予想以上と言うか普通にもっと少ないかと思ってましたので、登録をして下さった皆様ありがとうございます
では本編どうぞ
「じゃあご馳走様でした」
「ええ!?」
「まあ待ちなさいよ幸貞君」
速っ、いつの間に俺の近くへ…阿修羅閃空でも使ったのかね?
肩を掴まれ、そちらの方へ顔を向けると
「お久しぶりね、ゆ・き・さ・だ・君」
「こんにちは女王様、俺はモダ〇ン5でキルレ上げなきゃいけないから帰りますね」
「誰が女王様よ、まあ元より逃がすつもりはサラサラ無いけどね…貴方さっき彩ちゃんと手を繋いだでしょ?」
チッ、脅しに入りやがった…はぁ、こうなったら面倒臭いからなぁ
癪だが従うか
「はいはい、一緒に食べればいいんでしょ?」
「あら、話が早くて助かるわ」
仕方無いので嫌々ながらベンチへ腰掛ける…すると左に白鷺先輩、右に丸山先輩が座る
何この嬉しくない両手に花
「じゃあ食べましょう」
「そうだね、いっただっきまーす!」
「はぁ、何故この配置」
「何か言ったかしら?」
「イイエ、ナンデモ」
言うと碌でもない事になりそうなので黙っておくことにした
手持ちのサンドイッチを膝の上へ出しラップを広げ、口へ運ぶ
「それで、俺を呼んだってことは何か話すことがあるんでしょ?」
「私が単純に貴方と昼食を取りたいって選択肢は無いのかしら?」
「有り得ないですね、存在し無いですよそんなもの」
「…まあ理解が早くて楽だけど、イマイチ詰まらないわね」
「それで、本題は?」
「単刀直入に言うけど、私達のマネージャー…いいえ、お手伝いでもいいの…なる気はない?」
何度目だろうかね、このお誘い
残念ながら俺の答えはいつだって同じで変わることがない
「お断りします」
「……はぁ、だろうと思ったわ…ならこれだけ教えて頂戴」
「何ですか?答えられる範囲なら答えますよ」
「今の私達に足りない物って、何かしら?」
「足りない物ですか?」
「そう、初めて貴方に歌を聞いて貰った時に貴方が言った事よ…私達には何かが足りないって」
あー、そういやそんな事を言ったな
香澄経由で丸山先輩と仲が良くなって(一方的)、それでもってセンスある!とか香澄が豪語するもんだから聴いてくれって言われた時のか
「それで、何かしら?」
「んー、本当に足りない物を分かっていない…ってのが足りないんじゃないですかね?」
「それだと質問の反復なのだけれど?」
「いやだって考えてみて下さいよ、俺は貴女達じゃない…考えを聴くことが可能だとしても完全に理解することなんて到底不可能なんですから、本当に足りないものは自分しか分かりませんよ」
まあ、こんなの答えを出すという道を避けるための言い訳みたいなものだけどね
「でも口出しをしたのは貴方よ?」
「まあそれはそうですね、でも俺が答えを出したところでそれは俺の考えであって貴女達の考えじゃない…それじゃ意味が無いんじゃないんでしょうか?結局のところ自分を自分で何処まで理解出来るかって話ですから」
「……言いくるめるのが上手いわね、貴方」
「信念も誇りも捨てて身軽になった人間の考えってやつですよ」
「トコトン駄目人間なのね……まあいいわ、己は己で磨けってことね」
「まあそうゆう事ですよ、それで納得して下さい」
「仕方無いわね」
取り敢えずお昼を乗り越えることが出来た俺氏、一先ず安心できる
いやーあの女王様相手にどれだけ持ち堪えられるかと思ったが、案外上手くいったな
さぁて午後の授業頑張ってさっさと帰ろう
なんて事は出来ませんでした、なんでや…何がいけないんや……
「幸貞くーん!私達のセッション聞いてよ!」
「嫌だね、俺は早急に駅前のゲーセンに行ってC□UNIT□Mやらなきゃいけないんだ…あと少しで金レートなんだよ邪魔をするなァ」
「え〜いいじゃん〜、一曲!一曲だけだから!」
「嘘おっしゃい、一曲で終わった試しが無いだろうが」
香澄が俺の腰から離れません、コイツ何気に力強いんだよ
しかもサラッとたえまで俺を羽交い締めにして引き戻そうとしてきやがる
何素知らぬ顔してんだよお前
「HA☆NA☆SE、俺はゲーセンに行きたいんだ」
「うぅ〜!一曲だけだから〜…お願い!!」
「そろそろ諦めたら幸貞、私腕疲れてきた」
「なら離せばいいんじゃないでしょうかたえさん、そしたら万事解決だ」
「おたえ、さんはいっ」
「だが断る、たえ」
「おたえ」
「たえ」
「おたえ」
「たえ」
「おたえ」
「たえ」
「またやってるの……コラ香澄、そろそろ離してあげなよ」
おお、ナイス沙綾様…俺もそろそろ腰の力がやばくなってきてた頃だったんだ
「えぇ〜、沙綾はいいの?幸貞君程適任者はいないんだよ?」
「本人が嫌がってるのに無理矢理はダメだよ」
「うぅ〜……はーい」
「はぁ、明日腰筋肉痛かな…結構きつい」
「また気が向いたら言ってね幸貞、待ってるから」
「そうかい、まあいつ気が向くか分からんけどな」
そう言って教室を出て行った、目指すはゲーセン一直線
もう誰にも俺を止められねぇぜ
そんな事を思ってた時期が俺にもありましたよ……校門の前にリサが立っていたのだ
「あ!やっと来た、もー待ちくたびれちゃったよ〜」
「じゃあ帰ればよかったんじゃ無いッスかねリサさん」
「むー、そんな言い方する事ないじゃん幸貞」
「こりゃ失礼、言葉選びは苦手でね…それで何用かね」
「久し振りに一緒に帰ろうかなーって思ってね」
「え、でも俺これから駅前のゲーセンに…」
「ん?何?」
「イエナンデモ」
何で俺の知り合い女性陣は皆怖いんでしょうか、やっぱり男は尻に引かれるのがオチなのか…
「……それで、お前の後ろにいる銀髪の美少女さんは誰かね?」
「えーっと、あはは…」
苦笑いを浮かべながらバツの悪そうな顔をするリサ
最初から気まずくなるの分かってるなら二人で帰ればよかったのに、何を血迷ったのかね
「久し振りね、幸貞」
「ああ、随分と見ない内にまたクールになったな…友希那」
もう一人の幼馴染み、湊友希那がリサの陰に立っていた
俺とコイツは別に仲が悪い訳では決して無い、だが昔から俺はコイツが苦手だった…付け加え前に俺が言った言葉により更に関係がギクシャクというか気まずくなっている
どう考えても自業自得ですねはい分かります
「ていうか、友希那がいるなら二人で帰ればよかったんじゃないか?」
「リサがどうしても貴方と帰りたいっていうから、仕方無くよ」
「あ、そう……じゃあ帰るぞ」
だがその後、皆喋ろうとしなかった…というか迂闊に喋れない
(おいリサ、お前がこの状況を招いたんだからどうにかしろよ)
(ええ!?そ、そんな事急に言われても…)
アイコンタクトでリサへそう訴えかけるが、あまり期待できそうにないな
チッ、元凶のクセに
(後で覚えてなよ?)
心読まれてーるね、おおくわばらくわばら
共通な話題とかもないし…まあバンドの話はしない方がいい、また面倒臭くなる
この空気…思った以上にキッツいなぁ〜
私には幼馴染みが二人居る
一人は今井リサ、昔から人に気の使えるいい友人だわ…今のRoseliaだってリサの支えは大きい
だから感謝するべき親友であり、大切なバンドの仲間
そしてもう一人、導寺峠幸貞
幸貞もリサと同じ頃から一緒にいた、第一印象はかなり大人びていた
子供とは思えない程に物静かで冷静沈着という言葉がピッタリだった
高校までは特に何も無く静かに過ごしていたと思う
高校になって、私がバンドを始めた頃…一番最初は昔からの友人に聞いてもらおうと思っていた
リサはバンドメンバーなので、残っているのは彼だけだった
演奏後は「良かった」としか言わなかった…しかし私はどうも気になって帰り道に感想を更に追求した、そして彼が言った言葉
「バンドとしても演奏としても申し分無い程に完成されている、だが一体感が足りない」
「一体感?」
「ああ、お前達の目標は何だ?FUTURE WORLD FES.に出る事か?ならばメンバー全員がその目標だけに向かって歩いているのか?」
「私達は同じ志を持って集まったのよ、同じ目標を目指して歩いているの…馬鹿にしないで」
「本当にそうか?そう思っているのならお前らはまだまだ甘い、全員がお前のように一つの目標へと志せてはいないな…別の問題を抱えてそちらにも悩んでいる…それじゃあ同じ目標を持ってるとはいえねぇな」
一息付き、また口を開く
「お前らにとって友情ってなんだ?絆ってなんだ?」
「いきなり何よ……長い付き合いから生まれる信頼感じゃないかしら」
「ほー、成程……ならお前らにそれはあるか?」
「…何が言いたいのかしら?」
「信頼感…絆…友情…こんなモノ言葉一つで言い表せてしまう程に脆く弱い繋がりだ、他人に自分達が持つその繋がりがどれ程強いモノだと示すには言葉なんかじゃ伝わらねぇな…ま、あとはバンド仲間達と話し合って決めてくれや」
そう言いながら背を向けて歩いて行く…しかし、途中で足を止めてこちらに振り向いた
「ああそうだ、水色の髪した女の子…あの子は気を付けた方がいいぞ、ありゃ両刃の剣だ」
そう言い残して帰った
それから暫く時間が経ち、彼のお陰かバンドとしても私達個人としても成長した
彼の助言通り、一度集まり目標への話し合いをした…そして一つの目標へ全員の姿勢を向ける事が出来た
そして恐らく彼が危惧していた紗夜について、妹との付き合い方が分からず悩んでいたという事も分かった
それについても少し進歩があり、少なからず昔よりは前に進めたと思っている
そして私は幸貞をRoseliaへ勧誘した
「幸貞、Roseliaに入ってみる気はない?」
「…俺がお前のバンドへか?」
「そう、貴方のお陰で私達は更に成長する事が出来た…でもまだ上を目指して歩む積もりよ、だから貴方の力を貸して欲しいの」
「悪いがその誘いは断らせてもらおう」
迷う素振りもなくそう断言した
「理由を聞いてもいいかしら?」
「理由ねぇ…気を悪くさせたら済まんな、俺はお前が苦手なんだ」
正直に言って衝撃だった…彼から苦手意識を受けたことではなく、彼が苦手意識を持つことに
「……私、貴方に何かしたかしら」
「ああいや、そういう訳じゃないんだ…別に俺はお前の事を嫌ってる訳じゃない、少し苦手なんだ」
「……そう、なの」
「お前の音楽へ向く姿勢も、音楽へ掛ける情熱も全て認めているしむしろ尊敬する……だが、それでも俺はお前がどうも苦手だ」
彼はそれだけ言うと、背を向けて帰ってしまった
私自身を否定されたような気がした
しかし、不思議と嫌な気持ちは湧いてこなかった…寧ろ心がまた熱くなった
いつか必ず彼に私達の音楽を…そして私自身を認めさせる、そう心に強く思った
評価をして下さった
wakron様
まっp様
新庄雄太郎様
本当にありがとうございます、