ハイスクールD×D 真祖を受け継ぎし赤龍帝   作:夏蓮

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プロローグ

一誠side in

 

大きな湖がある。

湖畔には色とりどりの花々が咲き誇り、そこに僕は立ち景色に見とれている。

旅行の途中だけどお母さんに花を渡したくて黙ってこの場所にきたけど、そのことも忘れて見とれていた。

それからどれだけの時間が過ぎたのかわからない。

ふと気付くととなりにふわふわとした金色の髪をしていてきれいな紅色の瞳をした女の人がいた。

 

「お姉さんは誰?」

「ん?私?私はエリナよ。君は?」

 

女の人―――エリナさんは名前を言うと僕の名前を聞いてくる。

 

「……っあ、えっと、兵藤一誠…です。」

「イッセーっていうの……いい名前ね。」

 

エリナさんはそういうと微笑を浮かべながら言う。

その微笑はどこか儚げで今にも消えてしまいそうに見えて周囲の景色と相まって幻想的で僕は見惚れてしまった。

 

―――――

 

―――

 

 

「んぁ?」

 

窓から差し込んでくる日差しによって目が覚める。

なんか懐かしい夢を見たが今日も学校があるため体質からくる日差しによるだるさを我慢しつつ起き上がる。

 

むにゅ

 

「ぅぅん…」

「あ?」

 

起き上がろうとすると右腕に柔らかい感触を感じるとともに引っぱられる。

同時に同じほうから声が聞こえ一瞬呆けるも、いつものことかと思い直して声をあげた人物を起こす。

 

「おい、起きろ。黒歌。」

「んにゃ?」

 

体を掛け布団の上から数回揺するとまだ寝ぼけているのか猫耳や尻尾を揺らしぼーっとしながら見つめてくる女の子―――黒歌。

そんな彼女の様子に苦笑しながらも声を掛ける。

 

「おはよう、黒歌。たくよ、俺の布団に入ってこずにたまには自分の部屋で寝ろよな。」

「おはようにゃ、イッセー。でもイッセーは温かいから一緒に寝たほうが気持ちいにゃ。」

「そんなもんかねぇ?」

「そんなもんにゃ。」

 

俺のぼやきに当然と言った様子で断言する黒歌をとりあえず引きはがす。

そんな俺に不満げに文句を言ってくる黒歌を放置して着替え始める。

 

「ちょっとくらい反応してくれても……ってにゃ、にゃに人の…乙女の前で平然と着替えてるんだにゃ!?」

「…は?乙女?」

「そこ!?普通そこに疑問を持つ!?それにどこからどう見ても私は乙女でしょ!!」

「いやいや、普段のお前の行動を思い返してから言え。」

 

着物をはだけた状態で着るし、風呂上りはバスタオルを巻いただけ、挙げ句には平然と俺の布団に入ってくる。

こんな行動ばかり繰り返すこいつを乙女扱いとか今更できるか。

 

「まぁそんなことは置いといてもうすぐで母さんが朝食を作り終える頃合いだからお前もさっさと着替えてこい。」

「うぅ……そうするにゃ…」

 

黒歌が出て行ったのを確認してから着替えを再開する。

制服に着替えを終えたらリビングに向かう。

 

「あら、おはようイッセー、ドライグさん。もう朝ごはんできてるから早く食べなさい。」

「おはよう母さん。そうさせてもらうよ。」

『ああおはよう。それと相棒、今日は少し寝坊しているから遅れないように気を付けろよ。』

「ちょっ、それならそうと早く言ってよ!」

 

リビングに入るとこちらに気付いた母さんが俺達に挨拶をしてきたので挨拶をし返す。

それと同時に左腕からドライグも返事をするとともにせかしてくる。

時間を確認するとドライグの言った通りだったので急いで食べて家を出る。

 

「にゃ?もう行くのかにゃ?」

「ああ、行って来まーす!」

「イッセー、車に気を付けてね。」

 

その声を背に吸血鬼の力をフルに使って学校に向かって走り出した。

 

 

―――――――――――――――

 

 

「なんとか…間に合った……。」

『全く…。少したるんでるんじゃないか?相棒。』

「うるせぇよ、ドライグ。」

 

なんとか無事学校につくことができたのでドライグと話しながら教室に向かう。

まったく、こちとらばりばりの夜行性だから朝はゆっくりさせてくれ。

 

『別に相棒がそれでいいならいいがここにいる悪魔共にかんずかれないようにするためにはさっきのような目立つ行動はしないほうがいいだろ?』

「そうだけどよ。」

 

ドライグの言うとおり俺の通う学校―――駒王学園には何人もの悪魔がおり、駒王町も悪魔の縄張りだ。

故に俺のように神器(セイクリッド・ギア)を持っている者や吸血鬼といったような存在はすぐに目を付けられる。

俺は関わり合いになりたくないのでなるべく接触しないようにしているのだが……

 

『相棒。今日も来たぞ。』

「はぁ…」

「…おはようございます。イッセー先輩。」

「……おはよう。小猫ちゃん。」

 

この娘の名前は塔城小猫。本名を白音。

この学園にいる悪魔の一人で黒歌の実の妹だ。

学園のマスコットと呼ばれていて人気がある。

昔黒歌の言っていた妹がこんな所にいるのには驚いたが悪魔側にあまり接触したくないのに俺にやたらと絡んでくるから困る。

 

「ねぇねぇ!兵藤君と小猫ちゃんが一緒にいるわよ!」

「やっぱりあの二人が一緒だということは…」

「兵藤君ねらってたんだけどな~でも小猫ちゃんだし…。」

「イケメン死ね!俺達のマスコットに手を出しやがって!!」

「兵藤きゅん×木場きゅん…。」

 

周りからの視線も、特に男子の嫉妬の視線が徐々に戦闘時と同じぐらい殺気立っている視線に変わっていくのが少し怖いし女子も誤解しているし…。

と言うか最後のやつはなにを言っているんだ!!

少し背筋に悪寒が走ったので急いでこの場を離れることにする。

 

「もう少しで授業も始まるからじゃあね。」

「……わかりました。ではまた今度。」

 

小猫ちゃんと別れたらいそいで教室に向かう。

教室の扉を開けると二人の男子が殴りかかってくる。

 

「「死ねぇぇぇ!!イッセェェェェェェェェ!!」」

「はぁ…だりゃ!」

「「ひでぶ!!」」

 

その二人の男子―――松田と元浜を蹴り倒す。

この二人は「変態二人組」と呼ばれていて覗きの常習犯で教室にエロ本を持ってきたりもしており大半の女子に嫌われている。

松田はスポーツ万能だが女子のあられもない姿を撮るためだけに使う変態であだ名は『セクハラパパラッチ』。

元浜はメガネを通して女子のスリーサイズを知ることができる変態であだ名は『スリーサイズスカウター』。あとロリコン。

この二人とは中学の頃からの付き合いだが、このエロさえなければいいやつなんだがなぁ。

そんなことを考えているともう復活したのか二人は起き上がり文句を言ってくる。

 

「痛いだろうがイッセー!!」

「お前らが殴りかかってくるからだろ。」

「うるせえ!俺達のアイドル小猫たんと話すなんて!」

「モテモテのイケメンが!羨ましいんだよ!」

 

そこからは自分たちがモテないことへの愚痴を言ってくるがさすがにうるさいからもう一度殴って黙らしてから授業の準備を進めた。

 

 

―――――――――――――――

 

 

「え、え~と、兵藤一誠君ですよね?」

 

時間が経って放課後、帰ろうとすると一人の女の子に話し掛けられた。

 

「そうだけど?」

「私、天野夕麻といいます。そ、それで、あの………。」

「……とりあえず話すなら近くに公園があるからそこでもいい?」

「あ、はい。」

 

天野夕麻と名乗った女の子の返事を聞いてから公園に向けて移動する。

その道中で俺はドライグに確認のために話しかける。

 

(ドライグ、こいつは)

『ああ、相棒の考えているとおりだ。』

(やっぱり堕天使か。だけどここは悪魔が支配してる土地だろ?なのにこんな事をするということは)

『十中八九相棒の神器(セイクリッド・ギア)狙いだろうな。』

(だよな。ま、敵対してくるなら返り討ちにするだけだが。)

 

確認を終えると同時に公園につく。

 

「それで?俺になんかよう?」

「私と付き合ってください!!」

 

天野はそう言うと頭を下げてくる。

これで本人は隠しているつもりなのかもしれないが俺やドライグからしたら殺気がダダ漏れになっているのが容易に感じ取れる。

こんなやつのやることに度々付き合ってやる義理もないしな。

 

「断る。正体を隠した堕天使の戯れ言なんかに付き合ってられるか。」

「!?……ふふふ、気づいてたの。なら死になさい!!」

 

正体を当てると堕天使は鴉のような翼をだして飛び、それと同時に光の槍を作り投げてくる。

わざわざ当たる必要もないから変身能力を使い体を霧にしてかわす。

 

「なっ!?消えた!?」

 

霧化したことで俺を見失った堕天使が動揺して隙ができる。

そこを狙って堕天使の後ろで実体化し、魔力で作った槍を投げつける。

 

「余所見は厳禁ってね!」

「後ろ!?ぐぅ!!」

 

堕天使は避けようとするも魔力の槍に片腕を持っていかれて顔が苦痛に歪んでいる。

 

「おいおい、この程度かよ。」

『所詮は下級。相棒の敵ではないということさ。』

「人間風情が調子に!!」

「そんな俺にやられるお前はいったい何なんだろうな?トドメだ。」

 

堕天使が話している途中だが再度魔力の槍を投げつけようとする。

が、それはかなわなかった。

投擲の構えに入ると突然近くに魔法陣が出現して、それに気を取られた隙に堕天使に逃げられてしまった。

 

「あ~あ逃げられた。」

『ま、あれぐらいのやつならいつでも殺せるだろう?』

「そうだけど……はぁ、やっぱり今日は厄日だなぁ…。」

 

魔法陣から出てきたグレモリー先輩を見ながらそんなことをぼやいた。

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