魔法少女リリカルなのはStrikerS-2nd strikE- 作:88813
時空管理局にはとある一室……表向きには存在されないとされている一室が存在する。
表向きに存在されてないが実際には存在するという矛盾を孕んだこの部屋には、三つの脳髄が存在する。この時空管理局という組織を作り、世界の秩序と平和を維持せんと尽力した古代の有識者達である。
しかし、古代と冠する名の通り、『彼ら』にはもう肉体というものは存在しない。あるのは肉体に命令を下す脳髄だけだ。真っ暗闇の部屋の中、無機質な光を不気味に輝かせながら、『彼ら』は世界の秩序と平和を守っているのであった。
その一室に、一人の男が鋭い眼光を光らせていた。
「那椎博隆……何故君が呼ばれたかわかるかね?」
脳髄の一つが問い掛ける。
「さぁ……全然見当もつきませんね。あぁ、六課の活動報告でしたか?」
すっとぼけたように返答すると、もう一つの脳髄が怒号を飛ばした。
「ふざけるのも大概にしてもらおうか。我々はお前に『闇の書の管制人格』の復活を命じたというのに……暴走の一つと起こらんとはどういう事だ。」
「はて……あなた方の方法に不手際があったのでは? いや、彼女の復活には骨が折れましてね……30数回も失敗したのですから。」
脳髄の怒号に対しても、博隆は戯けた反応をやめようとはしない。さらにもう一つの脳髄が問い掛けた。
「我々が『管制人格』の復活を命じたのは、この進み過ぎた魔法文明の成長を一時的に止め、世界の秩序と平和を維持する為にだ。」
「そんな瑣末な事はどうでもいい。」
「なッ……。」
脳髄達の言葉に、博隆は冷たい目をさせながら答える。その目は、いつもふざけてばかりの彼からは想像する事も出来ないほど仄暗く、そして底冷えするようなものであった。さらに博隆は続ける。
「正直に言おう。俺はアンタらの言う『秩序』や『平和』なんざ糞食らえで、むしろカオスを求めてるんだよ。トゲトゲの肩パッドつけて頭モヒカンにしたりして……そっちの方が数倍は楽しそうじゃねぇか。」
「発言を取り消せ、那椎博隆。」
「お断りだ。悪いがそんなチンケな方法じゃ、もうこの『流れ』は止められん。」
博隆の言葉に、脳髄達は強く光を瞬かせる。
「……だが、安心しろ。彼女を復活させる為にはアンタ達の協力が無ければ出来なかった。勿論、最低限の義理は果たさせて貰う。」
「それはつまり……。」
「当面はアンタ達の台本の上で踊るさ。」
冷たい笑みを浮かべながら、博隆は口を開いた。それに対し、脳髄達は満足したように光を弱めた。
「ならば良い。お前にはまだ利用価値がある……失敗して貰っては困るのだ。仮に失敗しようものなら……。」
「はやて達の命は無い……だろ? 聞き飽きたぜ、その脅し文句。耳にタコが出来るわ。あぁ、この後はこう返してやるのがいつものお約束だったな……一つだけ言っておくが、もしそうする事になるなら……。」
呆れ返った様に博隆は踵を返すと、再び脳髄を睨み付けた。
「そうなる前に、この俺がてめぇらをその薄汚ねぇ培養液から引き摺り出してグッチャグチャにしてやるよ。」
そう吐き捨てると、彼は大笑いしながら部屋を後にした。部屋には、妖しく輝く脳髄達だけが残された。
テオとリオの一件から数日経ったある日の教導のこと、この日はなのはとスバル・ティアナコンビの模擬戦が行われる予定であった。
これまで重ねて来た自主練習で培った事や『奇策』を用いれば、勝つ事は無理であっても善戦は出来る。自分達を認めて貰う事が出来る。とティアナは考えていた。例え成功率が六割であっても、逆にそれだけあればやる価値はあると彼女は考えていた。
「それじゃ、始めるよ。」
なのはは開始の言葉を告げる。約300m先に、スバルとティアナが構えていた。直後スバルは真っ直ぐなのはの元へと突進する。何の変哲もなく、只々平凡な直線軌道の攻撃など見てから避ける事など難しい事では無い。だがあえて、彼女はシールドで防御をとった。
「スバル、ちょっと迂闊じゃないかな?」
「ちゃんと防ぎますから、そこは見逃して……下さい!」
リボルバーナックルから薬莢が排出され、中国拳法で言う寸勁の要領でなのはをシールドごと吹き飛ばした。ダメージそのものは無いものの、距離は大きく離される。
直後、スバルの後ろに控えるティアナはなのはに照準を合わせていた。チーム戦で無いにしても、少々迂闊な行動に彼女は内心舌打ちするも、ティアナからは攻撃を行おうとする気配を感じない。そうなると考えられる行動はは二つある。一つはフェイクシルエットによるフェイントからの攻撃、もう一つはただの威嚇である。勿論威嚇などこの状況からは考えられない為、必然的に行動は一つに絞られる。
そんな模擬戦を、少し離れたところからフェイト、ヴィータ、テオ、リオ、エリオ、キャロ、ゼノアの七人が見学していた。
「んー、丈夫なスバルを突っ込ませる作戦を取ると言う過程で行けばキャロ、フルバックのお前はどうするべきだと思う?」
リオはキャロに問い掛けた。それに対し、彼女は少し考えてから答えた。
「スバルさんにプロテクションブーストをかける……ですか?」
「ま、今はそんなところだな。ただ、砲撃出来るスキルがあるなら、
リオの代わりにヴィータが口を開いた。だが、その表情は憮然としている。何故ならスバルとティアナの行動は全然教導で教えている事と真逆なのだ。少なくとも、実戦ならその行動そのものは下策も下策、下手すれば愚策の領域に入るものである。
それはなのはも感じていた。自分が教えている事をやろうとしていない二人に少し違和感も感じていた。相変わらず馬鹿正直に接近戦を仕掛けているスバルだが、肝心のティアナの姿は見えない。その瞬間、後ろから殺気を感じた。
ティアナがクロスミラージュに魔力刃を形成し、なのはへと踊りかかっていた。
場の空気が凍る。あえてシールドを解除し、スバルとティアナの攻撃を素手で受け止めていた。いつもの彼女とは思えない程の威圧感が二人を襲った。
「どういうことかな……練習で教えてきた事と全然違う事ばかりしているし、頑張っているのは分かるけど、模擬戦は喧嘩じゃないんだよ?」
「ですが……私は、私はもう誰も失いたくないし、傷つけたくもないんです!」
「今までやってきて貰った事は、それをする為にやってきたことなんだよ? それなのに、練習と全く違うことをするんじゃ、意味なんてないと思うよ。ねぇ、私のやり方は間違っているのかな?」
更に温度が下がる。だが、ティアナは引き下がろうとしない。遠目から見ている七人も、異変に気づき始めているようだった。
「ですが、私は強くなりたいんです!」
「そ。じゃあ少し、頭を冷やそうか。」
直後、気づかぬ内に生成した魔力弾がティアナを襲った。スバルは彼女の名を叫ぶが、それに対しなのはは顔色一つ変える事は無かった。
「よく、見ておきなさい。」
スバルをバインドで捕縛すると、なのはは更にティアナに向けて砲撃を加える。スバルの絶叫がただ虚しく響く中、本日の教導は終わりを迎えた。
沈んだ表情で隊舎へと向かおうとすると、心配そうなテオがなのはに声をかけた。
「なのは……。」
「ごめんテオ君……今は誰とも話したくない。」
なのはは冷たくテオに返す。少々テオの瞳に動揺が走ったが、直ぐにいつもの調子に戻した。
「誰かに話せば楽になる事もあるんじゃないのか?」
「例えそうであっても、テオ君には相談出来ないよ。ごめん、本当に誰とも話したくないの。」
俯いたまま、なのはは隊舎へと向かって行った。テオは半ばヤケクソになりながら、もう勝手にしやがれと捨て台詞を吐き捨てた。
そしてそれを、事の顛末を聞いた博隆とそれを話したフェイトの二人が物陰から見ていた。
「これは大変なことやと思うよ。明日も教導あんのになぁ。これは大変よ。」
「博隆。」
フェイトが棘を生やしながら博隆を諌める。それに対し、半ば呆れた様に博隆は返した。
「つーか、今回の件については完全にスバルとティアナのダブル馬鹿が悪い。話は聞かせて貰ったけどなんだアレは? 馬鹿っつーかもう、バカマシマシアホオオメかっての。」
「……うん、まぁ今回は流石に擁護出来ないよ。でも……。」
悲痛な面持ちの彼女に、博隆は右手で顔を覆いながら続けた。
「二人はなのはの部下だし、なのはは二人の上司だ。これからの事に影響は間違いなく出るだろうし、テオもテオだ。あのタイミングで声を掛けるのはかなりリスキーだぞ……全く。」
「まぁ……なのはの方は私がフォローするから、博隆はテオのフォローを。」
そのまま二人も隊舎へと向かって行った。
「なのは。」
人もまばらな隊舎に戻ったフェイトは、すぐになのはに声を掛ける。案の定彼女は苦しそうな面持ちであった。
「フェイトちゃん……ごめん、今は。」
「でも……。」
そのままなのはは隊舎の奥へと走り出した。それをフェイトも追い掛ける。来ないで! という拒絶の言葉がフェイトの耳に入ったが、それでも追いかける事をやめようとはしない。
階段の辺りでなのはは急に足を止め、フェイトの方を振り返った。
「お願い……少し一人に……。」
「駄目だよ……だってなのは……とても辛そうにしてるもの。」
フェイトの瞳には、今にも涙を零しそうであったなのはが映っていた。そのまま、溜まっていた涙がほろりと零れた。
「フェイトちゃん……私……私は間違っていたのかな?」
「ううん、そんな事は無いよ。でも、スバルとティアナの気持ちも汲んであげて。失いたくなくて、誰かを守りたくて強くなろうとする事は間違いじゃないよ。」
「分かってるよ……ティアナの焦りも、スバルの想いも痛い程分かってる。でも……。」
フェイトは、微笑みながらなのはを抱き締めた。なのはの顔がすっぽりと隠れる。
「分かってる。あの事件があったから、まずは怪我をする事なく無事に帰って来る為の訓練だって、皆分かってるよ。」
「それに……それにテオ君に……酷い事言っちゃったし……。」
「大丈夫。それは博隆がフォローしてくれているから。」
腕の中のなのはの身体が不規則に震えていた。顔は見えないが、泣いているという事は分かる。後は博隆のフォローが功を奏するかが肝心であったが本当に大丈夫だろうか、変な方向に進まなければいいけどと多少は心配になるフェイトだった。
一方博隆は部隊長室へと足を進めていた。多少不機嫌そうな雰囲気だった為、誰も声をかけようとしなかった。お陰ですんなりと目的地には到達出来た。静かに部屋のドアを三度ノックし、室内へと入る。
「失礼します。」
「ん、那椎審理。どうしたん?」
現在は勤務時間内である為、流石の博隆も仕事の口調で話かける。いつもなら自ら入る事の無い部屋ーー悲しい事に主にお説教で入る事なら幾らでもあるのだがーーに珍しい来客が来た為、少しだけはやても構えていた。
「実は先程の教導の件ですが……少々隊員達のアフターケアが必要みたいでしてね。」
「ま、そうなるやろなぁ……。」
はやても少しだけ表情が曇った。
「そこでなんですが、実はこれから私とテオの休暇を申請したくてですね。」
「ええけど、結果が伴わなかったら欠勤扱いにしてええな?」
博隆の提案にはやてはすぐに表情を戻し、にこやかに答えた。それを聞いた彼は、おお神よ! あの十年前の可愛くて素直でウブなネンネのはやてちゃん(9)を返してくれよ! お願い! 何でもするから! と叫びたくなる衝動を抑えていた。なお、そんなセリフを神が聞いたら恐らく、ん? 今何でもするって言ったよね? と、無慈悲に博隆の貞操を奪う事間違いは無いだろう。
「まぁ何とかなるでしょう。と、いう事でこれから私とテオは休暇に入ります。」
「ま、ちゃんとやってくれればそれでええよ。」
そのまま博隆は敬礼し部屋を出ようとするが、ドア付近で立ち止まった。
「あぁ、はやて。俺はもう休暇に入ってるから、私人として言うけど……このガジェットの一件が終わったら何処かデートにでも行こうぜ。」
そう言われたはやては一瞬だけ顔を赤らめさせたが、すぐにいつもの調子に戻って返答した。
「はいはい。前向きに検討しとくわ。」
そのまま博隆は振り返らず、右手をひらひらとさせながら部隊長室を後にした。
いつもの本編が始まります(半ギレ)
博隆「申戦N。」
ユーノ「おは博隆。それでも今日も戦犯認定のお時間だよ。残念だけど当然だね。」
スカリエッティ「仕方ないね♂」
クロノ「まぁ今日の戦犯は……テオゼノだな。」
博隆「残当ですわ。それより音ゲーの話しようぜ。」
スカリエッティ「おう、キーマニ復活あくしろよ。ウーノが首長くして待ってるんだが。」
ユーノ「そのウーノって整髪剤みたいな名前の人は知らないけど、どれ位首を長くしてるんだい?」
クロノ「ああ、そこの淫獣と一文字違いの名前の奴なんて不幸で仕方が無いと思うが、どれ位首を長くしているかは気になる。」
スカリエッティ「キリン位長いね。あと二人は殺す。」
博隆「うるせーこのスカトロみたいな名前しやがって。」
ユーノ「ブッチッパ。」
スカリエッティ「なにこのひとたちこわい。」
クロノ「おい、これはリリカルでマジカルな魔法少女達の話だぞ。スカトロとか言ってはいけない(戒め)」
博隆「19歳で魔法少女はキツいんじゃないですかね……うっ頭が……。」
スカリエッティ「やべぇよ……やべぇよ……。」
ユーノ「あのさぁ……。」
クロノ「これで博隆は死んだ。主人公の座は僕のものになるんだ(カッツポ」
ユーノ「ミッドチルダに平和が訪れるんだね(ニッコリ)」
スカリエッティ「無事、博隆の死亡が確認された。残念だが当然。畜生らしい最後と言える。」
ちょっと原作が迷子になり始めてんよ〜。