魔法少女リリカルなのはStrikerS-2nd strikE-   作:88813

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さて、これで書き溜め分が無くなるのでどうしよう……まぁなんとかなるやろ(適当)


4話:Hunting for you

 夕暮れ、木枯らしが誰もいない墓地を通り抜ける。死者の家とも言えるこの場所は、普段は誰も訪れない。だが、この日だけは違っていた。

 GSX-Rのかん高い排気音を身に纏い、一人の男性がつかつかととある一角へと進んでいく。左手には線香、右手には花を持っていた。一人ぽつんと立ち止まった彼は、花を備え、線香に火をつけた。

 

「爺ちゃんが死んで、もう何年になるのかね。」

 

 彼が語りかけたところで、返答は帰ってこない。そこにあるのは、かつて生きていた人間の欠片が埋まっている石のモニュメントである。彼は続けた。

 

「俺は今、爺ちゃんが居た管理局で働いているよ。はやてと一緒にな。」

 

 普段の彼が滅多に見せないような表情で、墓石に語りかけている。その時、後ろから足音が聞こえてきた。

 

「……久しぶり。婆ちゃん。」

「そうね坊や。」

「三提督様がこんな所でサボタージュかい? 職務専念義無違反だぜ?」

「あら、自分を棚に上げるのね? あなたの所……丁度アグスタでお仕事じゃないの?」

「馬鹿言え、俺は休暇を取ってるの。労働者の正当な権利の行使だ。」

「その割には、あなたの細君は権利を行使していないようだけど?」

「勝手に言ってろ。」

 

 ふと現れた老齢の女性が、あらといった顔で彼を見る。

 

「博隆坊や、意外と奥手なのね。もう手を出していると思っていたわ。あの人だったら会ったその日にはベッドに入っていたもの。」

「奥手も糞も、はやては家族なんだけど。」

 

 ミゼットと呼ばれた女性を、管理局に勤めている人間が知らない者はいない。管理局の三提督の一角を担う、云わばトップの座にいるべき人物である。

 彼女と博隆は……これまた奇妙でどうしても信じられない事だが、血の繋がった祖母と孫という関係となのだ。しかし、博隆でさえその事を知ったのは僅か三年程前の事であるし、その事実を知るのはミゼットと博隆の二人だけである。

 じゃあ、俺は帰るよ。と一言言い放つと、博隆はGSX-Rに跨った。もう50¸000km以上も乗ってきた愛車は、未だに彼のもとに来た時と姿は変わらない。彼のファイティング・マシンとは言っても過言ではないだろう。そのGSX-Rから、死人も叩き起こせるような排気音が静寂を切り裂いた。

 

「相変わらず凄い音ね。誰に似たのかしら?」

「単車ってのは、デバイスと一緒で持ち主に似てくるのさ。」

 

 そのまま、博隆は相棒と共に夕闇の中へと消えて行った。

 

 

 

 ――機動六課

 

「へーい。那椎三佐、只今帰投しましたよっと。…………たぁ言っても誰もいねーな。リインフォースすら。」

「那椎審理。」

「お、人がいた。なぁ、他の奴らはまだアグスタかい?」

 

 博隆はミッドチルダに戻って来た直後、偶々一人残っていた職員に声をかける。かけられた職員は驚いたような表情になったが、すぐに表情を戻すとそのまま答えた。

 

「ええ、どうやら戦闘に突入したらしいですね。」

「戦闘? 今回の任務には、戦闘なんてものは無かった筈だよな。」

「え、ええ……。で、ですが、ガジェット達が急に襲撃してきまして。」

「マジかよ……何か嫌な感じしかしねぇな。うん、シグナムとかヴィータとかがなんかあのホテルをぶっ壊しそうだ。そんな絵図しか見えねぇ。AMFに痺れを切らしたあいつらが打撃練習とか称してスバルあたりにバッピを頼んで、飛んで来たガジェットを打ち返すとか平気でやりそうだ……。これは大変だ、ガジェットちゃんが危ない。」

 

 嫌な予感しか感じていない博隆に冷静さは欠片も見えない。職員は何考えてるんだこの人は。と内心ツッコミを入れていた。少しして、我に返った様に落ち着くと、そのままGSX-Rに跨った。

 

「ふぅ……取り乱したな。悪いが君、俺は今からアグスタへと向かう。グリフィスにそう伝えといてくれ。」

 

 そして向かおうとしたその時、俺も向かうぜ。と声が聞こえた。そこに居たのは、CB1300SBに跨る、リオ・ルシエであった。

 

「……リオ・ルシエか。悪いが、俺はまだお前を信用したわけでは無いんでな。他当たんな。」

「悪いな。俺も襲撃を受けたと聞いてスッ飛んで来たんだ。何せフェイトもその場に居るもんだからさ。」

 

 ジト目で見つめる博隆に対し、ニヤニヤしながら見つめ返すリオ。しかし、二人の瞳の奥には共通の目的が存在した。

 

「本音は?」

「セレブリティなお姉様を捕まえて目指せ念願のヒモ生活。」

 

 そう掛け合うと、あたかも昔からの付き合いがあったかのような表情を互いに見せていた。

 

「行くぜ相棒!! 目指すはアグスタだ。」

「勿論だ相棒!! 惚れる女を迎えにな。」

 

 そのまま、二人は夜の帳が落ちた世界を走り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここでほんの少しだけ話は戻る。ホテル・アグスタはミッドチルダでも有数の大規模なホテルである。その歴史は深く、旧暦の時代から前身のホテルが存在しており、有名な老舗としての位置に君臨している。そんな由緒あるホテルでは、様々な催し事が開催されており、今夜のオークションもまた、その一つである。

 このオークションに古代遺物が出品されるという情報を博隆が何処からか仕入れてくるや否や、部隊長のはやては警護に出る事を決断。部隊長であるなのは、フェイトを引き連れて内部の警備を担当する事となった。なお、他の戦闘要員は外で待機中である。

 金持ち達の集まる中、普段は着慣れないドレスに身を纏いながら動向を逐一確認する三人。しかし、一向にそれらしき動きを見る事はなかった。

 一方外でも、それらしき動きは見当たらない。もしかしたら敵はこのオークションの存在すら気づいていない。そう思えるほどであった。

 だが直後、お約束の如くガジェット群が現れたのであった。

 

「どうやらお出ましのようだな。」

 

 そう呟くや否や、テオは機械群へと躍り出る。その動きはまさに、電光石火と言うべきであろう。闇夜に紅い光が、まるで流星のように輝く。

 

「そーみたいっすね。いやあ、俺達を忘れたかと思いましたよ。」

 

 そう、一歩遅れて躍り出たゼノアが返答した。他のメンバーも、各々が戦闘に取りかかった。

 閑静な土地が、一瞬にして鉄火場へと成り下がった。

 躍る、躍る、血が躍る。有機質と無機質が、混ざり合いながら鉄火を散らす。その凶宴では、もはや人は人でなく、機械は機械ですらない。闇の中で瞬く魔力の幻想的な光と、機械の現実的な光。それらが織りなすコントラストが、アグスタを照らし出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして此処はアグスタ内部。オークション会場では、外の騒動が一部の客の耳に外の凶宴が催されているのが耳に入ったのか、会場は軽い恐慌状態になっていた。

 そんな中、六課の部隊長であるはやては二人に念話で呼びかけた。

 

〔どうやら外でドンパチがおっ始まったみたいやな。〕

〔そうみたいだね。どうする? はやてちゃん。〕

〔ま、私達は内部で警護を続行や。リインフォースも増援に向かっとるし、博隆とリオ君も向かっとる。〕

〔じゃ、私達は引き続き会場で待機だね。〕

〔二人とも臨戦態勢でだけはいてな。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヤバいな。」

「どうした?」

 

 そう呟いたリオに対し、博隆は問い掛けた。

 

「ギアチェンジすると毎回Nに入るみたいなんだけど。」

「カワサキ病かオイ。後で直してやるよ。」

 

 救援組は救援組で、奇妙な友情を育んでいた。

 

 

 

 

 

 

「ふぅ。どうやら予定よりも早く着いたな。」

 

 誰が聞くわけでもなく、リインフォースは一人呟いた。主であるはやてから出撃要請があったのはつい三十分前のことである。外が少々騒がしい。そう聞いて駆けつけたのだが、どうやら外はそれ以上。騒がしいというよりけたたましいという方が相応しいだろう。

 闇夜の中、様々な色の魔力光が空を染め上げる。閃光と鉄の音が、かつての記憶を揺さぶり起こしていた。

 

「ったく、博隆はちょっと中を見てくるとか言って俺に押しつけるつもりか?」

「……お前は。」

「お、あんたは確か……。」

「アインス。アインス・エルトリアだ。」

 

 直後、リインフォースの耳に入ったのは最近六課に加入(一般協力者として)したリオの声であった。不意に現れた彼であったが、彼女は気を抜くことは無かった。

 それは、自分の正体についてである。現在は博隆の部下として働いているが、過去の彼女は『闇の書』の管制人格そのものである。これは六課の中でも一部しか知られていないことであり、それだけで余計な敵を生み出しかねないのである。

 それに、このリオに対し彼女は警戒していた。いくらフェイトの旧知の仲とは言え、リインフォースからすれば赤の他人である。さらに言えば彼は切れ者だと言われている。今後余計な敵を作りたくはない。出来れば彼女は彼とはあまり馴れ合いたくは無かった。

 

「アインスか。すまないね、六課に来たばかりだからまだ名前を覚えていないんだ。」

「気にする必要はない。それより、加勢に来たのではないか?」

「そうだったな。だが、汗と血とオイルが飛び散る鉄火場で暴れ回るよりも、俺はこの一時を大事にしたいんでね。」

「随分と大層な助っ人のようだ。」

「伊達男は、美人には弱いんでな。」

 

 この時、リインフォースは確信した。この男は底が見えないと。『ついうっかり』が致命傷になりかねないと、判断したのであった。これ以上探られたくない彼女は、すぐさま騎士甲冑を装備し、フォワードへ加勢に向かった。リオもそれを追いかけ、加勢するのだった。

 

 一方リオに仕事を全て押し付けた博隆は、アグスタの屋上に足を進めていた。そこでは、オークションを行われてはいない。勿論だが、隊長陣すらそこにはいない。

 しかし、屋上には一人の老紳士が佇んでいた。このオークションの開催者……アイヒ・ハウンゼンである。彼はこの状況に酔いしれていた。いや、この状況ではないだろう。この状況になるまでの手際に酔いしれていたというのが正しいか。

 風が吹きすさぶ中、もう一人の男が屋上へと姿を表した。博隆である。人懐こそうな笑顔を見せながら、彼はハウンゼンの元へと近付いて行った。

 

「首尾は上々……って所ですかね? ハウンゼンさんよ。」

「ああ、この老いぼれの退屈が見事に紛れてくれたよ。」

「それは重畳。」

 

 ハウンゼンは穏やかな、しかしどこか猛禽を連想させるような笑顔で答えた。その笑顔を貼り付けながら博隆へと近付いて行く。

 博隆は悟っていた。今回の騒動は、全てハウンゼンが仕組んだことを。そうでなくては、古代遺物をオークションに出品するような沙汰を行う訳が無いのだ。こんなにも危険な状況下で古代遺物を出品するなど、私は馬鹿ですと名札をさしながら高台に上るようなものである。

 

「それで、君はどうしたのかね。博隆君よ。」

「ええ、いや。私も退屈しのぎに伺いまして……。」

 

 そう言いながら見えない様にType-2ndとなったエリクシオを構えた。

 

「今夜、一人死ぬことになってまして。その一人が、アンタ。」

 

 直後、一閃。本来体を支えるための胴だが、そこから上は存在していなかった。

 遺体の服で血糊を拭き取り、静かにこう呟いた博隆はそのまま出口へ向かって行った。

 

「全く、アンタがしゃしゃり出たお陰でこっちは御破算だ。大幅に前倒しになっちまったよ。どーすんだこれ。」

 

博隆は煙草を口に咥えながら思案する。これからどうしたものかと。この状況……ハウンゼンが調子に乗った行動をしてくれたお陰で、想定外の状況になってしまった。屋上から階下を見下ろすと、紅の閃光が飛び回っているのが見える。恐らくテオだろう。

 

「ここで俺はどうするべき……か。クソ、あの馬鹿野郎がここまで引っ掻き回してくれたからな。……仕方無い。さり気無く救援へと向かうか。あー嫌だ嫌だ、こりゃあ計画の練り直しだ。」

 

言うと同時に、博隆は見知った人物の戦う場所へと飛んで行った。

 

 

 

リインフォースは苦戦していた。久々の実戦、AMFを持つ機械との戦闘。慣れない要件はしっかりと揃っている。夜間の戦闘とは言え、相手の姿は視認出来るものの、魔力攻撃が主となる彼女からすれば致命的に積んでいる状態である。

 

「博隆め……後で覚えておけ。何がお前なら大丈夫だ。だ。」

 

その時だった、彼女の死角からガジェットが踊り出して来た。すぐさまシールドを張るが、AMFで阻害されているため、シールドが発生しない。そのまま吹き飛ばされてしまう。ぐっ、というくぐもった声が思わず漏れてしまう。近くの林の木に叩きつけられ、肺の中の酸素が全て叩き出され、一瞬だけ意識が遠のいた。その隙を見逃さず、ガジェットは再度突進をする。

リインフォースは、もはや万策尽きたか。と、半ば諦めた様に目を閉じ、防御しようとしたが、衝撃は無い。恐る恐る目を開くと、そこには優しい笑みを浮かべた博隆がガジェットを受け止めていた。

 

「ふぅ、リインフォース。お前はアレだ、諦めるのが早すぎる。また俺たち家族を泣かせるつもりか?」

「馬鹿言え、お前が私なら大丈夫だと言ったのを鵜呑みにしたらこうなっただけだ。お前もアレだ。人を過大評価しすぎだ。私達家族を危険に晒すつもりか?」

「口が減らない女だ。そう言う奴は、嫌いじゃねぇぜ。」

 

そう言いながら、二人は悪戯っぽい笑みを浮かべていた。そのまま博隆は受け止めたガジェットへ拳骨一発。機能が停止したのを確認すると程よい高さに蹴り上げた。

 

「全く……うちの家族に手を出す不届き者め。そんな事する悪い子は、お星様になるって相場が決まってんだ……よ‼」

 

 宙に浮いたガジェットを、Type-1stの形状に変化したエリクシオで夜空へと吹き飛ばした。バッティングの要領である。エリクシオから悲鳴が聞こえた気がするが、それは気にしない。しかし、この時幾つかの運命の悪戯が起こっていた。まず一つ、吹き飛ばした方向はホテル側であること。二つ、その射線上にはフリードにの背に跨ったエリオとキャロがいた事。三つ、思った以上にガジェットを芯で捉えていた事。

 幸い、エリオとキャロは飛んで来たガジェットを回避する事が出来たが、そのままガジェットはホテルに直撃。ホテルの外壁に大穴をあけただけでなく、爆散したことにより、内部にも多大な被害をもたらした。外の空気が凍る。ハッ……と正気を取り戻した博隆は即座にGSX-Rに乗り込み、また夜の帳へと姿を消すのであった。

 

 

 

 

 翌日、何事もなかったかの様に出勤した博隆は自らのデスクで新聞を読み耽っていた。一面の見出しには大きく『ホテル・アグスタ、爆弾テロ!?』と記されており、やはり昨日の出来事は夢ではなかったと嫌でも実感しなければならなかった。また、その下にひっそりと、ハウンゼンが何者かに殺害された記事も載っていたが、結局犯人が特定出来ず変死扱いとして処理されていた。

 その記事を確認した博隆は軽くため息を溢し、彼の今後のプランについて頭を悩ませるのであった。




お約束の本編です(半ギレ)


クロノ「これはこれは月間MVPに輝いた博隆さんではございませんか。」
博隆「おー、良きに計らえ。」
ユーノ「あーもう(僕の出番も無いし)めちゃくちゃだよ(絶望)」
博隆「出番欲しい? wwwwwん? wwwwwあーげないwwwww」
スカリエッティ「くーださいwwwww」

クロノ「しかしホテルを破壊するとは……こいつは主人公ではないな。やはりここは僕が主人公にならなければ(使命感)」
博隆「よしこれでこんな茶番ともお別れだ(カッツポ」
スカリエッティ「待ってくれ、それよりも僕が主役でガジェット達と愛を育むストーリーを作った方がいいのではないか(提案)」
ユーノ「なんてことだ……なんてことだ……。」






さて、書き溜めが無くなったか……。
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