束「気付けば、私の周りにはヤバイヤツしか居ない……」 作:モノアイ二等兵
ひとまず、元ネタは
モノアイ→私
一織→一織ニキ
アベリア→コジ饅頭ニキ
亡者→ツナまみれニキ
って感じになっております故。
20XX年、別に人類は核の炎に包まれず、むしろ核ミサイルを兵器で落とすような特殊スーツ『インフィニット・ストラトス』……縮めてISが登場し、それを開発した篠ノ之束が世界的に有名になったりしてから、数年経った辺りのこと。
「よし、実験だ。一織くん、適合手術しておいたから、試しに変身してみてくれ」
「なんで許可も取らずに手術しているんですかねぇ!?」
日本のとある場所にある、篠ノ之研究所では、約何名かの科学者達が今日もISを元気に開発している。
「ほら、いいから行けー!ビビっているのかー!一織くんビビっているのかー!」
「ぐっ……貴方に言われるのは癪ですし、やってやろうじゃないですか!」(バンバンシューティング!
「せっかくだから、レベルアップもお願いな」
開発……しているのだろうか?
「変身!」(レッツゲーム!ムッチャゲーム!メッチャゲーム!ワッチャネーム!?)
「お?おお!?」
「第二戦術……ッ!」(アイムアカメンライダー……)
「いい加減に真面目に開発しろーぉ!」
「ぐふぁ!?相変わらず、良い蹴りしてるぜ、束ちゃん……」
……いや、きっとしていると信じよう。
この物語は、篠ノ之束を変えた変態と、その愉快な仲間達+一部の良識人を巻き込んだ、ハイスピードバトルコメディである。
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三月の篠ノ之研究所……朝は冷えるが、日中になれば春らしい温暖な気候が、研究所内の研究者達に、春の訪れを伝えていた。
「んー……今日も良い天気だね……」
それはもちろん、かつてはそんなことには興味のなかった『頭の頂辺から足の先まで人外』をモットーとしていた、篠ノ之束にも、いい気分を与えるものである。
平和的な朝の光景は、このまま一人の少女の姿だけで進行していくと、誰もが思うだろうが、彼女の理解者が平和な朝を迎えさせるはずが無いのだ。
「やあ、おはよう、お嬢さん。私と、朝のティータイムでも如何ですか?」
「ちょっとは普通に部屋に入る努力をしろ!」
「ぐぺっ!?」
通気口からぶら下がるように部屋に侵入し、束からの回し蹴りを喰らって叩き落された男こそが、残念なことに彼女の良き理解者なのである。頭に単眼の珍妙なロボットのようなマスクを被り、スーツに白衣という微妙にナンセンスな恰好をしている彼が。
彼の名前は、仲間内ですら不明だが、一先ずは、その頭に被るマスクから『モノアイ』と呼ばれている。ゲーム業界やプログラマー業界では軽く伝説となっており、昨今のゲームに、彼の名前を見なかったことはない、と豪語されるほどである。
「えー?辛辣じゃないかい、束ちゃん?」
「うっさい。お前に、ちゃん付けで呼ばれたくない」
「なんだよー、連れないなー」
……理解者のはずなのに、仲が悪いとはこれ如何に。いや、決して仲が悪いわけではない、はず。
まあ、二人にとって、こんなコミュニケーションはスキンシップに過ぎないし、そもそもモノアイが悪ふざけを止めれば、最初に束が心配する。主に、頭が大丈夫か。
「篠ノ之博士、入ってもよろしいでしょうか?」
「ん?ああ、入っていいよ」
「失礼します。至急、伝えたいことが」
今、束に許しを得て入ってきたのは、この研究所の新人、『両義一織』である。顔立ちは非常に平凡だが、決して悪くはない顔をしており、今の姿は全体的に目立たない研究服である。はっきり言って、研究所の良心的存在。束と愚痴を言い合うのは、割と日常的な風景である。
「篠ノ之博士の『お気に入り』が、ISを起動させました。もう、ニュースにもなっています」
「……『いっくん』が……?」
「ほう……?」
一織の報告に、束は顔を顰め、モノアイは声を弾ませた。
束にとっては想定内の事態ではあったが、少し時期が早かったのもある。
「今、いっくんは、どうしているの?」
「……IS委員会に、監禁されている状態ですね。しかも、今日は私立高校の受験日だったそうです」
「これは、運の悪い少年だ!」
傑作、とでも言いたげにモノアイが拍手を送ると、拳骨が容赦なく振り下ろされ、モノアイは床に伏して気絶した。
「なら、今すぐに電話繋いで。織斑一夏の解放を条件に、第二世代ISコアを提供する、とでも言っておいて」
「かしこまりました」
束に頭を下げ、一織が早足に部屋を退出する。そのタイミングで、溜息を吐いて、言葉を紡ぐ。
「モノアイ、スカートの中を覗き込んでいる暇があったら、アベリアとか、シャーリーちゃん達に電話をして」
「……今日は黒か……」
「死に腐れ!」
「あふんっ!」
モノアイの被っているマスクが凹み、その顔面を捉えるほどに力強く踏みつけるが、上がるのは痛みによる苦悶の声ではなく、喘ぎ声に近い何かであった。少しの気持ち悪さを我慢し、踏みつけたままの足を上げずに、束はモノアイに命令する。
「いっくん用のISを作るよ。あと、委員会に送りつける用のISコア五つ。それから、アベリア達には、「今後、一年生として入ってくる男子の周辺を警戒しろ」とでも」
「……まあ、他ならぬ束ちゃんの命令だし、喜んでやらせて貰うよ。最悪、年中暇している、亡者を教師として送り込む」
この会話をしている時、亡者フェイスの人物は震えていたとか、いなかったとか。
兎にも角にも、物語は動き始める。一人の男子を軸として。
マスクの内、多くは知らない素顔で、モノアイはニヤリと笑みを浮かべた。
[解説]
モノアイは基本的に変態紳士なので、束ちゃんの踏まれたり、蹴られたりすると悦ぶ