一誠side in
「これはあなたがやったのかしら?」
魔法陣から出てきたグレモリー先輩は公園の惨状(魔力の槍を持った俺や堕天使の血に切り裂かれた腕)を見て聞いてくる。
はぁ…これまで隠してきた努力があの鴉のせいで全部水の泡に……
『まあしょうがないさ。俺達ドラゴンのように強い力を持つものは厄介事を引き寄せるからな。それに白いのも目覚めているのならばれるのも時間の問題だしな。割り切るしかないさ。』
そうだけどよぉ…できるだけ平穏に暮らしたいんだよ俺は…
ドライグの言葉に愚痴を返しながらグレモリー先輩に返事をする。
「ええまあそうです。」
「…あなた、一体何者なの?話してくれるかしら?」
口では疑問系だが目は警戒しているが自分が上だと思って命令しているような感じの目だ。
なんで悪魔も堕天使も別の種族だと見下すのかなぁ
そんな不快な視線を無視しつつ答える。
「もう遅いので明日でもいいですか?」
「まぁいいわ。放課後に使いをだすわ。」
グレモリー先輩が言い終わると同時に転移用の魔法陣を展開して家に転移した。
一誠side out
リアスside in
「……本当に何者なの?あの子は。」
転移した男の子の事を考える。
いつものように部室にいると大きな魔力を感じたから転移して見れば目の前の惨状があった。
状況からあの男の子がやったのでしょうけれどどんな事情があろうと私たちの敵になるのならば消し飛ばすだけ。
……けどあれ程の力があるのならば欲しいわね。そうすれば
そんな事を考えながら惨状を片付けて部室に転移した。
リアスside out
一誠side in
家に帰り何があったのか家族に言ってから時間が経って翌日の放課後。
誰が使いかわからない状態で待つこと数分、教室の扉を開き一人の男子生徒―――木場祐斗が近づいてくる。
「えーと、兵藤君だよね?部長から聞いてると思うけど…。」
「ということはお前が例の使いか?」
「そうだよ。じゃあ案内するからついてきて。」
「わかった。」
木場について廊下に出ると周りの女子生徒が騒ぎ出す。
「キャーーーーー!!見てみて木場君と兵藤君よ!」
「一度に二人も同時にイケメンを見れるなんて!!」
「キタアァァァァァ!!!!」
「木場きゅん×兵藤きゅん!!」
「何言ってるのよ! ここは兵藤きゅん×木場きゅんよ!!」
「いやいや、ここは~」
……………………………。
途中から腐女子の会話のようなものが聞こえた気がするが気のせいだ、気のせい…。
目的の場所につくまで俺は心を無にして周りの声を聞かないようにする。
そして死んだ魚のような目をして木場のあとを追った。
――――――――――
校舎を出て少し歩いたところにある旧校舎の中の一室―――オカルト研究部、通称オカ研の部室の前に来ていた。
「ここが僕達の部室だよ。部長、連れてきました。」
「入ってちょうだい。」
部屋の中を見ると至る所にろうそくが置かれ、壁や床、天井にまで様々な魔法陣が描かれている。
そんな悪趣味な部屋に少し引く。
いくら悪魔のいる部屋だからってさすがにこれはないだろ。
そう思いながら席に座ると小猫ちゃんが驚いたように目を見開きながらこちらを見てきた。
「……イッセー先輩?」
「おじゃまするよ小猫ちゃん。」
シャー
水音が聞こえてくる。
なんだ?何でこんな所で水音が?
周りを見渡すとシャワーカーテンがあり誰かがシャワーを浴びていた。
てか、何でこんな所にシャワーがあるの?
その疑問に頭をかしげていると大和撫子といった感じのする女子―――姫島朱乃先輩がシャワーカーテンの向こう側に声を掛ける。
「部長、これを。」
「ありがとう、朱乃。」
その後グレモリー先輩が出てきて俺の前の席に座る。
「ごめんなさいね。いろいろあってお風呂に入れなかったものだから。」
「別に構いませんよ。」
「全員そろったようね。」
グレモリー先輩が全員がいるのを確認はしたあと俺の方に視線を向ける。
「私達オカルト研究部は貴方を歓迎するわ。
悪魔としてね。」
バサッ
グレモリー先輩がそういうと同時に悪魔の蝙蝠に似た翼をひろげるも…
「……………………。」
既に知ってることなので特に反応することなくスルーする。
そんな俺にグレモリー先輩は少し困惑しながら続ける。
「……もうちょっと反応してくれてもいいんじゃないかしら?」
「いえ、知っていることなのでどう反応しろと?そんなことより続けてください。」
「……そうね。朱乃。」
「はい。部長。」
グレモリー先輩が姫島先輩に指示を出すと姫島先輩が離れていき、数分後お茶入れと共に戻ってきた。
「粗茶です」
「どうも。」
お茶を受け取り飲む。
「美味しいです。」
「あらあら、お口に合って何よりですわ。」
俺の感想を聞いて嬉しそうに笑う姫島先輩。
飲み終わるとグレモリー先輩が続きを話し始める。
「それで兵藤君……いえイッセーって呼ばせてもらうわね。あなたは知ってると言っていたけどどこまで知ってるの?どこで知ったの?」
(これはもう素直に言ったほうがいいよな?)
『そうだな。人間諦めが肝心だとよく言うだろう?』
「(はぁ…確かにな。)だいたいのことは知っています。あと知っているのはこいつに教えてもらったからです。」
そう言いながら
そのことに驚くオカ研一同。
その中でもこの籠手の正体を見抜いたグレモリー先輩はその驚きのあまり立ち上がる。
「それってまさか!?」
「ええ、そうです。これは
『赤龍帝のドライグだ。よろしく頼むぞグレモリーの娘よ。』
しばらく呆然としていたが何を思ったのか欲を秘めた目をしてこちらを見ながら座り直すグレモリー先輩。
「ねぇイッセー。あなた私の眷属に
「お断りします。」
…!?」
グレモリー先輩の提案を被せる形で断る。
正直言って前に黒歌から
悪魔になって永遠に近い寿命を得ることができるというが俺は真祖故に文字通り不老不死で永遠に生き続けるし、駒による補正効果にも興味がない。
それに縛られて生きるほどつまらないものもないしな。
「……なぜか聞いてもいいかしら?」
グレモリー先輩は断られたからか被せられたからかはわからないが不満に聞いてくる。
「まずメリットが無いからですね。名誉や権力なんて物には興味がありませんし、永遠に近い寿命も既に持ってるのでいりません。それどころか聖なる物に対する弱点の強化というデメリットしかありません。それが理由です。そもそもグレモリー先輩じゃ俺を転生させるなんて不可能です。転生させるなら超越者と呼ばれる魔王の女王の
俺の言いぐさにプライドを刺激されたのか眉をひそめそのわけを聞いてくる。
「よくそんなことが言えるわね。なぜそんなことが言えるのか聞いても?」
「………まあいいか。俺は吸血鬼だ。それもただの吸血鬼じゃない。吸血鬼の中の吸血鬼にして全ての祖と言われている者の一人、真祖の吸血鬼だ。」
「しっ真祖の吸血鬼ですって!?でもあなたは赤龍帝でしょ!?真祖の吸血鬼なら
グレモリー先輩は話が矛盾していることから大声を上げて否定する。
他のオカ研の部員も懐疑的な視線を向けてくる。
まあ確かに俺みたいな体験なんて普通しないから否定したり疑うことも理解できる。
だけど実際に起こってしまったことだから仕方ないんだよなぁ。
そんなことを考え苦笑しながら説明する。
「まあ真祖っていってもニ代目だけどな。」
「二代目?」
それからは昔あったことを話す。
昔エリナと名乗った真祖の吸血鬼にであったこと。
エリナが死にたがっていたこと。
ドライグが宿っていることで将来起こるであろう厄介事に対処できるようにと力など全てを受け継いだこと。
それでもグレモリー先輩達は疑っていたがドライグの説得でなんとか納得してくれた。
「……にわかに信じがたいことだけどいいわ。けれどせめて部員にはなってもらうわよ。」
「わかりました。けれど悪魔勢力には入らないですよ。一応中立なので。」
「わかったわ。それでは改めて自己紹介をしましょう。」
グレモリー先輩が言うと他の人達が順に自己紹介をする。
「僕は木場祐斗。悪魔だよ。」
「……塔城小猫、悪魔です。」
「あらあら、うふふ……姫島朱乃。悪魔ですわ。」
「そしてリアス・グレモリー。……グレモリー眷属の『王』で悪魔よ。仲良くしましょう、イッセー?」
「ええそうですね。改めて真祖の吸血鬼にして今代の赤龍帝の兵藤一誠。よろしくお願いしますね、部長様?」
このときからこれまで避けてきた裏の世界に本格的に足を踏み入れることになった。
設定に黒歌を追加して更新しておきました。