猫又さんの異世界旅   作:猫と竜が好き

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『よーし、それじゃあ称号について説明するよー。ちゃんと聞いてねー』

 

 言うことは言ったとばかりに称号の説明に入ったシルフィ。とりあえず話に水を差さずに聞くことにする。

 

『称号っいうのは、なんか知らないけど渡されるその者を表す言葉だよ。一応持ってたらなんらかの効果があったりなかったりだねー。でさ、君の持ってる称号は【異世界へ渡った者】だ。これはさ、

 元の世界とは異なる世界へ渡った者(・・・・・・・・・・・・・・・・)へと渡される称号なんだ。つまり、君は別の世界へ渡ったんだよ。似たような称号があるけど、まあ、こっちは君には関係ないかな。せいぜい、同じようにさっきの儀礼的な言葉を言われるだけ』

 

 そう説明されて、完全にわかったわけではない。なんだか含みがあるような言い方をされたが、まず私にとって重要なのは別の世界から渡って来たということだ。

 

「……称号のことはわかった。けど、別の世界ってどういうことだ」

 

『そのまま。いくつもある箱のような板のような世界。一皮剥けば世界の狭間、もう一皮剥けばそこは異世界。その狭間を乗り越えて君はこの世界に来た。偶然かはたまた必然か。まあ、来れたんだから縁はあったんだろうね。ただそれだけさ。どうせ、なんか偶発的なことでも起こらないと世界を越えるなんて出来ないし、こっちに慣れて楽しんだ方が良いよ。教えられることなら僕も教えるし』

 

「……」

 

 もう戻れないと考えた方が良いということはわかった。

 前の世界のことを考える。一応長く生きた。野良友達がどんどん死んでいく中、自分は小さなころに人間に拾われて共暮らしをすることになって。でも、この世ならざるものになったことで出ていくことを決めた。行く先もこれからどうするも考えてなかった。ただ、好きに生きようとだけ考えていた。なら、これからどうするか決まっているのではないか?

 

「……シルフィ、私は決めたよ」

 

『お? どうするか決めたの?』

 

「ああ、決めた。むしろ、決まっていた。どうせ元の世界でも、ただ好きに気の向くままに生きようと思っていた。今更世界が変わった程度でこの方針は変える必要は無い。気の向くままに、ただそれだけだ」

 

 元の世界とは違う知らない世界。それは魅力だ。ある程度知っている元の世界よりも、ずっと魅力的だ。

 私はそう考えていると、聞いていたシルフィはなんだか含みを持たせた笑顔で、だが嬉しそうに口を開く。

 

『ふふっ、そっかー。うん、なら僕も教えられるだけ教えようか。この世界のことを。あと、必要なスキルも教えてあげる。君は面白い。多少の手助け程度、見逃されるさ』

 

 

 

 

 そうして、私はシルフィに教えられてこの世界で必要なことを学び、体得し、シルフィに見送られてこの世界へ旅立った。




おまけ
「シルフィ、私は精霊では無かったはずなんだが、なぜ種族は精霊になっているんだ?」

『んー? それはさ、向こうの世界では君は普通の猫として定義(・・)されてたんだろうけど、世界変われば定義も変わる。理由なんてそんなものだよ。』

「そんなものなのか」

『うん、そんなもの』



______
見てる人はいらっしゃるのかな……?とりあえず、これで序章は終わりです。主人公の猫又シオンは旅立っていきます。
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