一人の男とガールズバンド達   作:AZAZEL

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もう12月になりそうですねぇ、一年も終わりますよ
俺は来年から就職して働きだしめますが…取り敢えずそれまでは遊んで回るか

では、本編どうぞ


39話

さて、そんな訳で呼び込みをやっていとあっという間に時間が過ぎていたようだ

 

「俺はそろそろ上がるけど、沙綾はどうするんだ?」

 

「私も上がるよ、午後のライブもあるし流石に疲れちゃった」

 

まあ午前中からぶっ通しで呼び込みやってるからな、流石に疲れるだろうよ

さてと、俺はチャッチャと着替えて正面のステージに行かなきゃならんのだっけか

 

「じゃあステージまで一緒に行くか?」

 

「いいよ、ついでに他のクラスも見てみようよ」

 

「おお、良いな」

 

ていう事で沙綾と他のクラスも回ることにしたので着替えて待つ事にした

 

「お待たせ」

 

「おう、じゃボチボチ行こうか」

 

はぇー、他のクラスはこんなんやってんのか……縁日に休憩所、的当てはまあ縁日に被ってなくはないが

あとはお化け屋敷にお化け屋敷、お化け屋敷…お化け屋敷………

 

何だこのお化け屋敷地帯、どんだけ密集してんだよ

 

「幸貞、あれって…」

 

「ん?……あ、友希那とリサ」

 

「お、ヤッホー幸貞」

 

「あら、こんな所で奇遇ね」

 

「お前ら来てたのか……で、何でこの地帯に居るの?確かリサ、お前お化けとか苦手じゃなかったか」

 

「え?あっ、ああうん…た、たまたま通りかかっただけだよ」

 

「折角だから入るか、序に沙綾もな」

 

「「「え?」」」

 

綺麗にハモったなお前ら

正直な話、俺はお化け屋敷が苦手ではない…いやまあ得意かと言われると答えはNO何だがそれは一人の時に限る

 

周りに人がいるとその人達が悲鳴を上げる為、俺は驚くタイミングを逃してしまう…結果的に残るのは周りへ向ける生暖かい視線と苦笑いだけである

 

「どうせまだライブまで時間あるし、時間潰しには丁度いい…どれにする、よいどりみどりだぞ」

 

「ま、ままま待って幸貞!」

 

「はいはいちょままちょままま、さっさと決めてくれ」

 

「何で行く前提なの!?そこからおかしいと思うんだけど!?」

 

「だって暇だろ?それに決して俺はお前をお化け屋敷に入れて楽しもうとか思ってないからな、安心しろ」

 

「思ってるじゃん!絶対思ってるやつじゃんそれ!!」

 

「ほら見ろあの二人、もう腹括ってるぞ」

 

友希那と沙綾の目が据わっていた、なんか怖いけど取り敢えず覚悟は出来たみたいです

 

「リサ、諦めなさい…もうこれは運命なのよ、幸貞にここで捕まった時点で決められた運命(さだめ)なのよ」

 

「リサさん、諦めましょう…もう無理ですよ」

 

「ふ、二人共〜!」

 

「リサ…覚悟は出来たか?俺は出来てる」

 

「アタシは出来てない!!」

 

「つべこべ言わない」

 

「い〜や〜!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ〜…嫌だって言ったのにぃ〜」

 

「大丈夫だって安心しろよ、沙綾も友希那も居るんだからさ」

 

「怖いものは怖いの!」

 

因みに今の状況、リサは俺の右腕にガッチリしがみついている

友希那は左腕の袖を掴み、沙綾は友希那の隣を歩いている…入って十秒も経ってないが既にこの状態だと先が思いやられる

 

「ほら、歩かないと終わるもんも終わらんぞ」

 

「……目瞑ってる」

 

「はいはい、足元にお気を付けて下さいよお嬢様」

 

そんな感じで歩み出す我ら一行、しっかし良くできてるなぁここのお化け屋敷

小道具なんかも完成度が高いし、マネキンとか使ってるっぽいな

 

まあ俺作の貞子には劣るがな

 

「ギャァァァァァ!!!」

 

真っ黒のカーテンに隠れていたお化けがバッと姿を表し、叫び声を上げる

 

「キャァァァァ!!?」

 

「っ!?」

 

「うわぁビックリしたぁ…」

 

「ああ、ビビったな」

 

リサが思いっ切り腕に抱きつき、友希那は声は上げていないものの腕に抱きついてくる

俺と沙綾はケロッとしている

 

「あんまりビックリしてなさそうだよな沙綾、もしかして得意?」

 

「割と好きな方だよ、ここのお化け屋敷結構面白いね…て言うか幸貞の方こそ驚いて無さそうじゃん」

 

「これでも結構驚いてんだぞ、一応」

 

友希那さんは腕から離れる様子がありませんね…これは最後までこのパターンかな?

因みにお化けはカーテンの中に戻って行った

 

「うぅぅ〜らめしやあぁぁ〜〜!!」

 

「ヒィィィィ!!」

 

「ヒッ!」

 

「うらめしやか…じゃあ表はパン屋か雑貨屋だな」

 

「何の話してるの幸貞…て言うかパン屋か雑貨屋って、何でそのチョイス…」

 

「なんとなく」

 

 

 

 

 

 

「うヴァァァァァ!!」

 

「イヤァァァ!!もう嫌!!」

 

「!!…っひぅっ!?」

 

「あのゾンビ…中々の特殊メイクじゃなかったか」

 

「通り過ぎた後だけどよく平然とそう言う事言えるよね」

 

「俺はどこに居たって俺だ、やる事なんて変わりはしない」

 

て言うか友希那の悲鳴が可愛すぎる件について、しかもその度に腕に抱きついてくるから尚可愛い

 

さて、そんなことを思っている内にもう出口が見えてきた

 

「出口!?早く出よう幸貞!」

 

「分かってるよ……ん?これ開かないんだが」

 

「え?な、何で…」

 

「あ、本当だ…開かない」

 

まあこういう仕様なんだろうな、見事に友希那とリサは引っかかって盛大にビビってるけど

だからと言って教える気は無いけどね、詰まらないし

 

心做しか沙綾も少しビビってる希ガス

 

「まあ慌てんなよ、たかがお化け屋敷だぞ?」

 

「苦手だって言ってるじゃん!!」

 

「そうでした」

 

「ゆ、幸貞…湊さんさっきから喋らないんだけど……」

 

「気にすんな、相当ビビってるから放っておいてやれ」

 

しかし手が込んでるなぁ…因みに今後ろからゾンビメイクのお化け役が近付いてきてる、気配で分かった

 

「うヴァァァァァァァ!!」

 

「いやぁぁぁぁ!!!」

 

「っにゃう!?」

 

「お、開いてんじゃーん」

 

ギリギリに開ける演出か、中々面白いな

結果はリサと友希那がノックアウトされて沙綾が結構ビビったか…うん、面白いね

 

「どうだったよ沙綾」

 

「最後のやつは結構驚いたよ、面白かったね……それで、えっと…お二人は大丈夫ですか?」

 

「ひっぐ…も、もうやだぁ」

 

「ほら、もう終わりだから泣くなよリサ」

 

「だっでごわがっだんだもん!」

 

「て言うか友希那、最後にゃうって言わなかったか?」

 

「言ってないわよ」

 

なら目を見て話してくれますかね友希那さんや、俺は間違いなくこの耳で聞いたからな

 

そして一生忘れることは無いと思え

 

「さて、暇潰しも出来たしステージに行くか」

 

「そうだね、ポピパの皆も着いたって連絡来たから」

 

「随分お早い到着だな、俺らも早く行くか」

 

「もしかして幸貞、ステージ出るの?」

 

まだ少し赤い目を擦りながらリサが聞いてきた、泣き顔の美少女もいいが泣き終わったあともいいな……何言ってんだこいつ

 

「ああ、先輩に頼まれてな」

 

「そうなんだ…じゃあ私も見に行く、友希那も行く?」

 

「ええ、折角だし見て行こうかしら」

 

「そうかい、じゃあこのまま向かうか」

 

それはいいんだが、そろそろ腕を離してくれないかねお二人共……周りの視線が痛い

 

主に男子勢からの視線が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな訳でステージに到着、リサと友希那とは一旦別れ裏方へ沙綾とやって来た

それでウチの姉さん達は何処に居るのやら

 

沙綾は早々にポピパの娘達を見つけてそっちへ行ったが

 

「あ、幸貞来た」

 

「ここに居たのか晶奈、華蓮」

 

「執事服、似合ってたわよ」

 

「何だ見たのか……それで、役割分担はどう為さるお積もりで」

 

「いつも通り私がボーカル兼ギターやって華蓮にはベース、幸貞はドラムで優珠ちゃんにはキーボードをやってもらうよ!」

 

「まあいつも通りだな…………ん?優珠?」

 

「お久し振りです兄さん」

 

背後から声が聞こえたので振り返るとかなり近くに我が妹が立っていた、流石にビックリして少し後ずさってしまった

 

てか君仕事はどうした

 

「うぉい、ビックリさせんといて下さいな…て言うか何で居るの」

 

「兄さんの文化祭があると聞いたので、父さんに言ったら行って来て良いよと言われたので」

 

「そ、そうかい」

 

会うのはゴールデンウィークぶりか、夏休みはなんだかんだで帰って来れなかったらしいし

親父が言っていたが、仕事が立て続けに立て込んだらしい

 

「まあいいか、それで何やる」

 

「私の気分!」

 

「出たよまたそれか…まあもういいよ」

 

「何歌おっかなぁ〜」

 

「毎回毎回、本当に勘弁してくれっての」

 

「諦めなさい幸貞、これも運命よ」

 

「前にも言ってなかったかそれ」

 

そんな訳で今回も晶奈の気分セレクトになりました、激しいやつとかマジ勘弁して欲しいんだよね

大概ドラムから入るから曲名聞いて速攻で動き出さないといけないから神経削られるんだよ

 

早押しクイズ並の反射速度でドラム叩き出しとか鬼畜以外の何者でもないだろマジで

 

「あ、出番だってよ」

 

「分かった、じゃあ行くわよ貴方達」

 

「了解、優珠キーボードは?」

 

「借りれるそうなので、此処に有るのを使わせて貰います」

 

「成程、さっさと行ってチャチャッと終わらせますか」

 

ステージに上がってみると、割と観客は集まってるみたいだ

まあ俺たちの前にポピパやってたからな…あの娘達もそこそこに有名になってきたらしいね

 

さて、何をやるのかな…うちの姉さんは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局やったのは閃光のブリューナクだったよ、よくあんな声出せんな

まあピアノ始まりだから今回無茶振られたのは優珠だった様だな……まあアイツなら余裕だと思うけどね

 

て言うかアレにドラムって存在しないから何気に一番の無茶振りは俺か巫山戯んな

 

「この後はどうするの幸貞」

 

「まあ別に特に無い」

 

「そう、まあ私達はやる事やったし帰るわね…ああ、アリアちゃん所のスープ美味しかったわよ」

 

「あっそう、まあ気が向いたら行く」

 

「そう、じゃあ帰るわね」

 

晶奈と華蓮は帰って行った……で、優珠はと言うと俺と見て回りたいらしいので案内する事にした

 

「兄さんのクラスは何をしているのですか?」

 

「メイド喫茶だとよ、行ってみるか」

 

「はい、是非」

 

という訳で優珠を連れて行ったのは良いんだが

 

「やだ幸貞君ったら!こんなに可愛い妹さんが居たなんて……!」

 

「ねえねえ優珠ちゃん、ちょっとこっち来て」

 

「あ、あの…えっと」

 

そんな感じで衣装班に捕まって連れて行かれた…アイツの戸惑う顔って初めて見た気がするな

 

数分後、可愛らしくメイド服に着替えさせられた優珠が帰ってきたのは何となく予想はつくだろう

 

そして何を仕込まれたか知らないが、俺に対してお帰りなさいませご主人様を言わなくても良かったんじゃないか…あと満更でも無さそうな顔しないで、君本当に堕落させに掛かりかねないから

 

まあそんな事もあったが、文化祭も終わりを迎えた




あ、そうそう
来年の二月辺りに親知らず抜くんですが、その過程がなんか凄かったんですが

まあ歯の麻酔は別にいいんですけど、足への局所麻酔はマジで勘弁したい…もう二度としたくない(切実)

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