オーバーロード・ユグドラシル~今日ものんびりぷれい~   作:ジル青髭

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じわじわ来る程ヒート!

 ばんぶぅは仕事から帰ってくると早速ユグドラシルにログインした。

 直ぐにヘイヘイムが近づいてきて合流する。

 

「それで行ってみるのか?」

 

 合流するなりヘイヘイムはそう聞いてきた。これは会社で予め昨日の出来事を話したからだ。

 

「うーん…まさか同じ事をしようとしている人が他にも居たなんてなぁ」

「ギルド名が分かればそれなりに調べられたんだけどなぁ」

「聞いてないや…そういえばヘイヘイムもギルドには入ってるんだっけ?」

「ん?ああ、入ってるよ。と言っても弱小の部類だと思うけどね。弱くもないと思うけど」

 

 ヘイヘイムは笑いながらそういった。

 ユグドラシルには数多のギルドが存在する。ギルドの下位互換であるクランもあるので総数はかなりの数だ。クランを除いてもまだ多いと言う。

 

「どんなギルドなんだ?参考までに教えてくれよ」

「簡単なことならいいぞ、なにせギルドの情報はそれだけで価値が付くからな」

「おけ」

「えっと、名前は落葉の騎士団って言って文字通り騎士職についている奴が入ってるギルドだ今んところ人数は36人のギルドだな」

「それだけ?」

「ばっ、お前このゲームで情報漏洩はマジでまずいんだって!もし俺がお前にギルドのあれやこれを話してそれが他者にバレてギルドが攻撃されたら俺は他のメンバーからどんな仕打ちを受けるか…」

 

 身震いするヘイヘイムを見ると相当ヤバイらしい。

 

「なるほど、勉強になったよ」

「ああ、だからギルドってのは簡単に入脱退ができるものじゃない。よっぽど信頼の置ける人物か、もうユグドラシルを引退するか、もしくは喧嘩して出てくぐらいだな」

「おっかないなぁ」

「そういう訳でそこんところの判断はお前次第ってこと」

「うーん…」

 

 腕を組んで考えるばんぶぅ。

 どうしたものか、正直な心境は行ってみたい、だ。

 あの様子だと結構頻繁にギルド勧誘をしていると思う。

 しかしオートマトンも少ないと思う。現に自分以外のオートマトンは然程見かけない。

 …いや、考えるのはよそう、せめてもう少しレベルが上がってから。そう、グレーターオートマトンのレベルが上限いっぱいになるまでに決めることにしよう。

 ばんぶぅはそのことをヘイヘイムに伝える。ヘイヘイムは「わかった」とだけ言い次なるフィールドへ案内した。

 

「…熱い…って!?HPが徐々に減ってってるんですけどヘイヘイムさん!?」

「そりゃここはムスペルヘイムだからね。奥に行けば行くほどフィールドエフェクト的に炎系のダメージがちょっとずつ来るんだよ。因みに俺はそこら辺の対策はバッチリさ。ちゃんとムスペルヘイム用の装備に変えてるからね」

 

 その割には見た目の装備に変わったところは無かった。

 きっと外装は全て統一されているのだろう。

 

「ってそんな自慢気に言われても困るんだけど!?俺オートマトンだから炎に弱いんだよ!」

「え、そうなんだ。じゃあちょっと待ってね」

 

 そう言うとヘイヘイムはメニューをいじり始める。

 オートマトンは機械である故に種族的弱点として〈炎攻撃脆弱〉がある。ばんぶぅが持っているのはこれのⅡ、今後オートマトン系を上げる毎に更にⅢ、Ⅳと上がっていくことが予想される。

 更に追い打ちを掛けるかのように〈オーバーヒート〉なるものが存在した。

 これはある一定の炎攻撃や長時間の戦闘を続けると発動するようで発動するとその場から動けなくなるただの的と化す。

 それがあるからファイターのクラスは正直捨てたいのだ。

 いや、捨てるならまだ間に合うか?習得の都合上最初にグレーターオートマトンが消えるがそれでも次に消えるのはファイターだ。

 ならば消したほうが良いのでは?

 と、気が付くとヘイヘイムの顔が間近にあった。

 

「わっ!」

「あ、気がついたか」

「腕組んだままフリーズでもしたのかと思ったよ」

「ははは、近いようで遠いな」

「はい、これ」

 

 ヘイヘイムがこちらに何かを手渡した。それは指輪だった。

 

「それを右か左に装備して」

 

 言われるがままにばんぶぅは装備した。とりあえずは右手人差し指だ。

 すると先程までの熱さが嘘のように無くなった。

 

「それは俺が作った指輪で上位の炎攻撃に対する耐性を得られる指輪さ、レベルにして50程度の最上級クラスの微妙な装備だけどね。今のばんぶぅには丁度いいでしょ?」

「確かに俺からしたらかなりいい装備だな。100レベルのお前がそんな装備を持ってるのも意外だけど」

「いやいや、それがそうでも無いよ。みんな結構こんなもんだって。廃課金者は知らないけど俺みたいな微課金者はどれもこんな感じだと思うよ」

「課金かぁ」

 

 ばんぶぅはとりあえずだが外装をいじれるクリエイトツールだけは買っておいた。

 まだ使ってない。

 

「あ、そうだ、俺一旦ファイター捨てるからさ手伝ってよ」

「あ、そうなんだ。別にいいけど次は何を取る予定なんだ?」

「ガンナーかな」

「だと思ったよ。けど残念ながら俺は銃の類は持ってないんだよね」

「一回買いに戻る?」

「いや、めんどくさいからお前が作れ。確かまだ金属とデータクリスタルが残ってたはずだし」

「データクリスタルなら昨日の戦闘でいくつか持ってるからいいよ。あんまり頼りすぎるのもアレだし」

「そうか?でも俺の持ってる金属は最低でも45レベルはあるからばんぶぅの持ってるデータクリスタルだけじゃ容量的にかなり余るぞ?それにデータクリスタルって言っても様々だから」

「いや、それでも俺の試作第一号だし」

「そこまで言うならしょうがないな、じゃあはいこれ」

 

 ヘイヘイムは45Lv金属をばんぶぅに一つ渡した。

 ばんぶぅは早速メニュー画面から武器作成を選び金属を武器に変える。選択する項目は銃だ。形状は最初ということもあってハンドガン。一応初期の形状があるようだがどうせなので外部から引っ張ってくることにした。

 こういうのは結構サイトにあるもので難なく外装データのサイトを見つけた。

 その中で無料のものを選ぶ。

 そうして完成した外装に持っているデータクリスタルを全部、総数にして6個だが入れた。

 

「できた」

「お、終わったか。完全にミリタリーだな」

 

 それは簡単に言うと錆び付いたハンドガンだった。

 そうした理由はそれが今の自分にはちょうどいいと思ったからだ。

 

「世界観はアレだけどね、持ってるデータクリスタルはスピード上昇とアタック上昇がそれぞれ3個、名前はBPHG001にしたよ」

「お、なんかそれっぽい」

「だろ?」

「じゃあ準備も整ったし早速レベル上げしますか」

「その前に頼むぜ」

「ああ、そうだったな」

 

 ばんぶぅはヘイヘイムとのパーティを解除する。

 そしてヘイヘイムに切り捨てられるのだった。

 因みにちゃんとガンナーは習得しました。ガンナーを習得した関係でしばらくグレーターオートマトンが取れないばんぶぅであった。




 現在のばんぶぅ・ぷらいむぅの簡単なステータス。
・種族レベル―自動人形(オートマトン) 15Lv
・職業レベル―ガンナー 1Lv
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