一人の男とガールズバンド達   作:AZAZEL

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あ、あれ?可笑しいな、ヤンデレ気味にする筈じゃ無かったのに
こんな筈じゃ無かったんだけどなぁ、可笑しいなぁ(稲淳風)

まあいいや、取り敢えず本編どうぞ


23話

偶然にも学校帰りの兄と出会った

 

「何してんだ優珠」

 

「…兄さん」

 

「あん?誰だテ……ゆ、幸貞さん!!チィーッス!!!」

 

「「「こんちわッス!!!」」」

 

突然のこと過ぎて私は唖然とした、それは同級生の女子達も同じだった

複数人いたガラの悪い男達が一斉に兄さんへ向かって頭を下げたのだ

 

「あ?…ああ、お前らか…人様の妹に何か用か?」

 

「え!?この子幸貞さんの妹さんだったんですか!こいつは失礼しました!!」

 

「声デケェよ、住宅街近いんだからあんまり大声出すな」

 

「はい!すいません!!」

 

完全に舎弟のような扱いになっているガラの悪い男…何故兄さんがこんな奴らと知り合いなのか不思議でたまらなかった

 

「ちょ、ちょっと!早くやっちゃいなさいよアンタ達!」

 

「いや無理、この人と喧嘩するとか地雷が大量に埋まった大地に走り出すのと変わりねぇ」

 

「はぁ!?約束が違うじゃんか!」

 

「だから金は要らねぇよ」

 

「そう言う問題じゃ…!」

 

「……成程、お前ら雇われたのか…いくら貰った?」

 

「一万やるからムカつく女を痛めつけてくれって、その後は好きにしていいって言われました」

 

「痛めつけるねぇ…良かったなお前ら、ウチの妹はお前らじゃ倒せないな」

 

「マジっすか!?流石は幸貞さんの妹さんッスね!」

 

最早これでは男達がどちらの味方なのか分からない、と言うか完全に手懐けられている

 

「まあ大方…嫉妬やら羨望、渇望を抱いてイライラしたから優珠に突っかかってんだろうな」

 

「う、煩い!ソイツが調子乗ってんのが癪に障るんだよ!」

 

「お前らは何を思ってこの下らない世界を生きてるんだ?他人を羨む為か?他人に嫉妬する為か?そんな生き方しか出来ないなら早々に今持ってる夢を捨てた方がいいな、まあ持ってるかすら怪しいけど」

 

「は、はぁ?何言ってんだアンタ?」

 

「才能ある者に嫉妬するのも羨むのも構わない、だが所詮それをする奴等ってのは決まって自分の限界を決めつけてる者達だ…『私はここ迄努力した、でもアイツは天才だから追いつかない』、こんなものは言い訳に過ぎない」

 

「ウチらは別に…」

 

「馬鹿を言え、相手に突っかかりちょっかいを出す時点で羨んでるも同然だ…羨むという事はそれを自分が持っていないから羨むんだ…ああそうだ、無能者ってのは何もしない奴のこと指す…出来なくともやる根気がある奴だけが才能を掴むんだ、よく覚えておけ……お前達は見ていて実に下らなく哀れで愚かだ」

 

「っ!……」

 

「…はぁ、じゃあ帰らせてもらうぞ」

 

兄さんは言いたい事だけ言うと、私の肩を叩いてから帰路に戻った…多分帰るぞって意味なんだと思うので兄さんの背中について行く

家までの帰り道、兄さんと私の間には沈黙が続いた……私か耐えきれなくなり兄さんへ話しかける

 

「に、兄さん…あの、さっきはありがとうございました」

 

「ん?ああ、気にすんな…唯の気紛れだ」

 

「……兄さんは、ああいう事は無かったんですか?」

 

「さぁね、あったのかもしれないし無かったのかもしれない…一々あんな下らない事の相手をしてやれる程俺は暇じゃないし優しくない」

 

「…やっぱり、兄さんは私の目標です」

 

「止めろよマジで洒落にならないから…本当にもう何で君はそうなっちゃったかなぁ」

 

でも私じゃ兄さんの様に自分の道だけを貫く事は恐らく出来ない、兄さん程肝が据わっていないから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兄さんに助けてもらった時、不意に疑問に思った…昔の兄さんはもっと表情が豊かだった気がするのだ

いやまあ昔から無表情で何を考えているか分からない人ではあったが、それでも昔の方がまだ感情が出ていた………筈だ

 

いやそうだ、そうに違いない

 

まあいい、その事が少し気になりアキ姉さんや華蓮姉さんに聞いてみる事にした

 

「あ、あ~…うーんとね、実の所私達も分からないんだよね」

 

「切っ掛けと言って良いのか分からないけど、ある日突然全ての習い事を辞めるって言った時からかしら」

 

「え?そうなんですか?」

 

「そうなんだよね~、理由は一切話してくれないし何があったかも話してくれなくて…」

 

「それまで嫌な顔一つせず文句すら言わなかったから流石に驚いたわ……私達に原因があるんじゃないかって、幸貞自身は強く否定していたけれど」

 

「あの時…幸貞は何も思ってなかったなぁ、怒りも悲しみも苦しみも……有るべき筈の負の感情が全く無かった、だから私にもどうしていいか分からなくて」

 

「……まあ一つ言える事としては、昔の幸貞はもう居ないって事ね」

 

「多分、なんだけどね…本当に推測でしかないけれど……あの時から幸貞の中で何かが壊れたんだと思う」

 

何故私は気付かなかったのか、気付けなかったのか…その自負の念が心の中で渦巻いてどうにかなりそうだった

 

私は、誰よりも兄さんの理解者でありたかった…誰よりも兄さんの考え方が好きだったのに……何故、なぜ何故ナゼ何故何故何故何故なぜなゼ何故ナぜナゼ何故!!!!!!!!!

 

…………失礼、少し取り乱しました

 

だから私は、もう兄さんが自分を…自分の心を壊さないで済むようにしなきゃいけない

二度と兄さんにそんな思いはさせない、だから私は……私は兄さんの為に思想を抱く

 

兄さんの思い描く思想の為に、私は私の思想を抱き続ける………全ては兄さんの為に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふぅ、よく寝たな…今何時だろう

アイマスクを外し時計を見る…5時か、結構寝たな

 

「おっはよ~幸貞」

 

「ようリサ、まだ居たのか」

 

「何よ~その言い方、可愛い幼馴染がまだ帰ってないんだから感謝しなさい」

 

「へえへえ感謝してますとも、そう言えば優珠はどうした?」

 

「お茶を入れに行ってるよ」

 

するとドアがガチャッと開き、お盆にコップを三つのせて入ってきた

 

「おはようございます兄さん、そろそろ起きる頃だと思ったので兄さんの分も入れてきました」

 

「お、おお…ありがとう」

 

何で分かんの?人の意識が覚醒するのって完全ランダムなんだけど、なんで特定出来てるんですかね

 

「……そろそろアイツらも帰ってくるか」

 

「はい、アキ姉さんと華蓮姉さんは五時半には帰ってくるそうです」

 

「そうか…どうだリサ、夕飯食ってくか?」

 

「え?いいの?」

 

「一人分増やすのにそこまで時間も掛からないし、時間も時間だろ」

 

「じゃあお言葉に甘えようかな~」

 

てな訳で今夜の夕食はリサと共に食べました………それ以外に特に無かったんだよ

 

翌日

 

暇だから羽沢珈琲店に行く事にした、そったら優珠もついて行きたいとの事なのでつぐみちゃんに紹介しておこうかな

 

「いらっしゃいませ~…あっ!幸貞さん!」

 

「お久し振り、つぐみちゃん」

 

「はじめまして、妹の優珠と言います」

 

「あっ、羽沢つぐみです…妹さんいらっしゃったんですね」

 

「まあ長期休暇中だから帰ってきてる感じかな」

 

「普段は何を?」

 

「父の元で手伝いや、最近では自ら売り込み等に行っています」

 

「えっ!?もう働いてるんですか!?」

 

待って、自ら売り込みに行ってるのは俺も初耳だぞ

親父の元で助手をやってるとしか聞いてないぞ

 

取り敢えず席に案内された

 

「兄がお世話になってます」

 

「いえいえ!こちらこそ助けてもらってばかりです!」

 

お前は俺の母親か、まあ確かにうちの母親はそう言った事は一切しないけどさ

 

「ああそうだ、前につぐみちゃんから誘ってもらった出掛けることだけどさ…流石に俺は遠慮しておくよ」

 

「そうですか~…残念です」

 

「ごめんね、でも女子高生五人の中に一人男が混ざるのもどうかと思ってね」

 

「そうですよね…また今度誘いますね!」

 

「ああ、宜しくね」

 

取り敢えず珈琲を注文した

 

「……いい人ですね、羽沢さん」

 

「ん?ああ、そうだな…と言うかスッゲェいい娘だよ」

 

「ふむ、兄さんがそこまで評価するとは…メモに加えておきましょう」

 

何かチラッと『兄さんが堕落した時の駆け込み口』とかいう題名の欄に羽沢つぐみと書き加えられていた

 

その他に今井と見えた、リサも入ってるのか…つーか心配しなくても俺は堕落しやしないからな

 

「お待たせしましたー!」

 

「お、イヴか」

 

「あ!ユキサダさん!この前はどうもありがとうござました!」

 

「ああ、そういやそんな事あったな…そうだ、タニからサイン頼まれてたんだが…えーっと……あった、この色紙に書いてやってくれないか?」

 

「その位お易い御用です!」

 

タニが泣いて喜ぶな、家宝とか言って崇めそうだけど…これ以上は怖いから想像しないでおこうか

 

「はじめまして、妹の優珠と申します」

 

「はじめまして!若宮イヴです!ユキサダさんには妹さんがいたんですね」

 

「ああ、まあな」

 

イヴも戻っていき、再び優珠と二人の時間がやって来た

 

「……今のってパステルパレットの方ですよね」

 

「何だ、知ってたのか」

 

「はい、ウチの会社でもファンの方は多いですから」

 

「はーん、そうなのか…パスパレもそこまで広がっているとは、恐れ入ったな」

 

「兄さん知り合いなんですか?」

 

「まあ、ウチの学校に二人程メンバーの方が居ますからねぇ」

 

「そうなんですか……それは是非会ってみたいですね」

 

おっと、多分これはまた『兄さんが堕落した(ry』の欄に追加出来る人材を探しに行く目だぞぉ

 

「ま、まあ…また何時かな」

 

「よろしくお願いします」

 

一番有力なのは女王様だけど……あの人だと飼い殺される未来しか見えないから断固としてお断りしたい

 

そんなのファンの方々に喜んで譲るよ

 

「そう言えば優珠、この休み中は家に居るのか?」

 

「はい、休みが終わればまた社宅の方に戻ります」

 

「そうか……お前にとって、人生ってなんだね」

 

「私にとっての人生は私の歩むべき道であり、私の思想を叶える為の道のりです…何と言われようと変える積もりはない道です」

 

「……はぁ、そうかい…べつに文句を言うつもりはねぇよ」

 

たとえ言ったところでこの娘が道を変えるとは思えない、それは俺自身がそうである様に優珠もそうだ

 

自身の性格が分かっているからこそ、一番俺の影響を受けている優珠の性格もよく分かる

 

だから、俺はもう何も言わない…俺の考え方に感化された時点で最早自分の人生では無い…せめて少しでも自分の納得いく道を歩んで欲しい、兄として




補足

妹ちゃんが何故こんなにも幸貞君に懐いてるかと言うと、簡単な話一番接している時間が長かったからです

さて、そろそろGW編(自称)も終わりに近づいているという事は、リアルのGWも終わりが迫っているという事……フザケヤガッテェェェ!!!!(シュワちゃん風)
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