一人の男とガールズバンド達   作:AZAZEL

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もう30話になるのか

正直な話、お気に入りが480件行くとか全く思ってなかったですよ
バーもいつの間にか真っ赤になってたし…いや本当、皆様ありがとうございます

こんな作者の趣味全開な作品を読んでいただいて
取り敢えず本編いきましょうか


30話

『日本企業統括財団』…日本に住んでいれば何処かしらで一度は耳にすることがあるであろう、巨大な財団である

 

俺さ、財団って聞くとSCP財団しか出てこないんだよね

因みに好きなのはSCP-682ことみんな大好きクソトカゲとか、『さ わ や か』で有名なSCP-076とかね

如何にも『ぼくのかんがえたさいきょうのえすぴーしー』感がある奴らだが、設定や実験資料などを見てると面白い

 

ヤッベェ話がとんでもない方向に逸れたな、戻そう

 

それでもってこの日本企業統括財団を纏め上げているのが、諒英(りょうえい) (あつし)という男である

 

それでもって今俺の前に立つこの男、巨大財団を一人で纏め上げる男の一人息子である

名前は確か諒英 椿(つばき)だったかな

 

諒英とか完全に名前だと思った奴、残念だったなぁ苗字だよ

 

「ええと、君は宮代さんのご友人かな?」

 

「まあ…そんな所ですかね、初めまして諒英さん…導寺峠幸貞と申します、導寺峠と呼びづらければ幸貞で構いません」

 

「ではお言葉に甘えて幸貞と呼ばせてもらうよ、私は諒英椿…椿と呼んでくれて構わないさ……それと、無理に敬語を使わなくていいよ」

 

「そいつはどうも、硬っ苦しいのはどうも苦手でね」

 

「はは、その方が私も気が楽でね」

 

あ~この人マジで苦手だわ、最近は慣れてきているものの…こうも『優しさ』なんて感情に当て続けられるとキツい

 

この諒英椿という男…背丈は俺とほぼ同じ、容姿はさっきも言ったが爽やかイケメンである

それでもって優しさを兼ね備えている、確実に俺なんかよりこの人と婚約した方がいいでしょ

 

「諒英さん、紹介が遅れたが…彼が僕の許嫁なのさ」

 

「おお!そうなのか!……君が彼女の許嫁か」

 

許嫁……ねぇ、コチラとしては腐れ縁にしか思ってないんだけどねぇ

まあ今は話を合わせておきますか

 

「そうだ、少し幸貞と話していいかい宮代さん?」

 

「ああ構わないさ、僕はあちらでこころと話しているとするよ」

 

えぇ~…二人きりですか、まあ別にいいけど

そんな訳でアリアは向こうにいるこころの方へ歩いて行った

 

「………君が宮代さんの許嫁だと思うと、私は羨ましいよ」

 

「別に欲しけりゃくれてやるよ」

 

「おいおい、許嫁がそんな事を言って良いのか?」

 

「許嫁なんてのはただの口約束だ、婚約するかどうかなんてのは本人次第だろ…現に俺はする気は無い」

 

「そうなのか?てっきり私は両想いだと思っていたんだが」

 

「別に嫌いでは無い…だがな、俺と婚約したところでいい事なんて一つも無いぞ」

 

寧ろこの爽やかイケメンと婚約した方が断然いいに決まっている

恐らくこう言ったタイプの人間は、相手に尽くす事を幸せと認識している人が多い

 

愛する人の幸せな顔を見れるだけで私は幸せだ……みたいなクッサイ台詞を吐くんだぜ?俺には無理だね

 

「そんな事は無いと思うよ…心から好きな人と婚約出来るなんて、こんな幸せな事は他に無いさ」

 

「それは両想いの間柄であるからこそ現れる感情だ、残念だが俺はアリアの事をそこまで特別扱いしてはいないしする積もりも無い」

 

「何故そこまで彼女を拒むんだ?聞くところによるとかなり前からアプローチをされてるらしいじゃないか」

 

「何故かって?アイツの為だよ」

 

「宮代さんの……為?」

 

「ああそうさ、もし仮に俺とアリアの婚約が成立したとしてだ…いつかアイツは壊れる」

 

「こ、壊れる?それは一体…」

 

「鈍器を振り回す者の近くに物を置けば壊れるのは当然だ…俺は時偶、気が付かない内に凶器(狂気)を振り回す事があるからな…知らぬ内に壊してる事がある」

 

黙り込んでしまう椿、まあこんな返し方されたら誰だって黙り込む

だってこの人達からしてみれば俺の内心事情なんて知った事じゃないんだから

 

「・…でだ、椿…君にとって幸せとは一体なんだ?」

 

「きゅ、急に何を…」

 

「いや、聞き方が悪かったな…君の思う、アリアに与えたい幸せとは何だ?」

 

「彼女への幸せ?」

 

「君はアイツと婚姻を結びたいんだろ?それはアイツを幸せにしたいって気持ちの表れじゃないのかね、だからそれを聞かせてくれと言っているんだ」

 

今は昔と違う

『君を幸せにしたい』何てドラマの様な台詞を言われたところで、その人を信用できる訳が無い

 

物理的且つ合理的に理解を得ないと、人間というものは簡単に信用しない

 

「…私は、彼女に普通の家庭を持つ幸せを上げたいと思っている…若くして大きな組織のリーダーになったんだ、そんな事を考えてる暇は無いと分かってはいる…それでも、その幸せを彼女に与えてあげたいんだ」

 

「成程、それが君の思うアイツへ与えたい幸せか……君は優しいな」

 

「いや、婚約するならこの位は当然だと思っているよ」

 

「そうか…確かに君は優しいな、凡その人が君の優しさに癒され心を掴まれるだろう……だがな、それは99%の人間がという話だ…残りの1%は何も思わないのさ」

 

「まさか…その1%が宮代さんだとでも言うのか?」

 

「ご名答、まさにその通りだよ」

 

まあ、これはアリアと長く付き合ってきた俺だからこそ分かったことだ

まだ付き合いが浅い椿が分る筈が無い話だ

 

「いい事を教えてやる、アイツが本当に求めているのは…自分自身だけを見てくれる人だ、言い方が悪いがそれだけあればアイツは満足する」

 

「それはどういう事なんだ?」

 

「俺は君がアリアの資産目当てだなんて勿論思っていない、だが君は組織や名誉なんかを全て引っ括めてアリアの事を好きだと言っている」

 

「確かにそうだ、私は彼女の持つ組織や名誉…そしてその権威、全て纏めて彼女が好きだ」

 

「残念だがアイツはそんな事を求めていない、何も無しに純粋に自分だけを見てくれる人を求めてる…組織も名誉も権威も何もかも全てを抜き取り本当の自分自身(・・・・・・・)だけを見てくれる人をな」

 

「……何故君はそれを私に教えてくれるんだ?こう言ってはなんだが、もし彼女と婚約すれば一生遊んで暮らしていけるんだぞ?」

 

「生憎と権力や金には興味が微塵も無くてね、そういうモノは面倒事を呼ぶだけだ……アイツを射止めたいなら気長に付き合う事だな、時間から知り得る事もある」

 

「…そうか、彼女が君の事を好きな理由が分かった気がするよ」

 

「あっそう…じゃあ、そろそろいいかね?」

 

「ああ、長々と付き合わせて悪かったね」

 

そう言って椿と別れ、アリアの方へ向かう

ん?こころ嬢と話していると言ったが…肝心のこころ嬢が見当たらないな

 

「ようアリア、こころ嬢はどうした?」

 

「おや、話は終わった様だね…こころは他の方へ挨拶をしに行ったよ」

 

「ほう、そうなのか…」

 

ん?何だあれ

 

会場の済に恐らく飲み物であろう液体が零れておりますが、その近くにそれが入っていたであろうグラスが落ちていた

 

会場を歩いていたスタッフを呼んだ

 

「あ、済みません…ここに飲み物が零れているんですが」

 

「も、申し訳ございませんお客様!今スグに片付けを致しますので!」

 

「ああいえ、さっきまでこんな所に零れていたかなぁと疑問に思っていまして」

 

「私がここを見たのは確か数分前です、その時は見受けられませんでしたが…」

 

「そうですか…ふむ、ジンジャエールか」

 

零れた飲み物を指で掬い、匂いを嗅ぐ

この会場でジンジャエールを飲んでいたのはこころ嬢だけだったな…何で分かるかって?子供が他にいないからだよ

 

「じゃあ取り敢えずこれは片しておいて下さい」

 

「畏まりました、すぐに片付けを致します」

 

俺はジンジャエールの匂いを辿りながら会場の外へ出る…コッチは確か御手洗があった方だな

誰だ今犬とか言った奴、言っておくがコレに関しては華蓮がダントツにスゲェからな

 

匂いだけで人を見分けるとかマジで犬かよ

 

男子トイレの前に着いたのだが

 

「清掃中……か」

 

一応ドアノブを捻るが、鍵がかかっている様で動かない…仕方が無い、強行突破で行こうか

 

思いっ切りドアを蹴り、ブチ抜く…扉はくの字に大きく曲がり外れる

 

「何だ!?」

 

「なっ!?気付かれたのか!?」

 

「だ、誰だ!」

 

「お、ビンゴ」

 

中にいたのは布で顔半分を覆い、サングラスを掛けて顔を見えない様にした如何にも怪しい男三人

 

そしてトイレの真ん中には、恐らくクロロホルムとかそこら辺で眠らされたであろう縛られたこころ嬢がいた

 

「何する積もりか知らねぇが、止めておいた方が身の為だぞ」

 

「うるせぇ!見られたからにはお前もタダじゃ済まさねえぞ!」

 

一番近くにいた奴が俺に銃を向ける、残念ながら飛び道具が無いんだよねぇ

ここは大人しく両手を上げておくか

 

「へっ!素直じゃねえか、動くんじゃねえぞ」

 

そう言って近づいてくる男………阿呆め

射程圏内に入った瞬間、男の手首に左手でチョップを叩き込み銃を落とす

 

ノンストップでそのまま右拳で顔面を撃ち抜く、この表現が一番状況が分かりやすと思うぞ

 

「なっ!?テメェ!」

 

落ちた銃を足で蹴り上げ、キャッチする…そして銃を抜こうとした男の頭へ投げる

 

もう片方は腹を蹴り飛ばし、壁に激突させておく

頭に銃が当たり、ピヨってる奴の顔面を掴み個室のドアへ叩き付ける

やっべドアにヒビ入っちゃった

 

良い子は真似しないでね、危ないから

 

「全く、世話の焼けるお嬢様な事だな」

 

「こころ様!どこに居られるのですか!」

 

おや、黒服さん達の声が聞こえてきたな…あまり大事にならないようさっさと済ませるか

 

こころ嬢の縄を解き、その縄で馬鹿三人を縛り上げておく

俵担ぎでこころ嬢を持ち上げ、御手洗から出る

 

お姫様抱っこ?そんなロマンティックな事を俺がすると思ったのかお前ら

 

「どうも黒服さん」

 

「導寺峠様!丁度良いところに……こ、こころ様!?」

 

「お探しのお嬢様ですよ、あと男性用の御手洗に面白いものが転がってるんで拾っおいて下さい」

 

「は、はぁ…分かりました、誠にありがとうございます御座います…また何か御礼をさせて頂きます」

 

「そうかい、じゃあ期待してるよ」

 

そう軽口を叩いて会場にいるアリアの所へ戻る

 

「どこへ行ってたんだい旦那様」

 

「まあ少し野暮用がね…」

 

その後、発見された馬鹿三人はそのまま御用

誘拐未遂だが恐らく公にはしないだろう、ホテルの面子的にも不味いものがある

 

まあその方がコッチとしても楽だからウィンウィンだな




幸貞君って本当に何者なんでしょうね、書いてる本人ですら分からなくなってくる

まあ、幸貞君のチートをもっと見たいって感想にも来たし…取り敢えずはこのままでいいか(思考放棄)
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