは裏腹にリゼの食欲は下がっているようだ。

 

「うん、ハーブパン上手くできてるな。」

 

「お、月のは普通に旨そうだな」

 

「ん、リゼも食べてみるか?ほれ、あーん♪」

 

月からの思わぬ提案にリゼの顔は真っ赤になっている。

 

「あん//」

 

「旨いか?」

 

「あぁ//」

 

「あらあら、リゼちゃんの顔、イチゴジャムみたいに真っ赤ね 笑」

 

「うるさーい!!」

 

「「??」」

 

何故リゼが焦っているのか分からない、月とチノなのであった。

 

「じゃーん♪ティッピーパン作ってみたんだ♪」

 

「まぁ可愛い♪」

 

「看板メニューはこれで決まりだな」

 

「食べてみましょう♪」

 

「モチモチしてる……」

 

「えへへ。美味しくできてるといいんだけど。」

 

ティッピーパンを各々が口に運ぶ。

パンの香ばしさとジャムの甘酸っぱさが口一杯に広がった。

 

「リゼちゃんが持ってきてくれたジャムだよ♪美味しいね♪」

 

「あぁ…………でも、エグいな……」

 

パンの隙間からジャムがはみ出し、ティッピーが血まみれのようになっていた。

 

「さてと……」

 

月が時計を確認すると、ラビットハウスでのバイト開始の時間まであと二時間くらいある。

 

「俺、このハーブパン渡したい人がいるから、夕方のラビットハウスのバイトまで抜けるわ」

 

「私は先に家に帰ってるな」

 

「月君、今日はありがとう♪」

 

「父のお手伝いよろしくお願いします」

 

「「「じゃーねー」」」

 

月はラビットハウスを後にし、目的の場所に向かった。目的地に向かう途中、スーパーマーケットに立ち寄り、必要な物を買い揃えた。

 

「ヨシ、着いた!」

 

月が向かっていたのはバイト先のフルール・ド・ラパンである。迷わず店内に入ると入り口にいた店員に声をかけた。

 

「こんにちわ!シャロいますか?」

 

「あら相武君!桐間さんなら今ちょうど上がった所で休憩室にいるわよ?」

 

「ありがとうございます!」

 

店員にお礼を告げると月は休憩室に向かった。

 

休憩室に着き、ドアをノックすると中から返事がしたので月は部屋の中に入った。

 

「あら、月じゃない。今日はバイト休みじゃなかった?」

 

「シャロ、バイトお疲れ様。今日パンを作ることになってさ、作ったパンをシャロにも分けてあげようと思って持ってきたんだ」

 

「ええ!?ホントに!?いいの!?」

 

「俺がシャロにあげたくて持ってきたんだから、いいに決まってるだろ。今、飲み物も合わせて準備するから、そのまま座っててくれ」

 

「はーい♪」

 

そう言われたシャロは嬉しそうに満面の笑みで待っていた。月は慣れた手つきでハーブパンに市販の生クリームを添え、ハーブティーを煎れた。

 

「お待たせいたしました、シフォンケーキ風ハーブパン・生クリーム添えと、ドリンクのハーブティーでございます♪」

 

「まるでフルールね♪」

 

「「ハハハ♪」」

 

「では、いただきます……うーん、美味しい!このハーブティーも美味しい♪」

 

「お口に合って良かったです。」

 

シャロは勢い良く、ハーブパンセットを完食した。

 

「ごちそうさま♪」

 

「ハーブティーはシャロの体調に合わせて、リラックス効果のあるやつにしてみたんだ」

 

「えへへ//ありがとライト♪大好き!!」

 

そういうとシャロは物凄い勢いで月に抱きついてきた。あまりの勢いに月は押し倒される形になった。 

 

「きゅ、急にどうしたんだシャロ!?」

(うわ、女の子の体って柔らかい//。しかも独特の甘い香りがして!!//)

 

「えへへ//。ライトっていい匂い//。それに男の子って感じで体は少し固いのね♪でも指先は女の子みたいに綺麗で長い//」

 

シャロは月の上半身を軽く撫でたのち、指を絡めるように月の手を握り、反対の腕で強く月を抱き締めた。

 

「し、シャロ!?そろそろ離れて!!」

 

「いーやーだー!それともライトは私のこと嫌い?」

 

シャロが自分の胸元から上目遣いで問いかけて来たため、月の顔はますます赤く染め上げられていく。

 

いつもとは明らかに違うシャロの行動に月は動揺を隠せない。

 

(まるで酔ってるみたいだな!?そうか!酔っているならこのまま寝かせてしまおう!!)

 

そう思い付いた月は、シャロの体を思い切り抱き寄せ、左手で頭を撫でながら、耳元で子守唄を歌い始めた

 

「ねむれよい子よ ~♪庭や牧場に~♪」

 

月が選んだ曲は、モーツァルトの子守唄である。

何故有名な江戸子守唄では無いのかは、彼にしか分からない所ではあるが、効果があったようでシャロは少しずつウトウトし始めた。

すると、すかさず月はシャロの腕からするりと抜け、シャロの頭を自分の太ももの上に置き、頭を撫でるのを止めずに子守唄を歌い続けた。

 

しばらくするとシャロは寝息を立て始め、完全に寝てしまった。

 

「ヨシ、これで!」

 

非力な月はやっとの思いで、シャロをテーブルに座らせ、自分の着ていたジャケットをシャロの背中にかけた。

 

「シャロってハーブティーで酔うんだな……。以後、気をつけないと……でも、あれだけ酔ってて、これだけぐっすり寝てるなら、きっと覚えて無いだろう。今回の事は俺の胸の内に秘めておこう……」

 

月はさっきまでの、シャロの匂いや柔らかさを思いだし、再び顔を真っ赤にさせるのだった。

 

「ヤバい、もうこんな時間!ラビットハウスに戻らなきゃ!」

 

月は慌ててフルールを飛び出し、ラビットハウスに走って向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~1時間後~~~

「私ってば、何てことをー!!//」

 

目を覚ましたシャロは、月とのやり取りを思いだし顔を真っ赤にしていた。

月は覚えていないだろうと思っていたが、シャロにはしっかり記憶が残っていた。

 

(私、あんなに強く抱き締められた事ない……どうしよう……思い出したらドキドキが収まらない!!)

 

「月の匂いがする……何でこの匂いにこんなにドキドキするのかしら?」

 

背中にかけられた月のジャケットから月の匂いがした。

シャロはしばらくテーブルから離れる事ができなかった。

 

 




いかがでしょうか?

少しずつ月とシャロに進展ありますね♪
しかしリゼのヒロイン感も中々やります(笑)

もしかしたら、話の流れ次第ではヒロイン交代もあるかもwww
もしくは別のヒロインが!?

今後の話に期待ください!

注意書ですが、ハーブティーは一部例外を除き、基本的にはカフェインレスです。
なのでカフェインが心配な方は安心して飲まれてください(^^)

感想もお待ちしてます!

できれば優しいお言葉をかけていただけると、励みになります(笑)


でわ、また次回。
ほなっ!!ノシ
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